2017.04.16

京町家をリノベーション。まちの魅力を再生する

京都移住計画での募集は終了いたしました

ご存知のように京都では昔ながらの京町家が今もたくさん点在し、独特の町並みを形成しています。株式会社八清ではその京町家という個性を活かして、古くからある建物が持つ深い味わいや情緒、居心地などに重きを置きつつ、他にはない付加価値をつけて改修する家づくりを得意としています。

実際に京都、京町家にお住まいの方のリアルな声を集めた自社制作ムービー

今回はその京町家を扱う最前線の部署「暮らし企画部」のメンバーを募集します。以前の記事でご紹介させていただいた西村直己専務を含めて4名の方にお話をお伺いします。

京都の景観を守る仕事にやりがいを感じる

まずは「暮らし企画部」のエース、藤井博周さんです。

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「今日はちょうどこれから竣工検査があります」

竣工検査とは、お客様に物件を引き渡す前の社内チェックのことです。八清のアフターサービス担当者と手がけてもらった工務店の方とともに、お客様の納品前の物件に傷がないか、適切に工事が行われているのかなどを確認する作業になり、その現場を特別に見せていただけることになりました。

藤井さんが所属する「暮らし企画部」の仕事は、大まかに言えば物件を仕入れて建物の構造レベルから工事し売却するまでワンストップで行います。竣工検査はそのプロセスの後半にあたるため、それまでの流れについてお伺いしました。

引き渡しする京都市上京区の物件は、藤井さんが仕入れ活動から工事の担当、そして売却まで関わったと言います。まずは物件に出会うまで情報収集から行います。広告や、取引のある業者さんから情報をいただき、八清での買い取りを検討していきます。

「弊社の場合、京町家の仕入れが最大のポイントです。今回は空き家として放置されていた期間が長い物件でしたが、京町家の面影が残っていました。お客様も売却したい思いがあったので、そこに弊社が手を挙げさせていただきました。市場の価格で購入してしまうのでは、さすがに企業として利益をあげるのは難しいので、値段交渉の部分であったり、見極めが大事です」

実は自分たちのお住まいが京町家だということをご存知ない方も多いそうで、京町家の魅力をしっかりと伝えるのも大切な仕事です。仕入れはすべて自分ひとりで決断するわけではなく、物件担当者が現地調査に赴き、改修の計画と事業計画書を作成したうえでリーダー、専務と3名で購入価格の妥当性について議論し決定します。

「二条城のそばで観光エリアにも近く、駅からも比較的に近い距離であったので、ゲストハウスなどの宿屋として進めていければと考えました」

この物件は1年半前に物件を購入し、工事を担当して、1ヶ月前に販売されました。さらっと書きましたが、藤井さんは営業と建築のふたつの仕事の両方を行っています。さらに言えばこのような案件を同時に何軒か手がけているのです。いったいどういう流れで両方を扱うようになったのでしょうか。

藤井さんは専門学校を卒業し、21歳で入社した当初は建築部門に配属されたと言います。以前は工事担当、営業担当など担当がわかれていたものの、別々にやるよりは、物件をつくった人間のほうがダイレクトに説明できる上、内容も直に伝わるだろうと社内でのスタンスが変わっていったそうです。

「ワンストップで売ることによって、しんどさが増えた分、やりがいはそれだけ増えました。人と話しするのは得意ではなかったですが、でも嫌いではなかったのかなと思います。もともとは工事担当者として責任は与えられていたのですが、売るのは営業担当だったので、予算組みの中でしか動くことができませんでした。お客様のニーズもなかなか見えていないし。今のスタンスであれば、例えば工事費用が少し上がったとしても、お客様にその良さをアピールして、なんとかご提案するんだという気持ちになりました。そういう意味では、一連の責任感と使命が与えられたので、動きやすくはなりましたね。その分、プレッシャーは半端じゃないです」

プレッシャーが大きくなったとはいえ、他の不動産会社の中では動きやすい状況だと藤井さんは言います。一般的には月ごとの目標があるものの、八清の場合は4ヶ月ごとの目標になっており、比較的ゆったりしていると感じているそうです。

藤井さんが働く上でやりがいに感じることをお聞きしました。それは八清が大事にしていることともつながる話でした。ひとつは、会社の理念から外れていなければ、なんでもさせてもらえること。もうひとつは、京都の景観に貢献できる事業に関われることです。

「京町家ってどういうものをご想像されますか? 名刺にも書かせてもらっているような外観デザインなのですが、こういう町並みが残っているほうが、京都以外から訪れるお客様の目には絶対にいいですよね。弊社が携わり、中身を住みやすく手を加えることで残していければ京都の景観を守っていくことができるので、そこにやりがいを感じています」

八清は町家に特化しているため、他社で販売できなかった物件も八清のホームページで販売することで成約につながるなど、大きな成果が出ていると言います。

プロ意識が高い人が多い職場だと感じた

入社5ヶ月目の山口晃さんにも聞いてみます。現在37歳で、さまざまなご経験をされてきた山口さん。大学を卒業してコンサル会社に就職し、4年で退職して事業会社へ。さらに製薬会社の経営企画室で4年ほど働き、その後、前職では企業の福利厚生をアウトソーシングでまるごと引き受ける会社の経営企画室で働いていました。

「東京での単身赴任がきつくて、経営企画やコンサルの経験値を活かせる仕事が関西にもないだろうかと思って探していました。西村専務とサービスマネジメント部のトップである松本さんに面談していただきました。最初に思った印象は、面白いことをやっている会社だし、何よりこのふたりといっしょに仕事がしたいと感じたんです。会社がどうではなく、誰と仕事をしたいかで決める性格なんです」

不動産という古い業種に関わらず、ITを駆使しているところや、自分たちで物件を改修して付加価値をつけて販売する発想力、新しいことをどんどんやっているところに魅力を感じたと山口さんは付け加えます。他社と比べた職場の雰囲気にも立ち入って聞いてみました。

「プロ意識が高い人が多いですね。指示待ちをしている人がひとりもいないのが特徴です。プロデューサー制度を持っているというのもありますが、いちいち聞くのではなく自分でもなんでもやる姿勢にそう感じました。3ヶ月間は研修というかたちでひとりずつに同行して現場を見せてもらいました。藤井さんは売買もできるし、建築士としての顔もあるし、みんな能力の幅が広いなという印象ですね」

研修期間を経て最初に担当した仕事は、以前の記事でもご紹介させていただいた営業担当からサービスマネジメント部に異動した小川さんが担当していた物件2件の引き継ぎでした。

「ちょうど改修した町家が完成したタイミングだったので、オープンハウスから担当させていただきました。オープンハウスと言ってもまだまだ建築の知識が少ないですから、お客様に『どうなの?』と聞かれても『すいません、あとで確認します』という感じでした。でも暮らし企画部にきて思ったのは、みんなやさしい人ばかりで、親切に教えてくれてありがたいなと思います。37歳になってアドバイスをもらうのはなかなかないと思いますよ」

知らないことを覚えるのは面白いと語る山口さん。入社前に「宅建は必要だろう」と感じて資格までとったそうです。町家ならではの独特の言い回しを調べたり聞いたりして新しい発見をするのが楽しいと語ります。

「古い物件を仕事ができていることで京都を身近に感じるようになりました。例えばこの間、査定で西本願寺の近くの珠数屋町を訪れたのですが、江戸時代から続く町なんです。その名の通り数珠をつくっていた職人さんの町という背景があって、少し時代が流れると仏像を売るようになってきて、と調べると京都の歴史に興味が出てきます。そうなると今度は『西本願寺って何?』となって。どんどん京都のまちが身近になってきていますね」

山口さんは暮らし企画部で、ひとつ自分で改修してオープンまでやってみたい、暮らし企画部のメンバーとして数字貢献がしたいと言います。ここで同行されていた西村専務にもお聞きします。暮らし企画部で修行したのち、経営企画の一員となる山口さんの、どんなところを期待しているのでしょうか。

「これまで経営を親父と叔父が二人三脚でやっていて、僕の代にあたり、経営企画に長けた方を入れていっしょにやっていきたいと考えていました。誰でもできるわけではなく、うちのカラーに合う人でなければなりません」

八清は上から目線で「がん!」と決めるのではなく、みんなで「あーでもない、こーでもない」と話あって柔軟に決めていくスタイルです。

「うちの会社は新しいことにチャレンジする会社ですから、学ぶ欲求、挑戦する人ではないと馴染めないと思います。また、彼自身、家をリノベーションされていたり、シェアハウスに住んでおられたこともあって、そういう部分も決め手となりました」

柔軟に考え、学ぶ欲求が高く、挑戦する人。それはどんな職種であれ八清にほしい人物像に通じる話です。

お客様のニーズを掴む姿勢が変わった

続いてお聞きするのは平成10年3月に入社してからずっと営業畑という20年目のベテラン、暮らし企画部の安田光徳さんです。八清の変化感についてお話いただきました。

「入社当時は分譲会社だったんですよ。営業が4名で工事担当は別にいて、事務員が4人ぐらいのこじんまりした会社でした。そこで建売の仕入れや仲介と競売をさわったりして、売り上げの大半は新築分譲の売却の利益と仲介でした」

そこから変化が訪れるのは現在の西村孝平社長に変わった16年前。同業他社に競合が増えたこともあり、買い取った中古物件を改装して販売するという買取転売がメインとなります。その変化はもともと改修して付加価値をつけて新築と見劣りしないものを販売することをやっていたので自然なものだったと安田さんは言います。

「一番抵抗があったのはインターネットでの販売ですね。webからの問い合わせで『この物件がほしい』と言われても、実際に顔をあわせていないし…といった感覚がありました」

しかし毎月の広告代がかかります。それをなくす狙いもあって、一切広告を入れない方向となりました。町家に特化する少し前のことです。

「当時は10軒買って10軒売る、とにかく数を売るという、利益はあまり見ないベルトコンベヤー式でもうまくまわっていたのですが、リーマン・ショックや京都の景観条例などの関係で、売り上げがガクッと落ちて、結構な在庫が残りました。そこで『社内でどうする?』という話になり、販売の仕方が今のやり方に変わっていったんです」

ホームページでの物件販売は早い段階から着手していたため、定着するのは他社よりも早かったと言います。

「事務員で採用されていた方が事務と平行してホームページを更新するという体制をずっとやってきました。専門的なものではない手作り感が良かったのだと思います」

安田さんも安田リーダーのブログを更新されてきました。八清はwebがうまく連動している印象があります。その変化についてはどう感じられているのでしょうか。

「ある物件があったとして、その家を買わない人はもうお客様じゃないでしょ、という感覚が正直自分にはありました。追客みたいなカタチをとっていなかったんです。でもお客様が望むものをわかっていないといけないという感覚が、お客様のニーズを追い出してからわかるようになってきました」

お客様のニーズを汲み取る上で安田さんが大事にしていることがあります。

「当たり前ですが、お客様としゃべることです。いろいろ会話する中でヒントがあったり、『こうしたら良かったのに』と言われた些細な声を拾うようにしました」

最近オープンしたbiblion高瀬川というシェアハウス(改修前)
最近オープンしたbiblion高瀬川というシェアハウス(改修後)

物件を仕入れて改修、販売とワンストップのスタイルの中で、つくることだけ手がけていなかった安田さんも、大正ロマンシリーズや、宿「城巽あかね庵」の立ち上げなどを行っていきました。自分が楽しんでつくったものほど売れると言います。

組織内でクロスしていないと面白いことができない。

西村専務からは組織内での連携について中心にお聞きします。

「組織内での連動という点では新しいパターンも考えないといけないと思っています。いま「暮らし企画部」のようなハードをつくる専門、シェアハウスの運営などを扱うソフトをつくる専門、コンテンツをつくる専門がいますが、それぞれが協業していっしょにつくるということをやらなければいけないと感じています。そういう意味で暮らし企画部の中でも、発信欲の強い人がほしいですね。インターネット上でもリアルでも両方できる人がほしい。ハイブリッドで、クロスしていないと面白いことができないと思っています」

ここで言うハイブリッドとは複数の仕事を同時に進めるということになりハードな部分もありますが、しっかりと休みが確実に取得できるように日曜日と第一第三水曜日、祝日は固定の休みにしました。社員に対してプライベートの充実はもちろん、休日を利用して新しい発見、もっと生産的でクリエイティブな仕事ができるようにとの思いです。西村さんが課題感として持っているところについてもお聞きします。

西村さん「暮らし企画部で言えば、企画することはまだまだ突き詰めれるかなと思います。というのも、わりと成功例を踏襲していく感じがあるのでもっと仕掛けてほしいと思います。それともうちょっと厳密に、予算とコスト間を決めてターゲットを決めて動くと変わると思います。今はふわっとしている部分もあり、簡単に決めていた予算をガッと増やしてしまっていることもあります(笑)社内のチェック体制が弱いのですが、そのゆるい感じが良いところでもあるのですが」

安田さん「町家だから売れるところもあって、商品が良かったのか、場所が良かったからなのか、不動産って検証がしにくい部分があります。究極、スタッフが考えた商品ならどこでも売れるとなったらうれしい。町家だからではなく、彼が手掛けたから売れるというようになっていってほしい。これは次の八清のテーマですね」

今後の八清のビジョンを実現する為に、西村専務が今回の営業職としての募集したい人材は、以下の二つの志向性を持った方だと言います。

①「不動産活用プロモーター」志望
②「伝統建築プロデューサー」志望

西村さん「入社後、すぐにこの職種になるわけではなく、プロデューサーの仕事をしてもらいつつ、キャリアを専門的にしていくやり方を考えています。建築側で言えば、例えば先ほどの藤井くんはマルチなポジションですが、彼はエンジニアっぽく緻密にやるタイプなので、色々な企画・発信をして周囲を巻き込んだり、社内のプロパティマネジメント部のサービスと融合させてり、そんな柔軟な発想がある人が来てほしいですね」

安田さん会社全員が大人しい感じの人が多いので、ポジティブに仕掛けていく人が一定割合ほどいたほうが活性化するかなと思います。大人しく、やさしく、きちんとする側に触れている傾向があります。弊社では制約が少ないので、いろんな発想をもっている人や、どんどん動いてくれる人が来てくれればと思います」

西村さん2つの職種のうち、不動産活用プロモーターのほうは将来の企画部を引っ張ってもらう方に来てほしいですね。また、Web制作のスタッフと協働できるようなタイプに来てもらえたら理想的かな」

暮らし企画部の仕事のイメージがつかめたでしょうか。安田さんのお話を聞いて感じたのは、企業が大きな壁に直面したときに、お客様のニーズに寄り添う姿勢になったことで、グッと会社としての成長が加速していったように感じました。それを見た山口さんにはプロ意識が高く感じたのではないでしょうか。

いまの自分の職場を見渡して「果たしてプロ意識は高いだろうか?」と感じている方や、みなさんの声に共感した方はぜひ応募して、仕掛けていきたいことをアピールしてみてください。

京都移住計画での募集は終了いたしました

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