五条大宮近くに位置する、株式会社YOKOITOのオフィス。周囲の建物の間にさりげなく佇むその空間には、用途もサイズも異なる3Dプリンターがいくつも並びます。
京都で創業して12年。3Dプリンターを軸に事業を推進してきた同社は、現在は販売代理店事業と、3Dプリンターを用いた受託開発・製造事業の二軸で、ものづくりの現場を支えています。
必要なものを、必要な分だけ生み出す——。3Dプリンターを生かした、新しいものづくりのかたちを目指して、YOKOITOではエンジニアとフィールドセールスを募集中です。
環境に合わせて変化し続けてきた同社は、前回の取材からの約4年で、どのような進化を遂げてきたのでしょうか。現在地と、これから目指す姿をひもときます。
3Dプリンターは、ものづくりの持続可能性を高める
前回の取材時に、新設して間もなかったアディティブマニュファクチャリング(AM)技術を扱う部門「Yokoito Additive Manufacturing(YAM)」。
AMとは、3Dデータを元に素材を一層ずつ積み重ねて形状を作り出す製造技術。素材を削り出したり、型に入れたりする従来の製造技術と比較し、設計の自由度が高く、複雑な形状の製造も可能です。
そんなAM技術を扱うYAMの事業規模は、右肩上がりで拡大中です。
中島
元々3Dプリンターの輸入販売の売り上げが大きかったのですが、この約4年間で受託開発を行うYAMの売り上げ比重が増えてきました。ここ数年は、毎年およそ倍のペースで売り上げが伸びています。

受託造形ないし受託製造では、顧客から受け取ったデータを元に、依頼されたものを造形します。さらに最近では、ただ造形をするだけでなく、機能性を織り込んだ開発そのものの受託案件も増えています。
中島
例えば「このレーザーモジュールを使いたいので、それを制御するデバイスが欲しい」といった依頼に対し、要件を満たしたものをゼロから開発しています。先端テクノロジーやフィジカルAIの量産も増え、数百、数千規模のロット数を扱うケースも珍しくなくなってきました。
こうした3Dプリンターを用いた受託開発は、ものづくりの持続可能性そのものを変えつつあります。
中島
大規模災害や世界情勢の影響でサプライチェーンが分断すると、部品や機材が予定通り調達できず、業務に支障が生じます。それに対し、3Dプリンターがあれば必要なものをどこでも作ることができる。有事に備え、ものづくりのレジリエンスを高める上で、大きな価値があると思っています。
こうした変化は「経済原理を変える」と中島さん。人口が減る今後の日本で、大量生産でコストを抑える従来のものづくりの方法は通用しにくくなりますが、3Dプリンターなら小ロットで生産ができ、「ビジネスを最適化するのに最適」と語ります。

一方、組織としては「ジョブディスクリプション制度」を導入して、約5年がたちます。雇用契約は1年ごとの更新で、原則として入社から5年で契約は満了に。その後は「役員になる」「フリーランスとして関わる」「卒業する」のいずれかを選ぶことになります。
中島
2025年度は、入社から5年以上が経ち、卒業したメンバーが出ました。彼女は万博ファンだったので、卒業後は約8カ月間業務委託で働きつつ、万博を楽しむ人生を謳歌したようです。こちらとしてはやや心配でしたが(笑)、今は転職して、新たな会社で働いています。
「組織は変わり続けなければ腐敗する」が中島さんの持論。人の入れ替わりによって、意図的に組織の新陳代謝を起こすことを重視しています。
だからこそ、メンバーは「何がしたいのか」を問われます。常に自分の仕事や今後のキャリアについて考えることが求められる環境は、「惰性で働かない意味で大事」と中島さん。
中島
年2回、できる限り全従業員と面談をするようにしています。その分、緊張感はあるみたいですが、面談の場で働き方を調整してダブルワークをしたり、学校に通ったりする人もいて、柔軟性は持ちやすいと思います。

課題やアイデアをチームで共有すれば、全く違う視点に気づける
受託開発の拡大を受け、「2026年度中に最大3名の採用を見込んでいる」と中島さん。開発を担うサービスビューロ部門を統括するCTOの深見公貴さんは、同部門が担う業務を「大きく2つある」と説明します。

深見
一つは、プラットフォーム経由の案件依頼です。プラットフォーム上でお客さまからデータをもらい、見積もりを回答し、受注後に造形、発送するのが基本の流れ。ロットが小さい単発の案件がメインで、仕様の難易度が高くない代わりに、案件数が多いです。もう一つは、自社独自の案件で、こちらは将来的な量産を視野に入れた大規模な案件が多く、見積もりの組み立て方は複雑で、お客さまと密にコミュニケーションを取る必要があります。同時並行で複数のプロジェクトを担当するイメージですね。
入社後はまずプラットフォーム経由の案件を担当し、数をこなすことで機械の扱い方や材料の種類、利益率など基礎を理解し、その上で徐々に自社独自の案件も担当していきます。
プラットフォーム経由の案件での見積もり作成は一人で対応しますが、お客さまからの問い合わせ対応も多く、「ぜひ周りを頼ってほしい」と深見さん。
深見
エンジニアは自分の殻に閉じこもってしまう人が少なくないですが、課題やアイデアを共有すれば、全く違う視点があると気づけることも多いです。だからこそ、チームでコミュニケーションを取り、周りの意見を柔軟に取り入れられる人と仕事をしたいですね。たとえ問題にぶち当たっても、1mmでも好転させようという意識さえあれば、土壇場で解決策を思いつくことは実際にあるんですよ。
サービスビューロ部門は現在、深見さんを含めて5名。サービス向上のための定期ミーティングも高頻度で行っています。そこでリクエストがあった備品を購入したり、業務ルールを見直したりと、「現場の意見を積極的に取り入れている」と言います。
深見
初めのうちは会社のスキームに沿って仕事をしてもらいますが、そこから外れた対応が発生することも多いです。臨機応変な対応が求められる分、裁量は大きいので、「こういう進め方をしたい」といった意思がある人には面白い職場だと思いますね。

今回の採用要件の一つは、「人生で叶えたいことが明確にある人」。深見さんにとっては、「平和」「経済的自由」「お気に入りの人とピザを囲む時間」の3つが叶えたいことです。
風通しを良くすることで会社の平和を醸成し、業績を上げることで経済的自由を手にいれる。そのための目標を達成し、みんなでおいしいピザを食べるーー。そんな日々を重ねながら、「毎日感動して生きる」のが深見さんの理想です。
深見
3Dプリンターはヒューマノイドやドローンなど、伸びているマーケットとの相性も良く、これから重要性が高まると思っています。要求されるレベルも、僕らが出すアウトプットも、僕が入社してからの5年間で相当上がっていますので、需要に応えられる人材を育てていきたいですね。電子基板や通信機器も扱うようになり、加工手段も増えて高度化も進んでいますので、食らいついていける人にぜひ来てほしいです。

幅広い製品を扱うことで、アイデアやスキルは広がっていく
サービスビューロ部門にAMスペシャリストとして約1年前に入社したのが、金田さんです。現在は自社独自の案件を中心に、顧客から依頼を受けたデータの造形と後処理を行っています。
金田
仕様が決まっていることもあれば、「こういった用途に使うのですが、材料は何がいいですか?」とご相談いただき、こちらから提案することもあります。進め方に悩むこともありますが、チームに相談できるので安心です。バックボーンが多様なメンバーがいれば、技術活用やアイデアに幅が出るので、製造業に限らず、広く「ものづくりをしている」人が来てくれたらうれしいですね。

金田さんが人生で叶えたいことは、「作りたいものを形にすること」。特定の作りたいものがあるわけではないですが、自分が作れるものの幅が広がっていくのが楽しいと笑顔を見せます。
金田
こんなにたくさんの種類の3Dプリンターに触れられる会社はそう多くないですし、YOKOITOにしかない機械もあり、貴重な経験ができています。普段の業務では医療、車、アート作家さん、工業など、かなり幅広いお客さまの製品に携わっているので、自分のアイデアやスキルが広がっていく感覚がありますね。多数のパーツや電子回路が複雑に絡み合うようなものが作れるようになったら、それは自分にとってかなり豊かだなと思います。

転職にあたり、千葉から京都に移住した金田さん。現在は自転車通勤で、「ストレスがなくなった」と働き方の変化を語ります。
金田
千葉から東京まで電車出勤していた頃は、毎年インフルエンザにかかっていましたが、この1年はそれもありません。何より、好きな機械に触れられる日々が楽しいですね。今は大規模案件を担当しているので残業もありますが、僕としてはやりがいがあってうれしいんです。ジョブディスクリプション制度によって職務の区分けが明確な分、業務に集中しやすい環境だなと思います。


専門家の知見を武器に、顧客の成長にコミットする
今回募集するもう一つのポジションが、フィールドセールスです。フィールドセールスが所属するビジネスデベロップメントチームのディレクターを担いながら、フィールドセールスのプレイヤーとしても活躍する高橋美穂さんに、お話を聞きました。
ビジネスデベロップメントチームは、顧客の事業開発を担うチームです。単に機体を売るだけでなく、顧客の成長や成功に向けてコミットし、最善の手段を提案します。その主体となるのが、フィールドセールスです。
フィールドセールスは、3Dプリンターの販売と、開発・生産案件の大きく2つを扱います。展示会や自社イベントをきっかけに来た問い合わせを起点に、顧客の元へ出向いたり、オフィスに顧客を迎えて3Dプリンターを紹介したりしながら、案件へとつなげていく役割です。その範囲は、北海道から沖縄まで全国に及びます。
基本的にはYOKOITOや3Dプリンターに興味を持っている顧客にアプローチをするので「受注率は高い」と高橋さん。もちろんセールスとして目標はありますが、達成のために無理やり売るようなことはしません。何よりも重視しているのは、顧客との信頼関係です。
高橋
単価は数百万円から、時には1億円にのぼります。特に大型案件は受注後もお客さまのサポートのため一緒に動くこともあり、お付き合いは長期に渡りますね。お客さまと親密な関係になることも多く、時には一緒にイベントや周知活動を行うことも。その中で信頼関係ができていき、結果的に他のプロジェクトにつながることもあります。

顧客と長期的に付き合うからこそ、「お客さまのことが大好きになる」と高橋さんは続けます。
高橋
お客さまと直接お話し、お客さまを深く理解できることが楽しいんです。3Dプリンターを通じてアイデアを形にし、お客さまに価値提供ができている実感もあるので、それもやりがいになっています。

大切なのは、「顧客の課題を正しく引き出し、最適なソリューションを提案する」というセールスの基礎スキルです。製造業や3Dプリンターの経験は「なくてもいい」と高橋さん。高橋さん自身、入社前まで3Dプリンターに触れたことはほとんどなかったといいます。
高橋
勉強をする姿勢さえあれば、業界や専門的な知識は仕事をしながらキャッチアップできます。案件ごとにメイン担当とサポート担当がつき、受注後はエンジニアもサポートに入るなど、基本的にはチームで進めるので、業界未経験でも大丈夫です。何より、お客さまの中には3Dプリンターに詳しくない方もいて、頼りにされると学ぶ意欲が自然と湧いてきます。
頼もしいのは、「3Dプリンターオタク」が社内にたくさんいること。自分たちがユーザーとして3Dプリンターを使って受託開発を行い、日々試行錯誤しているからこそ、「実際にテストをした結果、このやり方がベスト」という独自の深い知見が蓄積されています。
高橋
お客さまの質問を社内チャットツールに送れば、回答をしてくれるメンバーがたくさんいます。独自のノウハウは、セールスとしての大きな武器。そこにお客さまも価値を感じてくださっていますし、当社の優位性にもつながっていますね。

高橋さんが人生で叶えたいことは、「信頼できる人たちとの関係を大切にしながら、日々挑戦して、心が動くような体験や感動を積み重ねる」こと。挑戦できる環境があり、主体的に選択ができるからこそ、「チームのみんなと経験の幅を広げられている」と言います。
高橋
YOKOITOは「あなたはどうしたいの?」が日々問われる職場なので、意思を持ち、考え抜けることが大切です。「こういうことはできますか?」と聞いたら、「必要ならできるようにするけど、あなたはどうしたいの?」と返ってきて、入社当時は驚きました。それは厳しさでもあり、頼もしさでもある。アイデアを形にできる会社なので、たくさん挑戦し、経験を積み重ねたい人にとって、最適な職場だと思います。

3Dプリンターは「これから伸びる領域」
創業から12年。これからのYOKOITOは、事業を成長させていくフェーズに入ります。業界で販売代理店として認知度を高めてきた同社ですが、今後は生産手段としてのAM技術を普及させ、「京都から新しいテクノロジーを広げたい」と中島さん。それによって、「世の中への影響力を高めたい」と続けます。
中島
業界の人間は約30年間、3Dプリンターを普及させる動きをずっとしていて、それが今ようやく花開こうとしています。さまざまな業界の人たちがAMを用いてビジネスを行うタイミングであり、これから伸びるホットな場所に身を置きたい人にとって、非常に面白い領域です。ぜひ業界外からも来てもらって、新しい風を吹かせてほしいですね。

YOKOITOで繰り返し投げかけられるのは、「あなたはどうしたいのか」という問い。同社で働く人たちは、それぞれに「叶えたいこと」を持ちながら、日々の仕事に向き合っています。
それはシビアであると同時に、自分の意思でキャリアをつくっていける環境があることを意味します。チームで知見を持ち寄り、試行錯誤を重ねながら、目の前の課題に向き合っていく。その積み重ねが、個人の成長と事業の進化の両方を支えています。
3Dプリンターという伸びゆく領域で、ものづくりの未来に関わる。京都という場所で、自分らしい働き方や暮らし方を選び取る。その両方を叶えながら自分の可能性を広げていきたい人にとって、YOKOITOは大きな挑戦の舞台になるはずです。




執筆:天野 夏海
撮影:中田 絢子
編集:北川 由依
求人募集要項
| 企業名・団体名 | 株式会社YOKOITO |
|---|---|
| 募集職種 | ①フィールドセールス ②AMスペシャリスト |
| 雇用形態 | 契約社員(毎年契約更新。最長5年まで、別途管理職延長あり) ※入社時試用期間(3ヶ月間)の契約を結んでいただきます。本採用決定後、本契約に移行します。給与条件その他は通常本契約時と同一です。(ただし、6月の全社契約改定に掛る場合は変更の可能性あり。) ※上記期間経過後、役員登用、業務委託での業務継続等の可能性あり |
| 仕事内容 | ① 国内の顧客の購買や技術部門に対して営業を行う 担当商材の価格帯は500万〜1億円(メインは1000万以上) 3D プリンタに関わるサービスや製品の販売、保守サポートサービスの提案 今後は、社内の技術部門と協働して、顧客の課題解決に関わるコンサルティング営業もお任せしたい ② 3Dプリンタを活用した製品開発・試作プロジェクトの推進(スキルに合わせた仕事内容をお任せします) |
| 給与 | ①基本給+出勤手当+残業代(固定):29万円以上(全日出社の場合) 月給:基本給+出勤手当+残業代+諸手当 ※基本給:24万円以上 ※個人実績に応じたインセンティブ制度あり(6月からの制度については現在検討中) ※残業代:部門直近時間実績に応じた残業代を固定で支給 ②基本給+出勤手当:月額23万円以上(全日出社の場合) 基本給+出勤手当+残業代+諸手当 ※基本給:20万円以上 ※残業代:残業時間に応じて支給 ①②ともに年間業績に応じたボーナス支給の可能性あり(支給可否および金額は年間目標の達成による) |
| 福利厚生 | ・フレックス勤務可:定時より前後2時間の範囲 ・リモート勤務可:業務に支障のない範囲で。勤務手当が異なります。 ・社食制度:会社出勤時は冷凍惣菜を無料支給 ・自己投資補助:会社の認める範囲で自己投資活動へ50%補助。例:ジム等健康活動、学習関連等 ・賄い3Dプリント:業務に支障のない範囲で無料で3Dプリント可能。非営利に限る ・書籍購入:広義に業務に関連することであれば書籍の購入可。承認要、読了後は会社本棚に収蔵 ・病気休暇:急な体調不良に対して各月上限1日まで特別有給可(半休利用可) ・駐輪場有:無料 |
| 勤務地 | 本社オフィス (オフィス、ロジスティクス、Yokoito Additive Manufacturing Center) 〒600-8357 京都市下京区黒門通五条上る柿本町588番地22 ※将来的に府外勤務の可能性あり(本人意思優先) |
| 勤務時間 | 10:00-19:00、休憩1時間 |
| 休日・休暇 | 完全週休2日制、祝日休み、年末年始休暇(25年度実績:11連休、有給推奨日2日間含む)、GW・お盆期間等有給推奨日設定あり(年末年始含み通常年間5日以上設定) ※有給推奨日:対外的には休業日。本人希望で出勤可 |
| 応募資格 | ①②共通 ・変化を楽しめる、多角的視点を持てる ・課題解決や提案に熱意を持って取り組める ・チームで協力しながら成果を出せる ① ・数年以上のBtoB営業経験(業界問わず) ② ・3Dプリンターの使用経験 ・3DCADまたはCGの使用経験(またはそれに類する経験) ※ものづくりに関連する特別スキルがある場合は上記2つを必須としない |
| 選考プロセス | 京都移住計画の応募フォームから応募 ↓ 書類選考 ↓ 1次選考 ↓ 最終選考 ↓ 内定 ※職場見学やカジュアル面談実施が可能な場合は記入ください。 |
| 面談場所 | 通常弊社オフィス(遠隔地の場合、一次面接はオンライン可) |
| 参考リンク | 公式サイト |


