2019.10.21

地域に根ざし、地元民に愛されるスペイン料理店帷子ノ辻『IKEYA Delicatessen』

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京都の日常を彩る食を訪ねる「食を巡る」シリーズ。京都らしい食べ物や飲み物、京都移住計画メンバーのお気に入りの一品をご紹介する連載コラム記事です。食べることは生きること、京都での暮らしに彩りを与える物語をお届けします。

食を巡る第6弾は、嵐電・帷子ノ辻駅(かたびらのつじえき)そばにある『IKEYA Delicatessen(イケヤ デリカテッセン、以下、IKEYA)』。2014年5月にオープンして5年。スペイン料理を中心に、ワインと相性の良いメニューが揃ったお店です。

嵐電 帷子ノ辻駅すぐでおいしいスペイン料理を

嵐電帷子ノ辻駅降りてすぐのIKEYA。路地にひっそり佇んでいて、知る人ぞ知るお店です。

提供されるのはアヒージョやパエリアといった、スペインの定番料理。ワインのラインナップも豊富で、ワインとともにランチやディナーがいただけます。

シェフで店主の池上 龍司(いけうえ・りゅうじ)さんがメインで調理を行い、数名のスタッフとともに切り盛りしています。

店名のIKEYAは、池上さんの名字と、家具量販店「IKEA」をもじったもの。印象に残り、覚えてもらえそうだからと、この名前にしたそうです。

一番人気は、見た目も美しいワンプレートランチ

ワンプレートランチ 1,000円(税別)

一番人気はワンプレートランチ。メインとその日のデリ、サラダ、バゲットがワンプレートに盛られます。この時の内容は下記の通り。

・ハチノスのトマト煮込み
・チキン南蛮
・かぼちゃのポタージュ
・スペイン風オムレツ
・キャロットラペ
・ポテトサラダ

チキン南蛮の下には、白茄子をピューレにし、にんにくとオリーブオイルで炒めたものが敷かれています。脇役もていねいに作られていてびっくり。それに野菜がたっぷりで彩り良し!少しずついろんなデリが食べられるのもうれしい!どれも手作りで、おいしいのは言うまでもありません。

お客様のリクエストで作り始め、今はすっかり定番となったパスタもあります。自家製ベーコンで作るナポリタンやカルボナーラが人気です。

無花果のタルトとチャイ

食後にはスイーツやお茶をどうぞ。無花果のタルトは女性スタッフ作。以前池上さんがひとりで切り盛りしていたころは、スイーツも作っていたそうですが、料理もスイーツもこなせるスタッフが入ってからは、スイーツは全面的に任せているのだとか。「優秀なスタッフのおかげで、楽になってありがたいです」と、池上さんは語ります。

シンプルでおいしいものを、ストーリーとともに提供したい

池上さんは高知県出身。大学時代の飲食店バイトが楽しくて、大学を卒業した後に調理師専門学校へ。専門学校へ講師として来ていた、函館にある「レストラン バスク」のシェフ、深谷 宏治さんに感銘を受け、この人の元で働きたい!と深谷さんに直談判。専門学校卒業後、函館に移り住んだそうです。

2年ほど働いたタイミングで、京都で働いてみないかという話が舞い込みます。それが今はなき「エル フォゴン」。スペイン料理の人気店だったので、ご存知の方も多いでしょう。

京都には身よりも馴染みもない池上さんでしたが、抵抗なく移住。エル フォゴンで8年半働いたあと独立して、今に至ります。

オープン当初は、店内での飲食6割に対して、デリのテイクアウト4割と想定。スペインのバルのような”ちょっと食べちょっと飲み”利用を考えていました。しかし、オープンしてみると、店内での飲食が圧倒的に多く、シフトチェンジを余儀なくされます。

求められているものは何だろう?「ゆっくりご飯を食べておしゃべりしたい」というお客様が多い。それならば、テーブルサイズを大きくするなど、居心地を良くしていこう。料理がおいしいのは当たり前。その先の、料理や食材、生産者にストーリーをお客さんは求めている。それなら生産者とタッグを組み、新しいものを作ったり紹介していこう。池上さんは、試行錯誤を重ねながら、求められるお店の形をつくっていきました。

そもそも池上さんが深谷さんに感銘を受けたのは、レストラン バスクが、地産地消をコンセプトに営業していたから。深谷さんは約30年前の時点で、生ハムやソーセージはおろか、自家菜園で野菜を育てていたといいますから、その時代ではかなり画期的だったでしょう。

生産者の顔が見える食材で、安心感のある料理を提供すること。インスタ映えや新調理技術もいいけど、シンプルでおいしいのが自然、という想いを大切に、日々少しずつ進められています。

オープン時はヒゲを生やしネルシャツを着て帽子をかぶり、ラフなスタイルで営業していた池上さん。ですが、お客さまにゆっくり過ごしてもらえるような環境を整えようと、服装もベスト着用などより洗練されたものに変えてきました。

お店と自分を変え、クォリティーを上げ、お店を長く続けるために繁盛させたい。お店が繁盛すればお店もスタッフも守っていけるし、スタッフの数を増やすこともできる。新たな雇用を作り、地域に貢献していきたい…次のストーリーとして、池上さんはそう考えています。

きちんと感がありながら、池上さんの屈託のない笑顔や気さくな雰囲気に、居心地の良さを感じるIKEYA。これからどんなストーリーが紡がれていくのか、地元民として楽しみに見守っていきたいと思います。

『IKEYA Delicatessen(イケヤ デリカテッセン)』

住所:京都市右京区太秦帷子ノ辻町11-53
TEL:075-212-8525
営業時間:12:00〜15:00(L.O. 14:00)/17:00〜22:00(L.O. 21:30)
定休日:木曜日・第2水曜日

H.P:http://ikeya-kyoto.com/
Facebook: https://www.facebook.com/ikeyadeli/

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