「だれかのおいかぜになる」をタグラインに掲げ、技術とデザインで課題を解決する会社が京都・西院にあります。
株式会社おいかぜは、Webサイトやグラフィックの制作をする「プロダクション事業」、サーバーやネットワークの構築・運用・管理などを行う「プラットフォームソリューション事業」、新規プロジェクト開発や業務改善、コンサルティングなどを手がける「はたらくデザイン事業」を展開する会社です。
京都移住計画では、さまざまな職種で働くおいかぜの皆さんに取材を重ねてきました。今回の記事では、プロダクション事業部のディレクター職として、進行管理やクリエイティブディレクションを担うメンバーを募集します。
Webや紙の制作物のディレクション経験のある人だけでなく、おいかぜの理念に共感して一緒に働きたいという思いを持つ人なら、未経験でもチャレンジできます。
20周年を経て、次なるフェーズへ
おいかぜは、もともとサーバーエンジニアだった代表取締役の柴田一哉(しばた・かずや)さんが2003年に設立し、プラットフォームソリューション事業からスタートした会社です。
柴田さん
創業からの10年は、僕の出自でもあるITインフラの事業を立ち上げ、軌道に乗せていく期間でした。10周年を迎える頃にプロダクション事業を始めて、この事業を形にしていくのが次の10年だったと思います。

2023年9月に創立20周年を迎えたおいかぜは、節目の年を経てどのように変化しているのでしょうか。
柴田さん
ここ数年の大きな変化は、社外との協業体制が整ってきたことです。一つは「働く環境の総合商社」として空間プロデュースやリノベーションなどを手がける株式会社ウエダ本社との協業。空間・スペースとITインフラのソリューションを組み合わせたプロジェクト「GOOD PLACE SOLUTION」が始動しました。

柴田さん
もう一つは、コミュニティの力で文化的プロジェクトを生み出す企画会社・株式会社マガザンとの業務提携です。企画やマーケティングを得意とするマガザンと、ディレクションやエンジニアリングを得意とするおいかぜが連携することで、企画開発から実装・運用保守伴走まで、ワンストップで提供する体制ができました。

こういった他社との協業体制を築いてきたことも、「おいかぜらしさ」ではないかと柴田さんは言います。
柴田さん
自社ですべてを担うのではなく、他社と協力しながら「だれかのおいかぜになる」。これまでもプロジェクト単位での連携は行ってきましたが、業務提携を結ぶことで「おいかぜ」というスタンスがよりはっきりと形になりはじめたのかもしれません。
会社の強みの一つであるディレクション力
この数年のおいかぜの変化として、「プロダクション事業部は佐野さん中心の組織づくりが進んできた」と話す柴田さん。ここからは、取締役・プロダクション事業部長の佐野譲(さの・ゆずる)さんと、ディレクターの樋口紗季(ひぐち・さき)さんにもお話を伺います。
プロダクション事業部はクリエイティブチームとエンジニアチームで構成されており、その両方をまとめているのが佐野さんです。樋口さんはディレクターとデザイナーが所属するクリエイティブチームのリーダーを務めています。

WebサイトやECサイトの制作、Webシステム構築、グラフィックデザインなどを、企画から運用まで手がけるプロダクション事業部。最近の傾向について、佐野さんはこう話します。
佐野さん
以前はWebと印刷物の割合が7:3くらいでしたが、特に前期と今期は印刷物の依頼がすごく増えていて、4割ほどになっています。最近は、業務提携をしているマガザンさんと一緒に、ブランディングやメディアの立ち上げなどに携わる機会も多いです。
今回募集するディレクターの業務は、クライアントからの問合せ対応、ヒアリング、見積書や企画書の作成・提案、制作メンバーのアサイン、プロジェクトが開始してからの進行管理やクオリティコントロール、納品後のアフターフォローなど、多岐にわたります。樋口さんは仕事をする上でどんなことを大切にしているのでしょうか。
樋口さん
ディレクターの主な役割は窓口業務。お客さんやパートナー企業さんに対しても、社内の連携においても、信頼を得られるように動こうと心がけています。例えば、期日を守る、こまめに連絡を取る、といったことはシンプルですが大切だと思います。

樋口さん
もう一つ、私が大切にしているのは、社内のデザイナーやエンジニア、社外の協業パートナーの人たちが、パフォーマンスを最大限に発揮できる環境をつくること。「この人の得意分野が花開くかもしれない」「苦手な分野のスキルが伸びるかもしれない」といったことを考えながら、日々コミュニケーションを取っています。
柴田さんはおいかぜのディレクターの強みについてこう語ります。
柴田さん
僕が考えるおいかぜのディレクターの価値は、1番は進行管理能力。これほど精度が高い進行管理ができる会社はなかなかないと思っています。2番目がクリエイティブディレクション。樋口さんのように「この人が花開くかも」と考えられるのは、アウトプットの絵がしっかりと見えた状態でディレクションができているからだと思いますね。
社内外との連携で、より良いものを生み出す
幅広い制作物を手がけているおいかぜですが、特にどういったところがクライアントから評価されているのでしょうか。
佐野さん
エンジニアリングも含めて社内で請け負えるのは、おいかぜならではだと思います。例えば、理化学研究所神戸キャンパスの仕事では、ディレクター、デザイナー、Webエンジニア、ITインフラエンジニアの全職種が協業して、サーバーの構築や運用の仕組みづくりも社内で行いました。運用保守も今年で6年目になります。

樋口さん
お客さんから評価していただけているのかなと感じるのは、「ヒアリングの精度」と「解決策の柔軟性」ですね。私が今進めている案件は、初めはサイトリニューアルのご相談でしたが、課題をヒアリングしていく中でリーフレットとロゴの制作も行うことになりました。コンセプトづくりの話からデータやシステムの話までできるのは、おいかぜの総合力だなって思います。
柴田さん
今日僕と佐野さんが行った打合せも、サイトリニューアルの話だったのに、気づけば業務フロー改善の相談になっていましたよね。仕事の幅を決めずに、自分たちができることで「おいかぜ」になりたいという僕のスタンスは、この会社で働く人たちのマインドセットになっていると感じます。
柴田さんの言葉を聞いて、「知見は溜まってきているので、相談されたときに『あの事例でいけるかも!』と対応できます」とにっこり笑う樋口さん。「だれかのおいかぜになる」という理念が、解決策の柔軟性につながってきたことがよくわかります。

解決策の幅は、マガザンとの業務提携によってさらに広がっています。例えば、清原織物のECサイトリニューアルは、企画・マーケティング・プロモーション計画・デザインをマガザンが担い、ディレクションやエンジニアリングをおいかぜが担うという形で一気通貫できた事例だと言います。
柴田さん
この業務提携の利点は、お互いの得意分野と重なっている分野があるところです。マガザンはプロデュース領域、おいかぜはディレクション領域というそれぞれの得意を生かしつつ、中間の重なっている部分、つまりクリエイティブの領域を「コレクティブ型」で案件ごとに社内外の混成チームを組んでいく。この余白を持った状態でお客さんの課題に向き合うことで、より良いものをつくっていけるんじゃないかと考えています。

このプロジェクトでディレクターを務めた樋口さんは、社外の人たちとの協働にどんな魅力を感じているのでしょうか。
樋口さん
マーケティングの打合せにもすべて参加していたので、お客さんに納得していただくためにどんなファクトを使ってどう根拠づけていくのか、すごく勉強になりましたね。また、社外のクリエイターさんと仕事をすると、「どう伝えたら良いものをつくれるか」「ギャップがあるときにどうやって埋めるのか」などをいつも以上に考えるので面白いです。こういうやり方もあるんだなと、視界が広がる感じがしました。
社内のデザイナーやエンジニアと密にコミュニケーションを取りながら仕事をすること。社外のクリエイターとのやり取りから新たな気づきや学びを得ること。どちらも経験して自身の成長につなげられるのは、おいかぜのディレクターとして働く大きな魅力だと感じます。
チャレンジする姿勢がキャリア形成につながる
ディレクターとして多岐にわたる業務を行うために必要なスキルは、入社後にどのようにして磨いていくのでしょうか。
佐野さん
ディレクターには多職種の業務理解が必要なので、横断的な知識を身に付けてもらえるように、まずは運用保守を行うチームで研修を行う予定です。また、ITインフラエンジニアの業務も理解できると、ディレクターとしての提案の幅がすごく広がるので、早めに理解を深められるような仕組みづくりをしたいなと考えています。
樋口さん
Webサイトは公開して終わりではなく、メンテナンスや不具合の対応も大切な業務。運用保守チームの仕事は、お客さんやエンジニアとのやり取りも密にあるので、きっと良い経験になるはずです。もちろん並行して、先輩のディレクターに付いて実務も覚えてもらえたらと思っています。

どんな人がおいかぜのディレクター職に合いそうですか?と尋ねると、樋口さんと佐野さんは考えつつこんなふうに答えてくれました。
樋口さん
好奇心や探求心を持ってチャレンジできる人、いろんなことを面白がれる人は向いているのかなと思います。一方で、メンテナンスなどのルーティンワークもあるので、お客さんの信頼を得られる対応をすることが基本。ベースの力を身に付けつつ、個人の興味や適性に応じて、どう伸ばしていくかだと思っています。ぐんぐん伸びようとするのを阻害するような雰囲気はないし、私はのびのびとやっています(笑)。
佐野さん
おいかぜでは今のところ、ミドルやシニアといったディレクターの階級付けはしていないんです。樋口さんが言ってくれたように、何かにチャレンジすることで職能が広がり、キャリア形成につながっていくという考え方なので、そこに理解のある方だと良いのかなと。あとは、仕事以外にも自分の楽しみや人生の軸がある人が多いので、そういう人は働きやすいかもしれませんね。

おいかぜの皆さんにお話を伺うときはいつも、「暮らし」「人生」といったキーワードが仕事と並んで出てきます。音楽活動をしている人や趣味に打ち込んでいる人のほか、産休・育休を経験した樋口さんをはじめ、子育て中の人も数名います。
樋口さん
私の場合は、産休から週1勤務や時短勤務を経て復帰しました。おいかぜにはフルリモートからリモートなしまでの5段階から選べるリモートワーク制度があり、私は中間を選択しています。子どもの急な体調不良でリモートワークを活用することもありますね。
社内の子育て中のメンバーとは、Slackの「雑談親チャンネル」で「近所にいい皮膚科はありますか」といった情報交換をしているのだとか。京都外からの移住を考えている人にとっても、何とも頼もしい環境です。

樋口さんは仕事と子育てを両立するために、何か工夫していることはあるのでしょうか。
樋口さん
スケジューリングする、タスクを先回りする、不測の事態に備える、といったことをディレクターは常にしているので、家事育児もディレクションもあんまり変わらない。基本的に段取りが好きなんです(笑)。
この言葉を聞いて「家事育児も間違いなく進行管理ですね」と笑顔で頷く柴田さん。「こっちが遅れたら、こっちでリカバリー」「どこでバッファを取るか」と楽しそうにやり取りする2人の姿から、おいかぜの皆さんが仕事も暮らしも同じように大切にしていることが改めて伝わってきます。
お互いの「おいかぜ」になるチームづくりを
最後に、おいかぜのこれからについて伺うと、柴田さんと佐野さんは次の10年20年を見据えてこう話します。
柴田さん
20年後には僕も60代後半になるので、次の世代を育てることを意識しています。さっきディレクターの階級はないという話がありましたが、会社全体としての階層をつくることは今後考えたいなと思っているんです。2人が話してくれたようにチャレンジを楽しめる人が、組織の中でステップアップしていける仕組みをつくれるといいですね。社内のみんなをフックアップしていくことが、今の僕の1番の興味です。
佐野さん
僕が持つ権限の輪郭ができてきたのがこの数年。樋口さんをはじめとする中間リーダーの人たちがもっと中心となって動かしてもらえるように設計するのが、次のフェーズかなと考えています。

プロダクション事業部のこれからについては、チームというキーワードが挙がりました。
樋口さん
ディレクターは個々できちんと仕事が進められる一方で、チーム感が不足しているなと感じていて。「周りを頼ってもいいんだ」「自分もみんなから頼られるようになるんだ」という空気を意識して、チームだからこその仕事ができたらなと思っています。
佐野さん
「頼れる同僚をつくる」が最近よく話しているテーマ。自分ごとではなくチームごととして捉える意識を、これからディレクターとして入社する人とも共有できるといいですね。

社内外と協働して「だれかのおいかぜになる」。そして、社内の人たちもお互いの「おいかぜ」になり、チームで一緒に仕事をしていく。より良い組織、より良い働き方について、常に考えつづけているおいかぜの皆さんらしい将来像だと感じました。
おいかぜの思いに共感し、自分もチームの一員として一緒に働きたいと思った人は、ぜひチャレンジしてみてください。




執筆:藤原 朋
撮影:進士 三紗
編集:北川 由依
求人募集要項
企業名・団体名 | 株式会社おいかぜ |
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募集職種 | ディレクター |
雇用形態 | 正社員(入社後6ヶ月間は契約社員、6カ月経過後正社員として雇用します。契約社員と正社員では給与が異なりますが、福利厚生等その他の待遇については正社員と同様です) |
仕事内容 | まずは先輩ディレクターについて仕事の流れを学びます。毎週のチームミーティングで進行状況や業務の困りごとに対してフィードバックも行っています。 また、社内にはデザイナーやエンジニアもおり、みんなで積極的に意見やアイデアを出し合って仕事を進めています。ディレクターが企画を考え、デザイナーがビジュアルとして表現し、エンジニアが効果的な動きをつける…こうした役割分担でお客様の想いをカタチにしています。 (主な仕事内容) ・WEBサイト、パンフレットやロゴ、ポスターなどの 制作物のディレクション業務 |
給与 | 月給25万円~ (契約社員時:月給23万5千円~) ※ご経験などを考慮の上、当社規定により決定いたします。 (諸手当) ・残業手当(残業時間に応じて支給) ・交通費全額支給 ・住居手当 ・育児手当 ・資格取得支援制度 |
福利厚生 | ・各種社会保険完備 ・各種特別休暇制度 ・前払退職金制度 |
勤務地 | 【本社】 京都府京都市右京区西院北矢掛町46-2 第2シンワビル2階 |
勤務時間 | 1ヶ月単位の変形労働時間制 実働7.5時間 |
休日・休暇 | ・週休2日制 (月9日/原則土日休み) ・夏期休暇(7月~9月で5日間) ・年末年始休暇(12/28~1/4の8日間) ・誕生日休暇 ・結婚休暇 ・産前産後休暇 ・育児休暇 ・慶弔休暇 ・看護介護休暇 等 ※休日は希望によるシフト交代制 前月に本人の希望などをもとにメンバー内で調整して決定します。 |
応募資格 | ・ウェブデザインや制作の基本を学んだ方 ・スムーズにコミュニケーションが取れる方 ・情報設計等デジタルクリエイションに興味がある方 ・進行管理の実務経験がある方 ・ウェブやデザインに興味がある方 ・積極的な報連相ができる方 |
選考プロセス | 京都移住計画の応募フォームより応募 ↓ 書類選考 (履歴書・職務経歴書・ポートフォリオ) ※ポートフォリオはご準備いただける場合 ↓ 一次面接 ↓ 適性検査 ↓ 二次面接 ↓ (最終面接) ↓ 採用 |
面談場所 | 一次面接はオンライン、二次面接以降は本社を予定しています。 |
参考リンク | 会社HP:https://www.oikaze.jp/ プロダクション事業部概要:https://www.oikaze.jp/production 弊社代表柴田note:https://note.com/sbt18 |