2021.09.09

地域の魅力に触れるワーケーション舞鶴で心豊かに暮らすヒントを見つける旅

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“旅をしながら学び、はたらく”をコンセプトに、2021年4月からはじめた「はんぶん旅、半分仕事。(以下、はん旅)」。

京都移住計画のメンバーとともに京都のローカルエリアを訪ね、その地ならではの魅力や人との出会いから、新しいプロジェクトや関わりの種を見つけていくような、訪れる側(都市側)・受け入れ側(地域側)の双方にとって良い関係が生まれるような「ワーケーション(※1)」のあり方を考えたいと思い、現地のコーディネーターとともに企画をしています。

(※1)ワーケーションとは・・・ワーク(仕事)+バケーション(休暇)を意味する造語。観光地やリゾート地、帰省先など、自宅以外の休暇先で、リモートワーク・テレワークをする過ごし方のこと。

これまで、岡市京丹後市で開催した本企画。第3回は「地域×豊かな暮らし」をテーマに、2021年7月31日(土)〜8月1日(日)の日程で海の京都・舞鶴市を訪ねました。

現地コーディネーターと旅のしおりについて

現地コーディネーター

作間宏介(さくま こうすけ)さん
シンク・アンド・アクト株式会社(Coworkation Village MAIZURU管理人)

2019年の10月に舞鶴に住居を構え、現在は妻の実家がある京丹波(農家)と舞鶴の2拠点生活。豊かな生き方とは何か?を模索中。主な仕事は「Coworkation Village MAIZURU」の管理運営、FMまいづるパーソナリティー、ママ向けアウトソーシング事業の3つで、その他にも地域で豊かに暮らせそうなこと諸々。

旅のしおり

自然が身近にある穏やかなライフスタイルや農のある暮らしを体験し、地域で心豊かに暮らすヒントを探すとともに、ワーケーションに適した施設を巡ります。2日間を通して舞鶴市ならではの滞在・ワーケーション企画を考えるプログラムです。

<1日目:東舞鶴方面>

  • 10:15 JR「東舞鶴駅」集合
  • 農園レジャースポット「ふるるファーム」で昼食と職員による施設紹介
  • プラン①:ふるるファーム職員・梅井さんから暮らしについてのお話を伺う
  • プラン②:ふるるファーム周辺をe-Bikeで散策
  • 「Coworkation Village MAIZURU」にて作間さんのお話 / ワークタイム
  • 「GATEWAY MAIZURU」に宿泊 / 作間さんおすすめのお店で夕食

<2日目:西舞鶴方面>

  • 選べる2つのバケーションプランで舞鶴市の魅力を満喫
  • プラン①:「五老スカイタワー」併設カフェでワーケーション
  • プラン②:「team さすてぃなぶる」が主宰する農園でプチ農作業体験
  • コミュニティスペース「FLAT+」に集合・周辺散策
  • ​​滞在の振り返りとチェックアウト
  • 15:00 JR「西舞鶴駅」解散

この日の集合は、JR「東舞鶴駅」。今回は、京都市に移住したばかりの方、事業家、フリーランス、大学教員、学生など、近畿・東海エリアから9名に参加いただきました。

みなさんが今回の「はん旅」に参加した理由

・以前からツアー型のワーケーション企画に参加してみたかった。
・舞鶴での働き方・暮らし方に興味を持った。大学生活や観光などで馴染みのある京都市内以外の京都を知りたい。
・地元でまちづくりに関わっている方々のお話を伺いたい。
・舞鶴で活躍する人々との関わりをつくりたい。ローカルにおけるキャリアデザインやライフスタイルに関心がある。

農のある暮らしを体験できる複合施設「ふるるファーム」

まずは、クラインガルテン、レストラン、宿泊コテージなどを有する農園レジャースポット「ふるるファーム」を訪問。自家製野菜や地元食材をふんだんに使ったビュッフェスタイルの自然食レストランで昼食をいただき、宿泊エリアや農園、牧場、マーケットなど施設内を見学しました。

ふるるファームを運営するのは、地元企業・住民の出資によって2006年に設立された「株式会社 農業法人ふるる」。代表の秋安俊豪(あきやす としひで)さんから、施設の概要や成り立ち、開発中のe-BIKE(電動アシスト付き自転車)サイクリングコース、今後の施設整備についてお話を伺いました。

お話のあとは、希望するプランを選んでいただきそれぞれの時間を楽しみました。

プラン①:ふるるファーム職員・梅井さんから舞鶴の暮らしについてお話を伺う
プラン②:ふるるファーム周辺をe-Bikeで散策

参加者からも「海がきれいで、ごはんがおいしくて最高!」「景色が穏やかで住みたくなる……」といった感想や、「畑や動物たちと触れ合いながら、子どもと一緒に参加できるワーケーションプログラムがあったらいいな」「施設設備が充実しているので、Wi-Fiがあったら素敵なワーケーションスポットになりそう」というコメントがありました。

歴史と最先端が交差するワーケーション施設「Coworkation Village MAIZURU」

次に訪れたのは、作間さんが管理人を務める「Coworkation Village MAIZURU」。2019年にオープンした「舞鶴赤れんがパーク(※2)」内にあるコワーケーションスペース(※3)で、明治から大正に建設された倉庫をリノベーションしています。

この時間は個々のワークタイムをとりつつ、作間さんのお話を伺いました。

もともとは、大手IT企業で営業職に就いていた作間さん。その後、二度の転職を経て「シンク・アンド・アクト株式会社」に入社。Coworkation Village MAIZURUの運営担当者として、2019年10月に大阪府から舞鶴市へ移り住みました。

「営業目標を達成することや会社の売り上げに貢献することにやりがいを感じていた時期もありましたが、利益だけを追求する仕事のやり方にだんだん違和感を覚えるようになったんです。転職を機に、どのような仕事をしていきたいか・働きたいかを改めて考えたときに、社会への貢献とビジネスの両輪を大切にしている弊社と出会いました」(作間さん)

(※2)舞鶴赤れんがパークとは・・・7棟の赤れんが倉庫群を改装し、2012年にオープンした観光交流施設。旧海軍ゆかりの展示やレストラン、お土産ショップがあり、映画・ドラマの撮影やイベントスペースとして活用されている。(HP参照)

(※3)コワーケーションとは・・・コワーキング(一緒に働く)+バケーション(休暇)の造語。(Coworkation Village MAIZURU HPより)旅先にあるコワーキングスペースで働いたり、仕事仲間と旅をしながらアイデア出しやチームビルディングを行ったりするワークスタイル。

「心豊かな暮らしや環境の持続可能性を考えはじめたタイミングに加えて、2019年7月に舞鶴市が『SDGs未来都市』に選定されていたことも、赴任を希望したきっかけです。現在は、妻の実家がある京丹波町に住みながら舞鶴市に通っているのですが、子どもと過ごす時間や畑で食べものを育てる時間を大切にしながら働き・暮らせていることに幸せを感じています」(作間さん)

参加者からは「作間さんの生き方がとても素敵だと思いました」という感想や、「近年、クリエイティブな暮らしを求める人が地方に目を向けている理由が気になる」というコメントがあり、みなさんと考える時間となりました。

これにて1日目のプログラムは終了です。

宿泊は、2021年7月にオープンした多世代交流施設「まなびあむ」4Fにあるゲストハウス「GATEWAY MAIZURU」にて。個室やドミトリーなど、タイプの異なるお部屋が全部で11室あります。市民病院跡地を活用した施設内には、ゲストハウスのほかにカフェや農産物直売所などが入っています。

選べる2つのバケーションプランで舞鶴市の魅力を満喫

2日目の午前は、作間さんに提案していただいた2つの滞在プランから、参加者のみなさんに希望するコースを選んでもらいました。

プラン①:舞鶴湾を一望できる「五老スカイタワー」併設のカフェでワーケーション
海抜300mの五老ヶ岳山頂に広がる自然公園内にある、舞鶴湾を一望できるスカイカフェ「nanako」にて、美しい風景を眺めながら3時間ほどワークタイム。昼食は、作間さんおすすめのお店「KAN,MA Dining」でいただきました。

プラン②:「team さすてぃなぶる」が主宰する農園でプチ農作業体験
作間さんが仕事と同様に力を入れている「team さすてぃなぶる」の農園を訪問。舞鶴市内から有志のメンバー37名が集まり、耕作放棄地を耕して農園をつくったり、放置竹林から商品開発を行ったりと、楽しみながら地域の課題解決を進めている団体です。昼食は、作間さんお手製のカレーと収穫したての野菜をいただきました。

午後は、平野屋商店街にあるコミュニティスペース「cafe&bar FLAT+」に集合し、作間さんにアテンドいただきながら周辺エリアをまち歩き。

まちづくりチームKOKINが運営する「古民家の宿 宰嘉庵(さいかあん)」「ゲストハウス宰嘉庵 かなで」、Uターンされたオーナー・中嶋さんが営む六角形のシネマカフェ「SEIS × CINE GRULLA」、登録有形文化財に指定された明治36年創業の「若の湯」など、昔ながらのレトロな街並みに溶け込む作間さんのおすすめスポットを案内していただきました。

以上で、“はんぶん旅”の行程は終了。旅の締めくくりとして、FLAT+で2日間の振り返りと感想をシェアしながら、舞鶴市ならではの滞在・ワーケーション企画についてアイデア出しや意見交換をしました。

・ワーケーションスポットとして「Coworkation Village MAIZURU」「五老スカイタワー」はすごくおすすめしたい!これまで訪れた施設でトップクラスによかった。
・「HafH」や「ADDress」など、既存のプラットフォームを活用すると広く魅力が届きそう。
・地域で活動している人たちと会えるのがとてもよかった。今度は友達と一緒に参加したい。
・滞在前に想像していた以上に楽しかった。今回アテンドしてもらった場所に次回は友人を連れて行きたい。
・新型コロナウイルスの関係でなかなかイベントが難しい時期だが、感想や感動をシェアしながら旅をするのは楽しい。
・休暇の過ごし方を考えるのが苦手だったので、バーケーションプランの提案が嬉しかった。
・1日あたりの就業時間を短くして、1週間くらい滞在しながら少しずつ地域の魅力に触れるような滞在ができても良さそう。コーディネーターおすすめの飲食店や体験など、事業者に連絡できる導線があれば個別に来ても楽しめると思う。
・飲食店や訪問施設等にコーディネーターから一報を入れていただいたことで、一見でも入りやすいと感じた。
・ウェルネスを求める人たちの需要にマッチしている資源やロケーション。2泊3日くらいで、都市部から参加できるプログラムがあると良さそう。私も延泊したかった!
・これまで実施してきたゼミ合宿の形態も変えていけそう。

「舞鶴市内には各所に魅力的なスポットがあるのですが、関わっている人の背景が伝わらないと魅力を感じづらかったり、情報発信が難しかったりするので、僕自身もどのように伝えていけるのか試行錯誤しているところです。一方で、今回のようにワーケーションができる環境に滞在しながら地域の魅力に触れてもらうことで、間接的に舞鶴らしい生き方・働き方にも触れていただくことができるのではないかと思っていて。そのような気づきやつながりが生まれるきっかけになるような、心豊かなワーケーション企画を考えていきたいです」(作間さん)

3回目の開催となった、はん旅。今回はフリーランスの方が多く参加されていたこともあり、バケーションプランの需要について生の声をお聞きすることができました。

また、「耕作放棄地」「空き家」「人口減少」など、コーディネーターが関わる地域の課題について、参加していただいたみなさんの知識や経験を持ち寄りながらアイデアを考える時間は、私たちがつくっていきたい「旅」の要素だと改めて感じる滞在にもなりました。次回開催へ向けて新しい企画も練っているところですので、どうぞお楽しみに。

京都移住計画としても、「はんぶん旅、半分仕事。」のより良い企画づくりに取り組んでいる途中です。京都のローカルエリアでワーケーションを試してみたいとお考えの企業のみなさま、受け入れを検討されている自治体や地域のみなさまも、ぜひお気軽にご相談ください。

執筆:並河 杏奈

■企画・運営
株式会社ツナグム(京都移住計画)
担当:藤本・並河 info@tunagum.com

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