移住で手に入れたいライフスタイルとは?

“いつかは”KYOTOかえるゼミ#3(最終回)

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ゼミの趣旨を説明する株式会社ツナグム京都移住計画代表の田村氏。(写真中央)

 2016年11月26日(土)、最終回となる“いつかは”KYOTOかえるゼミが開催されました。

第一回目は「自分の心の声(違和感)」に耳を傾け、「これから先」について考えるきっかけとなる会でした。第二回目は、実際に移り住んだUターン・Iターンの実践者から、「移住で得たもの・失ったもの」を聞きながら、トークセッションやワークショップを通して参加者とゲストを交えて移り住むことの先(目的)を探す会となりました。

そして、第三回目は実際に移り住む上での選択肢としての「起業」に注目し、ゲスト講師をお迎えしました。講師のお二人共に、子育ても奮闘するパパでありママでもあるため、働くこと(起業)目線と、暮らすこと(家庭・育児)目線で、語られる京都での、起業や移住といった人生の中でも大きなテーマを、考える機会となりました。

第一回目の様子はこちら

第二回目の様子はこちら

”いつかは”KYOTOかえるゼミ」とは

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「居(コミュニティ)・職(仕事)・住(住まい)」の三つの観点から、移り住みたい人の応援をする「京都移住計画」が旗振り役となり、ゼミでは、京都に(地元)に移り住み、自分らしく暮らす先輩移住者をゲスト講師に迎え、ケーススタディで学びながら、参加者が自分自身の今とこれからについて考えていく場となっています。

「いますぐ」京都に帰らなくても京都にゆかりのある人たちが集い、京都での生き方、働き方、暮らし方を知ることで、「いつか」の未来の種まきをし、育てていくことを目指しています。

ファッションを通じて社会貢献できる「しくみ」を作る

一人目のトークゲストはJAMMIN合同会社 Co-Founder & COOの高橋佳吾さん。

名古屋生まれで名古屋育ちの高橋さんは大学在学時に、ラッパーのJay-Zが行っていた社会貢献活動に衝撃を受け、一生の仕事にしようと決意され、開発コンサルタント会社へ入社後、日本国内の上下水道計画、東アジア地域の水道開発計画に従事されました。その後、同じ会社の同期でもあった西田さんと共に、2013年JAMMINを設立。 現在、奥さんとお子さんは実家の名古屋に住んでいる為、ご自身は京都に単身赴任をし、月に一週間程度を名古屋で過ごしているとのことです。

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高橋さんより起業・移住・子育てについて語って頂きました。

全力でチャリティーTシャツをかっこよくする

起業をすると決めてから、実際にビジネスプランを考えていく際に高橋さんがこだわったことは三つあるとのことです。「かっこいいものであること」、「分かりやすいものであること」、「利益と社会貢献のバランスが取れているものであること」だそうです。起業前に知ったアメリカのNPOやチャリティーイベントの華やかさに感化され、「日本のNPOやチャリティーはもっと盛り上げられるのでは」と感じたため「かっこいい」に特化をした商品開発やブランドづくりを心がけておられます。

また、全ての商品が700円チャリティーであり、支援先の団体が毎週ごとに異なることで消費者へ分かりやすいものにしているとのことです。受注生産、無店舗経営で無駄なく収益をNPO団体先に寄付することが出来ているのだそう。

JAMMINのTシャツが会場をよりお洒落な雰囲気にしました。

異業界からでもチャレンジ出来る

「起業するとなると、今まで培ってきたキャリアの延長線上にあるもので事業を興すものと印象を持つ方が多いかと思いますがそうではない道もある。」と高橋さんはいいます。前職のご経験がアパレル業界とは異なってはいたものの、飛び込みでプリント工場への修行を行い、製品の製造工程などの知識をつけたとのことです。

移住も起業も子育ても、自分一人でどうにかしようとしない

起業を決めた当初は奥さんからの反対があったとのことですが、共同代表の西田さんと共に起業で叶えたいことやビジョンを語り、最終的に納得をして頂け、「何とかなるからやってみよう」、「地元に帰ろう」と大切なサポーターの一人として支えられているとのことです。起業時には様々な苦労があるけれども、一人ではなく家族、ビジネスパートナー、と仲間がいることで乗り越えられるのかもしれません。

支え合える関係を作るためにも、日常的に、目的意識を共有化することを心がけ、飲みの場などを通じて「相手が何をやると楽しいと思っているのか、喜んでくれるのか」を知ることでより結束を深めているんだとか。

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JAMMINの皆様(写真)「パートナーの存在は大切」と語る高橋さん。

高橋さんのスピーチから感じた思いを積極的に交換しました。

叶えたいライフスタイルは自分で叶える

お二人目のゲストスピーカーは株式会社minitts 代表取締役の中村朱美さん。

京都で生まれ、京都で育ち、ご結婚・育児共にずっと京都で生活をされている中村さんは、専門学校の職員として勤務後、旦那様と共に2012年9月に飲食事業や不動産事業を行う「株式会社minitts」を設立されました。

1日100食限定をコンセプトに、美味しいものを手軽な値段で食べれるお店「佰食屋」を開業され、現在はワークライフバランスやダイバーシティを取り入れた飲食店経営手法が評価され、平成27年度京都市「真のワーク・ライフ・バランス」推進企業特別賞、第4回京都女性起業家賞の京都府知事賞(最優秀賞)等を受賞している注目の経営者でもあります。

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自分で自分のペースでしたいことを叶える

中村さんの夢は「主人の作る、本当に美味しいご飯を他の人に食べてもらいたい」こと。ご主人とは、以前から定年退職後にカフェ経営をする夢を語っていたものの「いつかでは勿体無い!定年後はどうなるか分からない。なぜ今しないのか」と強い思いを持ち、起業をされました。

ただ、起業をする前に「一年間お客さんに喜ばれなければ、辞めよう」と期限を決めていたんだとか。そのため、もし事業が上手くいかなくても「自身のスキルを活かして何かその時に職を見つけよう、起業で失ったお金は高級車を購入して大破してしまったと思えばいいや」と、中村さんならではのリスクに対しての考え方に、起業が少し身近に感じる空気が漂っていました。

また、初めての起業で分からないことばかりだったそうですが、代行会社を利用したり起業家仲間から聞いたりして進めていったとのことです。

ひゃくしょ区や

中村さんには、もう一つ夢がありました。それは「子育てをしながら働きたい」ということ。前職では長時間勤務や頻繁に出張があり、両立に不安があったそうですが、かといって専業主婦として過ごすのではなく、働き続けたい気持ちが強かったそう。子育てと仕事の両立をはかるべく「経営者なら自分で自分のルールを作れる」ということが、より一層起業を後押したんだとか。

現在は、育休や復職の時期を自分で選択出来るなど、サラリーマン生活を続けていてはなかなか実現出来なかったであろうライフスタイルを実現出来ているとのことです。

ライフスタイル

中村さんのライフスタイル。ご主人も同じスケジュールとのこと。

人を羨ましいと思う人生ではなく、自分が羨ましがられる人生を

「人間はいつ死ぬか分からないし、したいことがあるのにしていない自分に対してモヤモヤしたくない。失敗してもいいし、失敗しないように頑張ることも経験にはなります。」と中村さんは強く語られました。自分の想いに正直になり起業したことへは、非常に納得感を持っている様子でした。

また、京都で初めての起業をしたこともプラスに働いたようで、事業の実現性より想いを大事にしてくれる風土があるとのことです。一見、京都は古いしきたりや派閥があるように思われがちですが、そのようなことはなく、新しい人に興味を持ち、受け入れる雰囲気があり、お節介を焼いてくれる人も多いので、起業してからの環境は思っていた以上に、暖かいものとして受け取られているようでした。

起業をして見えたあんなこと、こんなこと

最後にゲストのお二人から起業をして改めて良かったこと、苦労していこと等のリアルなお話をお伺いしました。

高橋さんからは経済面について「自分・家族・従業員」と様々なメンバーの生活を考えなくてはいけない点が起業してから苦労したと語られていました。ただ、良かったこととしては一人で事業を行っているわけではないので、大きな組織ではイレギュラーであることも、時間の融通を利かせることが出来る点だそうです。

また、NPO/NGO団体との折衝が頻繁にあることで社会課題と向き合う機会が多いため、身近な人が抱える課題を自分ごととして考えられるようになったことも良かった点だそうです。

中村さんからは育児面について、観光産業が栄えている京都ではあるものの、土日・祝日に保育園が運営していない点を懸念していると語られました。どうしても休日に中村さんでないと対応できない業務が発生した際には苦労をするとのことで、今後機会があれば京都市へ、より観光産業を盛り上げるためにも提案をしていきたいとのことです。

ただ、子どもとの時間を自分で管理出来ることで「育児と仕事を両立出来る」点は何より大きなメリットとのことです。また、自分で決めて起業をしたので、何か起こっても他人の責任にすることがなくなったことも良かった点と感じているそうです。

最後に、ゲスト同士でお互いへの感想を共有した後にゲストと参加者にて時間が許すまで懇親会を行いました。移住のリアルや起業に向けての準備についてなど引き続き活発に意見交換がされ、最終回のいつかは”KYOTOかえるゼミも大盛況の中閉会しました。

三回目のゼミは「起業・子育て・移住」をテーマに、自分の叶えたいライフスタイルを実現するために、大きな会社でなくとも友人や夫婦といったパートナーと共に、自分たちらしい仕事や暮らしを形作ることのヒントを探す会となりました。

「移住をしたい!」から見える本当に叶えたいライフスタイルは?

「”いつか”はKYOTOかえるゼミ」では三回のゼミを通じて、京都での生き方、働き方、暮らし方を知って頂きました。ゼミを通して、「京都でしたいこと」「叶えたい暮らし方」が少しずつでも見えてきたのではないでしょうか。

小さくても大きくても構いません。その思いを心に留めて、”いつか”に向けて改めて移住で実現したいことを整理したり、情報収集をしたり一歩踏み出してはいかがでしょうか。もちろん、一人で踏み出さなくて大丈夫です。

そして、移住で本当に手に入れたいライフスタイル(生きる目的)を考えることによって、移住先の魅力に気付けたり、実は見えていなかった東京の良さが見えてくるかもしれません。それらの気づきから移住することもあれば、東京での暮らし方が変えるだけで、手に入れたいライフスタイルを得れるかもしれません。

いつか

あなたの一歩をサポートします!

京都では、大企業の誘致だけではなく、中小企業の起業支援をしていく「エコノミックガーデニング」と呼ばれる取り組みを行っています。大きな資本を外から取り入れて雇用を確保するのではなく、今回のゲストのお二人のように小さくとも意欲的な会社を、育てていくことで、種から大きな木へと育てていくという考え方を下にした取り組みです。

今回の“かえるゼミ“の事業パートナーである公益財団法人京都産業21では、先ほどの「エコノミックガーデニング」の考え方にもとづき、「起業や事業継承をする」といった想いの種に、水や肥料を与えるような役割として、起業の経験がない方に対してもしっかりとサポート体制があるとのことなので、移住を機会に起業という選択肢も視野に入れていらっしゃる方は、是非訪ねてみてください。

いつかは起業しようとか、いつかは移住しようとか…そんな“いつか“の未来の為に、“今“からできることは何なのでしょうか?全3回を通じて、参加者の方がのそんな“いつか“と先延ばしてしている未来に対して、明日からできる小さな行動(種まき)を起こしていくきっかけになることを願っています。

 「KYOTOに帰る」を実現するために。

3月10日、働き方の新たな出会いの場、「京都仕事探訪」を開催します。

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京都で自分らしく生きる・働くの選択肢を増やす
【祈りに寄りそう仕事・京都奉製編】
~ 京都の企業×若者、働き方の新たな出会いの場~
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京都への移住応援プロジェクト「京都移住計画」と自分らしい生き方・働き方を応援するNPO法人「fullbloom」とがコラボレーションし、京都で働く人を探している会社と、京都で働きたい若者をつなぐイベントの企画・運営を行います。

少人数で会社を訪ね、社長や社員の方々の仕事や働き方の想いに触れながら、より良い人と仕事との出会いを作っていきます。

大きなホールで開催されるような一方通行の説明会ではなく、
人や仕事のリアルを感じ、自分の働き方の未来を考えていく京都仕事探訪。

今回訪ねるのは、昭和49年創業。神社仏閣に息づく伝統文化を形にする京都奉製さん。

今回のイベントは、
“いつか”は転職をしよう、“いつか”は移住をしよう。

そんな想いと裏腹に、忙しい日々に追われて、その“いつか“を、
具体的に描いたり、前に進めれていない人に、届ければと思っています。

今回の出会いをきっかけに、学生であれば、就職活動の一歩を踏み出すも良し、在職中の方は、日々の仕事を見つめ直すもよし、転職活動中の方は、想いを重ねることができたらなら、応募してみてもいいかもしれません。

ありそうでなかった仕事知る・探すの新しいカタチ。
一緒に、はじめてみませんか?

京都仕事探訪のイベントページはコチラ

京都奉製さんのお仕事についての記事はコチラ

本記事は、公益財団法人京都産業21が実施する京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクトの一環で取材・執筆しております。

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