2020.02.21

『山田製油』の食とコミュニティースペース烏丸御池『gomacro Salon(ゴマクロサロン)』

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京都の日常を彩る食を訪ねる「食を巡る」シリーズ。京都らしい食べ物や飲み物、京都移住計画メンバーのお気に入りの一品をご紹介する連載コラム記事です。食べることは生きること、京都での暮らしに彩りを与える物語をお届けします。

食を巡る第10弾は、烏丸御池近くにある『gomacro Salon(以下、ゴマクロサロン)』を紹介します。桂に本社を構えるごま油メーカー『山田製油』が手掛けるダイニング&カフェで、自社製品を使った野菜料理がいただけます。また「未来ある子どもと、育てるお母さんを守る」をコンセプトに、サロンを併設。食を通してのコミュニティー作りも盛んに行われています。

【ごま油の『山田製油』が運営するアンテナショップ】

提供:ゴマクロサロン

2015年1月にオープンしたゴマクロサロンは、5年目を迎えたところ。ダイニング&カフェと物販、サロンスペースからなっています。

1階では自社製品やテイクアウトの惣菜、お弁当をはじめ、おすすめの他社製品も販売。山田製油一社で独占ではなく、同じ趣旨のお店と一緒に作り上げていきたい、という思いが込められています。2階はパートナーの講師を招き、ワークショップや教室、絵本の読み聞かせを行うなど、サロンスペースとして活用されています。

「世のため人のため、安全安心な素材で最高の製品をつくる」という山田製油のポリシーは、ゴマクロサロンでも同じ。料理は動物性食材不使用で、野菜は近郊の農家が育てた新鮮なものを中心に仕入れています。子どもにも安心して与えられる食事が味わえると、特に子育て世帯に定評があります。

【野菜たっぷり!カラダに優しいメニューがずらり】

提供:ゴマクロサロン

一部ランチタイムのみのメニューがありますが、ほとんどが営業時間中いつでも注文可能。遅めランチや早め夜ごはんなど、好きなタイミングでいただけます。

提供:ゴマクロサロン

一番人気は「マクロビ野菜セット」。旬の食材で作られた惣菜は、色鮮やかで食欲をそそります。玄米白ごまごはんと味噌汁、胡麻豆腐に胡麻佃煮にドリンク、デザートもついて充実の内容です。

提供:ゴマクロサロン

その他、ごま油とアーモンドルウのハーモニーが楽しい「まっ!白カレーセット」も人気メニュー。いずれも山田製油のごま製品がたっぷり使われています。

肉や魚が使われていないので、一見物足りないイメージがありますが、見た目以上の満足感があります。ビジネスマンの定期的な来店もあり、老若男女幅広い層が利用しているそうです。

【思いを叶えるべく転身、イチからゴマクロサロンを立ち上げ】

ゴマクロサロンの代表でマネージャーの千 裕子(せん・ひろこ)さんは、元は別会社の社員でした。育児休暇を経て仕事復帰しましたが、子育てしながら、共働きでの生活はすごくやりづらいと感じたそう。山田製油に入社したのは、社長へ相談を持ちかけたことがきっかけといいます。

山田製油の顧客は、50〜60代の世帯が多いそうですが、子育て期の若い世帯に興味を持ってもらいたいことや、東日本大震災が起こり食の安全や環境に関心が高まっていたこと、そして納税してきたお金を、困っている国民のために使いたいと考えていた社長の思いとマッチ、千さんの思いが受け入れられました。

業績を上げられたらサロンをはじめてもよいという条件で、千さんは山田製油に入社。営業経験があることから、販売部長からスタートし、3年目から結果が出始め、ゴマクロサロン設立へと進んでいったそうです。

提供:ゴマクロサロン

ゴマクロサロンは、当初はダイニングカフェの予定はなかったそうです。以前よりレストランも運営する山田製油、飲食営業もしようとイタリアンのシェフを招き準備をはじめますが、動物性食材を使わずメニューを考えるのに苦心しました。名古屋でべっぴんプラス株式会社を運営する、廣瀬ちえさんにメニューを考案してもらいメニューが完成、オープンにこぎつけました。

オープン時は、コース料理がメインで高級路線でした。これでは若年層が来店しづらく、私の思っているサロンじゃない、と千さんはジレンマと抱えていたといいます。試行錯誤を繰り返し、2年目あたりから現在のカフェ系メニューへとシフト。

周辺の店舗に比べ価格は高めですが「作り手の顔が見えるものできちんと作りたいというのがあったので、そこは譲れなかった」と千さん。曲げずにやってきたことや「自分の意志をやり遂げられるという姿を見せてほしい」という社長の後押しもあって、今ではダイニングカフェ、サロンとも順調に機能しているそうです。

【女性が気軽に集えるコミュニティーをつくりたい】

千さんに今後の展望をお聞きすると「ゴマクロサロンは、自分が思い描いていた、子育て世帯や高齢の方が行き交い『元気?』といえるような場所になりつつある。その流れを持続させながら、後輩に引き継いでいきたい」という答えが返ってきました。

また、千さん個人としては、「女性が困ったり疲れた時に、話を聞いてもらえるようなコミュニティーを作りたい。安否確認や御用聞きなど、女性が得意な分野でネットワークを活発にし、地域が明るくなることをしたい」とも。同じような思いをもっている女性はいるはずなので、小さな輪から広げていきたいのだそうです。

インターネットの普及で、気軽に人とつながることができます。しかし、安否確認や御用聞きなどは、顔や人となりを知らないと任せにくいもの。昔ながらの町内会や井戸端会議などの良さを取り入れながら、程よい距離感の中で繋がる仕組みが、今の地域コミュニティーに求められているのかもしれません。

結果を出し認められてきた千さんなら、きっと達成できるはず。ゴマクロサロンのさらなる充実と、新たなコミュニティーの広がりを楽しみにしています!

『gomacro Salon(ゴマクロサロン)』
住所:京都市中京区新町通御池下ル神明町67-3
TEL:075−257−5096
営業時間:11:00〜19:00
定休日:月曜日
H.P:http://gomacro.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/gomacro.fpage

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