募集中2025.03.13

宿を起点に地域とつながりを生む。旅人とまちの出会いを紡ぐ仕事を始めませんか

西陣織発祥の地であり、歴史と文化が息づく京都・西陣。この場所で地域とのつながりを大切にしながら、宿泊施設&カフェとして2020年にオープンした「KéFU stay&lounge(以降、KéFU)」。「​​いつもの京を、特別な今日に」をコンセプトに、その土地の暮らしを感じられるような体験を訪れる方々に提供してきました。

今回はKéFUのキッチンスタッフ、そして2025年10月、東山区にオープン予定の宿泊施設「casana kyoto(かさな きょうと)(以下、casana)」の運営スタッフを募集します。

オープンして5年目を迎える「KéFU stay&lounge」

地域の中での役割に気づき、変化するKéFU

KéFUは、カフェと宿の機能を備えた3階建ての宿泊施設。1階には、宿泊者以外の方も利用できるカフェラウンジがあり、遠方から来られたお客さまを温かく出迎えます。一歩入ると目に飛び込むのが、ラウンジの壁に描かれた西陣の地図。近隣のお店やスタッフおすすめのスポットが紹介されており、訪れた人が地図を見て、散策先を決める姿も見られます。

2・3階には、1人旅からグループ、家族旅行まで、さまざまなシチュエーションに対応した14の客室を用意。共有キッチンには、本格的なドリップコーヒーを楽しめる「ドリップステーション」を設置しています。また、本やボードゲームが置かれていることから、宿泊者同士の会話が自然に生まれることもあるのだとか。

コロナ禍にオープンしたこともあり、当初は遠方からの客足が見込めない状況だったそう。そこでまず取り組んだのが、「地域の方とのつながりを育むことだった」と、株式会社アセェスの社員で、KéFUのカフェ宿泊事業統括マネージャーの横山恵さんは話します。

KéFUだけでなく、アセェスが京都で運営するゲストハウス「ORI stay and living」、コーヒースタンド「KéFU STAND」の運営にも携わる

夏は流しそうめんや縁日、冬はお餅つきなどの季節のイベントを実施し、子どもからご年配の方まで様々な年代の方がKéFUを訪れるきっかけをつくり、顔見知りになることを大切にしてきました。

西陣織会館から織機をお借りして、カフェの一角で機織り体験を実施したことも(写真提供:アセェス)

2021年には西陣エリアにまつわる人やコトを取り上げたメディア「OSANOTE(オサノート)」をリリース。近所の居酒屋や銭湯を紹介したり、西陣で暮らす人にコラムを書いてもらったりすることで、旅行者とまちをつなぐ接点づくりに取り組んできました。このメディアをきっかけに、「“まちの入口”としての役割を意識するようになった」と横山さんは話します。

横山さん

以前は、KéFUに来てご飯を食べてもらい、地図を見て西陣を巡ってくれたらいいなと思っていました。でも、「OSANOTE」を始めたことで、泊まってもらう以外にも地域の魅力を発信する方法はあるんだなって気づきました。
まずはメディアを通してKéFUを知ってもらい、KéFUを目的地に遊びに来てくれたら、西陣の色々なことに出会える。そんな役割を私たちは担えるのではないかと考えたんです。

オープンから5年が経過し、様々な取り組みを通して地域とのつながりが深まってきた今、スタッフとしてKéFUに関わる人数も増えました。それに伴い、横山さんの役割も働くみなさんの意識も少しづつ変化してきています。

横山さん

任せられる人が増えて、私が現場に立つことは少なくなりました。その分、KéFUでの新しい企画や「casana」のオープン準備に力を注いでいます。KéFU立ち上げ時から私が大切にしてきた、地域に興味を持ち、地域を知る姿勢を、一緒に働くスタッフもだんだん受け取ってくれているようです。

入浴券や周辺銭湯マップ、オリジナルの銭湯ZINEが付いた「銭湯プラン」や、前述の「OSANOTE」の創刊などは、スタッフからの企画で始まったプロジェクト。

銭湯プランで使用できるお風呂セット

横山さん

社員、アルバイトなど立場は関係なく、意見を言うことができる風土を大切にしています。日々の仕事の中でスタッフが「こうしたい」と出してくれたアイデアを登用することもありますし、アルバイトも評価に応じて賞与を支給することもあります。新しく入社する方にも、ぜひ意見やアイデアを出していただきたいですね。

西陣の食材でおもてなしを

横山さんとともにオープニングメンバーとしてKéFUに関わってきたのが、キッチン担当の𠮷田はる美さんです。大阪から京都に移り住むことになった際、知人の紹介でKéFUに出会いました。

シェフとしてキッチンを切り盛りしてきた𠮷田はる美さん

それまで飲食店で経験を積んできた𠮷田さんは、地域とのつながりを大切にするKéFUらしいレシピ開発に取り組み、京都の食材をふんだんに取り入れた「和朝食」や、栗、みかんなど旬の素材を使った「季節のパフェ」など人気メニューを生み出してきました。

𠮷田さん

つくる側としても、食べる側としても、からだにとって安全で、こだわりをもっている食材を使うことを意識していました。横山さんも同じ考えでしたし、特に近隣のお店との関係性を大事にしようということで西陣の漬物や塩昆布などを仕入れています。

調味料もからだにとって安心できるものを使用

朝食は、旅行者にとって一日の始まりを彩る大切な時間。季節感を重視し、旬の食材をつかったメニューを提供しています。また、海外からの旅行者が増えるにつれ、ビーガンやベジタリアン向けのメニューも取り入れるようになりました。

𠮷田さん

季節のメニューは、自分が食べたいと思うものをベースに決めることが多いですね。例えば、寒い時期には温かい料理を、暑い時期には酸味のあるものを食べたくなります。時には旅先で食べたおいしい料理からインスパイアされて新しいメニューを作ることもありますよ。毎日来てくれる常連さんもいるので、飽きないようにメニューを考えています。

そんな𠮷田さんの料理に惹かれ、入社を決めたのが田上(たうえ)康太郎さんです。イタリアンやハンバーガー専門店などで9年ほど飲食関係の仕事を経験。ハローワークでKéFUを紹介され、一度足を運んでみたことが入社のきっかけでした。

2024年に入社した田上康太郎さん

田上さん

ランチでビーフカレーを食べ、そのおいしさに感動しました。サラダもいろんな種類の野菜を使っているし、デザートには季節の果物も。食事の向こうに細やかな気配りを感じて、この場所で働きたいと思ったんです。

宿泊施設のキッチンで働くことは初めて。働き始めた当初は、不安に感じることもあったそう。

田上さん

オープンキッチンなのでお客さまとコミュニケーションをとることも多く、宿泊者対応もあると聞いていたので、少し不安でした。でも、わからないことはスタッフに聞けば解決できるし、海外のゲストは翻訳アプリやジェスチャーを使って、コミュニケーションできています。

今回募集するキッチンスタッフは2名。𠮷田さんが独立し新たな道へ進むため、新たにメインシェフとなる田上さんをサポートし、調理を行う方を募集します。

キッチンスタッフは、基本的に6時30分から18時30分の間でシフト制になります。朝から出勤するスタッフは朝食の準備をして、営業を開始。その合間にカフェタイムの準備や翌日の仕込みを行います。

田上さん

在庫数を見ながら食材を発注したり、手が空いていればフロント業務を手伝うこともありますが、やりながら慣れていただければ大丈夫です。シフトの引き継ぎのときにきちんと情報共有をすれば、円滑に業務を進めることができると思います。

希望をすれば、メニュー開発にも携わることも可能。KéFUでは季節ごとにイベントも開催しており、「食を通じて人を楽しませたい」という想いがある人にはぴったりの仕事かもしれません。

毎年恒例、もちつき大会には宿泊客に加えご近所さんもたくさん訪れ、共に新年を祝う(写真提供:アセェス)
2025年1月に開催した餅つきの様子。だるまの服を着た子どもは、2年前の餅つきの際はお母さんのお腹の中にいたそう(写真提供:アセェス)
夏には流しそうめんやスイカ割り、縁日などを開催している。カフェではイベント限定メニューを出すこともある(写真提供:アセェス)

これからメインシェフとなる田上さんは、「𠮷田さんが築いてきたものを大切にしながら、自分なりに進化させていきたい」と話します。

田上さん

旅行者や地元の常連さんなど多様な方が訪れるし、朝食やスイーツ、イベントのメニューまでさまざまな食をつくる機会があります。料理に限らず、いろんなことに興味が持てる方なら、楽しく働ける環境だと思いますよ!

ゲストをもてなす「キレイの基準」

続いてお話を聞いたのは、整体師としての本業を持ちながら、清掃アルバイトリーダーを務める伊藤千夏さんです。伊藤さんの仕事は、チェックアウト後の客室清掃。ベッドメイク、ゴミ捨て、アメニティの設置、水回りの掃除などを10時から15時の間に行い、ゲストを迎える準備を行います。

以前は接客業をしていましたが、人とのコミュニケーションに疲れてしまい、ホテルの清掃業務を選んだそう。消去法で選んだ仕事ではあったものの、次第に清掃のやりがいや面白さに気づいたのだとか。

アルバイトリーダーを務める伊藤千夏さん

伊藤さん

仕事自体は単純ですが、清掃の仕事はどこまでやるかの基準が難しいんです。自分がこれでいいと思ったらそのレベルで終わってしまいます。ですから、自分が宿泊客として部屋に入ったときに、「これは嫌だな」と思う箇所をどれだけなくせるかがポイントになります。そうした視点を意識できるようになると、自然と細かいところまで気を配れるようになりました。

伊藤さんの丁寧で細やかな気配りが認められ、清掃アルバイトリーダーに。しかし、人を教える立場になると、きれいの基準がうまく伝わらず、どう伝えようかと悩むこともあったそうです。そこで横山さんに提案し、自ら清掃マニュアルを作成することにしました。

伊藤さん

私が入った頃は、立ち上げ当初から関わってきたメンバーが多く、言葉にしなくても通じる部分があったんです。でも、入ったばかりのスタッフに口頭で伝えると、うまく伝わらない。そこでマニュアルを元にして清掃することで、抜けもれを防ごうと思いました。

マニュアル以外にも「きれいの共通認識」をつくることを意識しているそう。

伊藤さん

清掃のやりがいは、口コミに書かれたゲストの声です。どんな評価もスタッフに共有するようにしています。「気持ちよく過ごせた」という言葉をもらえたらモチベーションも上がるし、嬉しいですよね。反対に、もし部屋が汚いと思われたら、「ご飯がおいしい」「スタッフが親切」と喜んでもらえても、総合的な評価は下がってしまうかもしれません。それぐらい宿泊施設にとって清掃は重要な仕事なんだよと伝えています。

今回募集する新しい宿泊施設の運営スタッフは、施設の清掃も担当します。そのため、入社後はKéFUで3ヶ月ほど研修を受け、清掃の方法も学びます。

伊藤さん

清掃は、仕事の内容はだいたい1ヶ月もあれば覚えられると思います。あとは宿泊する立場に立って、どこまできれいを追求できるかどうか。それと、時間内に清掃を終えるために他のスタッフと連携しながら、効率よく動けるとベストですね。

清掃の仕事にも、そしてKéFUで働くことにもやりがいを感じていると、伊藤さんは続けます。

伊藤さん

KéFUは、スタッフもお客さまも多様性を受け入れてくれる環境なんです。私は金髪なんですが、それで何か言われたことはありません。海外のゲストも多いし、英語や韓国語が話せるスタッフもいて、ここで働くことで視野が広くなる気がします。アルバイトでもリーダーとして頼りにされるので、やりがいも大きいです。

暮らすようにゆったりと過ごす宿

キッチンや清掃、どのポジションのスタッフも、きめ細やかな心配りでお客さまの対応にあたっているKéFU。こうした経験やノウハウを活かして、アセェスが新たに手がけるのが、2025年10月にオープンする宿泊施設「casana」です。

「casana」は、二階建ての1棟貸しのようなお部屋が5部屋ある宿泊施設になっています。チェックインを行うラウンジは1つですが、その先はメゾネットタイプのプライベート空間になっており、家族や友人とゆっくり過ごせる宿になります。

和モダンを基調とした落ち着いた宿になる予定

「casana」のターゲットは、じっくりと滞在したいラグジュアリー志向のインバウンド客です。

横山さん

ヨーロッパでは長期休暇を取る文化が根付いていますよね。「casana」は1〜2週間じっくり日本に滞在される方々の利用を想定しています。鴨川を散歩したり、宿の近くにある三十三間堂や京都国立博物館を訪れたり。観光というより、暮らすようにゆっくりと過ごすことを好み、知的好奇心の旺盛な方に利用していただけたらうれしいですね。

そのため、宿では京都の食材やおすすめのスポットを紹介する冊子を部屋に設置するなど、滞在を豊かにする工夫を考えています。

横山さん

KéFUではスタッフが直接ゲストと交流しながら情報を提供していますが、新しい宿では顔を合わせる機会が少なくなります。そこで、冊子やマップ、さらには京都産の缶詰や冷凍食品などを用意して、地域の魅力を伝えられたらと思っています。

KéFUでは、ゲストラウンジに本を設置し、交流を生むきっかけをつくっている

「casana」の運営スタッフには、宿の管理全般を担当いただきます。

横山さん

オープン前はKéFUで研修を受けていただき、チェックイン対応や清掃、予約管理など運営の基本を学びます。研修でしっかり学んでいただけるし、全体のマネジメントは私が担当するので心配はいりません。宿の運営経験は必要ないですが、将来自分で宿の運営をやりたい人や英語を活かして働きたいという方にとっては、学びが多い仕事だと思います。

宿の運営以外にも、ゲスト向けの冊子の企画・制作にも携わるチャンスがあるため、新しいものを知りたいという好奇心や、発信することが好きな人にも向いているかもしれません。

横山さん

ゲストがどんな情報を求めているかを考え、自分の足で歩いておすすめのスポットを見つける。それを冊子に掲載したり、ゲストにお伝えしたりしていただきたいですね。KéFUとターゲット層やコンセプトは違いますが、地域とのつながりを大切にしたいという根幹にある思いは一緒です。新しい宿でも、地域とのつながりを大切にしながら、滞在そのものを楽しめる空間を提供したいですね。

宿で働くことは、ただの仕事ではなく、人とのつながりを築くこと。KéFUで働く方々の話を聞きながら、そう感じました。働く人も旅人も、地域の人も。この場所に人が集まり、交流が生まれ、そこで生まれたストーリーが、実は一番の宿の魅力なのかもしれません。

あなたのアイデアやこだわりが形になり、宿の未来をつくっていく。そんなワクワクする環境で、一緒に新たな挑戦を始めてみませんか。

執筆:ミカミ ユカリ
撮影:進士 三紗
編集:北川 由依

求人募集要項

企業名・団体名株式会社アセェス
募集職種①カフェ調理(アルバイトのみ)
②宿泊施設運営
雇用形態試用期間:3か月程度
アルバイトの場合:時給1100円~
契約社員の場合:時給1300円~(試用期間のみアルバイト契約)
契約期間:1年間(更新有)
仕事内容■入社してすぐ
①カフェ調理
・調理補助
・レジ接客
・ドリンク調理
・下準備
・レセプション業務の簡単な手伝い
②宿泊業務
KéFU stay&loungeにて宿泊業務の研修をしていただきます。
・清掃業務
・レセプション業務
・予約管理
・発注業務など

■将来的に
①カフェ調理
やりたい方は
・季節のメニュー考案
・イベント企画など
②宿泊業務
・2025年9月頃から新しい施設の準備・運営
上記の業務に加えて
・客室に配置する冊子の作成補助
・マニュアル作成など
給与①カフェ調理
アルバイト:1300円~

②宿泊業務
アルバイト:1200円~

契約社員:基本給25万~
(固定残業代40時間57000円含む)
固定残業時間以上は残業時間に応じて支給
福利厚生社会保険制度有(法定通り)
交通費全額支給
有給休暇有(法定通り)
勤務地KéFU stay&lounge
(京都市上京区桐木町880)

宿泊業務の方は2025年9月頃から勤務先が下記になります。
京都市東山区下新シ町326-2,327-2
勤務時間契約社員:実働8時間(休憩1時間)
カフェ:6:30-18:30 シフト制
7:00~22:00 シフト制
宿泊業務は宿直有(宿泊手当1泊3000円)

アルバイト:週3日~、1日4時間以上
休日・休暇年休106日前後
有給休暇有(法定通り)
応募資格①カフェ調理
・飲食店で2年程調理経験のある方

②宿泊業務
・英語を話せる方が望ましい
・パソコン作業(Word、Excel)経験のある方
選考プロセス京都移住計画の応募フォームから応募

書類選考

1次選考(アルバイトの方は1回のみです)

最終選考

内定
※職場見学やカジュアル面談可能
面談場所KéFU stay&lounge
参考リンク株式会社アセェス
KéFU stay&lounge
KéFU stay&lounge Instagram

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