募集終了2022.01.06

ワンストップで夢を形にする。京都のおもしろい場所を広げる建築事務所

(2020/9/30公開、2023/4/6更新)

歴史、自然、社寺仏閣、京都には魅力的な場所がたくさんあります。でも、街並みの景色をつくっているのは、観光名所だけではありません。小さな雑貨屋さん、雰囲気のいいカフェ、個性的で魅力あふれる”個人店”が、京都の街に明かりを灯しています。

京都の街を歩いているとき、思わず立ち止まってしまう飲食店や雑貨店と出会ったのなら。それは『コトスタイル株式会社』が開業をサポートしたお店かもしれません。

コトスタイルは、店舗デザインに特化した建設事務所。テナント物件の案内から企画デザイン、設計、施工まで、ワンストップの開業サポートを提供しています。飲食店、アパレル店、雑貨店など、京都市内を中心に200軒以上の店舗開業をお手伝い。「新規開業ならコトスタイル」の評判は年々高まっています。

京都移住計画で求人記事を掲載するのは2回目。3年前の取材では、創業経緯や独自の強みについてお話をしてくれました。今回、新しい仲間を募集するにあたり、四条烏丸にあるオフィスを再訪問。コトスタイルの現在地をはじめ、未経験で入社した先輩のお話、そして、新しく立ち上がる新規事業についてお聞きしました。

次のステージに向けた助走期間

お店を開業するには長い道のりがあります。従来では物件を不動産屋で探し、内装・設計をデザイナーに依頼し、工事を工務店にお願いするのが一般的でした。

そこに疑問を抱いたのが代表取締役の穴澤 陸平(あなざわ・ろっぺい)さん。テナント物件の紹介から店舗の企画、デザイン設計、施工まで、ワンストップで開業をサポートするコトスタイルを設立します。

飲食店だけでなく、美容院、雑貨店、医院、オフィスなど、いろんな店舗の設計業務を行っています。

また、最近では関連会社の『株式会社グッドランプ』を設立。焼肉とワインのお店『A4黒毛和牛熟成肉焼肉Yakiniku221』を開店し、お店を自ら運営するからこそ得られるノウハウをお客様に還元しています。

その他、販促ツールを制作する『STORE TOOL』、店舗オーナー様向けの家具・什器のセレクトショップ『テンポカスタム』を立ち上げ、アフターサポートも強化。新規開業までを一貫してサポートするだけでなく、開業したあともお客様を応援する仕組みも生まれています。

 2018年にオープンした『A4黒毛和牛熟成肉焼肉Yakiniku221』。運営子会社『株式会社グッドランプ』の社名は、「Good restaurant nurtures people(良いレストランが人を育てる)」の頭文字に由来しています。

DIYできる看板やカスタマイズ可能な照明など、店舗用のアイテムをセレクト。完成後も「育てる」お店づくりを提案しています。

前回の取材を行ったのは2017年9月頃。

約3年の月日が経つなかで、コトスタイルのサービスはさらに手厚くなった印象を受けます。実際、お客様からの相談も増えており、現在では毎月40〜60件の問い合わせがあるのだそう。一方で、穴澤さんは「会社の組織や体制を整える期間でもあった」と振り返ります。

「当初、4名体制でお客様に対応していたのですが、このままでは手に余るということで採用活動に力を入れたんです。新旧メンバーが大きく入れ替わり、8名体制にまで増やしました」


メンバーの拡充と同時に取り組んだのが、一人ひとりの仕事を捉え直すこと。創業から数年間、コトスタイルでは、お客様に対して1名の「プランナー」が付き、窓口業務から設計デザイン、施工管理まで全ての工程をこなしていました。

でも、案件数が増えるにつれて、一人が抱える負担も増加。サービスの質を担保するために、新しく「アシスタント」という役職を新設します。

「これまで経験者のみを採用していましたが、未経験者にも間口を広げて新しい人を採用しました。当初は事務作業や物件探しの手伝いなど、プランナーをサポートする役割を想定していたのですが、次第にアシスタントの領域を超えるほど活躍するまでに成長してくれたんです」


そこで、穴澤さんたちは役職を捉えなおし、アシスタントを「プランナー」に、プランナーを「デザイナー」に変更します。

プランナーはお客様対応やヒアリング、不動産関連の仕事を担当。デザイナーはこれまでの領分の一部をプランナーに託し、設計や施工管理に力を入れてもらう。さらに、両者の仕事ができる人には、「ディレクター」としてマネジメントも担当します。

「もちろん、大きな会社ではないので完全に区分されるわけではありません。自分の担当領域を意識しながら、お互いをフォローしていく。まだ役職を変えて間もないですが、それぞれのポジションを組織的にすることで、お客様をさらに手厚くサポートできる体制を目指しています」

今回、新しく募集するのは「プランナー」のポジションで活躍してくれる人。入社時点での建築や不動産に関する経験は問いません。

「物件の良し悪しを判断するとき、自分なりの基準が必要になってきます。デザインの視点、不動産の視点、何でもいいですが自分の強みを身に着けていってもらえたら。飲食店や雑貨店が好きな方と一緒に、おもしろいお店をつくっていきたいですね」

また、「最初は覚えることが多くて大変かも」と穴澤さん。だからこそ、根本的に「飲食店や雑貨店が好き」という気持ちが大切になると言います。

雰囲気に憧れがあったり、食べることが好きだったり。お店を利用する側としての「好き」でも大丈夫。入社後に自然と視野が拡がりますし、頑張る自分の支えになってくれるはずです。

店舗の開業を伴走支援する仕事

実際、プランナーはどのような仕事内容なのでしょうか。続いてお話を聞いたのは矢原 由菜(やはら・ゆな)さん。アシスタントとして入社後、現在は新設されたプランナーとして活躍しています。


プランナーの仕事は、不動産に関することを中心に、お客様の開業を伴走サポートすること。お問い合わせ対応、ヒアリング、物件の案内、見積書の作成のほか、新規開店の情報を自社HP・SNSで発信したり、各種メディアに情報を提供したり、広報的な仕事もあります。

また、お店の譲渡を考えているお客様と出店希望者を繋いだり、中古不動産を活用するために入居者を募集したり。いろんな相談に対応しながら、解決策を企画・提案するのもプランナーに求めらられる役割です。

「大変じゃないといえば嘘になりますね(笑)でも、いろんなことに携われる機会も多いんです。たくさんの企業が集まる展示会に同行したり、小売業やネット通販など、業界を越えた分野いついて勉強できたり。好奇心旺盛で何でもやってみたい人にはぴったりの環境だと思いますよ」

もちろん、最初から全てを任されるわけではないのでご安心を。目の前のことに取り組みながら、少しずつできることを増やしていきます。矢原さんもそうやって経験を積んできました。


京都移住計画に掲載された前回の記事をみて、3年前に新卒入社した矢原さん。建築業界の経験や知識はありませんでしたが、ものづくりに憧れを抱いていたことや、理念に共感したこともあり、コトスタイルに応募します。

「コトスタイルの理念である『人の成功を必死で応援する会社』をみて、共通点があるなと感じたんです。就職活動をしていたころ、夢に向かって頑張っている友達を応援していて。面接でその話をしたとき、穴澤さんが真剣に聞いてくれたことを今でも覚えています」


今でこそ幅広い仕事を担当してる矢原さん。「でも、入社当初は経験の乏しさから、会社や先輩の役に立てないことに申し訳のなさを感じていました」と振り返ります。

それでも物件のデータ入力からコツコツと始めて、仕事の幅を広げるために「宅地建物取引士」の資格も取得。少しずつ経験を積みながら、お客様の窓口業務や物件の案内、不動産に関する課題解決の提案など、現在のプランナーに通じる仕事を自ら開拓していきます。

「最初は自分の立場を確立しないといけない、成果に繋げて会社に貢献しないといけないって、視野が狭まっていました。でも、穴澤さんから『そこまで気負わなくていい、広い視野でみてほしい』と助言をもらって。先輩からもいろんなアドバイスをもらいながら、目の前の仕事にしっかりと向き合えるようになっていきました」

仕事のなかで一番嬉しいのは、お客様の物件が決まったとき。ずっとお客様に伴走してサポートするからこそ、「理想の物件との出会いを果たせたときは自分のことのように嬉しいですね」と笑顔を見せる矢原さん。一方で、まだ足りない部分がたくさんあると姿勢を正します。

「プランナーとして、デザイナーを巻き込みながらプロジェクトを引っ張る積極性や不動産に関する企画を考える力など、求められるレベルに達していないことがたくさんあります。仕事内容についても改善点があると思うので、新しく入社される方にも意見をもらいながら、一緒に成長していきたいですね」

自分の”好き”が詰まった住宅

最後にお聞きしたいのは、コトスタイルの新規事業について。その名も『リノベーションファクトリー(以下、リノファク)』。これまで”お店”に特化してきましたが、新しく”住宅”のリノベーション事業も始めます。

事業の発起人である穴澤さん、立ち上げ準備を手伝っている矢原さん、そして、執行役員兼マネージャーの池田大和(いけだ・やまと)さん、ディレクターの古谷昌典(ふるや・まさのり)さんにも同席してもらい、事業内容について意見を交わしました。


コトスタイルが住宅のリノベーション事業を始める背景にについて、穴澤さんは「数年前から考えていた事業」と説明します。

「これまで僕たちがやってきたことって、つまりはテナント物件のリノベーションと同じなんですよ。お客様の要望に応じて店舗をデザインして、塗装したり、カウンターをつくったり、業者の人と一緒に形にしていく。そこで培った経験や技術は間違いなく住宅に転用できると考えていました」(穴澤)

また、「自由度の高い設計」にこだわりを持ってきたコトスタイル。条件や間取りの固定概念にとらわれず、お客様の理想を形にしてきました。その姿勢を住宅にも活かしていけると考えます。

穴澤さんのお話を受けて、ディレクターの古谷さんは「住宅は自分の趣味趣向を反映できるのが魅力」と応えます。

「ついさっき、店内の配色についての打ち合わせがあったんです。お客様には好みの色があるんですけど、コンセプトやターゲットを考えたら、ちょっと違うよねっていう話になって。店舗は来客者目線でつくりますが、住宅は自分が過ごす場所なので、個性や趣味を遠慮なく取り入れられる。それがおもしろいところだなと思います」(古谷)


カフェのような居心地の良い空間はもちろん、趣味のバイクと生活できるガレージハウスにしたり、ハンモックを吊れるアウトドア仕様の部屋にしたり。自宅で過ごす時間が長くなった時流にも後押しされ、個性が詰まった住宅への憧れはさらに大きくなるように感じます。

また、マネージャーの池田さんも「店舗と住宅」の違いについて教えてくれました。

「店舗の設計はあくまでも予測なんです。来客者を想像しながら内装を考えていく。その予測がちゃんと結果に繋がったとき、デザイナーとして冥利に尽きるわけですね。一方、住宅は、理想とするライフスタイルとライフステージに応じて、人が動く導線や部屋の数などを決めておく。最初から結果が見えた状態で設計します。お客様の将来像を一緒に具現化するイメージがありますね」(池田)


一方、矢原さんは「課題もある」と話します。

「リノベーション事業を提供している会社はすごく増えてきています。そのなかでコトスタイルがどう差別化をしていくのか。もちろん、店舗開業で培ってきた自由度の高い設計などの強みがありますが、そこをアピールしてもお客様は一般の方なのでイメージを持ちにくいかもしれません」(矢原)


リノファクを立ち上げる準備の一環として、矢原さんは商工会議所のビジネスコンテストに参加。セミナーを受けながら事業計画書をつくり、穴澤さんとブラッシュアップを重ねてきました。そのなかで得られた反応をもとに、現在も事業の改善を進めている真っ最中です。

「リノファクは綺麗に整えられた新築やリフォーム済のお家ではなく、これから自分だけの住空間をつくっていきたい人に知ってもらいたいサービスです。その要望に応えられるだけの技術やアイデアがコトスタイルにあることを、上手く伝えていきたいですね」(矢原)

一人ひとりを必死で応援する会社

今年で10期目を迎えたコトスタイル。

これまで、店舗開業を目指す人達の夢を形にし、京都の街に明かりを灯してきました。そして、体制の強化や役職の変化、新規事業『リノベーションファクトリー』の立ち上げなど、さらなる発展を見据えて動き出しています。


それでも、根本にある気持ちは変わりません。店舗開業を目指すお客様の力となり、おもしろいお店を増やし、京都をもっと素敵なまちにしたい。それが、穴澤さんとコトスタイルの想いです。

「店舗だけでなく、住宅という選択肢が増えれば、もっと可能性が広がると思うんです。自社で物件を所有してシェアハウスにしたり、テナントビルに店舗と住宅を混在させたり。立地や条件に応じて、ベストな使い道を選べる状況をつくっていきたい。店舗と住宅を上手く掛け合わせて、京都におもしろい場所を広げていきたいですね」


コトスタイルは新しいステージに向けて歩み始めたばかり。プランナーとして役割を担いながら、自分なりの専門性や仕事をつくっていける余地がたくさんあります。

経営理念『人の成功を必死で応援する会社』の”人”に当てはまるのは、店舗開業を目指すお客様だけではありません。一緒に働く仲間の夢や成長も応援してくれる会社です。

京都におもしろい場所を増やしたい。コトスタイルの想いを携えながら、あなたならではの可能性も拓いていきませんか。

執筆:山本 英貴
撮影:岡安 いつ美

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