2024.05.29

クリエイターの活躍の場をつくる、ディレクションのプロ集団の一員に。

京都移住計画での募集は終了いたしました

鴨川沿いに建つ、一軒の京町家。入り口には真っ白なのれんが風に揺れています。何かのショップ?ギャラリー?と思わず中を覗いてみたくなるこの建物は、今回ご紹介する株式会社サーチフィールドの京都オフィスです。

サーチフィールドは「クリエイターと社会との架け橋」として、イラスト制作事業「GIKUTAS(ギクタス)」と人材派遣・紹介事業「GIKUTAS Agent(ギクタス エージェント)」を運営する会社です。現在、GIKUTAS事業部のディレクターとして、京都オフィスで働くメンバーを募集しています。

作家の活躍の場をつくり、価値を高める

2008年7月に東京で創業したサーチフィールド。同年10月にイラストソーシングサービス「GIKUTAS」を開始しました。GIKUTAS事業部の事業責任者を務める取締役COOの笹淵久子(ささぶち・ひさこ)さんは、事業の成り立ちについてこう語ります。

笹淵さん

起業当時は今と比べるとイラストの仕事が少なく、イラストレーターとして食べていける人はほんのひと握りでした。才能ある人たちが活躍できる場さえあれば、クリエイターの価値をもっと高めていけるはず。そう考えた創業者が立ち上げたのがGIKUTASでした。

取扱説明書や学校案内といった文字ベースの媒体を「イラストやマンガで表現しませんか」と提案し、新しいマーケットを作っていこうとしたのがGIKUTAS事業の始まり。GIKUTASとは「ギーク+足す(プラス)」、つまり「既存の媒体にギークをプラスしてより良いものにしませんか」という意味が込められているそうです。

その後、事業は順調に成長し、第二創業期として会社が拡大する時期に、笹淵さんがディレクターとして入社しました。

笹淵さん

私が入社した2011年は、ソーシャルゲームが盛り上がってきて、イラストに対するニーズが世の中でもすごく高まっていた時期だったんです。そのマーケットに対して、イラストがほしいクライアントさんとイラストを描きたい作家さんをつないで、仕事を創出することに取り組んできました。

GIKUTASは、クライアントのニーズをヒアリングし、作家をアサインし、イラスト作品を完成〜納品するまでの、スケジュールやクオリティ、コストといった全ての進行管理を担います。GIKUTASには現在8,000名近くの作家が登録しているだけでなく、新たな作家の発掘も常に行っています。 
 
イラストの制作受託を行う会社の中でも、GIKUTASの強みは「16年以上の実績をもとにしたディレクションと、クオリティの高いアウトプット」だと語る笹淵さん。これまでGIKUTASが手がけてきた数々の制作実績が、その言葉を裏付けています。

GIKUTASが制作協力した2024年産「お~いお茶 新茶」(株式会社伊藤園)パッケージイラスト  その他制作実績についてはこちら

裁量権が大きい、一気通貫型のディレクター

ディレクター職と言っても、業界や企業によって担う役割はさまざまです。クリエイティブディレクションのプロ集団であるサーチフィールドのディレクターとは、どのような仕事なのでしょうか。そう尋ねると、笹淵さんは「ひと言で表すなら一気通貫型」と答えます。

笹淵さん

多くの制作代理店では、営業や進行管理、アートディレクター(イラストを添削・監修するポジション)など、役割やステークスホルダーの窓口が職種毎に分かれているかと思います。一方、弊社の場合はクライアントへのヒアリングから受注、その後の作家さんとの制作進行から納品まで、ディレクターが一気通貫して行います。ディレクターがクライアントのニーズや作家さんの特性を理解し、コストや工数も把握していますので、クライアントや作家さんが弊社とやりとりするにあたってのコミュニケーションコストやクオリティラインの齟齬が抑えられるんですよね。もちろん社内にアートディレクターはいますが、イラストの1次チェックはディレクターが行い、アートディレクターと連携しながらクオリティを管理します。

「要はプロジェクトマネージャーに近い仕事ですね」と笹淵さんが話す通り、ディレクターの裁量権が大きいことが感じられます。その分、必要となるスキルも幅広くなりそうですが、これから入社する人にはどのような素養が求められるのでしょうか。

笹淵さん

クライアント、作家さん、社内のアートディレクターなど、人と人の間に入ってやり取りをする仕事ですから、コミュニケーション能力が非常に重要です。特に大切なのは、理解力と伝達力。この2つがベースにあって、その上でPDCAをしっかり回して、自分のアウトプットを常に高めていく力が必要ですね。

こういった社会人としての素養があれば、イラストに関する専門知識やディレクターとしての経験は入社時点でなくても問題ないと言います。

笹淵さん

入社してから半年はOJT期間として、案件ベースで仕事全体のフローを理解してもらうところから始めます。それ以降も、基本的にチーム制になっていますので、上長や各プロジェクトのリーダーのもとで日々ブラッシュアップしてもらえたらと思います。

さらに、外部研修制度や書籍購入制度といったサポート体制が整っているため、幅広いスキルを身に付けながら成長できる環境です。

「あと必要なのは、イラストに対する愛ですね」と笹淵さんは笑顔で付け加えます。

笹淵さん

納品物への愛が持てないと、仕事は楽しくないと思うので。「イラストが好き」「クリエイターさんと一緒にものづくりがしたい」という気持ちとそれを体現する行動力があれば、スキルは後から身に付けていけるかなと思います。

京都で新しいマーケットを創出

今回募集するのは、京都勤務のディレクター職。京都オフィスは、2023年11月に設立したばかりですが、そもそもなぜ京都に新たな拠点を構えることにしたのでしょうか。

笹淵さん

アフターコロナや新たなメンバーを迎え入れた影響で東京オフィスの席が足りなくなって、増床や移転を考えたとき、地方拠点を作ろうという案が持ち上がって。進出先を検討する中で、社員に京都がダントツ人気だったんですよ。京都には歴史的建造物や自然など、東京にはないものがある。でも田舎というわけではなく、まちとして不便なく暮らせる。バランスがすごく良いですよね。

また、京都市の積極的なコンテンツ産業支援や、文化庁の京都移転など、京都とGIKUTAS事業との親和性が高いことも決め手になったと話す笹淵さん。今後、京都で新たなチャレンジをしていきたいと目を輝かせます。

笹淵さん

東京と同じ仕事をするのはもちろんですが、京都だからこそできることを増やしていきたいです。インバウンドが多いエリアですから、日本のコンテンツ産業を海外に発信して、新しいマーケットを創出するような取り組みも考えています。京都オフィスは広報拠点としての機能も持たせたいので、例えば展示会など作家さんとの接点をより増やしていくようなイベントもしていきたいですね。

「作家さんに描き下ろしてもらって、オリジナルパッケージの駄菓子を販売したい」「京都独自のGIKUTASオリジナルキャラを制作したい」など、社内ではすでにさまざまなアイデアが挙がっているのだとか。「基本的に柔軟な会社なので、社員からのアイディアは常に募集しています」と笑顔で話してくれました。

真摯に向き合い、丁寧に関係性を築く

ここからは、京都オフィスにてディレクターとして働く社員の皆さんにもお話を伺います。1人目は面田(おもだ)さんです。入社して約10年になるという面田さんの前職は、システム開発などを扱うIT企業の営業職でした。

面田さん

次は営業ではなく別のことがしたいと思って、働きながら夜間の学校でWebデザインやプログラミングを学びました。何かをつくり出す仕事、制作業に興味があったんです。そんなときにたまたまサーチフィールドの求人を見つけて、一度飛び込んでみようと応募しました。

「入社前はディレクターがどういう仕事なのか、あまりわかっていなかった」と笑う面田さん。未経験からどのようにして仕事を覚えていったのでしょうか。

面田さん

最初は先輩から本当に手取り足取り教えていただきました。特に難しかったのは、作家さんとのテキストでのコミュニケーションです。前職では主に対面で打合せやプレゼンをしていましたが、ここでは作家さんとのやり取りはメールやチャットが中心なので、文章力はかなり鍛えてもらったと思いますね。

イラストの修正依頼や条件交渉といったデリケートなやり取りを、テキストだけで相手の気持ちを汲みとりながら行うのは、どれほど難しいことかと想像できます。面田さんは普段どんなことに気を付けているのでしょうか。

面田さん

やっぱり気遣いがどれだけできるかが大切ですね。作家さんはもちろん、クライアントの方も社内のメンバーも、みんなに気持ちよく仕事をしてもらうことを意識しています。文章の言い回し一つで伝わり方は全く異なってくるので、今でも悩んだときは先輩や上司に一度見てもらうなど、慎重に対応しています。

常に仕事に真摯に向き合い、人との関係性を築くことをとても大切にしている面田さん。それが仕事のやりがいやモチベーションにつながると話します。

面田さん

人との出会いやつながりが、私にとっては1番大きいですね。制作の中で出会って長く結びついている人たちを通して、いろいろな経験をさせてもらって、すごくありがたいなと思います。この人たちのために自分も動こうという思いが、仕事のモチベーションにもなっています。

中には、出会ってから数年の間にめきめきと腕を上げ、人気絵師になった作家さんもいるのだとか。「成長を見させてもらえるのは、すごく幸せなことだし、その成長のきっかけを作っていくことが私たちの会社の存在意義でもあると思います」と面田さんはうれしそうに話します。

京都で新たな一歩を踏み出す面田さんに、これからやってみたいことも聞いてみました。

面田さん

京都では東京とは違った新しい展開ができるよう、チャレンジしていきたいです。「この会社でこんなこともできるんだ」と今いる社内のメンバーの刺激にもなるといいですね。私自身も、新しい土地でいろんな出会いを通して、世界を広げていけたらいいなと思っています。

仕事でも趣味でも、イラストに携わる日々

つづいてお話を伺うのは、2024年3月に入社したばかりの藤原(ふじはら)さんです。大学卒業後、広告代理店の営業職として3年ほど働いたのちに、サーチフィールドに入社しました。

前職ではメディアプランニングや制作管理を担当していた藤原さん。「もっと制作に関わる仕事がしたい」と思ったことが、転職の1番の理由でした。そして、サーチフィールドに入社したもう1つの大きな理由は、イラストに携われることだったと言います。

藤原さん

もともと趣味でイラストを描いていて、イラストレーターとして生計を立てるという考えが頭をよぎったこともあったんです。でも、私は描くことを仕事にするよりも、趣味として続けていくほうが性に合っているなと思うようになって。そんなときにサーチフィールドに出会い、自分が描かなくてもイラスト制作に携われる仕事があると知って、私にとって理想的だなと思いました。

現在は、案件を5~6件担当しながら、実務を通して仕事を覚えている最中。面田さんと同じく藤原さんも、テキストコミュニケーションならではの難しさを日々感じているそうです。また、一つひとつのタスクをこなすスピード感など、求められるレベルの高さを感じつつも、制作のやりがいも少しずつ実感していると話します。

藤原さん

下書きから納品に進むにつれて、だんだんクオリティが上がっていく過程があって。調整を依頼して、自分が思い描いた以上の仕上がりだと、データを開いた瞬間、「おぉー!」とテンションが上がりますし、自分の意図がうまく伝わったのかなとうれしくなりますね。

最近、納品まで終えた案件がいくつかあるという藤原さん。「やっとひと通り、最後まで一気通貫してできて、達成感がありました」と笑顔を見せます。

藤原さん

クライアントの方から「御社からいただく仕上げのデータはいつも丁寧なのでありがたいです」と言っていただけて、作家さんやアートディレクターさんに何度も細かい調整をしてもらった過程が報われた気持ちになりましたね。これからも一歩ずつ信頼関係を構築して、「藤原さんだったら安心して任せられる」と思ってもらえるようなディレクターになっていきたいです。

これから京都オフィスの仲間が増えていくにあたって、どんな人と一緒に働きたいか尋ねてみると、こんなふうに話してくれました。

藤原さん

京都オフィスは少人数なので、このオフィスの雰囲気や関係値がどんどん良くなっていくような、思いやりを持って関わってくれる方だとうれしいですね。笹淵さんと机のニスを塗ったり照明を取り付けたり、環境を整える過程で少しずつ愛着が生まれてきたので、これから新しく入社する方も一緒につくり上げていくようなオフィスになればいいなと思います。

取材の最後に、自社で制作したイラストを前にして、楽しそうに盛り上がっている皆さんの姿を見て、笹淵さんが話していた「イラストへの愛」が、ここで働く人たち一人ひとりのベースにあるのだなと改めて感じました。

関西でコンテンツ産業に携われる仕事はあまり多くはありません。「この業界で働きたい」という思いがあり、京都へのUターンやIターンを考えている人は、ぜひサーチフィールドで挑戦してみませんか?

お知らせ

京都オフィスでは、学生向け長期インターンも募集予定です。インターンでは「イラスト制作ディレクター業務のサポート」「クリエイター向けイベントの企画運営」に携わっていただきます。詳しくは6月ごろより会社HPやnoteにてご案内しますのでぜひチェックしてみてください。

執筆:藤原 朋
撮影:小黒 恵太朗
編集:北川 由依

京都移住計画での募集は終了いたしました

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