2024.05.13

京都丹後の産地を味わい、ひと・ことのつながりを紡ぐ〜京都ローカルフェス1日目〜

一般的に「京都」といえば、金閣寺や八坂神社などを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、数時間車を走らせれば京都市とはガラリと変わって、山と海に囲まれた風景に。そして、丹後ちりめんという伝統な織物を受け継いで活動する人たちや、現代アートの手法を用いて作品を作る人など、新旧が混ざり合った“ここだけ”の出会いがあります。

そんな京都北部の丹後地域(宮津市、伊根町、与謝野町、京丹後市からなる地域)では、ここ数年で移住者が増加。「事業」という形で新しい魅力を創造したり、人々を繋いで地域を盛り上げようとする人たちがいます。

京都に興味関心のある人たちが、京都と多様な形で関係を紡げるよう、2024年3月1日〜2日に「京都ローカルフェス in TOKYO」を開催しました。京都ローカルフェスは、2021年に大阪で第一回、2022年に京都で第二回、そして今回が第三回の開催となります。

本記事では、学生が経営する47都道府県地域産品セレクトショップとカフェを運営する『アナザー・ジャパン』にて行われた1日目の様子をお届けします。

丹後地域のものづくりを通じて、つながりを見つける

京都ローカルフェスの1日目は、アナザー・ジャパンの企画展、アナザー・キンキの「京都北部特集」とのコラボデーとして開催しました。

アナザー・ジャパンは、学生が経営する47都道府県地域産品のセレクトショップです。特集する地域が2ヶ月ごとに設定されており、それに伴い店内に陳列する商品もかわります。2024年2月7日〜3月31日は「アナザー・キンキ」と題して、近畿地方を特集。その中でも2月28日〜3月10日は京都特集として「銭湯文化で絡む京都北部」を開催していました。

本企画を担当したのは、京都の大学を休学し、アナザー・ジャパンのセトラー(プロジェクトに参加する学生の呼称)として働く吉田彩乃さん。セレクトショップには、吉田さんの京都北部愛と銭湯文化愛をたっぷりと伝えるため、こだわりぬいた商品や銭湯文化を伝えるボードが並んでいました。

1日目のお昼は、アナザー・キンキ展「京都北部特集」を巡る、店内ミニツアーを実施しました。生産者のストーリーや京都のものづくり、地域のおもしろさなどを吉田さんが参加者に直接説明。気に入った商品を購入したり、気になった地域を調べたりする参加者の姿が見られました。

また、ツアー後は、併設するカフェ「KITASANDO Kissa」でのんびりと話をする人たちや、互いの仕事について意見交換する人もいました。

なかには、京都移住計画が始まった10年以上前に知り合った人たちも遊びに来てくれ、懐かしい再会を楽しむ時間にもなりました。お忙しい中、来ていただいたみなさん、ありがとうございます!

丹後のもの・ことを人を通じて知る

夜の部に開催した『丹後の「ひと・こと・ものづくり」とつながる交流会』では、アナザー・ジャパン 吉田さんと、丹後エリアで「ひと・もの・こと」を活かしたプロジェクトを仕掛ける3名のコーディネーターよるトークセッションを実施しました。

吉田 彩乃さん

アナザー・ジャパン
2002年生まれ、神奈川県川崎市出身。現在は同志社大学3年を休学してアナザー・ジャパンに 参加。京都での生活の中で北部の魚のおいしさや自然豊かな風景が引っ越す前と大きなギャップで大好きに!銭湯も大好きで今回は京都北部×銭湯を特集

左から高橋 友樹さん、吉崎 秋音さん、小林 朝子さん

高橋 友樹さん

ローカルフラッグ(与謝野町)
神奈川県川崎市出身。現在はローカルフラッグで移住定住の窓口や地域の新入社員研修を企画運営する傍ら、自宅の1階をDIYで改装し、鍼灸師としても活動。丹後に移住してよかったことは食が美味しいこと。

吉崎 秋音さん

FoundingBase(宮津市)
神奈川県横浜市出身。大学卒業後、不動産業界を経て2022年6月にFoundingBase入社。京都府宮津市の「クロスワークセンターMIYAZU」を拠点として、関係人口創出事業に携わる。

小林 朝子さん

丹後暮らし探求舎(京丹後市)
北海道旭川出身。ニックネームは”あさやん”。移住相談員の仕事をしているうちに、あれよあれよと友人・知人が増え、今ではUIターン者の中で地域の人に一番顔が広いかも。とにかく丹後での暮らしに興味がある人は、まずはあさやんを訪ねてみよう。

進行:京都移住計画 藤本和志

トークセッションでは、出会いや繋がりの始まりとなる「ひと」、作り手とつながる「もの」、その地域特有の事業である「こと」の3つで、それぞれの地域や活動を紹介。他にも、丹後の「ひと・こと・ものづくり」の関わり方についてのディスカッションや、いくつかのテーマに即興でスピーカーが応える大喜利なども実施されました。

コーディネーターとして登壇した丹後暮らし探求舎の小林 朝子さんは、トークセッションを踏まえて、「東京のお客さんと直接会う大切さが身に染みた」と振り返ります。

小林

丹後の商品をセレクトしてくださっているアナザー・ジャパンさんとお会いして、「作り手の思い」を伝えることができました。

ECが普及する中で、作り手がお客さんと会う機会は減っています。作り手のなかには「こんなものを作って、本当に喜ばれるのかな」と自信をもてない人もいます。京都ローカルフェスをきっかけに、私たちが東京に行くだけでなく、お客さんが丹後に会いにこれるような場を設けられたら面白そうだなと思いました。

丹後の料理を片手に、丹後を語り尽くす

トークセッション後は交流会を開催しました。料理には京都北部の団体が販売している缶詰を提供。合同会社tangobarの丹後の海や産地の食材を使ったごちそう缶詰が並びました。

ドリンクには、京丹後の鳴き砂で知られる「琴引浜」で海水だけを原料に作る『琴引の塩サイダー』、京都与謝野町産のホップを使用したクラフトビール『ASOBI』、スパイスティーの『循環茶』が準備されました。

京都北部の食材を使った料理やドリンクを楽しみつつ、自己紹介をしたり、京都北部の商品を手に取る姿が会場でみられました。会場には京都北部を紹介するリーフレットが数多く置かれており、京都北部にゆかりがある人たちが移住に興味ある人たちに紹介する姿なんかも。京都ローカルフェス1日目は大盛況のうちに幕を閉じました。

京都ローカルフェス in TOKYO 2日目には、京都府各地の、移住者・事業者・行政プレイヤー30名以上が大集合!京都の魅力を「もの」から体感するワークショップや地域のユニークな取り組みなどの「こと」を知るクロストーク、掲示板、「ひと」とつながる交流バーなど盛りだくさんのコンテンツを多くの人たちが体験しました。そんな2日目のレポートも、ぜひご覧ください。

執筆:つじの ゆい
撮影:大坪 侑史
編集:北川 由依

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