2023.03.27

組織を支え、より良い形に変えていく。「はたらくをデザインする」バックオフィス職

京都移住計画での募集は終了いたしました

バックオフィスという言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
営業など前線で働く人たちを後方から支援する裏方。社内の人をサポートする縁の下の力持ち。そんな印象を持つ人が多いかもしれません。

でも、今回募集する株式会社おいかぜのバックオフィス職は、一般的なイメージとは少し異なっています。
「だれかのおいかぜになる」という理念のもとで働くおいかぜの人たちを支え、より良い組織へと変えていく。いわば「おいかぜのおいかぜ」となり、「はたらくをデザインする」仕事です。

すぐにはピンとこないかもしれませんが、このキーワードがなんとなく気になった方は、ぜひ最後まで読んでみてください。特に、これまでバックオフィス業務に携わった経験のある方にとっては、きっと共感できるお話がたくさんあるはずです。

新しい挑戦をしつづけるために、会社を良くしていきたい

株式会社おいかぜは、Webサイトやグラフィックの制作をするプロダクション事業、サーバーやネットワークの構築・運用・管理などを行うプラットフォームソリューション事業を手がける会社です。

もともとサーバーエンジニアだった代表取締役の柴田一哉(しばた・かずや)さんが、2003年に設立し、プラットフォームソリューション事業からスタート。10周年を迎える頃にプロダクション事業を立ち上げ、2つの事業を軸に成長を遂げてきました。

柴田さん

会社を設立してから最初の10年くらいは、経理や総務の業務は、僕が自分で行っていました。スタッフの人数が増えて手が回らなくなってきたタイミングで、社労士さんと顧問契約を結び、社内でバックオフィスを立ち上げることになりました。

そこで白羽の矢が立ったのが、現在もおいかぜのバックオフィスを担っている福本泰子(ふくもと・やすこ)さんです。福本さんは当時、おいかぜのある拠点に常駐するスタッフとして働いていました。

福本さん

前職ではPCインストラクターをしていて、おいかぜに入社してから約5年間は、2ヶ所の拠点でヘルプデスク業務を担当していました。経理や総務の経験はなかったので、できるかな?とは思ったんですけど、やったことがない仕事をやってみたいという気持ちでお引き受けしました。

福本さんにお願いしたいと思った理由は、「信頼しているから。それが一番ですね」と柴田さん。

柴田さん

バックオフィス業務を任せるとなると、会社の大切な情報を渡すことになるので、誰に頼むのかってけっこう難しいんですよ。だから信頼関係のある福本さんにお願いしたいと思いました。

経営者がすべてひとりで担っていたところから、管理部門を立ち上げて業務を移行していくとなると、初めは苦労も多そうですが……。そう問いかけると、意外にも「スムーズでしたよ」と2人は笑います。

福本さん

柴田さんがベースとなる仕組みを作って、しっかりとした資料も用意してくださっていたので、スムーズにできました。

柴田さん

僕はいつも先回りしすぎる癖があって、まだそんなことを考えなくていい企業規模の頃から仕組みを考えていたんですよね。だから、後から組織が仕組みに追いついてきた感じかもしれません。

柴田さんがこれまで制度や仕組みづくりを重視してきたのは、「新しいことにチャレンジしつづけるために必要なことだから」という明確な理由があります。

柴田さん

何か新しいことをする時に、社内で「誰がやるんですか」とか「今こんな問題があるのに、そんなことやっている場合ですか」となってしまったら、前に進めなくなりますよね。それをなくすために、まずは会社を良くしようというのが、僕の考え方の基本なんです。例えば、バックオフィスをちゃんと整備できずにどんどん事業を拡大していくと、必ずハレーションが起きてしまう。そうしたくないからこそ、いつも先回りして考えているんです。

事業を成長させていくためにも、社員の皆さんが安心して働ける環境を作るためにも、柴田さんがバックオフィスを重要な部門と位置付けていることが伝わってきます。

全員が気持ちよく働けるような仕組みづくり

管理部門を立ち上げた約10年前は、おいかぜのスタッフは16名でしたが、今や総勢40名以上。福本さんとアルバイトスタッフ2名で、経理・総務・労務といったバックオフィス業務を担っていますが、スタッフを増員しないと対応しきれない状況になりつつあります。

さらに、規模だけでなく、組織としての形も変わっていく中で、新たな体制づくりが必要なフェーズに入っていると柴田さんは語ります。

柴田さん

人員増加に伴って、組織のセクション化も進めてきました。それにあわせて、4年ほど前に、プラットフォームソリューション事業とプロダクション事業のそれぞれに、事業部長に就任してもらいました。

プラットフォームソリューション事業部の事業部長に就任したのは、柴田さんの前職の同僚で、創業初期から在籍しているITインフラエンジニアの峯康尚(みね・やすひさ)さん。ディレクター・デザイナー・Webエンジニアが所属するプロダクション事業部の事業部長には、自身もWebエンジニアである佐野譲(さの・ゆずる)さんが就任しました。

プラットフォームソリューション事業の事業部長を務める峯さん

ただし、本格的な体制づくりはこれからだと柴田さんは付け加えます。

柴田さん

峯さんも佐野さんも、今はマネジメント職というよりも、それぞれがプレーヤーでもあるんですよ。だから、マネジメントの仕組みづくりはこれからですね。まず先に形を作って、形がこなれてきたら、そこにソフトウェアを入れていくようなイメージで考えていたので、約4年経っていよいよ進めていこうという段階ですね。

両事業部のマネジメントの仕組みづくりと、バックオフィスの新しい体制づくり。この2つを並行して進めていくために、柴田さん・福本さん・峯さん・佐野さんの4人は、月2回の経営管理ミーティングを始めたとのこと。それぞれがどんな課題感を持っているのでしょうか。

プロダクション事業の事業部長を務める佐野さん

福本さん

今はひとまず課題を挙げていくところからですね。スタッフ一人ひとりの勤務状況など、役員の皆さんにも情報を共有して、まずは現状を知っていただいた上で、何が課題なのか、課題ではないのか、という洗い出しをしていきたいと思っています。

峯さん

部門を越えた仕事が増えて、誰が何をどこまでやるのかという線引きが曖昧になりがちなので、組織を体系立てていく必要があると思っています。バックオフィスとの連携も、できている人とできていない人がいるので、ルールをはっきりさせて効率よく動けるようにしないといけないですね。

佐野さん

やっぱり人数が増えてくると、労働の強度や担当している内容、守備範囲など、ばらつきが出てくるんですよね。それによって不平等が生まれやすくなるので、決まりごとや周知する仕組みなどをちゃんと作って、不平等感を解消できる形を探っていくのが課題かなと思っています。

佐野さんから出た「不平等」というキーワードを聞いて、柴田さんがさらに言葉を継ぎます。

柴田さん

創業初期の頃から、おいかぜには本社以外に3ヶ所の拠点があり、社員の約4分の1が各拠点で働いています。拠点によって勤務形態が微妙に違うので、その差を埋めて不平等感をなくすためにはどうすれば良いのか、ずっと考えつづけてきました。そこで、5年ほど前に導入したのが、変形労働時間制です。

おいかぜでは、「1=リモートワークなし」から「5=フルリモート」までの5段階から、各自が選べる制度を導入しています。また、シフト制のため、仕事の状況や個人の予定に合わせて、土日ではなく平日に休みを取ることも可能。前月末までに、休日やリモートワークの日程を申請する仕組みになっています。

柴田さん

「1=リモートワークなし」の段階を設けているのは、拠点で働くスタッフの多くは、リモートワークが難しい環境だから。働く時間帯も、拠点によってばらつきがありますが、変形労働時間制を敷いたことでルールが明確になりました。

コロナ禍の影響で、各企業で自由な働き方が推進されるようになる以前から、おいかぜでは各拠点間の不平等感を解消するために制度づくりが進んできたことがよくわかります。

柴田さん

コロナ禍以降はリモートワークがさらに進んで、標準化や汎用化が難しい状況がさらに加速していますね。その分、バックオフィスの負荷が大きくなってしまっているんです。マネジメントの体制や指揮系統を整備して、各事業部が自走できるようにしていかないと、バックオフィスの負担は軽減されないので、やっぱり両輪で進めていかないといけないですね。

自由な発想で、業務改善や新たな制度構築を

本社以外の拠点を多く持つというおいかぜの当初からの特徴と、人員の増加や時代の変化。さまざまな要素が影響して、バックオフィスの強化はおいかぜにとって喫緊の課題となっています。これから新たにバックオフィスに加わる人には、どのような資質が求められるのでしょうか。

柴田さん

福本さんはどちらかというと「守り」のタイプなので、「攻め」のタイプというか、業務改善型、積極的介入型の人に来ていただけるといいですね。例えば、経理だけでなく財務までアプローチできる人など、福本さんとは得意分野やタイプが異なる人が来てくれると、お互いに補い合いながら仕事をしてもらえるんじゃないかと思います。

福本さん

私とはまた違う意見を出してくれて、議論できるような人と、一緒に頑張っていけるといいですね。

峯さん

バックオフィスに限らず、どの部署でもそうなんですけど、自由度が高い人のほうがはまるような気がしますね。「バックオフィスだからこう」と決めつけずに、自由な発想ができる人が向いているんじゃないかと思います。

佐野さん

専門性が高いというよりは、広く浅くでも良いので、興味の幅が広い人がいいですね。事業部によって抱える問題は違ってくるので、それぞれの視点に立ってくれるような、考えに幅がある人がいいなと思います。

4人のお話を聞いて、「大企業のバックオフィス職とはだいぶ感覚が違うかもしれないですね」と感想を漏らすと、「全然違うと思います。どっちかというと、部活のマネージャーみたいな感じ。スコアも私が付けるの?とかマネージャーさんは言わないじゃないですか」と柴田さんは笑います。

バックオフィス職として、はたらくをデザインする

最後に、バックオフィス職として仲間に加わる人に伝えておきたいことはありますか?と尋ねると、柴田さんはこんなお話をしてくれました。

柴田さん

おいかぜでは、バックオフィスに「はたらくデザイン事業部」という名前を付けています。営業や広報も、この「はたらくデザイン事業部」に入っています。あえてこの名前を付けているのには理由があって。僕たちは、おいかぜで会社づくりをしてきたノウハウを、いつかビジネスにできたらいいなと思っているんですよ。

おいかぜは「だれかのおいかぜになる」という理念と共に、「はたらくをデザインする」というステートメントを掲げています。この言葉について、柴田さんは次のように説明します。

柴田さん

プロダクション事業部やプラットフォームソリューション事業部の人たちは、さまざまな仕事を通じて、お客さんの「はたらくをデザイン」しています。そうやってフロントで戦ってくれている人たちを、バックオフィスが支えている。つまり、フロントの人たちの「はたらくをデザイン」しているのが、バックオフィスなんですよ。

ディレクターやデザイナー、エンジニアといった人たちが、お客さんの「おいかぜ」となり「はたらくをデザイン」している。そんなおいかぜの人たちの「はたらくをデザイン」しているのが、バックオフィス職。つまりバックオフィスは「おいかぜのおいかぜ」になっている。そんな入れ子のような構造が浮かび上がってきます。

柴田さん

ときどき福本さんが「私は売上を作っていない」って言うんですよ。でもそんなわけないですよね。売上を作っている人たちは、福本さんがいなくなったら売上が作れなくなる。パフォーマンスを発揮できなくなるんです。だから、バックオフィスの人も「はたらくをデザイン」しているんですよ。これから仲間になってくれる人も、そういうモチベーションを持って働いてくれたらいいなと思っています。

そんな柴田さんの言葉を聞いて、「皆さんを支えたいという気持ちで仕事をしているので、そう言っていただけるとうれしいですね」と福本さんはにっこり笑います。

自分たちの仕事は、売上や利益を生んでいるわけじゃない。そんな感覚を持った経験のあるバックオフィス職の人は、世の中にたくさんいるのではないでしょうか。でもそんなことは決してない。「だれかのおいかぜになる」「はたらくをデザインする」というおいかぜのステートメントが、バックオフィス職に新たな光を当てているように感じられました。

おいかぜの理念に共感し、バックオフィス職として「はたらくをデザインする」仕事をしてみたいと思った方は、ぜひ彼らの仲間に加わってみませんか。

\noteも更新中/

代表・柴田さんによるnote「みんなでおいかぜの人格をつくっていく」にバックオフィス・福本さんをご紹介しています。バックオフィスの仕事をより理解できるはず。合わせてご覧ください。

”おいかぜの居心地の良さの証は13年間働いている・働けていることそのもの” vol.2(前編) バックオフィス福本さん

”「バックオフィスってお金を産まないんですよね」という言葉を起点とした”はたらくデザイン”の事業の核のおはなし” vol.2(後編) バックオフィス福本さん

編集:北川由依
執筆:藤原朋
撮影:岡安いつ美

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