募集終了2023.04.11

常に革新しつづけるものづくり企業で、世界に通用する精密加工エンジニアを目指す

金閣寺の北西に位置する山間盆地、原谷(はらだに)地域。京都市内にありながら、豊かな自然が残る閑静なエリアです。

今回ご紹介するのは、1975年に創業した株式会社大東技研。放電加工機メーカーとしてスタートし、金属部品加工への事業転換を経て、現在は高精度金属部品製作に特化したものづくりを行っています。

京都移住計画での前回の取材から約4年。事業を次の時代へとつないでいくために、さまざまな社内改革を推し進めている大東技研では今、精密加工エンジニアとして新たに仲間に加わるメンバーを募っています。

高精度金属製品のエンジニアと聞くと、専門知識や特殊な技能が必要だと思うかもしれません。でも、大東技研では入社時の知識や経験は問いません。文系出身者もOKです。

「これまで触れたことのない分野だな」と感じた人でも、ものづくりが好きで、新しいことを学んでスキルを磨いていくのが好きなら、ぜひ読んでみてください。

代替わりを機に、さまざまな社内改革を推進

大東技研は、放電加工研究の第一人者のひとりである工学博士 岡本政史(おかもと・まさじ)さんが創業した会社。現在は政史さんの娘である岡本珠希(おかもと・たまき)さんが二代目社長を務めています。

もともとはフランスで映画の製作・配給会社を経営していた珠希さんは、政史さんの急な体調悪化をきっかけに、帰国して家業を継ぐことを決意。2016年に代表に就任しました。

「2020年に父が亡くなり、本格的に代替わりすることになりました。それまでは父と私が共同代表という形でしたが、これからは私が会社をどうしていきたいのかを社内外に発信していかなければなりません。そこで、時代の変化に伴って企業理念を拡張し、Webサイトを一新しました」

次の時代も会社として生き残っていくためにはどうしたら良いのか。珠希さんは、創業者の思いを受け継ぎながら、ありたい姿やものづくりへの思いを表現した企業理念「DAÎTÔ WAY」を策定し、「技術×アイデア×センス」をミッションとして掲げました。

ロゴマーク。DAITOのIとOの上にある三角は、原谷の山々と、ニコニコ顔をイメージしています

「言語化はしたけれど、社員に浸透させていくのは今も進行中です。言葉の意味はわかっても、自分の中に落とし込むにはやっぱり時間がかかるじゃないですか。試行錯誤しながら、社員と一緒に考えつづけていきたいですね」

時代の変化に柔軟に対応できる企業にするため、さまざまな社内改革を進めている珠希さん。業務の自動化やデジタル化も積極的に行っています。例えば、社員全員にiPadを支給して、業務連絡はチャットツールを活用。資料はペーパーレス化し、クラウドサービスを利用して情報共有することで、見える化も進めています。

「うちの会社は小規模だし人数も限られているので、自動化やデジタル化ができるところはどんどん導入して、大事なことに注力できるようにしたいんです」

デジタル化を進める一方で、対面でのコミュニケーションも大切にしています。月1回、社員全員が集まる「みんなごと会議」や、コロナ禍前は週1回行っていたカレーランチ会など、対話する機会を多く設けています。

「普段からお互いの距離感を近づけておかないと、なかなか意見も出し合えないですよね。だからコミュニケーションの機会はもっと増やしていきたいですし、カレーランチ会も落ち着いたら再開したいですね」

進化しつづけるために、人への投資を惜しまない

多くの取り組みを同時に進めている中でも、珠希さんが特に注力しているのは人材育成です。

「今ももちろん難易度の高い仕事をしていますが、今難しい仕事と5年後に難しい仕事はたぶん変わっているんですよ。技術はどんどん進化していくので。だから、常に勉強して新しい知識を得てレベルアップしていかないと、良い仕事をつづけていけないんです」

だからこそ大東技研では、人への投資を積極的に行っています。技術などの実務研修だけでなくeラーニングも活用し、多岐にわたる研修を実施。勤務時間内でも、隙間時間を活用して業務の一環として研修ができるほか、定時後の研修なら残業手当も付きます。また、研修によってスキルアップすれば、年齢や経験年数にかかわらず評価され、給与にも反映されます。

「学ぶ意欲のある人をどんどん後押ししたいですし、そういう人をもっと呼び込みたいですね。学ぶのが好き、学びが刺激になる、ワクワクする、そんな人に向いている環境だと思います」

会社が学びの機会を惜しみなく与え、手厚くサポートしてくれる。自分が成長できるだけでなく、評価にもしっかりと反映される。チャレンジしたい気持ちを持っている人にとって、理想的な環境だと言えるでしょう。

常に学びつづけて技術を磨き、新しいことに挑戦していく姿勢は、顧客からの信頼にもつながっていると珠希さんは語ります。

「これまでやったことがない仕事でも、『これ、できるかな?』と相談をいただいて、お客さまと一緒になって考えたり、こちらからも提案したり。そうやってチャレンジしているからこそ、信頼を得られていると感じますね」

さらに、技術力やチャレンジする姿勢だけでなく、大東技研の強みは「当たり前のことを当たり前に、徹底してやること」だと珠希さんはつづけます。

「例えば、約束を守ることや正確さ。当たり前に聞こえますが、私たちが当たり前だと思ってやってきたことが、実はすごく喜んでもらっていたんだと、お客さまのお話を聞く中でわかってきました」

お客さまから「何かあったら絶対に困るものは大東さんにお願いする」と言っていただけることも多いと話す珠希さん。当たり前の積み重ねが信頼につながっていることが伝わってきます。

「正確さも、ただ図面通りに作るという意味ではなくて、図面に書かれていない意図までも汲みとる必要があります。どこまで想像できるか、配慮できるか。自分の気持ちをいかに隅々まで入れていくか。それができないと、本当の意味で正確なものは作れません」

知識や技術だけではなく、大東技研の皆さんが真摯に仕事に取り組む姿勢が、「当たり前」を守りつづけることにつながっているのでしょう。

メインの事業だけにとどまらず、常に新しい挑戦を

今後の展望について尋ねると、珠希さんはこんなふうに話してくれました。

「私たちの事業は、高精度の金属部品加工に特化しています。それはクリスマスツリーで例えると、一番上の星の部分です。つまり、トップだけど量は少ないんですよ。下の木の部分は、大量生産できるものや難易度がそこまで高くないもので、世の中にたくさんありますが、星の部分はどうしても少ない。だからこそ、これからは新しい分野や海外との取引にも挑戦して、もっと星を取りに行きたいと思っています」

さらに、メインの事業以外にも、チャレンジしていきたいことがたくさん。地域との関わりを持つために、会社の敷地内にオープンスペースを設ける計画もあるそうです。

「原谷は自然が豊かで、空気がきれいで、空も近くに感じます。お天気の良い日は本当に気持ちがいいんですよ。外で日向ぼっこをしたり、おしゃべりをしたりして過ごす社員の姿もよく見かけます。そういったことをもっと楽しめるように、会社の敷地内にオープンスペースを設けて、ときどき飲食ができるようなイベントもできれば、地域の人たちの交流の場にもなるかなと考えています」

他にも、SDGsへの取り組みとして、工場で出た廃材をアップサイクルして、BtoCの商品を開発する計画もあるのだとか。大東技研の新たなチャレンジは、これからますます広がっていきそうです。

「会社を強くしていくには、常に新しいことに挑戦しないといけないと思っています。だから、これから仲間に加わっていただく方も、金属部品加工の事業だけでなく、オープンスペースの運営やSDGsの取り組みなど、いろんなことに興味のある人が来てくれるとうれしいですね」

一人ひとりが専門スキルを極めていける環境

ここからは、今回募集する精密加工エンジニア職として現場で働いている3名の社員の方にお話を伺います。

工場長の堀口一也(ほりぐち・かずや)さんは、20歳の時に入社して今年で26年目。現場全体のマネジメントをする立場であり、放電加工チームのリーダーを務めるベテランエンジニアでもあります。放電加工とは、電極に電気を通して、金属を溶かして行う加工です。

入社6年目の山﨑蒼馬(やまざき・そうま)さんは、刃物を回転させ加工物を削ったり穴を開けたりするマシニング加工を担当。山﨑さんとほぼ同時期に入社した小原銀河(こはら・ぎんが)さんは、砥石を高速回転させながら加工物の表面を削り取っていく研削加工を担当しています。

(右から)山﨑さん、小原さん

大東技研では、1人が単一の作業を受け持つ分業制ではなく、1人で最初から最後の工程を担う一人一貫体制を取っています。1つの加工技術分野に特化してスキルを磨いていくために、担当加工技術分野の変更は基本的にありません。

堀口さん

誰にどの加工技術分野を担当させるのかは、入社後の3ヶ月研修で適性を見て、配属チーム(部署)先を決めています。

大学の理工学部在学中に大東技研に出会って入社を決めた山﨑さんと、高校卒業後に新卒で入社した小原さん。どちらも金属加工について学んだ経験は全くなかったそうです。入社後、どのように仕事を覚えていったのでしょうか。

山﨑さん

最初の3ヶ月研修では、機械の操作方法や機械を動かすためのプログラミングを、先輩から教えてもらいました。マシニング加工のチームに配属されてからは、現場でわからないことは先輩に聞きながら、徐々に操作できる機械の種類を増やしていきました。

小原さん

僕も3ヶ月研修で基礎を学んだ後、1年ほどは、現場で実際に作業しながら、最初だけ先輩に見てもらって、後は一人でやってみて、また最終確認をしてもらって、という繰り返し。先輩に教わりながら、できる作業や使える機械を増やしていきました。

初めは苦労も多かったのでは?と尋ねると、「回転数によって刃物が折れてしまう場合もあるので、精度が高い加工は特に苦労しますね」と山﨑さん。小原さんも「加工の仕方も図面の見方もよくわからなくて、とにかく一つひとつ覚えていくしかなかったです」と笑います。

そんな2人の話を聞いて、それぞれの成長度合いを見ながら、担当を決めて仕事を割り振っていると堀口さんは説明します。

堀口さん

材料の種類、製品のサイズや加工内容などによって難易度は変わってくるので、受注量や納期も踏まえて、どの工程を誰に担当させるのかを決めています。「難しいけど挑戦させようかな」という場合は、上司と連名で担当してもらうこともありますね。

若手社員が一歩ずつレベルアップしていけるように、人材育成の観点から担当業務を決めていることがよくわかります。人材育成の仕組みづくりは、これからもっと進めていきたいと堀口さんはつづけます。

堀口さん

先輩や上司が付きっきりで教えるのは難しいので、自分で予習復習ができるような資料や、自分が今どれくらいのレベルに達しているのか、到達点がわかるようなシステムも作って、モチベーションアップにつなげたいと考えています。

ものづくりの喜びを感じながら、さらなる高みを目指して

苦労もありながらも、6年間コツコツと仕事に向き合ってきた山﨑さんと小原さん。どんな時に仕事のやりがいや面白さを感じているのでしょうか。

小原さん

難しいものができた時には達成感がありますし、狙っている寸法ぴったりに出た時には「よっしゃ!」とうれしくなりますね。

山﨑さん

担当した製品が、基準通り、時間通りにきちんと仕上げられると達成感がありますね。特に難しいものが完成できた時には、もう1回やりたいなって思います。

山﨑さんの「もう1回やりたい」という言葉を聞いて、「良いことを聞いた」と笑う堀口さん。エンジニアの皆さんのやり取りから、「ものづくりが好き」という気持ちが見て取れます。

今後の目標について尋ねると、こんな頼もしい言葉が返ってきました。

山﨑さん

自分が教わったことはどんどん後輩に伝えていきたいですね。あとは、業務をもっと効率化して、隙間時間を活用して他の業務にも挑戦していきたいです。今は営業や採用活動に使えるようなサンプル品の製作を進めているので、そちらにももっと注力できればと思います。

小原さん

作業の安定性を増したいですね。今まで通りのやり方で良いのか、時間短縮や品質向上のためにアイデアを出しながら、より安定性が増すやり方を見つけていきたいです。

マシニング加工のサンプル品

2人のお話を聞いていると、若手社員が自分の業務に取り組むだけでなく、会社の未来を見据えた考えを持っていることに思わず感心してしまいます。

最後に堀口さんは、これからの大東技研についてこんなふうに話してくれました。

堀口さん

エンジニアが活躍できる会社になっていけばいいなと思います。いいエンジニアがいれば、少人数でも勝ち残っていけると思うので。そのためにも私自身は、次の世代にしっかりとバトンを渡せるように、人材育成や仕組みづくりに力を入れていきたいですね。

成長する意欲と広い視野を持って働く若手社員と、彼らを後押ししながら、社内改革を進めている社長や工場長。大東技研の皆さんから、次の時代へとまっすぐに進んでいく力強さが感じられました。

大東技研には、学びつづけ成長しつづけたい、新しいことにチャレンジしたいという人にとって、素晴らしい環境が用意されています。興味を持った方は、未経験でもまずは一歩踏み出してみませんか?

編集:北川由依
執筆:藤原朋
撮影:清水泰人

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