「移住には仕事や住まい、お金の面もなかなか勇気がいる。数か月、試しで暮らしてみることが出来たら…」イベント時にもそんな声も何度かいただくようになりましたが、なかなかその場を提供できずにいました。

そこで今回、京都らしさのある素敵な住まいを2ヶ月間お貸しする募集を始めます。しかも、移住希望者にも人気の高い伝統工芸に関わるお仕事付き。若干のお仕事をお手伝いいただく分、お得に住むことができます。

場所は左京区岩倉。市内中心部からは車で30分ほどの山間にある非常に静かな環境です。

ここで仕事をされているのが、伝統工芸を世界にPRする仕事をされている松山幸子さん。東京から移住され、monomoというブランドを昨年1月に立ち上げられました。

monomoは、伝統工芸品を始めとする手しごとの裏側のストーリーを世界に発信し、愛着をもって使っていただくことをミッションとする会社です。通販事業やイベントにて海外の方と伝統工芸品との接点を作る一方で、海外のクリエイターとのコラボレーションもサポートしています。

松山さんは、生まれは神奈川県ですが、大学は4年間京都。その後、カナダへ留学し、現地ではwebデザイナーとしてキャリアをスタートさせました。日本に帰ってきてからは、ITベンチャーの会社員や老舗翻訳会社の事業開発を経て、2013年の7月に京都に越してきました。

そもそも、なぜ伝統工芸を伝える仕事で起業しようと思ったのでしょうか。

「留学中、何気なく日本の器を両手で持ってお茶を飲んでいたら、それを見た友人が『その仕草がすごく日本人っぽい』って言ったんです。その時は深く考えなかったのですが、振り返ってみると、その出来事が『何が私を日本人にしているのか』を考えるきっかけになりました。その後も、日本の手しごとには日本人が大事にしてきた世界観や美意識が詰まってる、と気づく経験が何度かあって、だんだんと関心が膨らんできました。一方で、日本と海外をつなぐ仕事をしたいなとはずっと思っていましたね。」

日本の心を伝え、暮らし方を提案することで、物が愛着を持って使われていく。それを松山さん自身が今まで培ってきた販促の仕事、webデザインや英語のスキルを活かしてできたのがmonomoの現在形といえます。

そして今回、松山さんがお仕事で数か月京都を離れるため、このお宅を移住者に住んでもらってはどうか。というご提案をいただいたのです。

このお宅は、大変広い敷地のなかに大家さんが住む母屋と松山さんの住む離れがあり、お庭は共有しています。住まいの素敵さは写真をご覧いただければ伝わるかと思いますが、和室の中にお花や調度品で彩られ、松山さんの感性でグッと現代的に工夫された暮らしぶりです。

当然ながら普通の家より大家さんとの距離は近く、松山さんを娘のように思っているそうで、互いに気遣いながらも入り込みすぎない関係が、見ていてとても心地よかったです。

今回の応募、松山さんにどんな希望があるか、お伺いしてみました。
―どんな方がここの暮らしに向いていると思いますか？

「岩倉はご近所付き合いが盛んな方だと思うので、まずはきちんとお礼と挨拶ができる人。私もここに住んで丸2年になるんですが、はじめ、京都での生活は身構えていました。ある程度ゆったりと、人のご厚意はご厚意としていただいて感謝できる方のほうが合っていますかね。今回入居してくださる方が決まれば、できれば私も一緒にお世話になっているご近所さんに挨拶に行けたらなと思っています。」

では、お仕事をお任せする方としては、どんな人を求めていますか？

「仕事内容を挙げると雑用のようになってしまうのですが、最低限のお仕事をするというよりも、私が不在の状況でも安心して仕事を預けられる番頭さん的な立ち位置の方が理想です。monomoの事業自体に関心を御持ちいただけて、当事者意識があればあるほど嬉しいですし、今回のお仕事がご自身にとってよいステップとなるよう使ってもらいたいです。今までmonomoとして私一人でやってきたことと、デザインワークやマーケティングなど、私のできることと重なる部分があれば、ぜひぜひチャレンジしてもらいたいですね。たとえば『こんなイベントを企画したらどうか』とか『Webにはこういうコンテンツがあったらいいのではないか』などmonomoの魅力を理解して提案してもらえるような間柄になれば、今回限りでなく引き続きお仕事をお願いする可能性もあります。」

そんな、建物に住んでみたいというだけではなく、松山さんという人柄やmonomoのお仕事にも興味があるという方、ご応募お待ちしています。

ご応募は こちら より送信ください。