2019.06.21

熱風焙煎機で焙煎した薫り高いスペシャルティコーヒーをお届け京都三条会商店街の『珈琲工房てらまち』

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京都の日常を彩る食を訪ねる「食を巡る」シリーズ。京都らしい食べ物や飲み物、京都移住計画メンバーのお気に入りの一品をご紹介する連載コラム記事です。食べることは生きること、京都での暮らしに彩りを与える物語をお届けします。

食を巡る第2弾は、京都三条会商店街の中ほどに店を構える『珈琲工房てらまち』。京都人なら誰もが気になる「寺町通から離れたところにあるのに、なぜ店名がてらまちなの?」という疑問もばっちり解決!自家焙煎の豆や手作りケーキも販売しているお店でお話を聞いてきました。

珈琲工房てらまちは、寺町靖之さん、奥さんの津也さん、娘さんの美津子さんの3人で切り盛りしています。皆さん珈琲も淹れるし、料理も作るし、ケーキも作るしのオールラウンダーなのですが、強いていうと、靖之さんが珈琲、津也さんが料理、美津子さんがケーキ担当だそうです。(ちなみに桂方面にお住まいだそうで、皆さん原付で通っているそう!)

あ、もう正解を披露しちゃいましたが、ご自身のお名前がお店の名前の由来です。

工房にしたのは、喫茶や珈琲豆だけじゃなく、珈琲の豆が入っていた麻袋を用いたかばんや帽子などの商品も販売したいとの思いから、ものづくりの場としてのアトリエという雰囲気を店名に示すため、珈琲工房にしたのだとか。

そもそも靖之さんが喫茶店を目指したいと思っていたのは中学時代までさかのぼり、中学校の卒業文集に「喫茶店をしたい」と書いていたそう!

その想いは強く、高校の商業科に進み、そのまま京都の老舗の珈琲会社に就職。企画課などで経験を積みながら独立志向も高まっていきました。

そんな中、現在もお店で使用されているロースターのテスト機に出会い、(ちなみに奥さんの津也さんとの出会いもその珈琲会社時代!)改めて焼き立ての珈琲のおいしさを知り、この味をみんなにも知ってほしいと思うようになり、会社を退職。白川にあった直営店で購入することに。

その後、現在の三条会商店街にて喫茶店をひらくことになりました。

築100年をこえる町家をお店に改装していて、店内はどこか懐かしい雰囲気を醸し出し、お客さんはご近所さんから海外旅行客までさまざまな方でにぎわっています。

そんな珈琲工房てらまちのオススメメニューは、ハウスブレンドと自家製のカフェシュークリーム。

シュークリームのカスタードクリームには珈琲を濃く抽出したものを使用しているそうです。

筆者はまだこのシュークリームを食べたことがないのですが、夏に販売されているシューアイスも絶品です(ティラミス好きすぎて毎回ティラミス頼んじゃいます。)

ハウスブレンドのおすすめの理由を聞いてみると、珈琲豆に関するストーリーをたくさんご紹介してもらって、筆者も興味津々すぎて聞き入っていたのですが、めちゃくちゃ長くなるので残念ながら割愛。(一番重要やんそこ!って突っ込まれそうですが。)

そんな肝心な珈琲の話は、ぜひお店で美味しい珈琲を飲みながら靖之さんに聞いてみてほしいです。

目の前にある珈琲の味わい方が変わるはず。

1つ特徴的なお話をご紹介しておくと、珈琲工房てらまちの焙煎機は、熱風式のものを用いています。直下式とは異なり、燻された香りが豆につかず、すっきりとした味わいになり、かつ豆が持つ本来の味や香りを楽しむことができるそうです。筆者の会社では珈琲工房てらまちの豆をはじめ、ほかの珈琲屋さんの豆も使って珈琲休憩をするのですが、お店をいわずとも一番人気なのは、この珈琲工房てらまちの豆なのです。

筆者の会社の人にはこの熱風式があってるのかな?

珈琲の消費量が全国1位というデータもある京都市には、ロースターやスタンドも増えつつあり、珈琲激戦区となっています。そんな状況に靖之さんは、「お客さんが恩恵を受けられるのが1番」だと考えているそうです。

「お客さんの目線に立てば、とてもいいことですよ。数ある中からお店を選ぶことができるし、近くに店があれば次の店に回れたりもする。また、お店自身が切磋琢磨し、レベルを上げておいしい珈琲を提供するよう努力する。コンビニの珈琲もその一躍を担っている。コンビニコーヒーも美味しいものもあるし、もっとゆっくり飲みたいと思えば、喫茶店に足を運んでみようと思ったり、そんな相乗効果もあります。京都の珈琲のレベルが全体的に上がっていくと思います」

靖之さんに今後の展望を聞いてみたところ、ケセラセラ」って笑いながらも、こんなこともおっしゃっていました。

「ちゃんとしたもんを提供していく。時代や嗜好は変化していくけど、お客さんに受け入れてもらえるよう、農園やその地域の想い・状況を、珈琲の価値を、商品に載せて伝えていきたい」

途中割愛してしまった珈琲の豆の話は、栽培地域によっては労働環境やチルドレンワークなどの、少し重たい問題も抱えています。

そういったことも含めて、「珈琲豆のストーリーをしっかりと伝えていくことが、珈琲を提供する側として必要だし、伝えていきたい」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。

美味しい珈琲と料理とケーキと、靖之さんの伝えてくれる珈琲の物語を、再びゆっくり味わいに訪れたいと思います。

『珈琲工房てらまち』
京都府京都市中京区上瓦町64-26
TEL:075-821-6323
営業時間:平日 9:00~20:00 土日祝 8:00~20:00
ウェブサイト:http://coffee-teramachi.ocnk.net/
Facebook:https://www.facebook.com/coffee.teramachi/

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