京都移住計画での募集は終了いたしました
途上国の素材と職人の技術を活かし、モノづくりを通して世界の人たちとのつながりを広げるファッションブランド『株式会社マザーハウス(MOTHERHOUSE)』。
途上国から世界に通用するブランドをつくる。
この理念のもと、6カ国でつくられた商品を、日本をはじめとした4ヶ国で販売。国内外の店舗から、途上国の可能性や商品の魅力をお客様に届けています。
今回、新しい仲間を募集しているのが「京都三条寺町店」。世界中からお客様が訪れる、国内の直営店のなかでも世界とのつながりが強い店舗です。実際、どのような人たちが、どのような想いで働いているのか。今回、エリアマネージャー、店長、副店長の3名にお話をお聞きしました。
素材や人との出会いのなかで成長してきたブランド
2006年に創業したマザーハウス。代表兼チーフデザイナーの山口 絵理子(やまぐち・えりこ)さんが単身でバングラデシュを訪れたのがはじまりです。
現在、バングラデシュの特産品であるジュート(麻素材)を使ったバッグや革製品をはじめ、ネパール(ストール)、インド(洋服)、インドネシア・スリランカ・ミャンマー(ジュエリー)に自社工場・提携工房を構えながら、現地の職人がモノづくりを行なっています。
「マザーハウスは素材や人との出会いのなかで成長してきたブランド。代表の山口が各国を訪れ、素材と職人さんを探すところからモノづくりがはじまります。各国でパートナーとなる職人さんを見つけるとき、意識して見ているのはその人ならではの哲学があるかどうか。自分の国をよくしたい、この素材を世の中に広めたいといった想いを大切にしています」
マザーハウスの背景について、そう教えてくれたのは森 涼湖(もり・りょうこ)さん。近畿6店舗、中部1店舗、九州1店舗を統括する、西日本のエリアマネージャーです。
創業して14年目のマザーハウス。新しい生産国の立ち上げや国内外の店舗進出など、さまざまな展開を視野に入れています。今後、さらなるチャレンジを続けるためにも、まずは日本国内の基盤をしっかり整えなければいけません。
「現在、東日本エリアに20店舗、西日本エリアに8店舗を展開しています。世界に通用するブランドを目指すためには、足元である国内の基盤を固める必要がある。これからはもっと西日本エリアをはじめとした地方の可能性を見出していきます」
今回の採用活動は未来に向けた取り組みのひとつ。
マザーハウスの一員として、一緒にチャレンジをしてくれる仲間を求めています。
チャレンジを通じて自分の可能性を拡げる
今回募集しているのは販売スタッフ。経験は問いません。一般的に販売スタッフの役割は接客対応ですが、マザーハウスではそれに加え、途上国の可能性をお客様に届けるために、さまざまなチャレンジやアクションに取り組むのも大切なお仕事です。
「マザーハウスには会社としてのビジョンを、すべてのスタッフが描くように求められているんです。代表も副代表も描いているものはあると思うのですが、『それはみんなでつくるもの』と返される。一人ひとりが会社を通して実現したいことを考えて行動しています」
森さんもマザーハウスに入社してから、前例のないことに挑戦してきました。例えば、最初に配属された大阪・阿倍野での取り組み。1日15人ほどしか来店しない厳しい条件の店舗で、人気店と比べたとき、劣等感を感じてしまうこともあったそうです。それでも、森さんは諦めませんでした。
「本当にできることは何もないのかなと思ったんです。この場所だからこそ伝えられることがある。伝えないといけないことがあるはず。店長をはじめ、東京にある事務所のメンバーも巻き込みながらチャレンジを起こしていきました」
取り組んだのは周年記念のフライヤーづくり。自分の言葉で職人のストーリーを綴る『あべの店便り』を制作しました。結果、平均以上の成果を生み出し、店舗売上も昨年を超え続けたのだそうです。
「マザーハウスはチャレンジ次第で自分の可能性を拡げられる会社です。挑戦した上での失敗はむしろ大歓迎。店舗や途上国の可能性を広げるための取り組みが評価されます。『こんなことがしてみたい!』と声を挙げれば、店舗の販売スタッフをはじめとした仲間たちが応援してくれるんです」
もともと国際関係の仕事に興味があった森さん。「支援する側、支援される側の関係ではなく、途上国の人たちと対等な立場で関わり続けたいと思ってマザーハウスに入社しました」と当時を振り返ります。
森さんは入社して5年目。エリアマネージャーとなったいま、マザーハウスという会社についてどのように感じているのでしょうか。
「マザーハウスは、『途上国から』『世界に通用する』『ブランドをつくる』会社です。それぞれのビジョンに向き合い、それぞれの実現を目指しています。例えば、世界に通用するためには、ヨーロッパの人たちに受け入れられないといけない。そう実感した代表の山口がパリでのチャレンジを続けています。創業して14年目。とても難しい道ですが、同じ方向を見る仲間たちと一緒に、マザーハウスが目指す世界を実現していきたいですね」
店舗はお客様と途上国をつなげる場所
続いてお話をお聞きしたのは、佐々木 博國(ささき・ひろくに)さん。東京の二子玉川ライズ店、横浜元町店、大阪のなんばパークス店に異動し、京都三条寺町店の店長(店舗統括責任者)に選ばれました。
「京都三条寺町店は、たくさんの人たちが行き交う繁華街の路面に面した店舗です。全国のマザーハウス直営店のなかで最も店舗前の通行量・交通量が多く、2017年8月に開店して以来、世界中のお客様にお越しいただいています」
「いくつかの店舗を経験してきたからこそ実感しているのは、京都とマザーハウスは相性が良いということ。社会貢献に関心の強い人たちが集まり、そのような活動やビジネスをしている人たちを応援してくれる土壌があるんです」
実際、京都三条寺町店が開店する前から『ソーシャルポイントカード(購入金額が社会貢献事業に還元される独自のポイントサービス)』に登録しているお客様がたくさんいらっしゃったほか、京都市が主催する『これからの1000年を紡ぐ企業認定』にもマザーハウスが選ばれました。
「マザーハウスにとって、店舗はメディアのような場所。売上を支える重要な存在なのは間違いありませんが、それ以上に、途上国の可能性やモノづくりの背景を自分たちの言葉で伝える場所なんです」
「あくまでも主役は店頭に並んでいる商品たち。モノづくりを通じて途上国の可能性を届けるのがマザーハウスの揺るぎない想いです。理念や哲学も大事ですが、それよりも商品が持つ魅力をお客様に届けることに最大限の力を尽くす。オンラインストアでも同じような考え方が反映されています」
店舗はお客様と途上国をつなげる欠かせない存在。そのなかでも京都三条寺町店は、世界中の人たちが訪れ、常連のお客様も多く、地域とのつながりが育まれている。マザーハウスが考える店舗の役割を発揮しています。
自分と向き合い、自分で考えて行動する
佐々木さんは、どのような経緯でマザーハウスで働きはじめたのでしょうか。
前職は、今と異なる業界の大手証券会社。株や債券、投資信託の販売をする営業担当として7年半勤めたあとに転職を決意します。その理由は、マザーハウスのモノづくりや商品の届け方に魅力を感じたから。
「こだわりを持ってつくられた商品を、こだわりを持って販売している会社で働きたい。そのなかで、自分が培ってきたモノの売り方や伝え方を活かしていきたいと考えたとき、マザーハウスがまさに求めていた会社だったんです」
京都三条寺町店がオープンすると同時に、店長に任命された佐々木さん。「店舗をひとつの中小企業、店長を経営者」と考えるマザーハウスならではの価値観のもと、予算組みをはじめ、戦略立案やイベント企画など、大きな裁量を持って店舗運営に携わります。
「危機感を抱くことはありますが、逆に言えば、やりたいことをやらせてもらえる環境です。声を挙げれば全面的に応援してくれるし、店舗の顔として尊重してくれる。ある意味、マザーハウスの京都支社のような存在でもありますね」
例えば、大手百貨店に期間限定ショップをオープン。東京にある事務所のメンバーを巻き込みながら、京都エリア限定の商品も用意しました。その他、中学校や高校を訪問して国際協力や持続可能な社会などについて伝える『ソーシャルアクション』にも取り組んでいます。
京都三条寺町店の店長に任命されて2年目。マザーハウスに入社してから数えると4年目になります。今回、新しい仲間を迎えるにあたって、佐々木さんはどのような人と一緒に働きたいですか?
「接客の経験はなくても大丈夫。僕も畑違いの営業職からの転職ですし、マザーハウスには接客未経験で入社する人が多いんです。逆に求められるのは、自分で考えて行動すること。すぐに答えを求めるのではなく、『接客が上手くできなかった、なぜだろう?』と考えてみる。日々の仕事だけでなく、自分らしい生き方や働き方と向き合う時間が増えると思います」
ちゃんとついていけるかな?
そんな不安を抱くかもしれませんが、最初から上手くいかないのは当然です。「失敗を好機に、少しずつレベルアップしていきましょう」と佐々木さん。自分で考える習慣は必要ですが、同じ道を辿ってきた心強い先輩たちがいます。
「仕事のモチベーションはもちろん、一人ひとりの体調も含めて、スタッフが働きやすい環境を整えることが店長の一番の役割だと思っています。個々人の興味関心や目指している目標に目を向けて、120%の力を発揮できるようにサポートしていきますよ」
商品の背景にある物語を届ける
実際、店舗ではどのようなお仕事をするのでしょうか。最後にお話をお聞きしたのは、副店長の兼古 詩織(かねこ・しおり)さんです。
マザーハウスのお客様の特徴は大きく3つに分けられます。6割は「マザーハウスを知らずに、お店の前を偶然通りかかったお客様」、3割は「購入したことのあるリピーターのお客様」、1割が「本やテレビを見たり、講演会に参加してマザーハウスをすでにご存知のお客様」です。
「まずはファッションを入口に商品の魅力を伝えながら、会話のなかでお客様の興味関心を探りつつ、求めている情報をお伝えするように心がけています」
また、欠品があったとしても、無理にほかの商品をおすすめしないのもマザーハウスならでは。職人の丁寧な手仕事でつくられていること、大量生産ではないことを伝えた上で、どうすればお客様が求める商品を手に入れられるかを考えます。
「マザーハウスのスタッフは『ストーリーテラー』と呼ばれているんです。世界6カ国でつくられる商品には、たくさんの職人さんたちの、たくさんの想いが込められています。その背景にある物語を届けることが、私たちの大切な役割です」
兼古さんがマザーハウスに入社したのは、『ストーリーテラー』という職種名がきっかけ。前職は大手自動車メーカーの事務職。世界中の人たちとつながり、目の前のお客様に商品の魅力や途上国の可能性を伝えられる仕事に心惹かれました。
「もともと『世界各国の文化や価値観が共生できる社会をつくりたい』という夢を抱いていたなかで、いろんな途上国の、いろんな素材や技術を活かしてモノづくりをするマザーハウスの哲学に共感しました。そのなかでも『ストーリーテラー』の役職がぴったりとはまって。自分のやりたいことに一番近いと感じたんです」
入社して1年半。印象に残っているのは、毎年開催されるお客様とマザーハウスが交流するイベント『サンクスイベント』をつくるメンバーに参加したこと。兼古さんにとって大きなチャレンジとなる取り組みでした。
「マザーハウスが主催する企画のなかでも規模の大きいイベント。前年を上回る内容を考えるのは大変でしたが、開催当日、私の抱いていた夢が、まさに目の前で実現されたんです。お客様と途上国の職人が笑顔で話したり、異なる国の職人さん同士が握手をしている瞬間を見たり。国境や立場を超えて、みんながマザーハウスというひとつの輪でつながっていると実感できました」
自分が起こす小さなきっかけが、世界を変える大きな力になる。毎日の仕事にやりがいを感じている兼古さんですが、入社当初は慣れない環境に戸惑ったと振り返ります。
「入社して間もない頃は、『どうしたい?何がしたい?』と自分の意見を求められる環境に戸惑いました。前職はどちらかというと、上司に指示されたことに対して最大限応えるという仕事の進め方だったので」
どのように乗り越えてきたんですか?
「自分で乗り越えたというよりかは、会社や仲間に成長させてもらったと感じています。最初は『自分の意見が合っているのかな?』とビクビクしていました(笑)。でも、マザーハウスはどんな意見をいっても絶対に否定されない。一人ひとりがどんな考え方を持っているのかを尊重してくれるんです」
「マザーハウスはみんなで大きな目標に向かって進んでいます。それを、私たちは『舟を漕ぐ』と表現しているんですね。生産国の職人さん、国内外の店舗や事務所の仲間、お客様も含めて、みんなでオールを持って進んでいる。それぞれの力がつながって、マザーハウスというブランドをつくっています」
マザーハウスは、いろんな人たちの、いくつものチャレンジのなかでつくられてきた会社。今回、お話をお聞きした3人も、一人ひとりが夢を抱き、理念や哲学に想いを乗せて、実現に向けたアクションを起こしていました。
代表の山口さんが途上国を訪れ、人と素材に光をあてることからはじまった物語。今では世界各国に店舗を持ち、ビジョンに共感した仲間たちが集まり、自分ならではの目標や情熱を持ちながら働いていています。一人ひとりの夢を叶えることが、会社の実現したい未来にもつながっている。価値観の多様性や仲間の想いを尊重する、マザーハウスならではだと感じました。
途上国から世界に通用するブランドをつくる。
マザーハウスが目指す未来に、あなたなら、どのような夢をかさねますか?
お知らせ
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執筆:山本 英貴
編集:北川 由依
撮影:もろこし
京都移住計画での募集は終了いたしました