2014.09.01

ITの開発会社がオフィスをDIY?! vol.1株式会社ヌーラボ


「京都に移住者した後の生活ってどんな感じなの?」
「最近、京都に事務所移転する会社が多いけど、どんな雰囲気なの?
 
そんな移住後の暮らしかたを聞きたい、という声をよくいただくようになりました。そこで今回、とある会社が事務所を借りるまでを、段階を追って取材していきたいと思います。その会社は、株式会社ヌーラボ。本社が福岡のITの開発会社です。WEB上で図を作成し共有できる「Cacoo」やチームでプロジェクトを管理できる「Backlog」、チーム内でのチャット機能「Typetalk」など、人とコラボレーションする時、あると嬉しいサービスをつくられています。
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京都事務所は2010年からスタートし、他東京やシンガポールにも支店があります。そして、今回はただ借りるだけはありません。紆余曲折を経て(詳細はこの後ご覧ください)、自分達でDIYして事務所にすることになったのです!

ITの会社が町家を借りてDIYする

インドアイメージ(失礼!)のITのプログラマ集団が、思いっきりガテンなことをする。という、ちょっと意外で前代未聞(?)な物語がはじまったのです。

「京都らしい」を求めて

移住計画のご縁で事務所探しが始まったのは、今年の6月のこと。とりあえずで借りていた事務所が手狭になり、今後の人数拡大も視野に入れ、もう少し広いところに移転出来たら、というご希望でした。そして、もう一つの条件が「京都らしいこと」。

というのも、ヌーラボさんは、本社福岡の他、東京やシンガポールにも支店があり、それぞれの地域の特徴を出したいという意図がありました。そこで、京都らしいの代名詞=町家ということで、まずは立地と賃料から町家を中心に4軒見に行きました。

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当初、「今の事務所の更新もしたところだし、急ぎでなくいい所があれば・・・」ということだったのですが、実際に見ると皆さん徐々にテンションが上がり、現場で「ここを勉強会の場所にして~」「2階余るから福岡から来る人泊まれるかも」と、会話が弾む弾む。さすが、サービスを開発されているだけあって、妄想力が高い!

物件を見る際にイメージがなかなかつかない方も多いのですが、こうやってきちんと自分ゴトとして考えられるというのは大事で、案内する側としても本当に嬉しいんです。しかも、福岡から社長さんもいらっしゃってたのですが、「○○くんはどこがいいと思った?」と、社長さんも最近入られた方も一緒になって考えている姿が、とっても印象的でした。

そして、見学できていないメンバーとも話し合うため、一旦持ち帰って連絡をいただくことに・・・

■京都らしい≠京都っぽい

社内で話し合ってもらった結果、「町家がいいと思ってたけど、改装したいという想いの方が強くなってきた。」という答えが返ってきました。

それは、単に手を動かして改装したいというだけではなく、「改装の経験を共有して社内のコミュニケーションも図りたい」という、京都のリーダーである染田さんの想いがありました。というのも、新しく入社された金さんは、個人的に床貼りワークショップに行っちゃうくらいのDIY経験者。

「金さん自身の関心が強い事を一緒に体験するということは、これからの京都事務所にとってプラスになるかな、と思って。 自分たちが日常的に仕事する場なので、必然的に真剣にもなれるところでしたし。一緒にモノ作りをする体験を通じて、チームとしてより良い関係性を構築していきたいなと思っています。 」そう、染田さんの言葉が続きます。

_MG_4186 (写真右が染田さん、左が金さん)

ヌーラボさんがコンセプトに掲げる「コラボレーション」。代表の橋本さんに初めてお会いしたとき、「コラボレーションを促進するサービスをつくるために始めた」と教えてもらいましたが、まさに実践の場をつくろうとされている事に気づきました。

そして、もうひとつ個人的な気づきがありました。それまで、ヌーラボの皆さんも私も、「京都らしい≠京都っぽい」と思い、町家(=京都らしさ)にこだわって探してきましたが、そうではなくで「京都らしい=自分たちらしい京都の働き方」だったんだなぁと。

そんなこんなで、町家かつ改装可能は物件として出てくる可能性が低いので、「改装できること」に主軸を置いて再度探すことになりました。

ヌーラボの皆さんの想いを受けて、探す私もエンジンがかかり、ついに町家かつ改装可能の物件を見つけ出しました。これは絶対にいい!条件も合致していたので、その日に先方に電話、染田さんにも電話し、週明けに内見。

改装しないと使えないレベルのボロボロさにみんなしてテンションが上がり、無事、ご契約を完了しました(パチパチ)。
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■ときには専門家と一緒に
改装については、自分達主体でやるものの、素敵に仕上がるのかはやっぱり不安も。建築のリサーチ&企画集団RADさんに全体デザインとマネジメントを依頼するとになりました。
町家特有の改修のポイントの多いのですが、RADさんは、HAPSの町家改修のワークショップなどの経験があり、とっても心強い存在です。

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まずは、3者で現地視察。予算も限りがあるので、ここはこのままでも良いところ、ここは改装したいなど優先順位をつけていきます。またRADさんからも、「押入れだけをヌーラボコーポレートカラーの黄緑にしてみては」と、思いがけないナイスアイディアも飛びかいました。

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そして、最後は近くのアジア料理屋で決起会。京都事務所メンバー金さんも、楽しみでいっぱいで、RAD榊原さんに質問攻めなのでした。

IMG_4439(つづく)

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