亀岡の暮らしを訪ねる移住体験ツアーは、「亀岡市ふるさと創生課」と、京都へ移住したい人、暮らしたい人を応援する「京都移住計画(株式会社ツナグム)」による、はじめての企画です。本記事では、2020年2月に開催した1泊2日の移住体験ツアーの様子をお届けします。
JR京都駅から快速電車で20分のところに位置する、京都府亀岡市。なだらかな山々に囲まれた盆地には、人口おおよそ88,000人が暮らしています。山裾には田舎の風景が広がっている一方で、都市部へのアクセスが良いことから、移住先として亀岡市を検討する方が少しずつ増えています。
このまちに移り住んだみなさんは、仕事を変えずに京都や大阪の企業に通勤したり、亀岡市周辺の企業に転職したり、新たに農業をはじめたり、お店やゲストハウスを開業したりするなど、ライフスタイルもさまざまです。
《亀岡市の概要》
人口:おおよそ88,000人
面積:おおよそ225㎢
主な産業:卸売業、小売業、建設業、製造業、宿泊業 など
特産品:京野菜、お米、亀岡牛、丹波大納言小豆 など
主要観光:嵯峨野トロッコ列車、保津川下り、湯の花温泉
春は菜の花や桜が市内各地で咲き誇り、夏は田んぼの畦道や川辺にホタルが飛び交います。また、毎年8月には、7,000発の花火が打ち上がる「亀岡平和祭保津川市民花火大会」が開催されます。
秋は豊作を祝うお祭りが各町で開催され、明智光秀が築いた城下町には山鉾が11基立ち並ぶ「亀岡祭」が開催されます。晩秋から春先にかけてあたり一面をつつむ丹波霧は、農作物を美味しく育てる一方で、地元からは「視界が真っ白で数メートル先が見えない」「洗濯物が乾かない」などといった生の声も聞こえてきます。
また、2020年1月には、JR亀岡駅の北側に京都サンガF.C.のホームスタジアム「サンガスタジアム by KYOCERA」がオープンし、スポーツを軸にした地域の活性化にも力を入れています。
今回の移住体験ツアーでは、滞在を通して亀岡市での暮らしがイメージしやすくなるように、市内のお店やスーパー、空き家バンク登録物件、地域の直売所などを訪ねました。
はじめに、城下町にある移住者さんのお店「saji」でランチをいただきながら、亀岡市ふるさと創生課の荒美さんより市の概要について説明がありました。参加されたみなさんからも「なぜ移住を考えているのか」「今回のツアーで知りたいこと」などをざっくばらんにお話いただき、ツアーのスケジュールを共有しました。
野菜たっぷりのランチを楽しんだ後は、亀岡市内を巡ります。
まず訪れたのは、今年の4月に開業予定の「喫茶とベーグルのお店 ネコタ」さん。市が運営する「空き家バンク」を通して東本梅町の物件を借りられ、お店のオープンに向けて準備をされています。オーナーの山際さんご家族は、兵庫県尼崎市からの移住。娘さんは、近所の小学校に通われています。
次に訪れたのは、同じく東本梅町にある空き家バンクの登録物件。「森の自然ほいくえん東本梅」の近くに立地しており、改修はほとんど不要です。
母屋と離れのほかに、中庭を囲んで小屋と蔵、家庭菜園用の畑があるので、移住後、なにか事業をしたいと考えている方におすすめの物件です。(※物件情報はこちらをご確認ください。)
つづいて、曽我部町にある田の字型の古民家を訪れました。こちらは、母屋と離れが渡り廊下でつながっており、敷地内には倉庫と蔵があります。先ほどの物件と同じく、改修はほとんど不要です。家主さんからは、地域の取り組みや歴史についてお話いただきました。(※物件情報はこちらをご確認ください。)
空き家バンクに登録された物件を内覧するときは、下記のポイントを抑えておきましょう。
・屋根や畳、水回りなど改修が必要な箇所はどのくらいあるか
・駅やスーパー、学校など、生活の導線を考えたときに暮らすイメージができるか
また、地域コミュニティへの参画や自治会との関わりについて不安のある方は、その地域に住んでいる先輩移住者や自治会長にお話を聞いていただくことをおすすめします!
※将来的にカフェやゲストハウスの開業を検討されている場合、都市計画法等により制限を受ける可能性があります。物件を取得される前に自治体の都市計画課へご相談ください。
1日目の最後に訪れたのは、曽我部町に2015年にオープンした「薪窯パンふくくる」さん。店主の山本さんから、移住のきっかけやお店の開業について、また、子育て環境や地域との関わりについてお話を伺いました。
宿泊は、亀岡市の移住・定住促進施設『「離れ」にのうみ』にて。亀岡市にお住まいのアレックス・カーさん監修のもと、城下町エリアにある築100年の古民家をリノベーションした一棟貸しスタイルの宿泊施設で、2018年10月にオープンしました。(亀岡市への移住を検討されている方で、HPに掲載されている条件を満たす方は、移住体験料金にて宿泊可能です。)
2日目は、千代川町にある築100年以上の古民家をリノベーション中の陶芸家・綿引さんのもとを訪ねました。綿引さんは創作活動のため2006年に亀岡市へ移住し、現在は地域で開催されるアートプロジェクトなどの企画に関わりながら、子どもを対象にした「こどもアトリエてくてく」という造形教室をされています。
建築士さんが作成した図面をもとに、大工さんには必要なところだけ入っていただき、なるべく自分たちの手で改修を進められています。作業日をオープンにされているので、ご興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。リノベーションの進行状況は、instagramにて更新されています!
お昼ごはんの前に、地元の新鮮な野菜や加工品が販売されている「なごみの里あさひ」を訪問しました。地元産のおいしい野菜が手に入るということで、観光客だけでなく地元の方も日常的に利用しています。この日は残念ながら完売となっていましたが、先輩移住者の宮前さんがつくるいちごも絶品なのだとか。
最後に、「かめおか霧の芸術祭(※1)」の拠点としてオープンした交流スペース「KIRI CAFE」を訪問しました。
(※1)かめおか霧の芸術祭・・・本市では、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックや京都スタジアムの完成に合わせ、文化芸術を通じて亀岡の魅力を発信していくとともに、新たな文化資源・観光資源の創出や地域活性化を図るため、「かめおか霧の芸術祭」を実施しています。晩秋にかけて亀岡市を包む「霧」を象徴に、市内一帯でアートを耕し、人と地域の魅力を育てる芸術祭です。(亀岡市HPより引用)
店内には、無農薬・無化学肥料で栽培されたオーガニックの野菜が販売されています。出品されている農家さんには移住された方も多く、それぞれがこだわりの野菜をつくっています。KIRI CAFEでは、「かめおか農マルシェ」や「KIRI2芸術大学」など、亀岡市周辺の農家さんと一緒に企画したイベントも開催されているので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
そのほかにも、みつろうでつくられた天然ラップ「aco wrap」や、亀岡市在住の漫画家・グレゴリ青山さんと市民がワークショップを通して作成した漫画本「ナマの亀岡」など、かめおか霧の芸術祭に関わる方々のプロダクトを手に取ることができます。参加されたみなさんも興味津々で、“亀岡あるある” が詰まった漫画本をさっそく購入されていました。
お昼ごはんは、店先に並んでいた春菊とピーナッツを使ったパスタと、小カブのスープをいただきました。野菜の味がしっかり感じられて、とてもおいしかったです!
最後に、参加されたみなさんから2日間の感想をいただきました。
・亀岡市を訪れるのははじめてでしたが、まちの雰囲気をたっぷり知れてよかったです!
・実際に移住された方の実体験が聞けて、とても参考になりました。
・古民家の改修やカフェの開業に興味があるので、また訪れてみたいです。
亀岡市では、今回のツアーのように市役所の職員さんが現地案内のコーディネートをしてくださいます。移住を考えはじめたばかりの方も、すでに候補地を考えている方も、現地を訪れたり、先輩移住者の体験談を聞いたりすることで、移住先での生活がイメージしやすくなると思います。「実際に地域を訪れてみたい!」というみなさんはぜひ一度、亀岡市に足を運んでみてはいかがでしょうか。
亀岡市への移住に関するお問い合わせ
亀岡市市長公室ふるさと創生課婚活・定住支援係
電話番号:0771-25-5060
FAX:0771-22-6372
HP:https://www.city.kameoka.kyoto.jp/kurashi/kurashi/ijyu.html
※本記事の写真は、亀岡市よりご提供いただきました。