自然とともに生きる力を育む場をつくる 漂着ごみの現場から環境コンテンツを考える2日間【参加者募集中】

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本記事でご紹介する「京都ローカルプロジェクト旅(以下、プロ旅)」は、UIターン後、京都府内でさまざまなプロジェクトやビジネスを立ち上げている地域プレイヤーの元を訪ね、取り組みの内容やUIターンの背景・今後の展望などをお伺いし、地域との新たな関わり方を見つけていくためのプログラムです。京都府・京都府農業会議とともに京都移住計画(株式会社ツナグム)が企画・運営しています。

楽しさから海の現状を伝える「丹後エクスペリエンス」とは

海の京都・京丹後市で、e-BIKE(電動アシスト付き自転車)を使った周遊ツアーやレンタサイクル、プレシャスプラスチック(※1)の成形体験など、自然環境をテーマに観光事業やイベント出店、各地での講演を行う「丹後エクスペリエンス」。2019年に地域おこし協力隊に着任した八隅孝治(やすみ こうじ)さんが主宰しています。

(※1)プレシャスプラスチックとは・・・オランダからはじまったプラスチックごみのアップサイクルプロジェクト。WEBページでは、各地の取り組みをシェアするコミュニティ掲示板や製品の販売、プロダクトマシーン設計図の公開など、世界中から誰でも参加できるようオープンソースで運営しています。

一般的には史跡や名所を巡ることが多いガイド付きツアー。ですが、丹後エクスペリエンスのe-BIKEツアーでは八隅さん自身がガイドになり、2〜3時間ほどかけて京丹後市の豊かな自然や、地域文化、人々の暮らしを巡ります。

「お客さまからの希望があれば観光名所にも立ち寄るのですが、基本的には、僕が京丹後市に移住して魅力を感じている風景や人のもとを訪ねるルートを設定しています。お気に入りの木陰スポットがあるんですけど、木漏れ日が本当に気持ち良くて。そういうひと時を体験してもらいたいですね。京丹後市は広いのでいくつかのコースに分けているのですが、最初は伝えたい魅力や想いをすべて詰め込んでしまい、4時間のルートができてしまいました(笑)」

地域おこし協力隊としての八隅さんのミッションは、歴史や地域資源を活かしたスポーツ・観光の振興。ですが、e-BIKEを活用した観光事業を進めていくうちに、海洋プラスチックや漂着ごみの存在に気がつきます。

「e-BIKEツアーのルートを考えようと各地を巡っていると、海岸にたくさんのごみが打ち上げられていることを見つけました。京丹後市に住む前は『丹後ブルーの美しい海』のイメージが強かったので、ショックでしたね。海が身近になり、自然環境が美しいことに変わりはないのですが、これまで誰かが掃除をしていたことに気がついたんです。観光事業をさせていただくうえで、環境を守る取り組みもしていきたいと思い地元の方に相談したところ、地域のみんなでビーチクリーン活動をしていると教えてくれました」

小浜ビーチに漂着するごみ。(写真提供:丹後エクスペリエンス)

八隅さんが定期的にビーチクリーンを行っている小浜(こばま)ビーチは、海流の関係でごみが漂着しやすいポイントのひとつ。​​潮の流れによって、多い時は海岸をすべて塞いでしまうほどのごみが流れ着きます。

「20人ほど集まれば半日で片付けられるのですが、風化して小さくなったプラスチックごみは、砂浜に埋もれてなかなか回収しきれません。一般的な観光事業者からすると、見せたくない現状かもしれないのですが、僕はなるべくありのままの地域を伝えようと思っています。そうした問題が起きていることを旅行者にも知ってもらい、その背景や解決方法を一緒に考えていきたくて。現在は、有志のメンバーで『MOYAKO』というチームをつくり、ビーチクリーンや環境活動を行っています」

プレシャスプラスチック丹後でつくった製品の一部。(写真提供:丹後エクスペリエンス)

ごみの課題はあるものの、京丹後市には美しい海があり、地域内外からビーチクリーンに集まってくれる仲間がいる。「プレシャスプラスチック」の取り組みも、仲間の一人が教えてくれました。

「海岸に流れついてしまう海洋プラスチックや、日々の生活から出てくるプラスチックごみを、どうにかアップサイクルしたいと思っていて。プラスチックごみからコースターやキーホルダーなどをつくる『プレシャスプラスチック』の取り組みを知り、チャレンジしたいと思いました。日本でいち早く取り組みをはじめたのが『ダイナミックラボ』のテンダーさんという方で、彼が住む鹿児島県にも度々足を運びながら、どうすれば環境負荷の少ない暮らしができるかを考えています」

丹後エクスペリエンスでは現在、e-BIKEやビーチクリーン活動、プレシャスプラスチックの成形体験などを交えながら、環境学習やエコツアーのプログラムづくりを進めています。

日常から疑問や遊びを見つけ、生きる力を育む環境をつくりたい

ビーチクリーン時のお写真。バケツリレーのようにごみを手渡します。(写真提供:丹後エクスペリエンス)

観光事業者という入口から、地域で起こっている海洋プラスチックや漂着ごみの問題を知り、大量生産・大量消費が前提となっている現代のライフスタイルそのものへの疑問を抱きはじめた八隅さん。

「企業名が印刷されたもの、国外からやってくるもの、漁業や農業に必要な道具類など、ありとあらゆるごみが浜辺に打ち上げられています。先ほどお伝えしたように、この辺りの海流の関係もありますが、もうひとつ前にある『なぜ、こんなにたくさんのごみが出ているのか?』を考えると、やっぱり自分たちの生活が大きく関わってくるんですよね」

自治体が集めていても、焼却できないごみは埋め立てごみとなり、山の一部を削って埋め立てられたごみは、風雨に晒されるとまた海に流れ出てしまう。いたちごっこのような現状を目の当たりにし、「京丹後市で環境学習のきっかけがつくれたら」と八隅さんは考えるようになりました。

「京丹後市に移住してから、自然な流れで環境問題を意識するようになりました。これまでは、風景としての美しさや新鮮な海産物など、良いところしか見えていなかった『海』の捉え方も変わってきて。海は世界ともつながっているので、京丹後市だけの課題にとどまらないですし、自分としてもチャレンジしていきたい方向が定まったように思います。それに、家族が生きていける分のお金が稼げたら、あとはごみを拾うだけの生活がしたい・・・と思えるくらいごみ拾いが楽しくて(笑)」

現在、プレシャスプラスチックの工房として使っている物件を、ゆくゆくはファブラボ(※2)にしていきたいと考えているそう。授業を終えた子どもたちが、帰り道に立ち寄れる場所になればと八隅さんの構想は広がります。

「子どもたちを見て思うのは、現代のおもちゃは遊び方が決まっているものが多く、SNSやYouTubeでどれだけおもしろい動画を見つけても、情報に対しては常に受け身のスタンスになっていて。田舎は確かに何もないんですけど、自発的に遊びや楽しみがつくり出せる環境はたくさんあるんですよね。例えば、海で拾った貝殻や流木、プラスチックごみ、僕の工房にある機材などを使って、おもちゃがつくれたら楽しくないですか。そうすると、既製品を購入する発想ばかりではなく、自分自身でものをつくる力や思考が養われていくと思うんです」
(※2)ファブラボとは・・・ファブラボは、デジタルからアナログまでの多様な工作機械を備えた、実験的な市民工房のネットワークです。個人による自由なものづくりの可能性を拡げ、「自分たちの使うものを、使う人自身がつくる文化」を醸成することを目指しています。(FabLab Japan HPより抜粋)

子どもから大人まで、自分自身でものをつくり出す力を身につけることで、つくる側の責任を理解でき、最後までものを大切にする心が育まれていくと、八隅さんは考えます。

「僕たち大人でも、日々の生活において身のまわりにある『終わり』を意識することは少ないかもしれませんが、自然のなかで遊んだり、ものづくりを体験したりすることで、自然に『終わり』を感じられるようになるんじゃないかと思っていて」

八隅さんがダイナミックラボを訪れた時のお写真。(写真提供:丹後エクスペリエンス)

「僕自身もテンダーさんや地域の方に教わったり、自分で調べたりしていくうちに、この半年で、木工、鉄工、電気配線、野菜や野草など、生活に必要な知識や技術が身についてきたんです。あとは狩猟ができれば、お肉も自分で調達できるようになるかな(笑)。そうやって、自分で暮らしをつくっていけることがわかれば、もう少し生きやすい世の中になるんじゃないかと思っていて」

前職は、京都市内で消防士をしていた八隅さん。生きづらさを感じている人たちの存在や、命の大切さを身をもって伝えられるからこそ、「子どもたちの生きる力を育みたい」と言葉にも力が入ります。

「田舎に住むことですべてが解決するわけではないですが、人や自然との関わりあいのなかで子どもがのびのびと育っていく感覚があります。顔が見える関係性を大切にできるので、地域の人たちが支えあう環境もあって。生活をしていても、まだ使えるものを譲りあう『あげるで商店』というFacebookグループがあったり、ご近所からたくさんの野菜が届いたり。そういう地域コミュニティの温かさも京丹後市の魅力ですし、『丹後エクスペリエンス』が提供するプログラムや、これからつくろうとしているファブラボを通して、その魅力も伝えていけたらと思います」

海の課題と資源を組み合わせた環境コンテンツを考える2日間

今回のプログラムでは、2日間を通して八隅さんが行っている海×環境の取り組みを体験し、エコツアーやアップサイクルプロダクトの販売企画・体験コンテンツを考えます。

\こんなプログラムを予定しています/
1日目
・オリエンテーション
・e-BIKEツアー(3時間)
2日目
・漂着ごみ・海洋プラスチックについてのお話を聞く
・ビーチクリーン活動、ごみの選別
・プレシャスプラスチック成型体験
・エコツアーのパッケージ、海×環境プロダクト企画を考える
・振り返り

もともと、海の近くで暮らしながら子育てをしたい!という、八隅さんの強い希望から実現した京丹後市への移住。京丹後市に奥さまの実家があったものの、その道のりは決して簡単なものではありませんでした。

「当初、移住について妻は大反対だったんです。ですが、僕がどうしても京丹後市に住みたくて、こっそり仕事を探していました。締切間際の地域おこし協力隊の募集を見つけ、急いで応募したのですが、『もし受かったとしても、消防士を辞めていいとは言ってないからね』と釘を刺されてしまい(笑)。採用が決まり、結果的に辞めることになったのですが、本当に渋々来てくれた状態でした。同じようなケースで移住を悩まれている方がいらっしゃったら、きっと力になれると思います」

開催日程2021年11月22日(月)- 23日(火・祝)
参加費一般の方:5000円
学生の方:3000円
※現地での食費・宿泊費等は別途自己負担となります。
定員5名
申込フォームhttps://localprojecttabi2021-tangoexperience.peatix.com/
申込〆切2021年11月12日(金)23:59
その他〈注意事項〉
・申込多数など状況によっては抽選とさせていただく場合があります。
・募集定員も限られているため、参加確定後のキャンセルはご遠慮ください。
・手洗い・消毒・マスクの着用など新型コロナウイルス感染拡大防止対策にご協力下さい。
(当日、体調不良などの場合は参加をお控えいただく場合がございます。)
・新型コロナウイルスの状況などにて、開催の可否を判断させていただく場合があります。

丹後エクスペリエンスHP:https://tango-exp.com/

本プログラムで訪れる「京丹後市」について

​​京都市から車で2時間半、京都府のはしっこに位置する京丹後市。海も山もある地域だからこその豊かな自然環境や食、厳しい冬があるからこその冬を生き抜く昔ながらの生活の知恵が今も息づき、人の繋がりが強い地域で暮らしたい!というおもろい人達の移住が今、増えています!京丹後市移住支援サイト:https://www.city.kyotango.lg.jp/ijushien/index.html

ローカルプロジェクトを学ぶ旅〈オンライン説明会〉

《開催概要》
北は丹後、南は相楽まで、京都府各地に目的を持ち移住され活動されている方々と供に、各地の活動テーマのプロジェクトを2日間体感し、地域との関わりを学ぶプログラムを開催します。受入いただく4名それぞれの多様な活動や想いを知ってもらい、このプログラムでどんな体験や関わりがつくれるのか知って頂くべく、交流と説明を行うオンラインでのPRイベントを、2回に分けて開催します。

\こんな方にオススメです!/
・地域と関わりやつながりをつくりたい
・自分に合う働き方やライフスタイルを考えたい
・ゲストの活動や地域プロジェクトに興味がある方
・京都の地域が好きな方、ゆかりがある方
・ゆくゆくは移住やUターンを考えられている方

■日時
10月6日(水)19:15~21:00
※途中入室・退出も可能です。事前申し込みの際にご連絡ください。
■会場
オンラインZoom(事前申込制)
■イベント詳細&参加申込み
京都移住計画Peatixよりお申込みください。
https://kyotolocal-event1006.peatix.com/
■ゲスト紹介
・稲本 朱珠さん まちの人事企画室/roots
・八隅 孝治さん 丹後エクスペリエンス/京丹後市網野町地域おこし協力隊
■企画・運営
株式会社ツナグム(京都移住計画)
担当:藤本・並河 info@tunagum.com

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