めくるめく仏教の世界へようこそ。 ユニークなお寺が大集合「ごえんさんエキスポ」

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「京都」と聞いて、まず思い浮かぶのが寺社仏閣ではないでしょうか。それもそのはず、京都府内にはなんと3,000を超えるお寺があります。
しかし、「足を運ぶ機会はあまりない」と答える市民が多いのもまた事実です。

「敷居が高いなんて言わずに、もっと気軽にお寺に来ていただきたいです」

そう話すのは、真宗大谷派宗務所(東本願寺)総務部の石井正道さん。お寺に来てもらうきっかけをつくろうと、東本願寺も加盟する真宗教団連合では、今年11月に「ごえんさんエキスポ」を開催予定です。

今回は、「ごえんさんエキスポ」の実行委員に集まっていただき、身近なようで遠いお寺と仏教のおもしろさについて教えてもらいました。

左から唐溪さん、川勝さん、石井さん。冨金原さんは島根からオンライン参加です。

<お話を聞いた人>

真宗大谷派宗務所(東本願寺)総務部 石井正道さん
・浄土真宗本願寺派 西光寺 僧侶 唐溪悦子さん
直七法衣店 四代目/直七大学 主宰  川勝顕悟さん
浄土真宗本願寺派 蓮敬寺 冨金原真慈さん

お寺=道場!?生きることを学ぶ場だった

そもそも、あなたにとってお寺はどんな存在でしょうか?お恥ずかしながら、私は観光スポットとして訪れたり、何かイベントがあれば訪れたりする程度。見様見真似でお賽銭を投げ入れて、決意を固めたり願い事をしたりしていました……。

しかし、石井さんはお寺の役割についてこうに話します。

石井:お寺って「人生や生きることを学ぶ道場」とも言われるんですよ。お寺の本堂は、屋根が高いですよね。あれは道場樹と言います。高いのには理由があって、「ここが道場ですよ」と遠くからもわかるようにするため。また、お寺の入り口にある門をくぐることを「入門」と言います。
入門することは、人生を学んでいこうとする第一歩。しかし、今はその意味を知らない方も多いです。だから、「ごえんさんエキスポ」が仏教の世界に足を踏み出す一つのきっかけになればと願っています。

今まで仏教と触れ合ったことのない人にも、イベントをきっかけに道場としてのお寺を知ってほしい。石井さんはそう話しますが、正直、「お寺で人生を学ぶ」と言ってもピンときません。

唐溪:そうですよね。でも、お坊さん漫才師やお坊さんユーチューバーと聞いたら、なんだか楽しそうな気がしませんか?
私はお寺の生まれなので、物心ついた頃から仏教が身近にありました。その中で仏教を身近に感じやすいよう活動されているお坊さんに出会って、「もっと皆さんの取り組みを広めたい!」って思ったんです。

過去に開催された「ごえんさんエキスポ」の様子。お坊さんがステージに立ち、歌を披露しています。
過去「ごえんさんエキスポ」で開催された「坊主カフェ」。一つのテーブルを囲み、お坊さんに人生相談をする場になりました。

多彩な活動をするお坊さんが大集合!

「ごえんさんエキスポ」の内容を見てみると、「死生観光トランプを使って死を語ろう!」「リアル 仏教ラブストーリー」「リモート漫才説法!」「僧侶 神主 牧師と語る 『愛・生・死』」「テクノ法要」「バーチャルお寺ツアー!」など、なんだかとても楽しそうなコンテンツが並びます。

各コンテンツを運営するのは、全国各地のお坊さん。皆さん、お寺の本業以外に好きなことや得意なことを掛け合わせながら、仏教の教えを伝えようと活動されています。

島根にある浄土真宗本願寺派 蓮敬寺の住職・冨金原真慈さんもその一人。イベントでは、「バーチャルお寺ツアー!」を担当します。イベント当日は、VR上に作ったお寺やバーをご案内していただけるとのこと。

冨金原:コロナ禍をきっかけにVRに取り組みはじめました。法務がなくなった分、VRで人のつながりをつくろうって。今までに悩める人たちの駆け込み寺「坊’s BAR」や「盆踊り」をVRで開催しました。「盆踊り」は全国から300人の方が参加してくれて、インターネットを通してお寺と一般の方が繋がる可能性を感じました。リアルでもオンラインでも、人と人のつながりをつくり、目の前にいる人の悩みを聞くことが僕の役目なのかなと思います。

直七法衣店/直七大学の川勝顕悟さんが担当するのは、「僧侶 神主 牧師と語る 『愛・生・死』」。宗派も宗教も超えて、お寺、神社、教会それぞれの立場から普遍的なテーマを語ります。

直七大学は世界一の仏教職人コミュニティ。今までにイベントを約200回開催してきました。宗派に関わらずゲストをお呼びすることができる法衣店の立場を活かして、仏教の学びの場をつくっています。

川勝:はじめは仏教に関心がなくて。でも実家が法務店だから、信心はないビジネス仏教だったんです。法衣店の立場からお坊さんと食事をする機会が多く、その時の仏教の話や単語は普段よりやさしく、またその場ですぐ質問できて『仏教って面白いな』と感じました。だから、一般の方にも仏教を学ぶ機会をもってもらいたいと思い、直七大学を主宰しています。実家の宗派は関係なく、自分で宗派を選ぶ時代になっていいと思うんです。直七大学やイベントで学んだ上で、お寺を訪れたら、きっとただ訪れるだけとは違う楽しさに気付けると思います。

仏教は答えをくれないけど一緒に悩み続けてくれる

皆さんの話を聞いていると、まずはお寺の中の人とつながることが、お寺に関心を持つ大きな一歩になるように思えます。自分が住んでいるエリアから選んでもいいし、関心あるテーマで活動しているお坊さんをインターネットで見つけてもいい。「檀家だから」以外の理由でお寺と繋がるきっかけを持つことが、仏教の世界へ踏み出す入り口になりそうです。

石井:仏教の教えって、身近なところに生かせるんです。「学校でいじめにあってしんどい」「職場で上司とうまくいかない」、そうした悩みがある時にどう考えたらいいかのエッセンスが、仏教には散りばめられています。生きていく中で何か選択をする時、誰もが各々の宗教心で選んでいます。だからそもそも宗教に敷居はなくて、一人ひとりの心の中にすでにあるものなんです。

石井:浄土真宗は煩悩を見つめる宗教です。日常生活の中で、自分を立てようとしたりカッコつけたり、正義を主張したりって瞬間がきっとありますよね。それは、浄土真宗から見ると、煩悩なんです。教えを学ぶことで、煩悩まみれであることに気付ける。そこが浄土真宗の面白いところだなって、私は思います。
あくまで私個人の感覚ですが、仏教って答えはくれないんですよ。答えをもらうのではなく、悩み方を学ぶのが教えなんです。そして宗教者自身も、「一緒に悩んでいきましょう」と言うことができてしまう。きっと答えをもらって解決できるものは、解決した気になっているだけで、いずれまた同じ問題にぶつかると思うんです。悩み続けることでしか解決しない、そこに寄り添えるのが仏教の面白さだと思っています。
そうした面白さに気づいていただける人が、イベントを通して一人でも増えたらいいですね。

それぞれの立場から仏教の面白さについてお話いただいた取材時間。少し伝わってきたような、でもやっぱ話を聞くだけではわからない…というのが本音です。だけど、実行委員会の皆さんのお話を聞いて、私も「煩悩に気づきたい」との気持ちが湧いてきました。

同じような気持ちになった方は、ぜひ一緒に「ごえんさんエキスポ」に参加し、仏教の面白さに触れてみませんか?オンライン配信なので、京都に限らず全国各地から楽しむことができますよ!

イベントのお知らせ

日時:2020年11月7日(土)10:00~22:00
場所:YouTubeライブ配信/Zoom
詳細はこちら:https://5en3expo.studio.site/

記事の作成に関わってくれたクリエイター

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