募集中2025.10.10

スペインバルを起点に、人・店・街を一つに。おいしくて、楽しくて、幸せな瞬間を届ける仕事

京都駅から南へ、歩いて5分。東寺東門から東西へ続く東寺道(とうじみち)に面したビルの1階に、国内外から訪れる人々で毎晩賑わうスペインバル「アブラモス」があります。

取材に訪れたのは営業前の時間帯でしたが、料理の仕込みなどの開店準備を進めるスタッフがきびきびと立ち働いていて、店内はすでに活気があふれています。

今回ご紹介するのは、この「アブラモス」と、烏丸五条のスペインバル「サントレス」の二店舗を展開する株式会社CASA(カサ)です。自社でのビール醸造や新店舗のオープンといった新規事業を進めていくため、店舗スタッフとして新たに仲間に加わる人を募集しています。

「料理つくり、人つくり、街つくり」を掲げるCASAでは、調理や接客はもちろん、地域のマルシェ出店、イベントの企画・運営など、幅広い仕事に携わるチャンスがあります。飲食業界が未経験の人もチャレンジできる環境です。

人・店・街が一体となる瞬間を目指して

「30歳までに自分で食いぶちをつくれ」。そんな父の教えのもと、CASAの代表取締役・西山相在(にしやま・そうざい)さんは、30歳での起業を目指して20代半ばで飲食業界に飛び込みました。

西山さん

独立を目標にして和食店で経験を積んでいたものの、30歳を過ぎてもまだ何もできていない自分に焦りを感じて、31歳のときにノープランで退職してしまったんです。その後、いろんな店を手伝いながら自分の道を模索する中で、スペイン料理店の立ち上げに携わる機会がありました。そのとき、スペイン料理の業界を垣間見て、すごくいいなと思って。裾野が広くて、これから伝えていく甲斐のあるジャンルだなと感じたんです。

その勢いのまま、なんと単身スペインへ。1ヶ月ほど滞在し、バル街やワイナリーを巡って多くのインスピレーションを得た西山さんは、帰国して約半年の準備期間を経て、33歳でスペインバル「サントレス」を開業しました。

西山さん

「貯金が尽きるまでに開業するんだ」と、無鉄砲な感じで始めました(笑)。でも、自分が理想とするスペインバルをつくりたい、そうすれば絶対みんなに喜んでもらえるはずだと、本当に純粋に思っていたんですよね。

そう笑いながらも、まっすぐな目で話す西山さん。思い描く「理想のスペインバル」とは、どんなお店なのでしょうか。

西山さん

お祭りの日の夜、スペインのバル街を歩いていたら、旅人である僕も街に溶け込んだ気がした瞬間があって。人・店・街が一体となったような感覚が自分の中に残っていて、その瞬間をずっと目指しているんです。ボーダーがなくなる瞬間をつくる。ワイン1杯、コーヒー1杯で、誰もが居場所を見つけられる。それがバルの役割だと思っています。

「料理つくり、人つくり、街つくり」に取り組む

理想のスペインバルを目指して、2010年に「サントレス」を開業し、その3年後には株式会社CASAを設立。スペイン語で「家」を意味するこの社名には、会社に関わるすべての人たちへの思いが込められています。

西山さん

CASAは「家」だから、ここを居場所だと思ってくれた人がいつでも帰って来られる場にしたい。だから僕は「売り手よし・買い手よし・世間よし」の「三方よし」だけでなく、「これまで関わってきた人、全員よし」の「四方よし」を目指しているんです。これまでCASAで働いてくれた人たちや、お店に来てくれたお客さんたち、みんなが帰って来られる「家」でありたいと思っています。実際、一度辞めても戻ってきて働いている子もいますしね。

2019年には、京都駅南に「アブラモス」をオープン。2022年には近隣のお店の人たちと共に商店団体「東寺道親交会」を立ち上げ、西山さんは自ら会長を務めています。毎年「東寺道マルシェ」を開催しているほか、清掃活動やPodcastの配信など、関わっている地域活動は多岐にわたります。

西山さん

アブラモスの開店は、大きな転機でした。実はこのエリアには、僕の父が生まれ育った家があって、子どもの頃はよく訪れていました。通っていた高校も近くにあり、僕にとっては地元のような場所。ここで店を開いて商店会を立ち上げ、地域に深く関わるようになったのは、必然だったのかもしれません。もちろん自分のビジネスのためでもありますが、それ以上に「僕がやるべきじゃないか」という思いがありますね。

大勢のお客さんで賑わう「東寺道マルシェ」

地域活動に携わっているのは、西山さん一人ではありません。CASAは「料理つくり、人つくり、街つくり」という言葉を掲げ、働いているスタッフみんなで取り組んでいます。

西山さん

調理や接客といった現場の仕事だったら、「料理つくり」だけですよね。でもCASAで働く人たちには、自己成長やマネジメント、つまり「人つくり」も意識してほしいし、地域にとってなくてはならないお店を目指して「街つくり」にも携わってほしい。「料理つくり、人つくり、街つくり」にみんなが興味を持って取り組める環境を整えたいと思っています。

やりたいことに挑戦し、成長できる環境

ここからは、西山さんと共に「料理つくり、人つくり、街つくり」に携わるスタッフの皆さんにもお話を伺います。1人目は、「アブラモス」のオープニングスタッフとして2019年に入社し、現在は二店舗の統括マネージャーを務める山口裕巳(やまぐち・ゆみ)さんです。

「山口との出会いがなかったら、この店は始められなかったかもしれないし、今日まで続いていないと思う」と言うほど、西山さんが厚い信頼を寄せる山口さん。スペイン料理に出会って関心を持ったのは、約20年前だったそうです。

山口さん

友達とたまたま入ったスペイン料理店で興味を持ったものの、当時はあまりメジャーなジャンルでもなかったので、踏み込む勇気がなくて。飲食業が好きで、カフェ、居酒屋、ホテルなどを転々としていました。でも、ホテルで働いていた頃、「やっぱり自分が好きなことをしたい」という気持ちがふつふつと湧いてきて、シェフに相談したら紹介してくれたのが西山さんでした。

念願だったスペイン料理の仕事に巡り会って入社した山口さんは、西山さんと共に「アブラモス」をオープン。当初は「パエリアを焼けるようになりたい」という目標を掲げて、調理業務をメインに担当していました。また、接客や店舗運営にも携わる中で、2024年11月には二店舗の統括マネージャーに就任しました。

山口さん

新しく設けられたポジションなので、どんな役割を果たしていくべきなのか、まだまだ模索中です。西山さんと相談しながら、試行錯誤しています。二店舗のスタッフは、社員とアルバイトを含めて約30名。Z世代の若いメンバーや海外の方など多様な人たちが一緒に働いているので、取りまとめる難しさはありますが、さまざまな考え方にふれるのは楽しいですね。

山口さんにとって、CASAで働く魅力は?と尋ねると、「いろんな人とふれ合い、いろんなことに挑戦できるところ」と笑顔で答えます。

山口さん

例えば、毎年開催されている「京都スペイン料理祭」に、CASAは実行委員店舗として第1回から参加しています。私にとっては、何度も足を運んでいた憧れのイベントなので、関われることがとてもうれしいです。他にも、地域のマルシェや屋台出店など、やってみたいことに何でも挑戦して、自分の成長が感じられる環境だと思います。

「未経験からスタートして、パエリアを焼けるようになったアルバイトの子もいるんですよ」と、まるで自分のことのようにうれしそうに話す山口さん。「ここで何がしたいのか、自分の目標を見つけて、主体性を持って働いてほしいですね」と、未来の仲間にエールを送ってくれました。

「京都スペイン料理祭」への出店

「おいしい!」という言葉と笑顔がやりがい

スタッフを温かく見守る山口さんを「みんなのお母さんみたいな存在」と慕うのは、入社3年目の鳥居さつき(とりい・さつき)さんです。短大卒業後、栄養士の資格を生かし、保育園の給食調理の仕事をしていた鳥居さんは、「食べる人の顔が見える仕事をしたい」と転職活動をしている中でCASAに出会いました。

鳥居さん

給食の仕事では、子どもたちが食事をする時間帯には、次の日の準備などに追われていて、なかなか反応を見る機会がなかったんです。それで転職を考えていたら、食品卸の会社で働く父が、西山さんを紹介してくれました。「スペイン料理の知識なんて全くないけど大丈夫かな?」と不安でしたが、面接のときに西山さんと山口さんがとても丁寧に話を聞いてくれて。ここなら安心して働ける、成長できると感じて、入社を決めました。

「アブラモス」をメインに、二店舗を行き来しながら働いている鳥居さん。調理や接客だけでなく、昨年からはワインの仕入れも担当しています。

鳥居さん

ワインの業者の方とやり取りをしたり、試飲会に行ったりしながら、ワインの魅力を自分の言葉で伝えるために、日々勉強中です。堅苦しい説明ではなく、ワインに親しみを持ってもらえるように伝えたくて。「このワインはこういう特徴があって、この料理とマッチするんですよ」と勧めたお客さんが、「おいしい!」と喜んでくれるのを見ると、すごくうれしいし楽しいです。

他にも鳥居さんは、新人教育や広報など、さまざまな業務を担当。入社3年目ながら、「料理つくり、人つくり、街つくり」へと仕事の幅を広げています。

鳥居さん

昨年の「京都スペイン料理祭」で広報を担当したのがきっかけで、「アブラモス」のInstagram運用を受け持つことになりました。社外で得た経験を、社内でもしっかり生かしていきたいと思っています。アブラモス(Hablamos)はスペイン語で「私たちは話す」「話そう」という意味なので、会話が弾む雰囲気が伝わるInstagramにしたいですね。

ロゴの「ふきだし」にも、「たくさんおしゃべりしよう」という思いが込められている

料理が好き、人が好き。その気持ちが原動力に

続いてお話を伺うのは、「サントレス」の店長を務める、入社9年目の匠耕平(たくみ・こうへい)さんです。30歳のときに調理師専門学校に入学した匠さんは、在学中にCASAに出会い、卒業と同時に入社しました。

匠さん

カフェとレストランの中間のようなスペインバルという業態に興味を持って、就職先を探していたときに、知人に紹介してもらったのが、当時「サントレス」の隣で営業していた姉妹店の「コンレチェ」でした。お客さんとして足を運んでみたら、めちゃくちゃ居心地が良かったんです。接客もラフな感じで、お客さんというより「人と人」として接してくれるのがいいなと思いました。

その頃には「コンレチェ」の閉店が決まっていたため、匠さんは隣の「サントレス」の面接を受け、入社することに。実はそれまでは、どこかに就職した経験も、飲食業界で働いた経験も、全くなかったそうです。未経験からスタートして、9年目まで続けることができた理由を尋ねると、匠さんは「シンプルに、毎日楽しかったんですよね」と笑います。

匠さん

僕は料理を作る時間がただただ好きで。その料理を「おいしいよ」と言って食べてくださる人がいたら、すごくうれしい。それだけでいいのかなと思っています。アルバイトも長く続けてくれる子が多いですが、この店が好きな人たちが集まって、ここで働く人がみんなでお店を作っているところがCASAの魅力。これから入社する人も、お店やスタッフやお客さんを好きになってくれる人、ベースに愛がある人なら、しっくりくるんじゃないかなと思います。

みんなで一緒にお店を作っていくために、CASAではスタッフ間のコミュニケーションを大切にしています。

匠さん

月1回、定休日を利用して社員ミーティングを行っています。CASAの理念を改めて自分たちで言語化して確認し合っていく中で、お互いに腹を割って話せる関係性が築けていると感じます。最近は「アブラモス」から「サントレス」に、数人が入れ替わりでヘルプに入ってくれているので、普段から自然にコミュニケーションが取れていますね。

人の成長と可能性を追求し続ける

CASAの皆さんのお話から、会社が大切にしている価値観や思いを一人ひとりがしっかりと共有し、同じ方向を向いて進んでいることが伝わってきます。最後に改めて、CASAの経営理念について、西山さんに伺いました。

西山さん

CASAは「人を価値に」という理念を掲げています。自分でも、憲法みたいな大それた理念やなと思います。でも、立派な言葉を置いて、いつもそこに立ち返りたいんです。僕自身は若い頃、あんまり自信がなくて、自分の価値を信じることができなかった。そんな僕でも、今はこうやってビジネスができている。だから、CASAは人の成長と可能性を追求したいし、人の成長によって生み出される価値を源に、「料理つくり、人つくり、街つくり」を行いたいんです。
ただ大切な言葉ですが抽象度が高いのでは?という意見もあり、先日社員達と話し合いこの言葉の精神をまとめました。「人を価値に」〜人の可能性を信じ開花させる〜。今はこれが大切な会社の根本理念として全員で共有されています。

人の成長と可能性を信じているからこそ、「これまで何をしてきたか」よりも「CASAに入って何をしたか」を大切にしていると、西山さんは続けます。

西山さん

だから、経験は全く問いません。ここで成長するかどうか、それだけなので。CASAでどういう価値を提供していくのか、という考え方で働ける人を採用したいと思っています。

一緒に働く仲間が増えたCASAは、その先にどんな未来を描いていくのでしょうか。

西山さん

従業員の夢を事業化できたら、一番いいなと思っていて。イベントや地域活動で街に飛び出して、いろんな経験を積むうちに、「自分はもっとこんなことができるかもしれない」と思うようになってほしいんです。そして、従業員から事業のアイデアがどんどん出てくるようになったら理想的ですね。そのためにも、僕自身が率先して新しいチャレンジをしていこうと思います。

今まさに計画を進めているビール醸造の事業も、スタッフの一人がクラフトビールに興味を持っていたことが、事業を進める一つの後押しになったのだとか。今は予想もしていないような事業が、今後も生まれていくかもしれません。

ビール醸造や新店舗、そしてまだ見ぬ新規事業など、これからもますます飛躍していくCASA。ここで働く皆さんの思いに共感した人は、「料理つくり、人つくり、街つくり」に共に取り組んでいく仲間に加わってみませんか?

執筆:藤原 朋
撮影:小椋 雄太(あかつき写房)
編集:北川 由依

求人募集要項

企業名・団体名株式会社CASA
募集職種CASAスタッフ (接客、調理、管理、開発、人事、広報、製造各業務を横断的に担当)
雇用形態正社員(アルバイト可)
試用期間:3か月。試用期間中、給与等の雇用条件に変更なし
仕事内容入社後は店舗勤務からスタート、現在のところ正社員全員が調理業務、店舗にて接客業務に従事し現場の仕事を覚えます。その後はそれぞれの特性や将来設計に合わせ目標を持ち取り組みます。経営に携わりたい方、財務に強い方なら会社のNo.2的立場も任せたいです。
給与・基本給180,000円
・各種手当込み月給:240,000円~(固定残業手当16.5時間分・20,000円を含む。残業が無い場合も支給。超過分は残業時間に合わせて支給)     
経験者(要面談)280,000円~
福利厚生厚生年金、健康保険、雇用保険、労災保険、中小企業退職金制度、年数回のリクレーション、海外研修費用補助、各種研修費負担、資格取得支援など
勤務地勤務地:京都市内で展開中の2店舗。
・アブラモス(京都府京都市南区東九条北烏丸町6−6アルプスナインビル1F)
・サントレス(京都府京都市下京区烏丸五条下ル 大坂町 392 豊栄ビル1F)

新規出店予定地は京都市内。
勤務時間9:00∼25:00(内8時間シフト制、休憩45分)
休日・休暇週休2日、夏季、冬季休暇
応募資格資格や経験は特に問いませんが当社の取り組み、理念、価値観に共感が持てる方、当社が運営する店舗が好きな方
選考プロセス京都移住計画の応募フォームからの応募    ↓
書類選考(地方の方のみ履歴書を送付)

1次選考

2次選考(できる限り当社の社員と直接対面していただきます。また1次選考と2次選考を同日で行う場合もあります)

最終選考(最終選考なしで内定もあります)
面談場所1次選考のみオンライン可。2次以降は対面。京都市内当社施設にて行います。
参考リンク・当社Webサイト
・社長のX
・社長のnote
東寺道ディープレディオ(ポッドキャスト)

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