募集終了2022.02.17

誰かの叶えたい想いを応援する。人と組織をつなぎ、共につむぐまちの未来

今回募集する仕事に、ピッタリな名前はありません。
私の所感で言うならば、「誰かの叶えたい未来に寄り添って、伴走する仕事」。

憧れの暮らしを叶えるために移住してみたい。
自分の住むまちをもっと楽しくしたい。
自分にぴったりの仕事につきたい。

その願いを、どう現実にするのか。
それを共に考え、一緒に育んでくれるのが株式会社ツナグムです。

2022年で創業7年目を迎える今、何を大切に思い、どんな未来を描こうとしているのか。
メンバーが紡ぐ言葉の中から感じ取っていただけると嬉しいです。

想いを聴くことから始まった、京都移住計画

ツナグムの代表である田村篤史さんの名刺には、「聴き手」と書かれています。なぜなら、ツナグムが関わるプロジェクトのほとんどが、誰かの相談からはじまるから。

田村さんは相手の解決したい悩みや希望を話す言葉に耳を傾け、どうしたら実現できるかを一緒に考えます。


田村「『それってどうやったら解決できるんやろう?』と好奇心を持って相手の言葉を聞くと、自分のなかにしっかりインプットされるんです。その場では何も生まれなくても、何人かと集まって話しているうちに突破口が見つかったり、スキルやアイデアを持った人を紹介することで叶えられたり。そんなことをつづけてるうちに、『ツナグムに相談すれば何とかしてくれる』と言ってもらえるようになって、今の形になったんですよね」

こうした田村さんの「聴き手」としての活動は、ツナグムがはじまる前からスタートしていました。

田村「一度は就職で東京にでたものの、自分を含め『いつか京都に帰りたい』という想いを持つ人たちが周りに多かったんです。京都は多様な文化があるからこそ、誰かのやりたいことに紐づく受け皿がある。自分たちが都会で得たスキルを京都に持って帰ることで、もっと京都を面白くできるのではないかと考えていました」

田村さんはそういった想いを自分だけに留めず、「京都移住計画」と名付けて、京都で暮らしたい人の想いを形にする移住応援プロジェクトをスタート。「移住したら、何をやりたい?」と移住を望む人たちから想いを聴くことをはじめました。

2018年1月に実施した移住者交流イベント「京都移住茶論」

故郷へ帰る。それだけなら、自分ひとりでも実行できること。なぜ田村さんは、周囲の人と一緒に取り組もうと思ったのでしょうか。

田村「やっぱり1人だと、集められる情報に限りがあるじゃないですか。でも同じ目的の人がいると、情報が集まるスピードも質もいいものになる。自分のやりたいことを開いて仲間を集う方が、自分だけでやるよりももっと面白くなる気がしたんです」

東京での田村さんの動きは、さまざまな人を通じて、当時京都で活動していたタナカユウヤさんの耳にも届くことになります。人と人の縁が二人を結びつけ、二人は互いの考えに共感し合います。

タナカ「僕も篤史も人の交流が生まれるような場づくりをしたいと考えていたし、いろんな人が交わることで、京都をもっと面白いまちにしていきたいという共通の想いがありました。移住したい人を東京から京都へ、僕は京都の情報を東京へと互いに協力し合うことで、それは実現可能になるんなんじゃないかなと」

こうした想いのもと、2015年に二人は「株式会社ツナグム」を立ち上げます。

人をつないで縁を紡ぐ、ツナグムの仕事の形

タナカさんも田村さん同様に、誰かの「やってみたい」という気持ちを汲み上げ、それを形にしていこうとする人です。タナカさんの名刺に書かれているのは、「繋ぎ手」という言葉。

いつもタナカさんに会うと、挨拶も早々に、「あ、この方は〇〇さん。こんな仕事をしていてね……」と、必ず誰かを紹介してくれます。思わず「呼吸するように、人をつなぐ人だなぁ」とつぶやいてしまったぐらい。そんな「繋ぎ手」にお世話になった人は、京都中、いや日本中にたくさんいると思います。

タナカ「その人だけでも、僕だけでもできないことは多い。いろんな人とつながることで実現する可能性がグッと上がるんですよね。人の想いの先を想像して、つないで、共に創り出すというのが、僕らの中に軸としてあるんです」

「共に創り出す」という想いが形になっている一つが、2020年4月から関わる「町家学びテラス・西陣(旧:京都リサーチパーク町家スタジオ)」の取り組みです。「町家学びテラス・西陣」は現在、京都産業大学の地域連携の拠点になっており、大学・地域・企業が融合し合い、新たな視点やアイデアが生み出されることが期待されています。人が行き来する場になるよう、ツナグムはタナカさんを中心に、運営や企画の手伝いをしています。

毎週水曜日に開催されている「町家オープンデイ」の一コマ。学生や社会人などさまざまな人が行き来します

タナカ「いつも意識しているのは 『一緒に歩く』ということ。時には、コンサルティングだけを求められることもあるんですけど、僕たちはクライアントというよりも、パートナーとしてやりたいと思っていて。例えば、コワーキングスペースをやりたいのに、利用したことがないと言われると、本気でやりたいのかなと疑問を感じてしまう。僕たちは、同じ熱量で物事を見て、互いに学び合える関係性で仕事がしたいんですよね」

僕らだからできる、持続的な移住支援

こうしたさまざまな連携の一つの中に、移住支援事業があります。2014年に京都府から受託し、ツナグム設立のきっかけにもなった「京都移住コンシェルジュ事業」もその一つです。移住支援事業の中心を担うのは、藤本和志さん。

藤本さんは2015年から社員としてツナグムに合流し、都市と京都ローカルをつなげる「京都移住コンシェルジュ」や、全国の地域と京都をつなげるコミュニティづくり「meets local(ミツカル)」など、これまで通算300回以上のイベントや現地ツアーを企画してきました。

藤本「地域に足を運ぶようになって知ったのは、その土地ならではの暮らしを楽しんでいる人がたくさんいること。同時に仕事や住まいの情報、観光で訪れるだけでは会えない人とつながれるコミュニティなど、移住に必要なことを媒介することが僕らの役割なんだと強く感じました」

私も藤本さんが企画する地元三重県のローカルツアーに参加させていただいたことがあるのですが、地域に魅かれて移住した方から話を聞いたり、その土地の食や文化、産業などに改めて触れたことによって、自分がこれまで「何もない」と思ってしまっていた地元に対する印象ががらりと変わりました。

藤本「人口が減っていく中で、地方は関係人口をつくっていきたいし、都市からUIターンする方も、価値観を共有できる面白い人を移住先で見つけたい。僕たちが都市と地方がつながる一歩目をつくることで、その方々の選択肢が広がる。そこにこの仕事の楽しさを感じています」

しかし、やりがいと同時に成果を生みだす難しさも感じているそうです。

藤本「一度地域に足を運んで興味を持った人でも、いきなり移住するのはハードルが高い。決断できない理由の多くは、仕事です。地方にはまだまだ、仕事の探し方や出会い方の選択肢が少ないと思うんです」

地域に長く関わってきたからこそ、見えてきた課題。それらを解決する選択肢として、まずは地域ならではの仕事や働き方のリズムをもっと多くの人に体験してもらう必要があると考え、企画されたのが、職住一体型の滞在プログラム「京都ローカルワークステイ」です。

「京都ローカルワークステイ」で訪れた、南丹市美山町。地域で就職したい方や自分らしい働き方を模索する方が参加されました。

京都のローカルエリアへUIターンした方々が関わるプロジェクトや地元企業で、インターンシップをしながら、移住後のライフワークを想像しながら体験できるプログラム。滞在・体験を通して地域への理解を深め、自分なりの地域との関わり方や働き方を見つけます。

藤本「地域との関わり方は、移住だけではありません。副業や兼業という形で都市部で暮らしながら、自分のスキルを活かして地域と関わることもできます。ツナグムがこれまで育んできた人や場とのつながりがあるからこそできる循環をつくり、持続的な移住支援に取り組んでいきたいですね」

「共に創る」ことで可能性を広げる

創業時から「人と人、人と場のつながりを紡ぐ。」を掲げ、ツナグムは、誰かの困りごとや叶えたい未来を一緒につくってきました。そうした積み重ねの中でツナグムという会社の価値を感じ、プロジェクト単位ではなく、「一緒に事業をやらないか」と声をかけられることも増えてきています。

企業だけでなく大学・行政・金融機関などさまざまな分野と連携できるのが、ツナグムの性質。2020年にオープンした京都信用金庫の共創空間『QUESTION(クエスチョン)』は、コアパートナーとして、企画・場づくりの設計などオープン前から関わっています。

QUESITON5階にツナグムもオフィスを構え、一入居企業として利用しながら、運営の伴走をしています。

また、株式会社ウエダ本社とは、キャリア支援サービス「Beyond Career」を共に進めています。これは単に就職・転職のサポートをするのではなく、副業・兼業・フリーランス・起業・事業承継など、従来の概念に縛られない「新たな働き方」を見つけるお手伝いをするサービスです。

田村「ツナグムのメンバーは現在7名。僕ら自身の影響力は小さくとも、企業・金融機関・大学・自治体などと共創することで、誰かの叶えたい想いをより応援できる体制をつくれると思っています。こうした事業展開を、今後はもっと増やしていきたいんです」

ツナグム「で」働く、ツナグム「と」働く

文中ではすべて触れることができていませんが、ツナグムは京都府内を中心に行政や大学、企業などとパートナーシップを結び、数多くの事業やプロジェクトに伴走しています。

しかし、相談ごとを実現できているのはほんの一部。「コワーキングスペースを立ち上げたい」「採用の伴走支援をしてほしい」「後継ぎがいなくて困っている」など多種多様な相談に応えるため、今回新たにツナグムのメンバーを募集したいと考えています。

田村「これまでのようにプロジェクト的に仕事をしていくことが足し算だとすれば、共に描いた未来に向けてプロジェクトや関わる人たち同士を編んで掛け算にしていく。そんな深化をしてくために、もう少しチームとして動けるようになっていきたいと思ったんですよね」

そこで今回は、ツナグム「で」、メンバーと一緒にプロジェクトや事業を動かしていく人を募集します。

田村「ツナグム『で』働くこと、とツナグム『と』働くこと、その違いってどんなところにあるんだろう?という問いの答えを探している状態で、もしかしたらはっきりと分れるものではなく、その間(あわい)がツナグムらしさかもしれない。曖昧さは未熟さとも言えますが、関わりしろがたくさんあるとも言える。第二創業というと大袈裟だけれど、次の会社の形や事業を一緒に探求していける人と出会えるといいなあと思っています」

将来的に興味を持った事業からスピンアウトして、独立する人がいてもいい。個人と組織の関係はフラットでありつづけたいからこそ、「こうあるべきだと決めつける働き方ではなく、最終的に会社とメンバーが、お互いに活かし合う関係性を目指したい」と田村さんはつづけます。

また、プロジェクトごとに関わる、ツナグム「と」働く人も募集します。

タナカ「僕たちはどんなプロジェクトも、自分たちだけでなく、『ツナグム+ツナグムに関わる人』で仕事を受けているという感覚があって。学生さんやフォトグラファー、ライター、デザイナーなど、ツナグムを経由してつながったさまざまな人たちと仕事をしながら、一緒に京都を盛り上げていけるのが理想的な状態なんです」

「誰かの叶えたい未来に寄り添いつづける」。その純粋な想いが源となり、ツナグムの周りにはおもしろい人や場所が増え、そこから仕事や交流、プロジェクトが生まれています。

決して目では見えませんが、その想いに触れると、まちの見え方が変わったり暮らしが楽しくなったり。私もツナグム「と」働くひとりとして、そんな体験をしています。

田村さんの言葉にもありましたが、ツナグムの仕事は、「それってどういうことなんだろう?」「どんなことにつながるんだろう?」と感じる好奇心がとても大切です。ですから、この記事を読んでいるうちに、なんだかわくわくしてきた方、頭にやりたいことが思い浮かんできた方。そんな方は、ぜひご応募ください。

きっと、ツナグム「で」もしくはツナグム「と」、働く日々の中で、あなたの好奇心をくすぐるユニークな人やプロジェクトと出会うことができると思いますよ。

編集:北川 由依
執筆:ミカミ ユカリ
撮影:岡安 いつ美

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今回の募集職種にとらわれず、あなたの持っている力ややりたいことを聴くことで、一緒につくりたい未来を描けることもあるはず。「ツナグムでこんなことしたんだけどどうかな?」「ツナグムとこんな関わりをつくれそう!」といった想いをお持ちの方も、ぜひご連絡ください。

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