2019.09.01

地域と向き合い、地域を発信する今まで通りすぎていた。暮らすからこそ見える景色

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京都のおもしろい人を訪ねる「人を巡る」シリーズ。京都に移住した人の体験談や京都の企業で働く人をご紹介する連載コラム記事です。移住するに至った苦労や決め手、京都の企業ならではの魅力など、ひとりの「人」が語る物語をお届けします。

第5弾にご登場いただくのは、木村 博美(きむら ひろみ)さんです。ご出身は千葉県で、移住する前は首都圏を中心にラジオ局のパーソナリティとして活動されていました。京都の中京区に移住したのは2014年の夏。現在はFM放送局の放送局長とパーソナリティを務めながら、京都移住計画のメンバーとしても活動しています。そんな木村さんに、移住のきっかけや京都で体感していることについてお聞きしました。

京都の情報を発信し、京都と人をつなぐ

ーー木村さんの現在のお仕事について教えてください。

現在、北区・上京区を主な放送エリアとするコミュニティFM放送局『RADIO MIX KYOTO(ラジオミックス京都)』で務めながら、京都移住計画のメンバーとして『京都移住茶論』の企画・運営も担当しています。京都移住計画のメンバーになったのは、京都暮らしや地域の情報を移住希望者、移住したばかりの方へもっと発信したいと思ったのがきっかけ。ラジオとコミュニティを通して、京都の魅力を発信しています。

ーー京都に移住するにいたった背景を教えてください。

私の場合は、いわゆる「孫ターン(※)」です。父方の祖父母が住んでいたお家を譲り受ける形で移住しました。移住を考えたきっかけのひとつに、東日本大震災があります。最低限の暮らしが成立しないと、夢や仕事を考えることはできない。これまでの価値観が変わる体験でした。

確かに、東京の暮らしは便利だし魅力的。東京でしか仕事が成立しないとも思っていました。でも、30代に入り、住む場所を考えるときの優先順位が変わり、そのタイミングで東日本大震災が起こって。これからもずっと、自分の生活に東京で暮らしは必要なの?って問いかけてみたら、そうじゃないかもって思ったんです。

※孫ターンとは
都市部に住んでいる若い世代が、自分の親あるいは祖父母のいる地方(地元)に移住すること。

四季折々の日本らしさが地域を巡る

ーー京都に移住して、気づいたこと、見つけたことはありますか。

京都には四季折々の行事や習わしがたくさんあるんです。祇園祭はもちろん、地蔵盆とか、地元の氏神様をお参りするとか。1年を通じて行事に向き合うことで、季節のうつろいを肌で感じたり、地域や日本に対する見方や考え方が変わってきたり。

ーー京都で暮らすことが、日本人としての誇りにつながっているんですね。

そうですね。例えば、6月末に「夏越の祓(なごしのはらえ)」という行事。茅の輪をくぐりながら半年分の邪気を落として、和菓子の「水無月」を食べながら、蒸し暑い夏場やこの後の半年の健康を願います。

夏越の祓の「茅の輪くぐり」。そのほか、自分で茅の輪をつくったり、地元の氏神さんの神幸祭で行列に参加したり。いろんな行事が開催されます(撮影:木村さん)。

京都に暮らしていなかったら、行事の存在も、和菓子の由来も、知ることなく通りすぎていたと思います。今頃になって気付けていることに、危機感を感じているくらいで。日本らしさに出会えたこと、大切にしていきたいと思えるようになったことが、ただただ、純粋にうれしいんです。

地域を知る、つながりをつくる

ーー移住後、逆に大変だなと感じたことはありますか。

移住した当初は、ご近所付き合いに少し戸惑いました(笑)。東京にいたときは、ご近所さんとの付き合いもなく、それを気にかけることもありませんでした。でも、京都では、町内会があって、ご近所さんどうしの交流もある。まずはそこにちゃんと仲間入りしたいと思いました。

ーーそのとき、どのようなことを心がけたのでしょうか。

最初に心がけていたのは、家の近くで会う人にあいさつをすること。町内会の行事に顔を出したり、そのお手伝いをしたり。徐々に距離感を縮めていけることが新鮮で楽しかったですね。地域とまったく関わらずに暮らすこともやろうとすればできると思うんです。でも、せっかく自分が選んで移り住んだ場所だから。まずは地域を知ること、向き合うことを大切にしていきたいと思いました。

ーー最後に、移住を検討している方に向けてのメッセージをお願いします。

おすすめしたいのは、移住したい場所に知り合いをつくること。自分の存在を知ってくれている人や自分のことを話せる人がいると、移り住むまでのハードルがぐっと下がると思うんです。私も京都に住もうかなと考えはじめたとき、Twitter経由で京都移住計画の代表とコンタクトを取ることができた。「あ、なんだかいけるかも」って自信が湧いたんです。知り合いが1人でもいればなんとかなる。まずはそこからはじめてみたらいいのかなって思います。

▼RADIO MIX KYOTO (ラジオミックス京都)FM87.0MHz
京都市北区・上京区を主なエリアとして放送しているコミュニティFM放送局。<大学と地域の連携>をコンセプトに、京都の地元情報を中心にさまざまな番組が放送されています。京都市内であればラジオの周波数FM87.0MHzで、またはパソコンやスマートフォンでも無料で全国どこからでも聴取が可能です。

「京都暮らしに関する詳しい情報が欲しい!という方は、まずは聴いてみていただきたい。そしてぜひ気軽にお便りをください。番組内でお応えもできます。それがラジオのいいところ。今後は移住希望者向けの番組もできたらいいなと構想を巡らせています(木村)」。
https://radiomix.kyoto/

▼京都移住茶論
移り住むことを考えている人、移り住んだ人同士がつながるコミュニティ。いろんな切り口から京都の魅力を再確認できる場であり、共通の想いを抱える仲間と出会える場でもあります。

「京都移住茶論では、移住者としての経験を活かして企画・運営を行なっています。東京で開催することもあるので、京都とのつながりや知り合いをつくりたいという方は気軽に参加してみてください!(木村)」。
https://kyoto-iju.com/saron

お知らせ|<10月から本格始動>to Kyoto体験型説明会

首都圏在住の人たちを中心に、京都にゆかりある人たちが集い、京都との関わりをつくるオフライン&オンラインコミュニティ「to Kyoto」。今回、オフラインでの取り組みについて、体験型説明会を開催します。

①心地よい暮らしを仲間とともに描く、少人数のキャリアデザインゼミ 
”十人十話-JUNIN TOWA-”

②サステナブルをキーワードに幸せに生きる暮らし作りのエッセンスを学ぶ 
“Sustainable Life Talks”

10月から始まる上記2つのプログラムの体験ワークショップ(説明会)を実施します。

<いつかはこういう生き方・暮らし方がしたい>という想いと向き合いながら、同じような志や不安、葛藤を抱く仲間と出会える場。どんな仕事をして、誰と、どこで生きていくのかをじっくりと考えてみませんか。

■日時:9月7日(土)13時15分~16時00分 ※13時00分 受付開始
■場所:ほしびとたちの庭
■住所:〒152-0032 東京都目黒区平町 1-26-16 くりやまビル 5階
■定員:20名
■参加費:1,000円

■プログラム
13時00分 オープン
13時15分 趣旨説明・アイスブレイク
13時50分 イベントの企画背景のシェア
14時20分 京都移住計画・田村のストーリーのシェア
コーディネーター・三浦のストーリーのシェア
感想の共有
14時50分 休憩
15時00分 十人十話-JUNIN TOWA-のプチ体験ワーク
15時30分 全体での感想の共有
15時50分 クロージング
16時00分 終了

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