募集中2025.03.27

建築的思想を礎により良い世界を創造する、京都のデザインカンパニー

デザインで世界をより良くーー。
今回ご紹介するのは、このミッションのもとで20数年来、実績を積み上げてきた「有限会社アーキテクトタイタン(ARCHITECT TAITAN)」という京都の会社です。

アーキテクト(建築家)を冠する社名から建築設計会社をイメージされるかもしれませんが、これはあくまで思想を標榜するもの。実際のメイン事業である Web サイトの企画・デザイン・運用をはじめとするクリエイティブ全般に「建築的思想」を注いでいることを意味します。

現在は、創業24年、会社設立20周年の節目を越え、オフィスの移転や組織改編、自社のリブランディングなどに取り組む転換期。営業とWebディレクターの2職種を対象とした今回の募集にも、これからを見据えた考えがあるはずです。その答えを求めて、アーキテクトタイタンを率いる取締役の3名にお話を伺いました。

左から、代表取締役の河原司さん、取締役副社長の河原由佳さん、取締役の田中大資さん(写真提供:アーキテクトタイタン)

多彩なスキルを武器に、20歳で起業、25歳で会社設立

京都市中心部、烏丸御池から徒歩5分足らずの場所に建つ、昭和レトロなビルにオフィスを構えるアーキテクトタイタン。レンガ張りの外観はそのままに、持ち前の“デザイン力”で4フロアをリノベーションし、2024年春にここへ移転しました。

1階は「デザインについて語り合える場に」とカフェ&ギャラリー仕様に、2〜4階は「スタッフが仕事に集中しやすい環境に」とチーム別のワークスペースを設けた、シンプルかつ機能的な空間です。

(写真提供:アーキテクトタイタン)

デザインを手がけたのは、代表取締役CEOの河原司(かわはら・つかさ)さん。河原さんのデザインの対象は、建築にとどまらず、Web、グラフィック、写真、映像、メタバース空間まで多岐にわたります。

河原さん

小学生の時に父のカメラを借りて写真を始めたのが最初ですね。高校生の時に独学でホームページ制作を始めて、そのあと、建築家の伯父の影響を受けて建築を学ぶというふうに、その時々で自分が興味を持ったものにトライし、スキルを磨いてきました。

身に付けた知識やスキルをデザインに落とし込むことで、誰かの役に立てると実感したのは二十歳の頃。1999 年当時、すでに撮影やWeb制作に長けていた河原さんは、2001年ワコールの業務委託スタッフとしてECサイトの商品撮影に携わる機会を得たのです。

河原さん

当時はECの黎明期で、ワコールさんにとっても新規事業でした。新しい分野なのでベテランと素人のスキルの差があまりなく、学生でも適性があればいけると、当時の担当の方が考えられたんでしょう。とにかく、やるからには期待以上のものを出そうと思って、「もっと上手く、もっと早く」とタイムアタックに挑みながら商品撮影と画像制作に打ち込みました。

期待に応える仕事ぶりが評価され、修士課程に進んだあとも撮影業務に携わっていた河原さん。周りが就職活動を本格化させるなか、選んだのはなんと起業の道でした。

河原さん

ある時、指導教授だった建築家の松岡拓公雄先生に進路の相談をしたんです。建築に関わる仕事もしたいし、ワコールさんをはじめWeb関連の仕事も続けたい、どうしましょう?って。そうしたら、「だったら独立しちゃえばいいじゃん、最初から仕事があるんだし」とあっさり言われて(笑)。起業資金もあったし、松岡先生が顧問としてサポートしてくださるということで、修士2年の時に友人を誘って会社を立ち上げました。

建築的思想で、身近な課題を解決する

「どんな時も建築家であることを忘れず、いろいろな素材の旨みが溶け合う“炊いたん(煮物)”のように、才能の化学反応で世の中をより良く変えられる会社でありたい」との思いから、社名はアーキテクトタイタンに。その時、メンバー同士で共有したのが、大学で培った「建築的思想」です。

河原さん

建築的思想というのは、幅広い視点で物事をとらえる、建築的な思考プロセスのことです。建築家は家などを建てる際に、建物の細部に目を凝らしたり、まち全体を俯瞰したり、遠い過去あるいは未来へ時間軸の上を行き来したり、さまざまな視点に立ってより良いかたちを導き出すのですが、この考え方は建築以外にも応用できるんじゃないかと。建築に関わる仕事であろうとなかろうと、建築を学んだ者として建築的思想を大事にしようと決めました。

Webデザインに置き換えると、入口にあたるトップページから各部屋(カテゴリーやコンテンツ)へ通じる動線をどこにどのように設けるのか、さらに企業メッセージや事業内容をどのようにビジュアル化するのかを、あらゆる角度から見つめ、具体化していく。これが、タイタンにおける建築的思想の生かし方の一例です。

アウトプットのかたちは、Web、グラフィック、写真、映像、印刷物、イベントなどさまざま。建築にこだわらなかったのは、「身近な課題を解決したかったからでしょうね」と振り返ります。

2024年に制作した自社の年賀状と撮影風景(写真提供:アーキテクトタイタン)

河原さん

例えば、売上が伸び悩んでいるからどうにかしたいと相談されて、じゃあ店を建て替えましょうとは普通なりませんよね。現実的には、チラシを作ったり、イベントを企画したりするほうが喜ばれる。課題もいろいろなので、最適なメディアや手法を選んでいるだけなんです。

バナー制作などの仕事をきっかけに、コーポレートサイト全体を手がける大きな仕事へとつながっていくことが多いというアーキテクトタイタン。河原さんは評価のポイントについて次のように語ります。

河原さん

ひと言で言うと、誠実さ、真摯にデザインに取り組む姿勢ですね。撮影でお預かりした商品を傷つけないとか、正確にコードを書くとか、表に出ない部分も含めて、当たり前のことを当たり前にきちっとやるところを認めていただいています。継続的なお付き合いに発展すると、ちゃんと伝わっているんだなぁと感じますね。

(写真提供:アーキテクトタイタン)

求めるのは「成長したい人」

建築的思想のもとデザインで課題を解決し、世界をより良くするというミッションは、「これからも変わりません」と断言する河原さん。今後はこれまで以上に広い世界にアプローチしていく考えです。

河原さん

これまではお客様のご紹介つながりでお仕事をいただくケースが多かったのですが、そろそろ自分たちのほうからアプローチしていく段階。それで今、タイタンの存在を広く知ってもらうための発信準備やリブランディングを進めているところです。

それらと合わせて、業務の円滑化に向けた組織改編を実施しました。営業、ディレクター、デザイナー、撮影編集、エンジニアから成る「クリエイティブグループ」、取引先でECサイトの運用サポートを行う「オペレーショングループ」、そして事務で業務を支える「バックオフィス」の3部門に集約されます。

社内のスタッフは現在25名、業務委託のスタッフも加えると総勢約40名体制に。ここに営業とWebディレクターの新メンバーを迎え、対応できる案件や業界の幅を広げていきたいと言います。では、河原さんが求めている人材とは?

河原さん

仕事を頑張りたい人、成長したい人に来てほしい。なんて言うと、ブラックな会社だと思われるかもしれませんが、働く環境としてはすごくホワイトです。
勤務時間は月160時間、年間休日120日が標準で、自分で勤務時間を調整できる変形労働時間制も導入しています。まず自分が幸せじゃないと世界をより良くなんてできませんから、ワークライフバランスは大事にしています。

その上で、「厳しさもある会社だと理解してほしい」と付け加えます。

河原さん

ホワイトな環境って、ある意味、厳しいんですよ。限られた時間のなかで一定以上の成果を出さなくてはいけないので。うちは、仕事が早くて上手い人ほど昇給する実力主義の会社なので、内発的に成長するエネルギーを持っている人に向いているだろうなと見ています。

オンとオフ、どちらの時間も大切にしながら、自分と世界をより良く変えていく。アーキテクトタイタンはそんなふうに、働く人の生き方そのものをデザイン(設計)できる場所なのかもしれません。

新分野を切り拓く、営業力を新たに

募集職種のお仕事内容については、それぞれの職種と関わりの深い取締役の方に伺いました。
営業職の担当は、取締役副社長の河原由佳(かわはら・ゆか)さんです。2021年から取締役として参画、2022 年からCOOとCFOを兼任し、日常的な業務執行を統括しています。

由佳さん

私は経理や人事などバックオフィスの仕事に徹するつもりで入ったのですが、コロナ禍中にお取引先とやりとりする機会が増え、気が付いたら営業の仕事まで(苦笑)。もともと仕事を取ってくるのは好きなほうなので、ほかの業務と両立しながら当面続けていくつもりです。

営業のおもな仕事は、顧客のニーズや課題に応じたサービスの提案から、予算やスケジュールの調整、制作サイドへの発注、納品、アフターフォローまでさまざま。タイタンでは長らく、経営層やディレクターがこれらを担ってきましたが、営業専任のスタッフを迎えることにしました。それぞれの業務が多岐にわたることで効率が悪くなることを避け、営業専任スタッフに分業することで、リソースの効率的な分配を目指しています。

由佳さん

はじめから全部お任せするのではなく、状況を見ながら業務を切り分けていけたらと考えています。まずは私たちと顧客訪問を始めて、タイタンの考え方や提案内容を知ってもらうことからですね。案件ごとの工数を踏まえて、いくらなら利益を出せるかを判断できるレベルに達すれば、新規営業もお任せしたいと思います。

(写真提供:アーキテクトタイタン)

取引先の業界構成は、アパレルを中心に、食品、航空、文化・芸術など。由佳さんは、「今までと異なる業種に拡げたり、自分が得意とする業種に絞ったりして新たなジャンルを切り拓いてもらえたら」と、営業活動の広がりに期待しています。ただし、「数字さえ取れたらいい」という考え方には否定的です。

由佳さん

私たちが最も大事にしているクオリティラインは守ってもらいたい。いい加減なものは出さないという考えで、タイタンとお客様の利益につながる営業を実践してほしいと思います。危ないところには近づかないとか、与信管理の能力も身に付けてもらえるとなお良しですね。

営業専任のスタッフの採用は、タイタンにとって新たな取り組み。不安はないですか?と問いかけると、「むしろ楽しみですね。何か面白い化学反応が生まれるかもしれないし、それが“炊いたん”だから」と、前向きな答えが返ってきました。

クオリティ重視の Web ディレクション

次にお話を伺ったのは、もう一つの募集職種・Webディレクターについて。こちらの担当は、2024 年6月に取締役に就任した田中大資(たなか・だいすけ)さんです。田中さんは、前職の広告制作会社での経験を買われ、Webディレクターとして2017年に入社。ディレクター、グループリーダー、マネージャーを経て、現在は事業全般のクオリティチェックや自社のリブランディングプロジェクトの推進を行っています。

Webディレクターといえば、Webサイト制作の全工程を取り仕切るポジション。顧客へのヒアリングをもとに Webサイトの方向性を決め、要件定義や設計を確定させたのち、スケジュール作成やメンバーの選定などを行い、実際にプロジェクトを進めていく仕事です。

田中さん自身はディレクション業務のどんな部分にやりがいを感じていたのでしょうか。

田中さん

納品後、お客様から直接フィードバックをいただいた時ですね。「今までうちになかったデザインで自社のサービスを訴求できるようになった」「コーディングのデータが非常に正確で運用しやすい」と言われて、継続的な関係を築けたのがすごく嬉しかったですね。

そうした達成感は、「クオリティに厳しいタイタンだからこそ得られたもの」と田中さんは言います。各案件に対する自分や社内のメンバー、河原さんの考え方に触れるなかで、建築的思想に基づく見方・考え方が身についていったそう。現在は、蓄積したノウハウをより広く深く浸透させるため、1 つのデザインに対するフィードバックをディレクターやデザイナー全員で共有する仕組みを整えています。

田中さん

視点が多いほどクオリティが上がりますし、ほかのデザイナーやディレクターのヒントにもなります。みんなで成長の種を拾って、つなげていってもらいたいですね。

(写真提供:アーキテクトタイタン)

採用後はまずLP(ランディングページ)など小規模のものから担当し、徐々にサイト制作の規模を広げながらディレクション力を高めていく方針です。その過程で「タイタンが大事にしていることを丁寧に伝えていきたい」と田中さんは言います。

田中さん

メールの書き方から提案資料の内容まで、結構細かいところまでチェックすると思いますが、その目的は結局、タイタンのことを理解してもらうため。何か指摘する場合は、ちゃんと根拠や理由を示して伝える努力をするので、受け入れる柔軟性や共感性を持っていてほしいなという希望はありますね。

タイタンを理解することから始まるWebディレクターのキャリア。その先にはどんな可能性が待ち受けているのでしょうか。社内におけるステップアップの仕方についても伺いました。

田中さん

私のようなプロジェクトマネージャーのような役割になるのも一つですし、自分の特性や強みを活かして専門性を高めていく道も考えられます。例えば、デザインセンスが優れていたらデザインディレクターに、データ分析に強い人だったらマーケターになるというかたちですね。タイタンは事業領域のバリエーションが豊かなので、個々に磨いたスキルを発揮するチャンスはかなり多いと思います。

河原さんをはじめとする多くの才能が交わり、つくり上げられたタイタン・クオリティ。取締役の3名は口々に、それを守り、伝え、進化させる決意とともに、この先加わるメンバーが直面するであろう厳しさも包み隠さず語ってくれました。
タイタンの美学を理解し、体現できるようになるまでには少し時間がかかるかもしれません。
けれども、成長を信じて待ってくれる人たちがここにはいます。ともにデザインで世界をより良くするために、一歩踏み出してみませんか?

(写真提供:アーキテクトタイタン)

撮影:アーキテクトタイタン
執筆:岡田 香絵
編集:北川 由依

求人募集要項

企業名・団体名有限会社アーキテクトタイタン
募集職種・営業
・Webディレクター
雇用形態正社員
試用期間:6ヶ月
試用期間後に有給休暇を付与
仕事内容【営業】
まずは役員や先輩と顧客訪問を始めて、タイタンの考え方や提案内容を知ってもらうことから始めます。
将来的に新規営業もお任せします。

【Webディレクター】
入社後はLP(ランディングページ)など小規模のものから担当し、徐々にサイト制作の規模を広げながらディレクション力を高めていく方針です。
将来的には自身で案件をリードしていただきます。
給与■月給
【営業】月給:280,000円~ (時給単価1,750円〜)
・月あたり160時間を超える場合 2,187円/時

【Webディレクター】月給:300,000円~ (時給単価1,875円〜)
・月あたり160時間を超える場合 2,343円/時

その他手当
・通勤手当:実費(日数✕交通費)又は1ヶ月定期代金いずれか安い方
・在宅勤務手当:31.25円/1時間
・所定時間外、休日又は深夜労働に対する割増賃金率:法定時間外(25%)法定休日(35%) 深夜(25%)

■昇給:年1回査定 業績・能力に応じて
■賞与:年1回査定 業績・能力に応じて
福利厚生■慶弔休暇(試用期間6か月終了後に付与対象となる)
■産前・産後休暇
■育児休暇
■介護休暇
■保険制度(健康保険/厚生年金/雇用保険/労災保険/業務災害保険)
勤務地〒604-0847
京都市中京区烏丸通押小路上ル東側秋野々町531番2

変更の範囲:会社の定める事業所(リモートワーク含む)

転勤:無
勤務時間労働時間区分:1ヶ月単位の変形労働時間制
週平均労働時間:40時間0分
総所定労働時間:160時間0分
標準的な勤務時間帯:10:00~19:00
休憩:60分
時間外労働:有
時短勤務:相談可
休日・休暇年間休日数:約120日
休日休暇形態:完全週休2日制 ※会社カレンダーによる(月20~22営業日)
年間有給休暇:10日~20日(下限日数は、入社半年経過後の付与日数です)
育児休暇取得実績:あり 育休後復帰率100%
応募資格■求める人物像
・作ることを楽しめる方
・コミュニケーションを大切にしている方
・周囲への気遣い、マナーのある方
・スケジュール管理ができる方
・自社、お客様、社会の利益を考えられる方
・クリエイティブな意欲のある方

■必要なスキル、経験
【営業】※業界未経験可
・営業経験や企画提案・見積経験がある方
・見積り/請求等の基礎知識
・工数単価/工数管理などの基礎的なフローの理解
・Excel/Word/メールの送受信/PC操作、オンラインミーティングなどが可能な基本スキル

【Webディレクター】
・Webやグラフィック制作のディレクション経験者
・Webやグラフィック制作の企画提案見積経験者
・クリエイティブ制作の基礎知識
・コーディング(HTML/CSS/JS)およびCMSの基礎知識
選考プロセス京都移住計画の応募フォームから応募

書類選考

1次面接

2次面接

最終選考

内定
面談場所オンライン面談可
但し、3回の面談のうち1回はオフィスにて対面で実施します。
参考リンク【コーポレートサイト】
https://taitan.jp/

【Instagram】
@architect_taitan

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