2024.11.07

19 立冬 – 鍼灸師が伝える冬の養生と丹後暮らし。「寒さに備える、保温と滋養の秘訣」

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京都には、季節ごとの行事やならわし、風物詩がたくさん存在しています。このコラムでは、1年を春夏秋冬の4つに分け、さらにそれぞれを6つに分けた「二十四節気(にじゅうしせっき)」にあわせて、京都移住計画に関わる人たちの等身大の京都暮らしをお伝えします。

京都府北部にある丹後地域の自然と文化に魅了され、神奈川県から移住をしてきた鍼灸師の高橋友樹です。二十四節気の節目に当たる立春・立夏・立秋・立冬にあわせて、季節の養生と丹後暮らしの魅力をご紹介します。

陰陽のバランスを整え、冬を迎える準備を

秋も深まり、冬の訪れが近づいてきました。今年の秋はどのように過ごされましたか?暦の上では「立冬」と呼ばれ、陰気がさらに強まり、冬の始まりを迎えます。この時期こそ、しっかりと養生を行い、寒さに負けない体作りをしていきましょう。

立冬は、東洋医学で「陰」の気が増し、「陽」の気が少なくなる季節です。この時期は、自然界も動物たちが冬眠の準備を始めるように、人間も体内に活力を蓄えることが大切です。冬を健やかに乗り切るためには、立冬からの養生が重要となります。寒さが厳しくなる前に、少しずつ体を温め、活力をしっかりと蓄えていきましょう。

冬のおすすめ養生をご紹介!

冬の養生キーワードは「保温と滋養」です。

① 身体を内側から温める
冬は寒さが増すため、冷えに注意が必要です。特に手足の末端から冷えやすくなるので、意識的に体を温めるよう心がけましょう。おすすめの養生法は、毎日のお風呂や足湯です。体全体を温めることで血行が良くなり、体内の「気」や「血」の巡りがスムーズになります。また、生姜やシナモンなど、体を温める効果のある食材を摂取することも効果的です。これらの食材は、寒さで滞りがちな「陽の気」をサポートしてくれます。

② 良質な睡眠を心がける
冬は、自然界が休息に入る季節です。それに合わせて、人間の体も十分な休息を取ることが重要です。冬に向けた養生の一環として、良質な睡眠を確保することが大切です。寝室の温度や湿度を調整し、温かい布団やパジャマで体を冷やさないようにしましょう。また、就寝前の1時間半〜2時間前にお風呂に入って体を温めたり、リラックスするハーブティーを飲んだりすることも、質の良い睡眠を促進します。十分な睡眠を取ることで、免疫力が高まり、寒い冬でも風邪をひきにくい体質を作ることができます。

立冬におすすめの習慣

寒さに負けない体を作るためには、日常の小さな習慣が大切です。ここでは立冬に取り入れたい養生法をいくつかご紹介します。

① 朝の軽い運動
立冬以降は、動くのが億劫になることが多いですが、体を動かさないと「気」が滞り、冷えが進行します。朝の軽いストレッチやウォーキングは、血行を促進し、体を活性化させるのに効果的です。特に朝は、日の光を浴びながら体を動かすことで、心地よいリズムを整えることができます。

② お灸で温める
冬の寒さには、東洋医学の代表的な養生法であるお灸が効果的です。特に足の「三陰交(さんいんこう)」や「太渓(たいけい)」などを温めることで、体の冷えを改善し、全身の「気」の巡りを良くします。これにより、寒さによる体調不良を予防し、内臓の働きも整えてくれます。家でも簡単にできるお灸を習慣にしてみてはいかがでしょうか。

心を穏やかに、冬に備える

冬は静かで落ち着いた季節です。感傷的になることもありますが、これも自然のサイクルの一部です。立冬から冬に向けて、心も体も穏やかに過ごすことが、次の季節に向けた大切な準備となります。温かい食べ物や心地よい時間を大切にしながら、ゆったりとした時間を過ごしていきましょう。
これからの寒い季節を健やかに乗り越えるために、ぜひ立冬からの養生を意識してみてください。

冬の丹後は、雪とコッペガニ!

日本海側の丹後は冬もいろいろな景色やイベントがあります。冬のシーズンには平均して積雪が2-4回ほどあり、膝上まで積もることも。美味しいカニを求めて観光に来られる方も多くいらっしゃいます。

丹後の雪と雪かき

丹後に移住をした1年目に大雪に遭いました!!
現地の方も何十年ぶりと言っていたのでかなりの大雪でした……

雪は交通機関を乱れさせたり、雪かきが大変だったりと嫌なイメージもありますが、移住者にとっては地域の人とコミュニケーションを取るチャンス!

少し早めに起きてお隣さんの雪かきをするとめっちゃ感謝されます。そして、雪かきをしながらのコミュニケーションも温かく、僕は好きです。

移住1年目の大雪は大変でした

11月頃から出回るコッペガニ

コッペガニとはズワイガニのメスで、この時期になると地元スーパーの「にしがき」などで販売されます!
地域の人はコッペガニを食べるのがこの時期の習慣だそうで、今年もコッペガニ食べた?とよく聞かれます。とはいえこのコッペガニ、少し小ぶりなので食べるのに一苦労。食べ方は地元の方に教えてもらうのがオススメです。

コッペガニは毎年食べたくなる風物詩です

執筆:高橋 友樹
編集:藤原 朋

高橋 友樹

神奈川県川崎市出身。現在はローカルフラッグで移住定住の窓口や地域の新入社員研修を企画運営する傍ら、自宅の1階をDIYで改装し、鍼灸師としても活動。丹後に移住してよかったことは食が美味しいこと。

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