京都移住計画では、一般社団法人キャリアブレイク研究所とともに京都でキャリアブレイクを経験した方のエッセイをお届けしています。
それぞれのキャリアブレイク経験談を紐解くと、日常から少し離れて過ごす中で、これからを考えるヒントが見つかるかもしれないことが分かりました。
「これからのキャリアにもやもやしている」
「少し立ち止まってこれからを考えたい」
そんな思いを持った方と一緒に、キャリアのもやもやをほぐす1泊2日のプログラム「POP IN to kyoto」を行いました。
非日常な場所で自分を解放する
お天気に恵まれた11月9日(土)、岡崎エリアにある金戒光明寺の塔頭の一つ「光安寺」で1日目のプログラムを開催しました。
転職活動中、キャリアブレイク中の方など、さまざまなバックグラウンドを持った参加者がお寺へ集合。関東圏からお越しになる方もちらほら。
まずは、縁側に出てのんびりしたり、屏風を眺めてみたり。それぞれが落ち着く時間を過ごした後、折り紙を使って自分を表す「自己紹介ワーク」を行いました。
「細かな作業が好きだし、決められた形をつくることも好き。だから鶴にしました」
「私は人のために動く性格。でも傷つきやすいから、ハートに折って涙マークも描きました」
選ぶ色も形も人それぞれ。思うままに自分を表現しました。
長い歴史と文化に触れ、視点を遠くへ
お互いを知り合った後は、光安寺の住職・杉山さんとの対話の時間に。
「幸せになるにはどうしたらいいのでしょうか?」
「人と比較してしまって辛い気持ちになることがあります」
参加者の働き方や生き方への悩みを、1つ1つ優しく、丁寧にお応えいただきました。お話を聴く中で、自分の中での凝り固まりや不安が解け、思わず涙する方もいました。
続いては、光安寺がある「金戒光明寺」の拝観へ。
普段は上がることができない山門から京都市内を見渡したり、新撰組に縁がある場所を見学したり、自然や歴史を満喫しました。
1日目の最後は、キャリアブレイクを経験した大下真実さんを囲みながら、実体験を聞きました。
キャリアブレイクをしたきっかけや期間中の過ごし方、仕事に戻るまでの軌跡、そしてつらさや不安など本音を話してもらいました。
「キャリアブレイクをした時の周囲の反応は?」「貯金はいくら貯めたの?」と参加者から気になるあれこれも質問。一つひとつ丁寧に答えてもらいました。
プログラム1日目はこちらで終了。
京都の長い歴史や文化、自然を感じながら、実生活との接続を意識するような時間となりました。
自分と深く向き合う、見つめる
快晴の2日目は、西陣にある町家学びテラス・西陣で開催。
感性を大切に過ごした1日目とは異なり、さまざまな問いと向き合い、深く内省する時間となりました。
京都で過ごした時間や今までの人生を振り返りながら、自分にとっての居心地の良さを見つけ、自分ならではの「らしさ」を見つけるワークに取り組みました。
書き出したものを見つめてみたり、より深く考えてみたり。和室や庭など、それぞれの居心地の良い場所で、思い思いに内省の時間を過ごしました。
また、自分と向き合って見えたキーワードをさらに深め広げるための「タニモク」ワークを行いました。
1人だけでは見えないキーワードや解決策を、仲間の力を借りながら一緒に見つけることで「自分のフィルターが少し外れた」「ならではの特徴を教えてもらえた」とさまざまな発見がありました。
最後に、それぞれが見つけた、これからのキャリアを描く「最初の一歩」を共有し、褒め合い、2日目は終了しました。
プログラムを終え、参加者からは「明日退職交渉してきます!」「自分が取り組んでいるものが何で構成されているのか、何を大事にしたいのか指針が見えました」「否定されない場所だったからこそ、自分の本当の感情が開示できた」と次の一歩に繋がる言葉をもらいました。
キャリアのもやもやが晴れるタイミングは人それぞれ。
場所を変えることで見つかる人もいれば、出会う人が変わることで見つかる人もいる。
さまざまな人との出会いも、歴史も、文化も、自然も持っている京都には、もやもやを晴らす何かがあるかもしれません。
あなたも京都で人生の寄り道をしてみませんか。
お知らせ
京都で働くことについて、もやもやを抱える20代・30代の方に向けて、京都移住計画ではキャリアについて、一対一でゆるっと相談できる「キャリアミーティング」を行っています。
今までに多くの方にご利用いただき、京都移住や転職の事例も生まれました。また、「面談を通じて、自分が気づけなかった強みや特徴を見つけられた」「さまざまな選択肢を提示してもらい、次のアクションが分かった」といった声もいただきました。
転職エージェントやナビサイトには載っていない、それぞれに合わせた理想の働き方や生き方を見つけませんか。
執筆:中村 千波
編集・撮影:北川 由依