あなたの心と体に合う場所はどこですか? 私は再び歩き出す。鴨川が流れる景色のなかで

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京都のおもしろい人を訪ねる「人を巡る」シリーズ。京都に移住した人の体験談や京都の企業で働く人をご紹介する連載コラム記事です。移住するに至った苦労や決め手、京都の企業ならではの魅力など、ひとりの「人」が語る物語をお届けします。


第6弾にご登場いただくのは、豊西 有貴(とよにし ゆき)さんです。2019年4月、東京からご夫婦で生まれ故郷である京都市左京区に移住しました。現在は、ヨガを通じて「自分のペースで自分を見つめ直す時間」を提供。その他、アウトドアブランドのパタゴニアや七条にあるカフェでも働いています。今回の取材は、豊西さんのご希望もあって「鴨川デルタ(出町柳にある鴨川三角州)」で実施。夏空の下、心地よい風がそよぐ場所でお話をお聞きしました。

無くてはならない、鴨川と共にある暮らし

ーー豊西さんが京都に移住した背景を教えてください。

きっかけのひとつは、同じ京都出身の旦那と結婚したことです。ずっと東京に暮らすのは考えられないよねって二人で話していて。お互いの家族との時間も大切にしたい気持ちもありました。でも、もともと、京都に帰省するたびに、いつか戻りたいなって思っていて。離れたからこそ、改めて京都の良さに気づいたんです。

ーーどのような良さに気づいたのでしょうか。

私、本当に、鴨川が好きなんです。釣りをしている人もいれば、上半身裸になって寝ている人もいて、音楽を奏でている人もいる。これが鴨川の日常で、自分らしく居させてくれる懐の深さが好きで。それに、昔から鴨川は私を取り戻せる場所なんです。河川敷でぼーっとしていると、心をリセットできる。ひと息つける環境が、すぐ近くにあるのがいいなって。鴨川の景色のために帰ってきた感覚があります。

自分のペースで、自分のやりたいことを選ぶ

ーー実際、京都に移り住んでみてどうですか。

良くも悪くも、なんだか落ち着いちゃいました(笑)。日常の流れが緩やかになったというか。逆に刺激が少なすぎるので、好奇心を失わないように気をつけています。東京だったら、たぶん、こんなにゆっくりしていたらダメだ!って感じていただろうな。何かしないといけない、頑張らないといけないっていうプレッシャーがあったので。嫌だったわけではないけれど、自分を見つめる時間がなかったり、どこか疲れたりしている部分もありました。

ーー逆に、東京から京都に移住して手放したことは何でしょうか。

東京の友達のSNSを見ていると、毎週末、楽しそうなイベントの投稿があって(笑)。いろんな情報やおもしろいことと出会えるチャンスは手放したかな。でも、京都に移住したことで、本当にやりたいことをちゃんと吟味できるようになったと思います。本当に行きたいなら、今でも東京に行くだろうし。自分の心に問いかけて、自分のペースで選択できるようになりました。

心と体に合う場所に暮らすのは、自然なことなんだよ

ーー今後、京都ではどのようなことをしていきたいですか。

京都に戻ってきて、自分をリセットして、人生の再スタートを切っている感覚があります。今までやってきたことを捨てるのではなくて、自分を見つめ直して、これからどうしようかなっていうのを考えているところです。

ーーすごく、ワクワクしますね。

そうですね、遠足前のようなワクワク感があります(笑)。いずれにしても、身近な人や目の前の人の役に立てるような生き方をしたい。プライベートの時間とか、好きなことをする時間とか、そういうのをちゃんとバランス良くとっていきたいなって思うし、いま、京都に戻ってきてできるようになっているので。ありがたいです。

ーー最後に、移住を検討している方に向けてメッセージをお願いします。

移住を考えたとき、改めて思い出したすごく好きな言葉があるんです。『西の魔女が死んだ』っていう小説、知っていますか?

自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。(梨木香歩『西の魔女が死んだ』 新潮社)

自分の心や体に合う場所に暮らすのは自然なことなんだよ。やりたいこと、気持ちがいいと思う場所があるなら、誰に何を言われようと、自分でその選択をすることはまちがっていないって、背中を押してもらいました。人によって、合う、合わないがあるので、自分自身の五感でしっかりと確かめて。私が鴨川を訪れてそうだったように、心が穏やかになる変化を時間をかけて感じてみるといいと思います。

▼ブレストラン
ヨガ・呼吸法をベースにしたストレスケアサービス。「おいしい呼吸を味わう」をミッションに、企業向けのプログラムを提供。現在、豊西さんは京都支部代表を務めていて、企業にお邪魔して、ヨガを通じて健康や自分を見つめ直す大切さを伝えています。
http://breathtrant.com/

▼パタゴニア
登山用品、サーフィン用品、アウトドア用品などを扱うアメリカのブランド。豊西さんは京都支店の販売スタッフでもあります。現在、京都移住計画でも求人募集中です。

記事の作成に関わってくれたクリエイター

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