募集中2025.11.27

暮らしの記憶を未来に残す。「すまいの仕舞い方」をデザインする新規事業の立上げメンバー

建物の「解体」と聞くと、壊す、撤去するなどのイメージで「終わり」と受け取る人が多いはず。しかし、今回ご紹介する大西建設が提案するのは、「はじまり」としての解体です。

京都・亀岡市に本社を置く大西建設は、終活や生前整理の視点を取り込み、「はじまりの解体」という名の新規事業を立ち上げ、広げていこうとしています。

この「はじまりの解体」を共に広げ、プロダクト開発のディレクションを担うコアメンバーをオープンポジションで募集します。事業の立ち上げメンバーである、取締役の大西達也(おおにし・たつや)さんと二川貴吏(にかわ・たかし)さんにお話を伺いました。

左:二川貴吏さん、右:大西達也さん

地域を支える総合建設業者

大西建設は1960年、京都・亀岡市にて創業。当時、国鉄で勤務していた達也さんの祖父が、高度経済成長の波に乗って立ち上げた会社です。以来65年に渡り、道路や河川、公園整備、田畑の圃場整備など様々な公共工事を手がけてきました。

7名の社員が働くオフィス。日中は現場に出ている社員も多く静か

達也さん

祖父は家族の生活を豊かにしたいと思っていたそうで、当時の建設バブルに合わせて起業しました。作れば儲かる時代。土木に始まり、住民の意見を聞きながら、建築や水道など暮らしのニーズに合わせて守備範囲を広げていきました。

しかし、2003年に官製談合防止法が施行され、公共工事の受注環境が大きく変化。二代目として社長を継いだ達也さんの父は、ビジネスモデルを転換し、会社を守ることに舵を切ります。

達也さん

今年ある仕事が来年もあるかはわからない。そんな不安定な経営状態になり、現社長の父は自社施工から外注施工へと切り替えました。そうやって、時代に合わせて柔軟に変わりながら、大西建設は、総合建設業者として地域の暮らしを支えてきたんです。

10業種の建設許可を受けている大西建設。溜池の整備や道路工事など数々の公共工事を手がけてきたことに対する感謝状が飾られていて、行政からの評価が高かったことが伺える

亀岡市を中心に数々の公共工事を手がけ、地域に必要とされる会社になった大西建設に、達也さんは2018年に入社しました。しかし、もともと継ぐ予定はなかったそう。

達也さん

うちは3兄弟でね、みんな大西建設を継ぐのを嫌がっていたんです。次男の私も家を出て、大学では、建築やランドスケープ、都市デザインを学び、社会人になってからはグラフィック会社や建設コンサルタント、化粧品の商品開発など、デザイン関連の仕事に長くキャリアを積みました。でも、働きすぎがたたり体調を崩してしまって。スローダウンできる環境へシフトチェンジしようと京都へ戻ったんです。

達也さんは2013年に亀岡へUターン。しばらくは京都市内で働いていましたが、2015年に結婚し、翌年子どもが生まれたことをきっかけに、次第に家業に向き合っていきたいなという思いが増していったと続けます。

達也さん

結婚や出産を機に、家業がありながら「サラリーマン」として勤める自分に「人生、このままで良いのか?」と考える機会が度々訪れました。どんな仕事をするか、どれだけ所得を上げれるかよりも自分にしかできないことは何か。自分の人生というものに向き合いたいと思い、家業である大西建設への入社を決めました。家業を継ぐことで、僕だから次の世代に見せられる姿があるのかもしれないと思うんです。

解体を「はじまり」と再定義する新サービス

事業承継を予定している達也さんは、大西建設のミッションを「記憶に残る暮らしをつくる」と新たに掲げ、次の時代の建設業のあり方を模索しています。3代目として事業の選択と集中を進める中で生まれたのが、冒頭でご紹介した「はじまりの解体」です。

達也さん

解体となると、既存事業の土木や建築とは扱う空間や規模が異なります。一足飛びに自社施工で解体することは難しいので、まずはパートナーさんと協力して、家などの小規模な解体から着手していく予定です。年単位で案件が進む土木や建築に比べ、解体工事は通常1〜2週間とサイクルが短いので、経営的にも安定する見込みです。

建設・土木工事に必要な道具が保管された倉庫

「はじまりの解体」は、達也さん自身の経験から生まれたものです。

達也さん

東京から亀岡に帰るたびに、少しずつまちの風景が変わっていきました。昔の風景を思い出そうとするんですけど、ここに何があったのかわからない。心にぽっかりと穴が空いたようで、すごく寂しかったんです。立派なものを建てることよりも、誰かの記憶に残ることの方が大事だなと思いましたし、それこそ僕がやるべきことなんだろうなと感じたんですよね。

そこで着目したのが「解体」です。ただ潰して終わることの多かった解体に、達也さんは新たな意味を持たせようとしています。

達也さん

終活や生前整理、断捨離というムーブメントがありましたよね。同じように、親たちには建物を子どもたちのお荷物にはしたくない、迷惑をかけたくないという優しい気持ちがあります。一方の子どもたちにも受け継ぎたい気持ちはあるけど、今の暮らしにフィットしないからどうにもできない。このジレンマを解決したいなって。

「終わりのイメージが強い解体に、『はじまり』という言葉をつけ加えることで、新しい循環を感じさせたい」と達也さん。「はじまりの解体」では、解体をスタート地点、「はじまり」として定義し直し、暮らしの記憶や家族の物語を丁寧に振り返りながら、未来に引き継ぐことを目指します。

「はじまりの解体」として提供するサービスは、主に3つ。建物と家族の記憶を振り返り、整理するワークショップ、そして建物や家族の記憶を残すプロダクトの開発、そして最後に解体です。これらは個別でも対応しますが、基本的にはパッケージで提供することを考えています。

達也さん

建物を潰すだけなら、難しい技術は必要ありません。でも、僕たちがやりたいのは、記憶の承継です。建物がなくなっても誰かの記憶に残ったら、大切なことを守れると思います。だから、ワークショップを通して、「あんな暮らしもあったね」と、思い出話を共有してもらいます。何気ない会話がはずむことでみんなの心が温まり、「しなければ」という責任感から「したい」という希望へと変化すると考えています。

ウェディングプランナーの方と一緒に組み立てたワークショップ。「悲しみではなく喜びとともに建物と別れるセレモニーのようなものにしたい」と達也さんは語る

とはいえ、ここまでは達也さんの妄想段階。このエモーショナルなサービスは、言葉だけでは分かりません。2025年夏には大西家一同で集まり、ワークショップを開催したそうです。やってみて、参加者からも上々の反応。確かな手応えを得ています。

本社向かいには、大西建設のはじまりの地である、かつて父と母、生まれて間もない頃の兄が住んでいた事務所兼住居がある。当時の写真や作業服を飾り、参加者を出迎えた(提供:大西建設)
家の歴史、家族の歴史を振り返りながら、ここでの思い出を語った(提供:大西建設)

達也さん

実際に建物を解体しなくても、みんなで思い出を棚卸することだけでも、すごく価値があることだと感じられました。「懐かしいね」「昔はこうだったね」なんて会話から始まり、時間の経過とともにみんなの心がほぐれていって。「今だから言えるんだけど……」って、あの場だから話せたんだろうなって言葉もたくさん出てきました。許したり許されたりして、気持ちが昇華していく瞬間がありました。

もともとは建物を壊すことに反対していた祖母も、ワークショップを経て、「ちゃんと自分の中では整理ができた。もう壊してもらっても大丈夫です」と達也さんに伝えたそう。一人ひとりが解体することに納得感を持てたことで、その後、解体した後の未来についても目を向けてポジティブに話し合えるようにもなったとも語ります。

ワークショップの最後には、壁に「ありがとう」という言葉を描き、別れを惜しんだ(提供:大西建設)
参加者に書いてもらった感想には、建物や施主への感謝が綴られていた

ワークショップで整理された記憶は、その後、プロダクトに形を変えてお客さまにお渡しをする予定です。その一つがUSB。かつてお客さまが住んでいた家の柱を使ってUSBを作り、建物で過ごした思い出の写真やワークショップの様子の声などを入れられないかと考えています。

他にも家に使われていた木材をレターケースやチェストに変身させ、思い出をしまっておくのはどうだろうと検討中。長くデザイナーとして働いていた達也さんの経験や視点が活かされたプロダクトが生まれようとしています。

サービス立ち上げ期だからあえてオープンポジションで募集

今回、オープンポジションでの採用のため、決まった仕事はありません。そんな状況を面白がりながら、営業、ワークショップの企画・運営、情報発信、現場での解体など、「はじまりの解体」に関する様々な業務を担当し、サービスを共に成長させていくことが求められます。

なかでもメイン業務となるのが、「暮らしの記憶」を形に残すプロダクト開発のディレクションです。

例えば、解体後の廃材を使ったプロダクトの企画立案・制作進行や、家族の対話を生むワークショップのパッケージ化など、クリエイティブな視点と実行力で、「はじまりの解体」を形にしていってほしいと考えています。

達也さん

プロダクトだけ作ってくれればいい、というメンバーではなくて、「もっとこういうものを作った方がいいんじゃない?」「こんなサービスとして展開した方がいいのでは?」と自発的に取り組んでもらいたいです。イメージとしては、ディレクターのように全体を統括するコアメンバーですね。

また、東京からUターンした達也さんと同じように、都市部で得た経験やスキルを活かしながら亀岡や京都で暮らしたい方は、オープンポジションで働くことに向いているのではないかと続けます。

達也さん

移住にあたって必要なサポートはなんでもしますよ。不動産探しはもちろん、エリアごとの特性とか、風邪を引いた時のおすすめの病院とかもお伝えします。安心して来てもらえるように、しっかりバックアップ体制をとっていきます。京都市内に住んで、亀岡へ通うパターンもありですね。

会社のすぐ近くには湯の花温泉がある。「仕事終わりのお風呂は最高だよ〜」と達也さん

建設業界を「かっこよく」変える

そんな達也さんの右腕として活躍するのが、約一年前に入社した営業・映像ディレクターの二川貴吏さんです。二川さんも都市部での経験をもとに活躍する人材。大阪の映像制作会社でディレクターやプロデューサーとして働いた後、建設業界へ飛び込み、現在は、会社のプロモーション戦略や「はじまりの解体」の立ち上げを担っています。

二川さんはご家族の事情で働くペースを調整するために、映像業界とは別の仕事を探していたところに、大西建設と出会ったそうです。亀岡育ちで土地勘もあったことから応募し、兵庫県から車で40分ほどかけて通勤しています。

二川さん

同じ映像制作の仕事では働き方が大きく変わらないと感じ、思いきって別の業界を探していました。そんな中で出会った大西建設は、自分や家族、そして人生そのものを大切にできる働き方ができる会社だと感じました。また、募集要項の中に「企画・プロモーション」という言葉を見つけ、これまでの経験も活かせるのではないかと思ったんです。建設は初めての業界ですが、教えていただきながら日々学んでいるところです。

本社から車で5分ほどにある資材置き場には、多くの廃材が置かれている。これらを使って新プロダクトを作れないかも検討している

45歳で異業種への転職。不安はなかったのかと聞いてみると、「今までの仕事でも、映像ディレクターとしてクライアントの情報を勉強し続けてきたから苦ではない」と二川さん。会社のサポートもしっかりしており、「業界未経験でも安心して働ける環境にある」と続けます。

二川さん

建設を幅広く初心者でも学べる「建設ディレクター」という資格があって、会社のサポートで受講させていただいています。先日はドローンの講習会へも行きました。まだ勉強中ではありますが、映像をはじめとしたクリエイティブの力で、建設を「かっこいい」ものにできたらいいですね。建設って3K(きつい、汚い、危険)と言われて、しんどいイメージが先行しちゃっている部分がありますが、発信で変えていけると思うんです。大西建設をその発信地にしたいですね。‎

一緒に波を乗り越えられる仲間を募集

これまでのスキルや経験を活かしながら、異業種で新サービスの立ち上げに挑むお二人。最後に、どんな人と一緒に働きたいかを聞いてみました。

二川さん

責任感があるといいますか、何事も自分ごとに捉えて動ける人ですね。新しく来る方って、きっと僕とはまったく違うキャリアの人だと思います。お互いに高め合えるような関係になりたいですね。

達也さん

ここまで「はじまりの解体」について色々と話をさせてもらいましたが、新サービスの立ち上げなので、来年どうなっているかもわかりません。0から1を作ろうとしている段階。色々なことが起こるでしょう。そうした波も一緒に乗り越えてくれるような柔軟な方に来てもらえると嬉しいです。

まずは、できること・やりたいことをお伺いさせてもらい、「はじまりの解体」でどのように活かせるのか、あなたと事業の重なりを見出していきましょう!

大西建設が掲げるミッションは、「記憶に残る暮らしをつくる」。建物を通して、一人ひとりの人生に寄り添う企業になりたいと達也さんは考えています。

そのためにも、「はじまりの解体」にかける思いはひとしおです。総合建設業として、ゆくゆく、建物の「はじまり」から「終わり」までをまるっと担うことができる存在になることを目指して。ともに亀岡で汗をかいてくれる仲間を待っています。

▼二川さんが作った「はじまりの解体」のプロモーション動画です。ぜひご覧ください。
https://youtu.be/QCke9XKcLSs

執筆:オギユカ
撮影:清水 泰人
編集:北川 由依

求人募集要項

企業名・団体名大西建設株式会社
募集職種オープンポジション(新しい価値を一緒に構想し、プロダクトや仕組みを具体化していくコアメンバーの募集です。ご経験や関心に応じて、事業企画・ブランド設計・プロダクト開発・現場運営など多様な関わり方が可能です)
雇用形態正社員
※試用期間3カ月、試用期間前後の条件の変更無し
仕事内容■解体現場にて、アップサイクル可能な木材や建具の選別・切出し
■解体工事現場での安全管理
■自社工房でのクラフト作品制作(家具・小物・什器など)
■再生素材を使った商品・プロダクトの企画開発
■クラフト部門の立ち上げ・運営(将来的なディレクションも想定)
給与・年収:300万円~468万円
・基本給:25万円~30万円
残業代の支払い方:残業時間に応じて支給
福利厚生・社会保険加入
・移住された方へ
「内科ならここがお勧め」「歯医者は・・・スーパーは月曜日なら・・・」など、住民ならではの情報とサポートをさせていただきます。
・社長がつくるキヌヒカリ(お米)を社員割引で購入もできます。
勤務地京都府亀岡市薭田野町柿花畑ケ中11番地
勤務時間基本:8:00〜17:00(内休憩1.5時間)
現場状況に応じて時間が前後します。
休日・休暇週休二日制(原則:土日休み)
※状況に応じて土日出勤がありますが、2週間内以内に振替休日を取得いただきます。
応募資格自動車運転免許(ATでも可)
※入社後に必要に応じて教習所へ通っていただく場合があります。
(例)準中型以上の資格がない場合、MT車への解除が必要と判断される場合
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書類選考

1次選考(採用担当者〈取締役〉面談)

最終選考(代表者面談)

内定
※職場見学・カジュアル面談可能
面談場所1次選考はオンライン面談が可能です。
最終選考は対面での実施となります。
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