2025年の京都移住計画は、慌ただしくも楽しい時間が流れていきました。
数字だけでは語りきれない、手応えや迷い、印象に残った企画。編集部メンバー3人が集まり、京都移住計画の1年を振り返りました。
特集から振り返る、今年の手応え
これを読めば、2025年の京都移住計画がだいたいわかる。そんな記事にしたいですね。まずは何から振り返りましょう?
印象的な記事のことから話しましょうか。個人的に一番大きかったのは、「暮らしランプ」さんの特集をスタートできたことですね。
今年公開された2本の記事、どちらも取材に行かせていただきました。そもそも、どういう流れで特集ページをつくることになったんでしたっけ?
暮らしランプさんは、活動の初期から、勝手に応援し続けてきた団体なんです。今年は色々な変化が重なるタイミングでもあり、取り組みの全体像がわかる特集ページがあったら良いね、という話になりました。
自分たちだけで発信しようとすると、内容が偏ったり、言葉選びに迷ったりすることも多いと思います。だからこそ、私たちのような外部の視点で紹介することに意味があるのかなと。

求職者の方だけじゃなくて、もっとたくさんの人たちに届く記事ができたという実感がありました。
求人のタイミングで記事を出す企業や団体は多いけれど、それ以外でも「いま、これを伝えたい」と思うときはありますよね。特集ページがあると、そういう声も拾いやすくなるのかな。
京都リサーチパークさんや、ゆう薬局さんも、継続して特集しています。みんな分野は違うけれど、人と人、場をつなぐという意味では仲間だと思っています。
キャリアブレイクの特集も人気ですし、まだ記事数は多くないですが「京都進出計画」も始まりました。来年も特集には力を入れていきたいですね。
季節とともに重ねた、書くこと・集まること
山際くんはWEBサイトへの入稿を担当しているから、すべての記事に目を通していると思うけれど、1年を振り返ってどうでしたか?
記事数で言うと、今年は150本ほどが公開されました。去年と比べると、「京都を巡る」シリーズは少なめで、「かもラジオ」や「かもかもノート」に分散した印象です。
去年の4月から連載を始めた二十四節気のコラムも、今年1月で最終回を迎えました。

鴨川デルタでお花見をしたとき、「近くに住んでいるから」と初めて参加してくれた方が多かったんです。だから今年は「インディアンレストラン・ティラガ」で夏至カレーを食べたり、新風館の「DIG THE LINE BOTTLE & BAR」で忘年会をしたりと、自分たちの拠点から外に飛び出していくことを意識しました。
私は大阪に住んでいるので、イベントに行ける機会が少なくて。今年1月から始まった「京都移住夜会」は、6月に大阪で開催してくれたので、初めて参加することができました。
手渡せる、”かたち”をつくる
昨年からプロ野球ファンの交流会を共催したり、趣味でつながるイベントも増えてきました。出会う人たちに「WEBサイトを見てね」と伝えるだけだと寂しくて。その場で活動を伝えられるグッズを、今年は一生懸命つくりました。
4月に思い立ってつくったのが「かもかも新聞」ですね。3号までは、オフィスのある「町家 学びテラス・西陣」のプリンターで印刷しているから、今見ると手づくり感や頑張りが伝わってきます(笑)。そこから毎月発行してきて、どんどん育ってきた感じも分かりますね。

4月上旬に話が出て、中旬にテキストを書き、なんとか4月末に発行したんだよね。ある日突然、「新聞をデザインして」って言われた山際くん、大変だったね(笑)。私の思いつきを、2人が形にしてくれることで、この編集部は成り立っています。
かもかも新聞やSNSまわりのデザインをはじめ、記事の入稿作業や、かもラジオの収録など、たくさん担当させていただきました。ちゃんと僕がやりたくてやっているので、大丈夫です(笑)。インターンも募集しているので、これから学生たちも巻き込めると、新しい視点が入ってきて面白いんじゃないかなと思います。
山際くんのサポートも必要だしね(笑)。映像の配信とか、得意なことを活かせる関わり方はたくさんありそうです。
数字だけでは、見えない成果
そういえば今年の春、北川さんから活動について相談を受けました。「居・職・住」の情報を、誰にどうやって伝えるのか。その整理に取り組めたのも、今年の成果なのかなと思います。
そうだね。WEBサイトをリニューアルして、もうすぐ3年になるのかな。そのときに掲げたのが「移り住む先の暮らしをつくるコミュニティメディア」という言葉でした。オンラインで一方的に情報を届けるだけじゃなく、個人も法人も想いを共有する京都の仲間同士、みんなで関係性を育てていくような双方向なメディアでありたい、という決意があって。
当時、制作チームの皆さんと、制作プロセスを振り返る記事もつくりましたね。
京都移住計画が立ち上げのときからずっと大切にしていたのは、リアルな接点を持つこと。閲覧数や反応を追いかけること自体は大事なんだけれど、それだけだと「この人はどんな思いで移住を考えているんだろう」とか、一人ひとりの顔が見えにくくなってしまう。
コロナ禍の影響で、どうしても情報発信が中心になってしまった時期もあったけれど、最近は改めて原点に立ち戻って、顔の見える関係づくりに力を入れています。京都移住夜会を始めたり、新聞やグッズをつくったりしているのも、その延長線ですね。
活動の成果が出ているのかを考えたとき、どうしても「数字が伸びていないから、何とかしよう」という話に引っ張られがちです。そうじゃなくて、記事やイベント、人との出会いを、ひとつの循環としてつなげられたら、という話になったんですよね。

かもかも新聞のようにイベントで手渡せるものがあることで、「この人に会ってみたい」「京都で暮らしてみたい」という気持ちにつながり、次は記事でその人を紹介する……そんな流れができたら良いなと思っています。
イベントに何回も来てくれる人や、紹介した物件で楽しく暮らし続けてくれている人など、話を聞きたい人はたくさんいます。ちゃんと種まきはできていると思うから、「京都を巡る」でも紹介していきたいな。
よかった。大事なことを、ちゃんと振り返る時間になりましたね。
声で届ける京都
11月にリニューアルした「かもラジオ」についても、もう少し話したいです。2023年11月からスタートして、毎月1回くらいのペースで更新してきました。
これまでは移住者をゲストに収録することが多かったんですが、リニューアル後は運営メンバーが京都の面白い店を紹介する回や、移住のお悩み相談回など、「鴨川でゆっくりしたい」というコンセプトはそのままに幅を持たせています。
配信時間も、半分くらいにしたよね。これまでは30〜40分あったから、散歩しながら聞き終えられるくらいが良いなと。
リニューアル前ですが、怪談師のでんがみさんを迎えた回も印象深いです。ラジオでプチ怪談を収録し、実際の怪談イベントにつなげたんですが、イベント参加者の方が「ラジオを聴いて来ました」と言ってくれたのが、すごく嬉しかったです。
記事だと文字数の制限もあって書ききれない部分があるけれど、ラジオは人となりまで伝えられるメディアだと思います。そこを大事にしているのが、ちゃんと伝わってきます。

私たち、誰かを紹介するのは得意なんだけれど、自分たちのことはほとんど話してこなかったんですよね。物件はこの人が紹介してくれるんだとか、キャリアの相談はこんな人が受けてくれるんだとか、メンバーのこともちゃんと発信しないとという課題があって。
編集部の裏側を伝える「かもかもノート」もありますね。どこから見られるのか明らかにしていないし、どれくらい読まれているのかも分からないんですけれど(笑)。ぜひ見つけて、読んでいただけたら嬉しいです。

続けることで、見えてくる景色
かもかも新聞では、移住者の声や鴨川のエピソードを投稿してもらっていますが、来年はそれを冊子にまとめてみたいと思っています。ちなみに山際くん、冊子のデザインってできる……?
がんばります(笑)。京都移住計画では「かもかも新聞」や「かもラジオ」など、結構「鴨」を推していますが、来年はもっと展開していきたいなと思っています。かもかもフェスをやったり、鴨のグッズをつくったり。それに鴨川にはたくさん生き物がいるので、色々フォーカスしても面白いかも。姉妹号として「さぎさぎ新聞」を発行したりとか。
名前がちょっと怪しいな(笑)。新聞で思い出したんですけれど、先日ゆう薬局さんを取材したとき、「ゆう薬局通信」という広報誌を、何年分も丁寧にファイリングしているのを見せてもらったんです。「2年前はこんなことやっていたな」と、みんなで懐かしそうに見返していて。つくった直後に見てもらうのもいいけれど、積み重ねていくことで、後から振り返る価値が生まれるんだなと感じました。だからこそ、コツコツ続けていくのが大事だなと思っています。
そうやって続けてきたものが、誰かの最初のきっかけになるのかな。深くて専門的なコミュニティやメディアは京都にたくさんありますよね。でも、移住したばかりの人にとっては、どこに行けばいいのか分からなかったり、少しハードルが高かったりする。だからこそ、ちょっとだけ勇気を出せば入れる、オープンな入り口が必要だと思っていて。京都移住計画は、きっとその役割を担えると思っています。
「誰でもどうぞ」と歓迎できる場があれば、そこから誰かとつながって、次の一歩に進めるかもしれない。そういう入り口をつくり続けることが、私たちに求められているところなんじゃないかな。

京都移住計画が大切にしてきたのは、情報よりも、人とのつながり。2025年は、そのことをあらためて実感する一年でした。
新聞を手渡し、ラジオで声を届け、まちの中で場をひらく。こうして京都移住計画を知り、ファンになってくれた人が、京都での暮らしを楽しんでくれたら、私たちにとって何より嬉しいです。
2025年、ありがとうございました。
2026年も、京都移住計画をよろしくお願いします!
聞き手・執筆・撮影:小黒 恵太朗
編集:編集部



