京都移住計画での募集は終了いたしました
いつかの為に、今できることをしようーー。
代表の田村篤史が京都移住計画をスタートさせたのは、2011年5月のこと。「京都にいつか帰りたい」という想いを持つ人達との出会いをきかっけに、京都移住計画は生まれました。
2012年には田村が東京から京都へUターン。
現在は同じようにUターン・Iターンをした仲間と共に、京都へ移り住むことを検討している方々が必要とする「居・職・住」をお届けしています。
これまで京都移住計画は、想いに共感した仲間が自然と集まる形で活動を続けてきました。そしてこれからも、等身大の想いを大切に歩み続けることは変わりません。
しかし今回、”新しい風”を求めて初めてメンバー募集を出すことに決めました。募集するのは「住」を担う不動産担当のメンバーです。
移住計画にとって大きな節目となるこの募集。代表の田村と不動産担当の岸本が今までを振り返りながら、仕事のことや移住計画のこれからについてお届けします。
移り住む人の暮らしを応援するコミュニティ
まずは簡単に、京都移住計画の活動についてご紹介します。主となる活動は「居・職・住」の三つです。
一つ目が居場所づくり(コミュニティ)のお手伝い。
移り住むことを考える人や移り住んだ人同士がつながる「京都移住茶論」などのイベントを通して、一歩前に進むきっかけを提供しています。
そして二つ目が、地元ならではの求人情報をお届けすること。
どんな想いで働いているのか。どんな仲間を求めているのか。良いことばかりではなく大変なことも含め、等身大の会社の姿を知ってもらうことを大切にご縁を紡いでいます。
最後三つ目が、暮らしを楽しむこだわり物件の紹介です。
間取りや年数、家賃を紹介するだけではなく、建物が持つ歴史や物語、周りの土地の匂いや空気感といった見えないものもお届けし、移住者の人が住みたいと思える家や”らしさ”が伝わる店舗物件をご紹介しています。
立ち上げから7年。今でこそ3つの軸で活動する京都移住計画ですが、この形はメンバーそれぞれが得意分野を持ち寄り、ゆるやかに活動の幅を広げてきた結果。岸本が合流した2014年当時、「住」はありませんでした。
岸本:東京から京都に帰ろうかなと思い情報収集を始めた時に、移住計画を知って。共通の知人もいて年齢も近かったので、思いきってメールしたのが田村さんとの出会いでした。
田村:すごく熱い、長いメールをくれたよね。
岸本:メールする前に、田村さんのことを入念にリサーチしたんですよ(笑)調べると田村さんは「職」分野の経験が豊富で、だけど移住計画に「住」担当はいなそうだということがわかって。移住する上で「職」と「住」は欠かせない要素なので、一緒に組めないかなと思いました。
田村:当時はまだ「住」の活動はやっていなかったけれど、ゆくゆく不動産担当の仲間に出会えたらいいなと思っていたんです。そこで僕が東京へ行くタイミングで、共通の知人を介して神保町の居酒屋に飲みに行ったんだよね。
田村:お互い京都郊外で育って東京へ働きに出たり、ベンチャーで働いた経験があり0→1を作ることにおもしろさを感じるところだったり。人材と不動産業界の仕組みが似ているなど共通点がいくつもあって意気投合して。それで「一緒に何かできたらいいね」という話になって。
岸本:その後も帰省に合わせて、田村さんに会ったり京都移住茶論に参加しながら京都に知り合いを増やしていくうちに、少しずつ京都にUターンするイメージができていったかな。
田村:岸本と出会った頃、ちょうど僕は堀川団地再生プロジェクトに関わっていて、リノベーションした部屋に住む人(コラボレーター)を募集するコンペを実施するタイミングで。不動産ベンチャーでシェアハウスやDIY賃貸を手がけてきた岸本が関わってくれたら、おもしろくなるよねって話をしたよね。
岸本:そうそう。堀川団地のプロジェクトをきっかけに、京都に戻ってきました。
理想の暮らしから住まい方を提案する
岸本がUターンした後ゆっくりと基盤を整え、2016年1月から京都移住計画ではオーナーさんと移住希望者をつなぐ物件を紹介するサイトを始めました。
岸本:不動産担当としてやっていることは、まずオーナーさんや不動産会社さんから掲載希望の問い合わせがあれば、建物の概要をヒアリングして。それから掲載に至る場合、物件を撮影したり、家賃や契約期間などの細かい条件を決めたりします。その後サイトに掲載。内覧希望の問い合わせがあったら、一緒に物件を見に行き、条件が合えば契約するというのが一連の流れです。
岸本:京都移住計画のサイトを見ている人の多くは、京都移住を考えている方なので、移住者が住みたいと思う物件を紹介することを心掛けています。京町家やアトリエとして使える住宅や事務所などはニーズが高いので、積極的に掲載していますね。
不動産紹介ページには、『猫と一緒にシェアハウス』『専用庭のあるマンション』『平屋でミニマリストな生活』など「どんな物件かな?おもしろそう!」と思うようなタイトルがずらりと並びます。
こうした文章を書くのも不動産担当の仕事の一つです。
岸本:ただオーナーさんと借り手を仲介するだけではなく、その物件に住む魅力を移住者にきちんと届くよう編集することを大切にしています。外から来る人にとって何がメリットか、「いいな」と思うポイントはどこかを具体的にイメージして、移住後の生活像を想像しながら書くようにしているかな。
あと京都のオーナーさんは投資目的の方より、建物にストーリーを持っている方が多いので、話しをするのもすごくおもしろいです。
田村:僕たちはややもすると手間のかかることをやっている気がして。不動産にも求人にも通ずることだけど、ただ情報を載せるだけではなく、きちんと依頼者さんと移住者両方の意図を汲み取ってマッチングしています。だから効率重視の方よりも、その「手間」を楽しめる方が移住計画に向いているんじゃないかなと思います。
京都市内にはさまざまな不動産会社があります。その中で京都移住計画に声をかけてくださる方に共通するのが、理想の暮らしから住まいを探していることです。
岸本:不動産会社へは、みなさん家を探すために行きますよね。でも移住計画に来る問い合わせは、家賃や広さなどの条件面だけで決められないものが多くて。
「京都に移住してこんな暮らしをしたいのですが、それに合う場所や物件はどれになりますか?」と聞かれるので、そのご要望に合わせて町家や職住一体の物件などをご紹介しています。
「どんな物件をお探しですか?」から入るのではなく、「どういう暮らしをしたいですか?」と話を聞いて、その暮らしに合った物件をご提供するのが移住計画です。
また移住計画では、田村と岸本が相談員となって「職住相談会」を開催してきました。そこでは移住希望者の理想の暮らしを実現するために、今抱えている問題整理をお手伝いしています。
田村:移住後、企業で働くかそれとも独立するか迷っている場合、どこに相談したらいいかわからないですよね。でも僕たちは会社員、フリーランス、そして起業と経験しているのでそれぞれの善し悪しを伝えることができます。
岸本:うんうん。京都に住んだことがない人が京都でお店を出したいと思っても、地の利がないとどこでやればいいのかわからないから。そこに暮らしも踏まえて提案できるのが移住計画の強みですよね。
移住計画にしかできない仕事
移住計画は理想の暮らしから住まい方を提案することで、多くの人の夢を叶えるお手伝いをしてきました。いくつか事例をご紹介します。
岸本:例えば、今年西院にオープンした美容室の方。東日本大震災がきっかけで京都に移住され、美容室で働かれていたのですが、京都を気に入り自分のお店を開かれることに。それまでたくさん物件を見られていたのですが、廃墟感ある雰囲気が自分のお店づくりにぴったりだと、移住計画で紹介していた物件を大変気に入ってくれました。
また福岡のITベンチャー株式会社ヌーラボが、京都オフィスを移転する際の物件探しもお手伝いしました。
田村:空き家を改修してオフィスにしたいというご要望を貰いました。これはまさに、岸本がいたからこそできた案件です。
岸本:つい先日そのオフィスが手狭になったからと、新しい場所に移るご相談もいただいたんです。会社が大きくなる変遷を見れるのは嬉しいですね。2回目以降も声をかけてもらえるのは、京都らしいなと思います。
また物件紹介以外にも、移住計画ならではなこんなイベントも開催してきました。
岸本:「京都シェアハウスツアー」と題して、別々の不動産会社が運営するシェアハウス3軒を巡るシェアハウスツアーを開催したこともあります。一般的に、競合同士が一緒にツアーをすることってまずない。だけど移住計画は中間組織的なポジションなので、会社の枠組みを越えた企画をつくれるのがおもしろいですね。
田村:僕たちは移住者を向いて活動しているからね。もし僕がシェアハウスを探していたら通常、別々の管理会社に問い合わせて見学してもらわないといけないから大変です。でもまとめて見学できたら楽だし、シェアハウス周辺をみんなで町歩きしたらどんな暮らしができるかイメージしやすいから、「ぜひやろうよ」と実現しました。
岸本:シェアハウスツアーのように、物件を仲介するだけではなく物件と絡めたイベントや企画なども自由に仕掛けていけるのが、移住計画らしさです。やりたいと思って提案したことはみんな応援してくれるし協力もしてくれるから、一人で何かするよりも実現しやすいですよね。
おもしろい人が集まる町、京都
2014年に岸本がUターンしてから、4年が経ちました。
今でこそ「京都が大好き」と語る岸本ですが、Uターン前を振り返ると移住を不安に思う等身大の姿が浮かび上がってきました。
岸本:東京時代の友達に聞いたんですけど、Uターン前私は「仕事がなかったらどうしよう」「楽しめへんかったらどうしよう」と京都へ戻るのをすごく不安がっていたらしいんです。でも私は全然覚えてなくて。
田村:そうだったんだ。その不安はなんで解消されたの?
岸本:京都にはおもしろい人が多いことが、暮らしてみてわかったからかな。移住は大冒険。そこに協力できるのはやりがいがありますし、移住するほどの行動力がある人は自分の世界を持っているから、相談を受ける側の私も勉強になることばかりですね。
不安だったことを忘れるくらい今では京都が大好きだし、すごく相性が良いと思います。
田村:たしかに、自分マインドがある人が多いよね。あと移住計画の求人や不動産は紹介して終わりということがなくて、その後もイベントに顔を出してくれたり、報告をくれたりする方もいて。ご縁としてちゃんと繋がっていくのが嬉しいなと思います。
岸本:そうですね。私も出張の時に手土産を買うのは物件を紹介したお客さんのお店のものだし、飲みに行くのもお客さんのところ。仕事をきっかけにプライベートも充実しているのを実感します。
田村:仕事きっかけで友達になるし、友達きっかけで仕事になる。これってすごく健康的なことじゃない?
岸本:うん、すごく良い!東京で働いていた時は、お客さんのところにいくなら何か仕事の用事を持っていかなくちゃと思っていましたが、京都では用事がなくても「最近どうですか?」て気軽にお茶したりご飯に誘ったりできます。それが京都で働く魅力だし、移住計画はとくにその傾向が強いですね。
移住計画のこれからを一緒に考えよう
2011年の立ち上げから7年。京都移住計画は、移り住む人の暮らしに必要なことを自分達の歩幅で作りつづけ、ゆるやかにつながりながら活動の幅を広げてきました。その中でメンバーを取り巻く環境は少しずつ移り変わり、転換期を迎えています。
田村:こうして振り返ってみると、自分達の歩幅で色々なことをしてきたね。移住計画のメンバーはみんな1980年代生まれ。だけど7年経って。本業が忙しくなったり結婚して子どもが生まれたりして、どうしても20代独身だった頃のようには活動できなくなってしまって……。
岸本:30代になって自分達を取り巻く環境も変わりましたね。それに合わせて移住計画に関わる層も、独身中心だったところからファミリー層が少しずつ増えてきていて。
田村:そうだよね。僕たちは等身大であることを大切に活動しているから、このタイミングで”新しい風”を吹き込んでもらって、もっと多様な移住希望者のニーズに応えられるようになりたいね。
岸本:そうですね。物件紹介も今は掲載希望があるものだけをサイトに紹介し、載ってる物件しか移住者の方にご紹介できていないけれど、スタートした当初は、自分から物件を探したり、移住者の方の希望に合わせて物件を探したりもしていたので。またそうしたこともできるといいですね。
借りたい人からの相談はあるけれど現状、私一人では追い付いていないので、やればやるだけ伸びしろはあるはず。不動産の仕事は地の利がないと難しい面もあるから、移住計画の素地をうまく利用してもらって、一緒に盛り上げてくれる人がいたら嬉しいです。
田村:もし僕たちの活動に興味を持ってくれる人がいたら、ぜひ一度会ってお話したいね。どんなことを考えているの聞かせてもらいたいし、僕たちと一緒にどんなことができるのか考えられたらなと思います。
今回ご紹介した田村と岸本以外にも、京都移住計画には八百屋、伝統工芸の職人、WEBデザイナーなどさまざまな本業を掛け合わせて、京都に移り住む人を応援している仲間がいます。彼らとの出会いもまた、「京都で不動産の仕事をしたい」「これから独立したい」と考えているあなたを後押しするきっかけになるはずです。
移住計画の活動を未来に繋げていくために、同じ想いを持つ方との出会いを心待ちにしています。
京都移住計画での募集は終了いたしました