2024.03.12

お互いを尊重する組織で、挑戦と成長を。エレベーターから日常を支える。

(2024/03/12公開、2024/9/13更新)

普段何気なく利用しているエレベーター。マンションや駅、商業施設といった暮らしにまつわる場所はもちろん、病院や福祉施設など命に関わる現場でも欠かすことのできない重要な生活インフラです。

そんなエレベーターを当たり前に「利用できる」ためには、日々点検や修理をしている方の存在が欠かせません。私たちの当たり前の暮らしを、エレベーターの裏側から支えてくれる会社が京都にあります。

京都エレベータ株式会社は、エレベーターの保守・点検から、設計、製造、販売、据付まで一貫して行う独立系エレベーター会社。様々なメーカーのエレベーターに対応できる技術力の高さから、官公庁をはじめ様々な企業や住宅の保守管理などを担当しています。

2020年にも京都移住計画でご紹介しました。今回は、技術職(エレベーターメンテナンスエンジニア)を募集します。

お互いを受け入れる姿勢が優しい組織運営の基盤

まずは、代表取締役社長の田中陽一(たなか・よういち)さんにお話を伺います。高校卒業後、京都エレベータに入社。先代の「会社は働く人のもの」という思いを受け継ぎ、事業運営を行ってきました。

前回の取材から、会社はどのような変化を遂げてきたのでしょうか。

「エレベーターを主軸とした事業内容自体に大きな変化はありませんが、働く人が増えましたね。この5年間で15名ほど入社いただきました」

新卒・中途採用ともに順調に進み、定着しているそう。その要因の一つに、入社前の会社説明会や最終面接は田中さんが行い、個別に会社の方針をお伝えしていることがあります。

「一人ひとりとじっくりお話をし、会社の価値観や社風をしっかりと理解した上で入社してもらっています。だから、入社前後でのギャップが少なくなっているのかもしれません」

例えば、以前はメンテナンス職での経験が必須だったという営業職に、入社時の意向を踏まえてはじめから営業職として迎え入れたり、「CADを使った図面設計を勉強している」という方がいればそのお仕事を割り振ったりと、面接で聞いた本人のやりたいことに合わせて対応することもしばしば。

社員の方からの紹介で入社される方もいる。その一人である兼田さんは、前職はエアコンの製造会社で派遣社員として働いた後、現在CADを使った設計業務に携わっている。

田中さんは、「ご本人の意欲があれば入社時の年齢やバックグラウンドは関係ありません」と語ります。

「入社するまでに形成されてきた特性を、うちに合わせてもらう方が返って、本人の可能性を閉ざしてしまうんじゃないかなと思うんです。すでに伸びている良い部分があるんだから、それに合わせた方が、むしろ会社の成長に繋がると信じています」

社員が増えたことによって、組織のあり方にも良い変化が生まれたと続けます。

「社員一人ひとりの特性を活かした配置転換などができるようになりました。『お客様と話がしたい』方は営業に、『コツコツ技術を覚えていきたい』のであればサービスに、と本人の適性や『こういうことがしたい』という思いを活かして、活躍できる場所を選択できる仕組みをつくっているところです。やっぱりここで働く人に幸せになってほしいですから」

実際に、エレベーターの点検業務を主に担当されていた方がバックヤード業務に異動したり、点検業務に携わりながらYouTubeを使った広報業務を担当したりしている方も出てきました。

田中さんの気持ちに応えるように、YouTubeでは560万再生を超えた動画もあります。担当者は、入社前に動画の編集に関わっていたこともあり、スキルを活かせているそうです。

「現場の業務と兼任しているので、仕事の合間にカメラを持って行くなど工夫しながら楽しんで取り組んでいるようです。周囲も『次はこういうことしてみたら?』と温かく見守っていますよ」

最近では「競馬が好き」という社員の熱意を汲み取り、副業で競馬場で働くことを認めたり、元社員の方からのご縁から新たに大福の小売事業が加わったりしました。会社から社員への温かな目線や長いご縁は、会社と社員、そして働く社員同士の関係性にも良い影響を生み出しています。

社員の成長が、会社の成長に

田中さんが先代から跡を継いで10年が経ちます。「会社は働く人のもの」と成長を続けてきた京都エレベータは、次の10年をどのように紡いでいくのでしょうか。

「中小企業の飛躍度合いは、新しく入ってくる方が鍵を握っていると思っています。今いる社員と新しく入社された方が双方に影響しあって、成長していくと感じています。人の成長が、組織の成長にもつながりますから。目の前のことをちゃんとやってくれたら、昨日よりも絶対にできることが増えているはずです。ゆっくりで良いんです」

コツコツと成長を求められる京都エレベータ。どんな方が向いているのでしょうか。

「当社に向いているのは、諦めの悪い人ですね。私たちの仕事って、点検だけではなくエレベーターに不具合があれば直すところまでが仕事なんです。エレベーターは動くことが『当たり前』。その状態を作ることが我々の使命なので、動かないと困るんです。例えば担当のエレベーターが古くて、修理に必要な部品がなかったとしても「どうにかできないか」と、諦めずに工夫して乗り越えて欲しいですね」

この思いは、田中さんが入社して2年目の頃に起こった阪神淡路大震災の経験が大きいと振り返ります。日常が唐突に非日常に変わってしまう場面で、「当たり前」を守り続ける仕事の使命を責任を持って感じることができる人を育てていきたいと熱く語ります。

京都エレベータが目指す未来は、どのような組織なのでしょうか。

「ホームエレベーターの点検を、女性のお客様により安心してご利用いただけるように女性のエレベーターメンテナンスチームを作ったり、外部の企業に講習するような機会も増やしていきたいですね。これからは組織や事業をただ大きくするのではなく、今まで培ってきた技術を活かして外部の方に必要とされるような成長をしていきたいです」

30年間変わらない、会社が社員を大切にする姿勢

続いてお話を伺ったのは、総務部・部長の小林武志(こばやし・たけし)さんです。
田中さんの同級生だったという小林さんは、田中さんの紹介で京都エレベータに入社。今年で勤続30年になります。

入社後20年ほどは技術職としてエレベータの保守・点検業務を担当してきたそうですが、40歳を迎える頃に総務部を立ち上げるため、部署異動することになりました。数々の業務を担当しながら、約30年もの長い間、京都エレベータで働き続けることができた魅力は、どんなところにあるのでしょうか。

「入社時から変わらず、社員や社員の家族を大切にしてくれるところですね。社員のやりたいことを尊重してくれる社風はもちろんですが、一人ひとりの体調を気遣い、福利厚生の一環としてがん検診を受診させてくれたり、心身のコンディションを測る『ラフールサーベイ』という仕組みを導入していたりと、社員の健康まで大切にしてくれているからこそと感じています。社員の家族を招待した餅つき大会等も開催していて、家族ぐるみで大切にしていただいている感覚があります」

社員のみならず、家族まで大切にしてくれる姿勢は、エレベーターの保守を行う会社ならではの理由があります。

「私たちの仕事って、24時間365日、エレベーターに不具合があればすぐに駆けつけて対応しなくてはなりません。その仕事を家族にも理解してもらうためにイベントを行う、家族想いな会社です」

今期の社員旅行は北海道・山梨・和歌山・四国・淡路島・伊勢・ディズニーランド・東京の8グループに分かれて訪れた。写真は山梨を訪問したグループが河口湖へ行ったときのもの

社員のみならず、その家族まで大切にしてくれる。そんな社員想いの会社だからこそ、長く働くことができたのだそう。その社風は、小林さんの働く姿勢に通じるところがあります。

「30年間、1度も転職を考えたことはありません。目の前の仕事を『やりたいこと』に変えて取り組んできました。総務部に異動してからはずっと、『みんなが働きやすい環境にしよう』と心がけて働いています。心身に不調が出ている方がいれば、本社と離れている城陽の工場へもすぐに行くようにしています」

小林さんのお話からは、人事として一人ひとりの社員のことを理解していることが伝わってきます。小林さんは「社員の声を丁寧に拾い上げることを意識してきた」と話します。

総務部に異動してからずっと小林さんが担当してきた社員面談も、2年ほど前に新しい人事評価制度を導入してからは、各課長が担当するように。会社の成長に合わせて、組織の体制づくりや人事評価制度の構築が進んでいます。

田中さんと同級生の小林さん。小林さんからの言葉の端々からも、田中さんと同じく「社員を大切にする」姿勢を感じた。

京都エレベータの人事評価制度では年に2回、社員が自ら目標を立て、その目標に対しての点数を自身で付ける仕組みになっています。目標設定面談と、その振り返りの面談も行うため、直属の上長とのコミュニケーションの機会が多いことも特徴です。
会社から決められた目標で評価するのではなく、自ら考えた目標に向かう姿を評価するところからも、個人を大切にしてくれる想いが表れています。

「今は社員のみなさんの体調を一番に考えて悩みを聞く、保健室の先生みたいですね」と小林さんは笑います。社員がいきいきと笑顔で働いている様子を見てやりがいを感じる一方で、「後悔していることもある」と小林さんは話します。

「今では社員一人ひとりの特性に合わせて職種の配置転換ができるようになりましたが、昔はメンテナンスの仕事しかなかったので、その仕事が合わなければどうしても『辞める』という選択肢しかなかったんです。今のような仕組みがあれば、辞めずに済んだのかなと。せっかく縁があってうちに入社してくれているので、できるだけ長くご一緒できるよう、総務部として支えていきたいですね」

しっかりとした教育体制で、1年かけて覚える現場の仕事

最後に、入社10年目を迎える本廣美奈(もとひろ・みな)さんにお話を伺いました。学生時代、京都エレベータでのアルバイトをしたことをきっかけに、新卒で入社。入社後は一貫してメンテナンスの仕事に携わっています。

現在は20名ほどの後輩がいる中、リーダーとして教育係も担うなど、未経験でのスタートからしっかり経験とキャリアを重ねてきました。

今回募集されている技術職は、どのようにお仕事を覚えていくのでしょうか。ご自身の経験も踏まえて教えてもらいます。

学生時代は心理学を学んでいたという本廣さん。学んでいた分野と異なる業界への就職に、「不安はなかった」と言います。

「学生時代のアルバイトで、先輩方から色々と教えていただきながら作業を行うことができました。配線の加工作業なども楽しかったです」

暗いエレベーターの中も、軽々と入っていく

「この5年間で、電気図面に関する講習など社内研修の種類がさらに増えました。エレベーターの業務に関して未経験で知識がなくても、より働きやすくなったと思います。入社後1年間は先輩と一緒に現場を回るので、その講習で聞いたことを先輩と確認してもらえたら、知識が経験として身に付くと思います」

入社後は日々の現場業務に加え、月に1回ほど開催される研修や講習で1年かけて知識や技術を覚えていくことになります。社内独自に作られた講習用の教科書も、社員のみなさんで現場の写真を撮影しながら作成したそう。それを元にした社内でのテストで担当の課長がその結果と日々の様子から『一人でも大丈夫』と判断されると、ようやく独り立ちとなります。

社員のみなさんで作成した講習用テキスト

入社1年目から勉強を始める第2種電気工事士資格の試験勉強も、先輩たちの教科書や資料が残されていたり、わからないことは教えていただきながら挑戦できるのだそう。未経験で働き始めるにあたり、とても心強い体勢が整っています。

本廣さんが先輩として指導する際には、どんなことに気をつけているのでしょうか。

「これまでの経験から『なぜそうするのか』も伝えるようにしています。理由がわかったほうが他の現場でも応用が効きますから」

さまざまな経験を積み重ねてきた本廣さん。さらなるステップアップに向け、実務経験10年以上で受験することができる「昇降機等検査員」という国家資格取得に向け勉強をしています。

仕事内容の広がりから、これからやってみたいこともあるそうです。

「エレベーターの中には、有事の際にボタンを押すと管理会社に電話が繋がる『遠隔用通報装置』というシステムが導入されています。この装置の取り付けに知識が必要なのですが、私もできるようになったので社内での講習会をやってみたいですね。みんなで一緒に勉強できればと思っています」

自分で得た知識や経験を、会社の仲間に伝えようとする姿は、社員一人ひとりを大切にし、みんなでより良い会社を作ろうとする京都エレベータを体現しているようです。

そんな本廣さんが、10年間京都エレベータで働くことができた一番の理由は、「社内のコミュニケーションが活発なこと」なのだとか。

「事務所でパソコン作業をする時にも、周りの方と雑談したりして楽しいです。結構ワイワイ喋っていることもありますよ」

最後に、京都エレベータで働くやりがいについてお伺いしました。

「お客様とお会いする現場では、やっぱり『ありがとう』と感謝の言葉をいただくと嬉しいですね!力仕事もありますが、無事に部品交換や修理ができた時の達成感は変わらず今も感じます」

未経験から一人前の技術者に育てる仕組みがあり、入社時の「やりたいこと」を後押し、一人ひとりの特性に合わせた仕事内容を考えてくれる環境。そして社員の家族まで大切に想ってくれるからこそ、長く働くことができ、周囲の方に紹介したくなる会社なのだと感じました。

副業や新規事業への取り組みなど、新しい挑戦を応援してくれる姿からも、「お互いを大切に想い、働く社員と共に成長する」組織のメッセージが受け取れます。

エレベーターに関する知識がなくても、エレベーターを通して生活の一部を守っていく仕事に興味のある方、ご自身のやってみたいことがある方は、ぜひ京都エレベータに飛び込んでみてください。会社の風土と共に、ご自身の個性を大切にしながら新たな目標が化学反応を経て生まれるはずです。

編集:北川 由依
執筆:河野 ひかる
撮影:清水 泰人

求人募集要項

企業名・団体名京都エレベータ株式会社
募集職種技術職(エレベーターメンテナンスエンジニア)
雇用形態正社員
仕事内容毎月定期的に各ビル・マンション等のエレベーター・エスカレーター・立体駐車装置の点検・調整
給与※3ヶ月間の試用期間あり(試用期間前後の勤務条件に変更はありません。) 
基本給
大学卒:190,000円  
高専、専門学校卒:180,000円 
高校卒:170,000円
福利厚生各種社会保険完備、資格取得に関する費用補助、退職金制度(勤続3年以上)、社員旅行年1回、 時間単位有給休暇付与制度
勤務地基本的に本社での配属を検討していますが、ご経験やご志向に応じて配属地を決定します。

本社:京都市下京区岩上通高辻下ル吉文字町457
城陽工場:京都府城陽市久世荒内307
滋賀営業所:滋賀県草津市野路8-13-1 KE草津ビル
勤務時間9:00〜18:00(1時間休憩)
休日・休暇日曜日・祝日・毎土曜日
(但し業務の関係で出勤日もある。)         
年末年始休暇、夏連休休暇、有給休暇、慶弔休暇、延べ年間休日120日あり
応募資格普通自動車運転免許資格(AT限定可)
チャレンジする「積極性」・仲間を思いやる「協調性」、夢をかなえるために努力できる方
選考プロセス京都移住計画のフォームから応募

書類選考(履歴書・職務経歴書)

説明会・職場見学や1DAYのインターンシップ
(実際にメンテナンスの業務体験をしていただいたり、会社を見学をしていただきます。)

一次面接

最終面接

採用
面談場所京都エレベータ(株)本社
参考リンク京都エレベータ株式会社 (kyoto-elevator.com)
京都エレベータ株式会社 YouTube
当社のメンテナンス員が編集・撮影しております。再生回数100万回を超える動画もあり。ぜひご覧ください。

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