募集終了2020.09.28

人に寄り添うWebサービスを。心優しきヒーローたちを育む場所「ウェブライダー」

(2020/09/28公開、2023/03/29最終更新)

今回ご紹介する企業は、京都の台所として知られる錦市場のすぐそばにオフィスを構える株式会社ウェブライダー。実は、2017年秋にも一度当サイトでご紹介しているのですが、「この3年で会社全体の方向性が定まり、必要な人材もより具体的に見えてきた」とのことで、改めてメンバーを募ることになりました。

文章作成アドバイスツール「文賢」の開発が転機に

ウェブライダーは2010年、「すべての人をヒーローに」を理念に掲げ、松尾茂起さんが数名の仲間とともに立ち上げたWebプランニング会社です。

価値あるモノやコトに光を当て、伝えたい人と伝えるべき人を結びつけるためのツール開発やWebサイト制作、コンサルティングなどに力を注いできました。松尾さん自身も『沈黙のWebマーケティング』『沈黙のWebライティング』の著者として知られ、Web業界では一目置かれる存在です。


数年前までは、コンテンツプランニングや検索エンジンマーケティングが事業の主軸でしたが、そこにある転機が訪れます。2017年10月にリリースしたクラウド型の文章作成アドバイスツール「文賢(ぶんけん)」の開発を通じて、「以前にも増して人と向き合う会社になった」と松尾さんは語ります。


「文賢は、独自に研究した100以上の視点を用いて、読みやすくわかりやすい文章の作成をサポートするツールです。誤字脱字の指摘にとどまらず、書く人のクセを見抜いて改善点を示したり、誰かを傷つけるおそれのある言葉の言い換えを提案したりと、書く人にさまざまな気づきと学びを与える機能を搭載しています。

開発にあたった僕たち自身も『言葉を紡ぐ大切さ』を改めて実感しました。言葉を紡ぐことは、相手のことを想うことでもあるので、その仕組みをつくるなかで、より深く人と向き合えるようになったんです」

よりよい社会を目指して、あらゆる視点で「人をみる」

松尾さんが何度も口にする「人との向き合い方」。そこには大きく3つの視点があり、そのすべてを活かすことで、人への理解が深まると言います。

「人と向き合うことは、『人をみる』という表現に置き換えることができます。『みる』には、いろいろな意味合いの『みる』がありますよね。1つは、ありのままを表面的にとらえる『見る』、2つ目は時間軸を変えて、過去から現在までの変化を観察する『観る』、そして3つ目は、今現在のその人を注視して深堀りしていく『視る』。そうやっていろんな『みる』を行き来しながら一人ひとりに接していけたら、相手のすべてとはいかないまでも、かなり深いところまで理解できるようになり、コミュニケーションの仕方や関係性が大きく変わってくると思います」


例えば、ビジネスの相手にメールを送る時、ちょっとした言葉の選択ミスが思わぬ誤解を招いたり、トラブルの引き金になったりすることがあります。反対に、同じ内容のメールを送っても問題が起きないことがあるのは、相手の性格や考え方、過去の経験などにより、言葉のとらえ方が異なるからです。

そのことを意識し、相手をよく「みる」ことができたなら、紡ぎ出す文章も変わり、よりよい対人関係を築くことができる。そして、その行動がたくさんの人に伝播し、輪となり広がれば、社会そのものをより良く変えることだって夢ではないと、松尾さんは考えています。


「こういう考えをもつにあたり、背中を押してもらえたのは、文賢のユーザーさんの声です。まだ積極的なマーケティングをおこなっていませんが、口コミのおかげで、2,000名を超えるユーザーさんにお使いいただけています。文賢を応援してくださるユーザーさんの声をもとにさらなるブラッシュアップを進め、2021年末には1万ユーザーに達するようPR活動にも力を入れていく方針です」

誰かに寄り添い、誰かと走り続ける、ウェブライダーの新事業

文賢が基幹事業として成長を遂げる一方で、「人と向き合う新事業」も続々と誕生しています。一つは2020年7月にスタートした会員制コミュニティサイト「クマレル」。悩みごとを何でも聞いてくれるぬいぐるみの「クマさん」よろしく、さまざまな知見を有する約1000人の聞き手が在籍し、質問や相談を投げかけるとオンラインで誰かが答えてくれるという仕組みです。

「ネット上で自分に合った解決策を得ようと思うと、かなり時間がかかることがあります。そもそも、自分自身の悩みも明確化できていないこともある。そんな時、クマレルで誰かに30分、悩みを話してみてほしいんです。話すうちに、自分の悩みが整理され、思わぬ解決策が見つかるかもしれません。

また、クマレルでの30分は、SNSでのやりとりと比べて、とても濃い時間になりやすいです。SNSで100回やりとりするよりも、クマレルで1回30分のセッションをしたほうが、深い関係性を結べることも多くあります。クマレルは優しい大人が集まる社交場というコンセプトを大切にしています。だから、人見知りの人も、勇気を出して利用してもらえれば、自分が気付かなかった、人の優しさや温かさに触れられると思います」


さらにもう一つ、2020年秋、今まさに動きだそうとしている新事業もあります。その名も「ウェブライダートレイン」です。

「わかりやすくいうと、ウェブライダー的な思考とノウハウをもった人を増やす事業です。僕たちがこれまで行ってきた試みは幸いうまくいっていて、なおかつ素敵な輪も広がっています。その知見はきっと多くの方の参考になると考えました。この知見があれば、世の中のいろいろな事業がきっとうまくいくはず。

だから、よかったらウェブライダーの思考とノウハウを手に入れませんか?そのために、ウェブライダーと同じ景色を見て、同じ目的地を目指してみませんか?というお誘いです。ウェブライダートレインに乗っていただく人たちは、それぞれ自分の会社があり、自分のフィールドがある。それらを守りつつ、視点を増やし、視野を拡げ、視座を高めてもらうためのオンラインサロンのようなサービスです。

具体的には、当社のミーティングやブレストの場にオンラインで参加してもらい、ウェブライダー流の思考法を学んでいただきます。他社のミーティングに参加できることって、なかなかないと思うんです。ウェブライダーってこんなふうに考えているんだ、ということを知ってもらうことで、その知見を仕事や人生に活かしてもらえたらと考えています。ちなみに、ウェブライダートレインは、途中下車や再乗車も可能な列車です」

ウェブライダートレインに乗車するには、乗車資格があるそうです。それは「誰かのミスを責めたり不満を言うのではなく、理解を示して解決策を考えられるような優しさのある人、人の憂いがわかる人であること」と松尾さん。その条件は当然、ウェブライダートレインを運転する乗務員、すなわち新たな社員にも適用されます。

「ウチで働く人については、職種に応じた適性やスキルなどをチェックしますが、相手や周りのことをどれだけ思いやれるかが何よりも大事。ウチは人数も限られているぶん、個の力を掛け合わせて最大出力を発揮するタイプの会社なので、チームワークを大切にできるか、自分の思いを言葉にのせて伝える力を持った人かどうかを重視しています」

離れていても繋がっている、これからの働き方

勤務地は、今回訪ねた京都本社と、東京・恵比寿にある東京支社のいずれかになります。しかし、必ずしも毎日通勤する必要はありません。ウェブライダーでは、新型コロナウイルス対策の一環として、今年3月中旬よりリモートワークを標準化。オフィスか自宅か、各自で働きやすい場所を選べるようになっています。

リモートワークを導入したことで、ウェブライダーが最も大切にしているコミュニケーションに支障は出なかったのでしょうか。

「以前から、会議の時以外は社内チャットやビデオ会議アプリでやりとりすることが多かったので、特に変化はありませんでした。逆に、京都と東京の距離感はぐっと縮まった気がしますね。京都であろうと東京であろうと、ビデオ会議の場はオンラインという共通の場所。よりフラットに何でも話しやすい雰囲気になりました」


極端な話、オンラインでつながることさえできれば、どこにいても働ける会社。例えば、いずれは京都へ移住したいと考えているけれど、今すぐには動けない事情があるなら、当面の間、フルリモートで働くことも可能です。

実際、入社から2ヶ月間、ほぼリモートワークを続けている新入社員がすでにおり、驚くべきことに「ずっと前からいるみたい」な親近感を周りに与えているそうです。その人の人間性やコミュニケーション力の為せる業かもしれません。

心地よいメロディを奏でる、松尾流「音楽的経営スタイル」

最後に、松尾さんにうかがったのはウェブライダーのこれからについて。かつて音楽制作を生業とし、現在も個人名義で音楽活動を続ける松尾さんは、音楽になぞらえて現在の思いを語ってくれました。

「自分の経営スタイルについて、最近よく形容するのが「音楽的経営スタイル」。音楽の三要素にハーモニー、リズム、メロディがありますが、なかでもコアになるのがメロディで、会社の事業そのものを指します。つまり、何を成し得たいのか、どんな価値を市場に発信したいのかという根幹の部分。具体的には、人々の不安や困りごとを解消できるようなサービスを提供して、社会をよりよく変えるお手伝いをすることです。

そうしたメロディに色をつけて聞きやすく(届けやすく)したり、ある時は転調したりしてまわりとの響きを調整するのが、各プロジェクトに参加するメンバーのハーモニーです。そして、どういったテンポ感で事業を進めるのかがリズム。みんなそれぞれ個性的な音色やリズム感を持っているから、プロジェクトによって違った音を奏でられます。僕は指揮者として一つひとつの音に耳を傾けて、皆の素敵な音を最大限に引き出しつつ、ずっと聴き続けたくなる音楽を奏で続けたいと思っています」


松尾さんの表現を借りるなら、これから迎えるメンバーはウェブライダーが奏でる音楽に新たな彩りを添える楽団員です。「あなたが弾く楽器は?」「どんな演奏が得意?」。面接でそんな質問が飛んでくることはありませんが、松尾さんは対話のなかで聞き分けるはずです。あなたという人間が発する音色の優しさ、奥深さを——。

仕事の垣根を超えて、みんなでつくっている感覚

さて、ここからはご登場いただくのは、京都本社のメンバーとして活躍中の3名です。職種や勤務歴の異なるみなさんの視点を通して、ウェブライダーという会社をさらに深掘りしてみたいと思います。それぞれの仕事に対する思いや、新たなメンバーへのメッセージなどもうかがいました。


人懐っこい笑顔が印象的な赤木さんは、ウェブライダー初の広報担当として2018年末に入社した若手のホープ。現在はおもに、文賢をはじめとした自社サービスの普及に向けて、セミナーなどの企画・運営を手がけています。そもそもWeb業界も広報の仕事も未経験だったという赤木さんが、ウェブライダーへ飛び込んだ経緯とは?

「以前は人材会社の営業として、さまざまな会社さんや求職者の方々とかかわる仕事をしていました。一人ひとりの方と深くかかわり、人生を切り開くお手伝いができることにやりがいを感じていた反面、限られた人にしか情報をお伝えできないことにもどかしさを感じるようになったんです。

価値ある情報をたくさんの人に届けるには?と考えた時にメディア業界が頭に浮かび、とある会社に転職したのですが、まもなくその会社が経営不振に陥ってしまって……。やむなく転職活動を始めた矢先に、ビジネスSNS上で発見したのがウェブライダーの求人情報でした。調べてみると、Webメディアで情報発信をしていたり、自社の商品サービスで多くの人をサポートしていたり、共感できる部分がたくさんあったので、ここで新たな一歩を踏み出したいという気持ちになりました」


「どうすれば、自社と関わってくれる人たちと良い関係が築けるだろう?」。赤木さんは入社以来、常にそう自問しながら社内外のメディアで情報発信を行ってきました。孤独な作業かと思いきや、「どんな時も何をするにも、みんなでつくっている感覚があります」ときっぱり。少しでも不安や迷いがある時は、チャットで意見を募る。そうすると、必ず誰かからフィードバックがあり、その理由まで丁寧に書かれているのだそうです。

「例えば、この表現は間違いではないけれど、不快に思う人がいるかもしれないから、こういう風に変えたら?とか、あらゆる視点で自分の見落としを指摘してくれるんですよね。自分もそうありたいと思っていろいろな情報や記事に触れるうちに、少しずつですが、自分の考えを持ち、それを相手に伝えられるようになってきました」


まさに“リアル文賢”ともいうべき頼もしい仲間に鍛えられ、成長を実感している今、「これから自分がやるべきことも見えてきました」と目を輝かせます。

「これまで書いた記事やイベントなどを通じて発信してきたことを、もっと多くの人に届けるのが自分の務めだと思っています。そのためにも今後は、各種メディアの方々と新たな関係性を築いたり、既存の関係性をより深めたりして、伝えるためのネットワークづくりを頑張ろうと心に決めています」

意味を考えながらアクションを起こせる自分になれた

次にお話をうかがったのは、Webディレクターの伊藤さん。前回の募集記事にご登場いただいた時は入社2年目の「がむしゃら期」でしたが、その後、ご自身や周りの環境に変化はあったのでしょうか。

「仕事は以前とあまり変わらず、松尾さんのコンサルティング業務のサポートや制作案件のディレクション、記事の編集補助などを行っています。ただ、仕事の向き合い方はだいぶ変わったかもしれませんね。仕事をこなすので精一杯だった頃とは違って、ひと呼吸おいて意味を考えてから発言や行動ができるようになりました。社内で醸成されてきた「考える文化」が身についた証かなと感じています」


伊藤さんによると、社内は相変わらず「個性派ぞろい」。マニアックな趣味やこだわりを持っている人が多く、「横で話を聞いているだけで面白いですよ」と多彩な面々と一緒に働く楽しみも語ってくれました。そんな伊藤さんが新メンバーに期待することとは?

「何かユニークな趣味を持っている人、というのは私の個人的な希望で(笑)、仕事上で接点の多い職種のデザイナーさんに関して言うと、自分が手がけたデザインの意図をきちんと説明できる人ですね。かっこいいからとか、お客さんが好きそうだからとか、曖昧なものではなくて、こういう意図があったからこのデザインにしました、と言葉にできる人とお仕事したいなと思います。今現在、発言の機会があまりなくモヤモヤしている方には打ってつけの職場です」


また、職種を問わず、伊藤さんが大事なポイントを挙げたのは、「メールなどの誰かに送る文章に気を遣えること」でした。いつ、誰に、何を、どのように伝えるか、受け取る側の気持ちに立って文章を組み立て、特に外部に送る場合は事前に他のメンバーのチェックを仰ぐ。入社5年目を迎えた現在も、伊藤さんはそうした基本を守っています。

「語尾がしっくり来ないとか、ふさわしい単語が思いつかないとか、些細なことでも聞けば何でも答えが返ってきます。慣れないうちは多分、文章へのフィードバックの多さにびっくりすると思いますが、私たちにとってはそれが日常というか、もはや会社の文化なんです。新人だからといって遠慮せず、気づいたことがあればどんどん指摘してほしいと思います」

自分の考えを持ち、相手を思いやる人の集まり

プロジェクトマネージャーの宮本さんも、伊藤さんと同じく2回目の登場となります。社内全体を見渡すマネージャーというポジションを、なんと宮本さんは自ら開拓していったそうです。

「入社してまもない頃、まずは会社のことを知ろうと思って誰がどんな仕事をしているのかを一人ひとりに聞いて回っていたんです。仕事中の貴重な時間をもらう以上は、何かお返しをしなくてはという気持ちもあって、困り事なども聞いていると、この人の仕事の一部をこちらの人にやってもらったほうが効率的に回るのでは?といった気づきがたくさんありました。その調整に動いているうちに『とりあえず何かに困ったら宮本さんに頼もう』みたいな空気が出来上がっていました。周りからはトラブル対策室室長と呼ばれることもあります(笑)」


持ちかけられる相談事には、契約に関する事案など専門的な知識が求められる場合もあります。そんな時も宮本さんは「基本的に全部受け止めて、わからなければ自分で調べて解決策を探ります」。どんなふうに考えて仕事と向き合っているのでしょうか。

「ただ単に物事を楽観的にとらえられる性格なんでしょうね。以前、英語もろくに話せない状態でマレーシアに渡り、自力で家探しを始めた頃を振り返ると、どんな難題であろうと『なんとかなるだろう』と思えてきます」


入社4年目を迎えた今では、誰かが相談にやって来る前にかすかな異変を察知し、トラブルを未然に防ぐ働きまで見せている宮本さん。時には社員の声を拾い集め、代表である松尾さんに進言することもあり、今回のリモートワーク導入にも一役買っています。

「社長との距離が比較的近い会社とはいえ、面と向かって言いにくいこともありますから、必要に応じて伝令役を果たそうと心がけています。リモートワークに関してはコロナの影響が拡大するにつれ、不安を口にする人が増えてきたので、自発的に松尾さんに相談を持ちかけました。今後もおそらくリモートワークを継続していくと思いますが、新入社員の方々をはじめ何か不安に思うことがあれば、気軽に相談してほしいと思います」


わずかな変化を見逃さず、的確に判断を下す頼もしいマネージャー・宮本さんの目には、ウェブライダーという会社はどのように映っているのでしょうか。また、どんなタイプの人がマッチしやすいかをたずねました。

「ウェブライダーは自分の考えを持ちつつ、相手のことを考えている人の集まりだと思います。基本的にみんな優しくて穏やかですね。発言量の多い少ないはもちろんありますが、少ない人でも趣旨はちゃんと理解できますし、それだけ考えて話しているのが伝わってきます。そういう意味では、思ったことをすぐに口にする人よりも、どう伝えたらいいんだろうって悩んでいるくらいの人のほうが合っているかもしれません」

社内で果たす役割は三者三様ながら、他者を思いやる心と、それを言葉にのせて伝える姿勢はぴたりと重なって見えます。一人ひとりの考えに触れると、松尾さんが話していた「人と向き合う会社」のリアリティも一段と増してくるのではないでしょうか。次はあなたがそこに加わる番かもしれません。不器用でもいい、自分の思いを伝える場へ足を運んでみませんか?

撮影:中田 絢子

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