募集終了2021.09.28

京都の地域医療・在宅医療に貢献!ニーズに応え、地域と共に歩みつづける保険薬局

薬局の薬剤師さんと聞いて、どんな姿を思い浮かべますか?

処方箋をもとに調剤を行ったり、患者さんに薬の説明をしたり。

普段の生活の中で目にする場面をまずイメージする人が多いのではないでしょうか。

でも、薬局薬剤師の仕事はそれだけではありません。

今回ご紹介する「ゆう薬局」グループは、地域に根差した薬局として、保険調剤や医薬品の販売だけでなく、地域医療や在宅医療に関わるさまざまな取り組みを行っています。

薬剤師の方はもちろん、地域医療や地域づくりに関心のある方も、ぜひ読んでみてください。

これまで持っていた薬局のイメージが変わるかもしれません。

薬局ならではのチーム医療や地域医療

2020年に創業70周年を迎えた「ゆう薬局」グループは、1950(昭和25)年に現社長の祖父が左京区で始めた一軒の薬局からスタートしました。現在では京都府に94店舗、滋賀県に1店舗を構え、京都で最大の店舗数を誇ります。

しかし、けして規模の拡大を目指してきたわけではないと、取締役の船戸一晴(ふなとかずはる)さんは語ります。

「店舗数だけを見ると、どんどん拡大してきたように見えるかもしれませんが、一店舗一店舗、地域の医療機関や住民の方たちの求めに応じて出店することを繰り返してきた結果なんです。エリアを広げていくという考えはなく、あくまでも京都という土地に根差して、各地域のニーズに応えてきました」

ニーズに応えるだけでなく、地域から求められる環境を作るために自ら動いてきた側面もあると船戸さんはつづけます。

「わかりやすく言うと、ドクターから言われた薬を出しているだけじゃないぞっていうことなんですけど(笑)。薬局はそういうところだというイメージを持っている方が多いかもしれません。でも実際には、病院の薬剤師以上にドクターと話し合って、一緒に処方設計を考えてきた自負がありますし、患者さんの生活やニーズを理解した上で、必要な医療機関につなぐことができる立場でもある。医療機関だけでなく、介護施設やケアマネージャー、行政の窓口、時には近所の人たちや民生委員の方なども含めて、患者さんにとって必要な人へとつないできました」

チーム医療というと、病院の中で医師や看護師、医療専門職の人たちが連携して治療にあたる、というイメージがありますが、薬局薬剤師の場合は医療職に限らず多岐にわたる連携を行っているんですね。船戸さんのお話を聞いて、チーム医療の概念が広がった気がします。

「病院には病院のチーム医療がありますが、薬局だからこそできるチーム医療や地域医療の形が絶対にある。ゆう薬局はそれを目指し実現してきたという自信があります」 
現在は経営企画や広報といった本部の仕事をメインとしていますが、約17年現場の第一線で働いてきた船戸さんは、「こんなに面白い仕事はないと思いますよ」とほがらかに笑います。

地域のニーズに応えつづけるために

近年は、予防の段階で健康を支援する「健康サポート薬局」や、病気になった後も地域で治療を続けられるように支える「地域連携薬局」などが制度化され、薬局薬剤師に求められる役割は変化してきています。その流れは、ゆう薬局がこれまで目指してきたあり方と一致しています。

「健康サポート薬局や地域連携薬局の制度がはじまる以前から、こうした方向性に沿った取り組みを積み重ねてきたことは、当社の強みだと考えています。たとえば、健康サポート薬局は月に1回地域向けの情報発信をする活動を行うことになっているのですが、私たちはこれまでもそういった地域活動を行ってきましたし、在宅支援事業も介護保険制度がスタートする以前からの実績があります」

薬局薬剤師が地域と密接に関わることが求められる中、制度化による後押しもあり、ゆう薬局がこれまで取り組んできたことがより一層必要とされる環境ができてきたと言います。

「自分たちがやろうとしてきたことが間違っていなかったんだなという実感があります。今後もぶれずに、地域のニーズに応え、時には自らニーズを作り出し、地域の健康意識やQOLを上げるためのアプローチをつづける中で、結果としてきちんと制度にも沿っているという形を目指していきたいですね。本質を見失わず、しっかりと社員たちのベクトルを合わせて進んでいきたいです」

在宅医療に貢献するための新たな挑戦

地域に根差した薬局として、在宅支援事業に力を入れてきたゆう薬局。団塊の世代が後期高齢者となり超高齢社会のピークを迎える2025年を目前に、年々拡大していく在宅ニーズに対応するため、2020年8月に京都市内に在宅支援センターを設立しました。

ここからは、在宅支援センターの責任者を務める入社6年目の松浦和輝(まつうらかずき)さんにお話を伺います。

学生時代、ゆう薬局に実習に来ていたという松浦さん。当時、学生向けの研修を担当していた船戸さんの講義を何度か受けていたのだとか。

「ゆう薬局ではこれまで、ほぼすべての店舗で在宅訪問を行ってきました。しかし、病院ではなく自宅で最期を迎えたいと希望する患者さんの増加など、拡大する需要に各店舗のキャパシティが追いつかない状況になりつつあり、薬剤師の負担も大きくなっていました。こうした課題を解決するため、新たに在宅支援センターを開設し、在宅の患者さんを受け入れて各店舗のサポートを行っています」

在宅訪問では、薬剤師が患者さんの自宅に薬を届け、薬の使用状況や生活の状況を確認し、必要に応じて医師やケアマネージャーとの連携を行います。

「患者さんやご家族にはそれぞれ、在宅医療に至るまでの経緯や個々の事情、ニーズがあります。コミュニケーションを取ってニーズをきちんと見極め、それに沿った対応をしたことで喜んでいただけた時が一番うれしいですね」

京都市内全域の在宅患者さんに対応。車やバイク、自転車を使って、薬を届けに行きます。

今後さらに増えていく在宅ニーズに対応するため、松浦さんは従来の担当制を廃止し、全員で全患者さんをサポートする新しい体制づくりに取り組んできました。

「情報整理・共有を徹底することによって、各スタッフの業務負担を軽減すると共に、患者さんに提供するサービスの質もしっかりと担保することができます。新しい仕組みがうまく機能することでセンターのキャパシティも拡大し、関わる医療職の方々から患者さんの新規依頼も増えており、手ごたえを感じています」

今後は、在宅支援センターを教育の場としても機能させていきたいと松浦さんは語ります。

「在宅支援センターでは、在宅医療に強い関心を持つ若手薬剤師を積極的に登用しています。センターで数年間経験を積んだ薬剤師が、また各店舗に戻って、身に付けた力を存分に発揮する。そんなサイクルができていけば、ゆう薬局グループ全体の質もさらに高めていけるのではないかと考えています。私自身、センターの初期から関わってきた一人として、後に続くメンバーの見本となれたらと思います」

さらに、センターに所属するスタッフだけでなく、全社員の教育の場として新人研修などにもセンターを活用していきたいと展望を語ってくれました。

もっと頼りにされる薬局を目指して

つづいてお話を伺うのは、入社8年目の大伴沙織(おおともさおり)さん。入社後は舞鶴に2年半勤務し、その後、京都市北区のにしがもゆう薬局に異動。現在は管理薬剤師を務めています。

学生時代の実務実習で、病院よりも薬局のほうが患者さんや他職種の人との関わりが深いという実感があり、薬局薬剤師を志したと語る大伴さん。特に地域の人々との距離が近いと感じたゆう薬局を志望し、入社前から在宅医療に強い関心を持っていたと言います。

「店舗よりもご自宅のほうがより踏み込んだお話ができて、さらに深い関係が築けると思い、在宅医療に魅力を感じていました。入社1年目に勤務した舞鶴では、在宅の患者さんを初めて担当しました。私は在宅訪問をやりたいとずっとずっと言っていたので、当時舞鶴エリアの責任者だった船戸さんが気持ちを汲んでくださって、在宅の導入段階から一緒に関わらせていただきました」

この患者さんとの関わりが、その後の在宅支援においても自分自身のベースになっていると語ります。「初めはお互いに少し緊張していましたが、毎週訪問して徐々に関係を築くことができました。初回に薬の管理方法を提案して、その方法を気に入ってくださったことも大きかったですね。一人暮らしのおばあさんで、筋力の衰えがある方だったので、それまで薬を設置していた場所だと届きづらかったようで。食事場所のすぐ横に、使われていない炊飯器がどんと置かれていたので、それをどけてボックスタイプの薬の管理ツールを置くことを提案しました。生活導線も考慮して管理方法を変えたことで、毎日きちんと薬を飲めるようになり、検査値も改善して、治療にも前向きになってくださいました」

ゆう薬局ではお薬カレンダーや整理ケースなどのツールを用いて、患者さん一人ひとりに合わせた服薬支援を行っています。

信頼関係がしっかりと築けてからは、訪問時のほとんどの時間がおしゃべりタイムだったと笑います。

「体調の話もあれば、スポーツ観戦など他愛のない話も。でも、直接薬に関係ないような会話でも、患者さんの生活がうまくいっているのか、薬の効果は出ているか、副作用はないかなどを確認する上で大切な情報収集なんです」

その後、にしがもゆう薬局に異動になった大伴さん。近隣病院の診療時間に合わせて集中してやってくる、街中の薬局ならではの幅広い層の外来患者さんに対応する多忙な毎日を送りながら、多くの在宅患者さんも担当してきました。

「入社時から在宅に携わりたいと言いつづけてきたので、グループの中でも特に在宅の件数が多かったこの店舗に配属されたのかもしれません。配属後は1年間、在宅研修プログラムに参加しました。この店舗の隣にある診療所のドクターの訪問診療に、週3回同行させていただくという研修で、私が第一号の受講者でした。当時は午前中に訪問診療に同行して、午後は薬局業務に戻って、夕方には在宅訪問に行くという忙しい日々でしたが、とても貴重な経験になりました」

現在、にしがもゆう薬局の管理者を務める大伴さんに、今後の目標についても伺いました。

「前任の管理者が築いてきた地域との関係がベースにあるので、それを守りながらもっと深めていけたらと思っています。患者さんが質問しに来てくれたり電話してくれたりする時が一番うれしいですし、頼りにしてくれているという実感がありますね。今後は患者さんとの関係はもちろん、他職種の方たちとの関係も深めていきたいです。医師や看護師、ヘルパーやケアマネージャー、ソーシャルワーカーの方たちからも、もっと頼りにされる薬局にしていけたら、患者さんへの対応の質もさらに上がっていくと思います」

思いを共にする人たちと歩んでいきたい

最後にお話を伺うのは、人事・採用担当の山口高正(やまぐちたかまさ)さんです。入社11年目を迎える山口さんは、ゆう薬局の最大の特徴である地域性について、どのように考えているのでしょうか。


「地域密着を掲げている薬局はたくさんありますが、ゆう薬局は京都に特化しているからこそ、より地域密着を実践してきたという自負があります。体操教室などの講座や、カフェやうたごえサロンといったイベントを開催したり、地域のお祭りに参加したりと、地域の人々との関係を長年にわたって深めてきました」

舞鶴で月1回開催している「ゆう薬局カフェ」の様子

同じ京都府内でも、北部や南部にはそれぞれ特徴があるのはもちろん、京都市内でも行政区によってカラーが違うため、地域のニーズに合わせた店舗づくりを行ってきたと言います。

「個々の店舗に任せている部分が多く、各店舗の責任者の裁量が大きいことも特徴ですね。それぞれの地域のニーズを拾っていくことを重視しています」

さらに、地域密着型の薬局として在宅医療に注力してきたことも、ゆう薬局ならではの特徴だと語ります。

「在宅に特化した在宅支援センターを設けているのは、他にはない特色だと思います。新卒採用の過程ではセンターを見学する機会を設けているのですが、実際に現場を見ると普通の薬局との違いをより実感してもらえるようですね。栄養剤や医療材料が並んでいる様子を見ると、薬局でありながら病院に近い環境という印象を持たれる方も多いです」

この5年ほど新卒・中途採用に携わってきた山口さんは、今後どのような人材を積極的に採用していきたいと考えているのでしょうか。そう問いかけると、「求める人物像は?とよく聞かれるんですけど、患者さん志向、地域志向をベースにお持ちの方であれば、それ以上は実はあまりないんですよね」という意外な答えが返ってきました。

「逆説的な言い方かもしれませんが、京都に特化していることや、地域医療や在宅医療に力を入れているという会社の特徴を知った上で、ご自身のやりたいこととマッチすると感じる方が、求める人物だと言えるのかもしれません。その上で、多様な思いを受け入れる懐がゆう薬局にはあると思います」

たとえば、「地元である京都で働きたい」「地域医療に携わりたい」「在宅医療に関心がある」など、志望するきっかけは人それぞれで良いと山口さんはつづけます。

「会社の特徴のどの部分に強く共感するかは一人ひとり違っていて良いですし、多様性があって良い。私たちの話を聞いて心に響いた方、共感した方なら間違いないと思っています」

思いに共感する人たちが集まり、「人々に必要とされ、それに応える」という本質的な部分を共有できているからこそ、一人ひとりは多様であっても同じベクトルに向かって進んでいけるのでしょう。

ゆう薬局の皆さんのお話を伺って、今まで知らなかった薬局薬剤師の仕事や揺るぎない信念にふれることができました。

地域を支えるこれからの薬局薬剤師の仕事に興味を持った方は、ぜひ仲間に加わってみませんか?

執筆:藤原 朋
撮影:清水 泰人

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