募集終了2020.12.21

クリエイティブの力で。だれかの「おいかぜ」になる

「だれかのおいかぜになる」。そんな理念を掲げる会社が、京都・西院にあります。

株式会社おいかぜは、Webサイトやグラフィックの制作をするプロダクション事業、サーバやネットワークの構築・運用・管理などを行うプラットフォームソリューション事業、この2つの事業を通して「おいかぜになる」ことを目指している会社です。

今後プロダクション事業をさらに強化するため、ディレクター、デザイナーとして加わるメンバーを募っています。

おいかぜになるために広がっていった事業領域

「おいかぜという社名は、けっこう宿命的だったと思っているんです」と語るのは、代表取締役の柴田一哉(しばたかずや)さんです。

おいかぜが設立されたのは2003年。もともとサーバエンジニアだった柴田さんが会社を立ち上げ、プラットフォームソリューション事業からスタートしました。

その後、事業は順調に成長。10周年を迎えた頃、おいかぜは新たにプロダクション事業を立ち上げます。

「社名にも掲げているように、色んなことでおいかぜになりたいと考えているんです。だからインフラしかできないのは、すごく限定的だと感じていて。Webサイトをつくることや何かをデザインすることでもおいかぜになりたいという思いから、プロダクション事業をはじめました」

おいかぜの仕事において、柴田さんが大切にしているのは「課題を解決する」こと。「お客さまの課題をどうやって解決するか。その手段として、デザインとエンジニアリングがある」と語ります。

「課題を解決しますっていう会社はたくさんあると思います。でも、実際に制作する段階では外注しているケースも多い。外部化したほうが効率は良いんですよね。でも僕はプロダクション事業を絶対になくさないし、むしろ大事にしたいんです。作り手の人が社内にいるかいないかで、会社の文化は全く違うと思いますね」

ディレクター、デザイナー、エンジニアが社内にいることで、コミュニケーションの機会が増え、お互いをより理解することができる。また、企画、デザイン、Webサイトの保守運用など、上流から下流まで一貫して行うことできる。それがおいかぜの大きな強みになっていると言います。

クライアントに伴走しながら課題解決を目指す

ここからは、柴田さんと共に営業を担当している近藤恵(こんどうめぐみ)さんにもお話に加わっていただきます。

おいかぜで主に上流の部分を担当している柴田さんと近藤さんは、どんなふうに仕事を進めているのでしょうか。

まずはヒアリングをするところから、お仕事ははじまります。いただいた課題に対して解決方法を探って行くのですが、時には違う部分で課題が出てくることもあります。その課題に対して、Webサイトを作ることがベストなのか、ブランディングが必要なのか、それともインフラ寄りの話なのか。私たちもお話してみないとわからないんですよね」(近藤さん)

「よくあるのは、Webサイトを作りたいんですって相談に来られるんだけど、お話を聞いてみたら『それってWebサイト必要ですか?』というケースですね」と柴田さんもつづけます。

「うちの会社としては、Webサイトを作ったほうが売り上げになるのかもしれない。でも本当に必要なものは何なのか、もっと手前のところからゆっくり伴走して、次の段階でWebサイトを作りましょうか、というお話になることもあります。そういう伴走の仕方が多いかもしれないですね」(近藤さん)

たとえば、メガネのレンズメーカーの事例では、Webサイトを作りたいという相談から始まり、やがてブランディングをメインとする仕事に変わっていったと言います。

「課題をじっくり聞いていくうちに、必要なのはWebサイトを作ることではなく、ブランディングだということがわかってきました。最終的には、新しいロゴを制作し、そのロゴを発表する社内イベントを実施するという、インナープロモーションの仕事に発展していきました」(柴田さん)

日本レンズさんで実施した、ロゴ発表イベントの様子。

「お客さまのオーダーの裏側に何があるのか、お話を聞いてみないとわかりません。どんな課題であってもトータルでサポートできる体制がある、それがおいかぜの特長だと思います」(柴田さん)

チームの力でクリエイティブを高めていく

つづいて、クリエイティブの現場を担う、デザイナーの山本容子(やまもとようこ)さん、ディレクターの樋口紗季(ひぐちさき)さんにもお話を伺います。

左:樋口さん、右:山本さん

一緒にプロジェクトに取り組むことが多いという山本さんと樋口さん。2人はおいかぜの自社プロジェクト「ワワワ」にも携わっています。

「ワワワ」は「こどものためのでざいんぷろじぇくと」を企画テーマとして、子ども向けのオリジナルプロダクトの制作・販売や、ワークショップの企画などを行っています。

「ワワワ」のプロダクト第1弾は「あいうえおはうす」。お風呂で使える合成紙のあいうえお表です。

「イラストを描ける機会があったらいいな」という山本さんの希望に、「クライアントワークという枠組みを外して、デザイナーが全力でアウトプットできる場を作りたい」と柴田さんが応える形で、このプロジェクトははじまりました。

プロダクト第2弾「やさいのきもちかるた」。環境負荷の小さい農業の普及に取り組む会社「坂ノ途中」との共同制作です。

山本さんがメインとなって進めていた「ワワワ」。かるたの制作を始めていた頃に樋口さんが入社し、プロジェクトに参加するようになりました。

このかるたは、「坂ノ途中」の代表である小野さんからお聞きした野菜のお話をもとに、札の内容を一つひとつ考えていったと言います。

「46文字あるので、なかなか大変で……。でもこの日までに作ろう!と期日を決めて、どんどん進めていきました」という樋口さんの言葉に、「まさにディレクターの仕事」と柴田さん。それまではディレクター不在で進行していたところに、樋口さんが入ったことでプロジェクトがぐっと進んだと言います。

ディレクターとデザイナーの関係性やそれぞれの役割とは、どんなものなのでしょうか。

「案件によっても違うのですが、私たちは企画の段階から一緒に取り組むことが多いです。アイディアを出し合って、そこからどうやって具体化するのか、2人で考えていきます」(樋口さん)

さらに制作を進める上でも、ディレクターとデザイナーの掛け合いはつづきます。

「たとえばWebサイトだったら、まずディレクターから設計図を渡されます。そこに自分なりのアイディアも加えつつ返して、どんどんブラッシュアップしながら完成に近づけていきます」(山本さん)

「いつも自分の提案を入れて返してくれます。私には思いつかなかった!というアイディアもあってありがたいですね」(樋口さん)

2人が初めて組んだクライアントワークでも、そんな一緒に作っていく関係性ができていたそうです。

山本さんと樋口さんが制作した「京都大学 森里海連環学教育研究ユニット」のパンフレット。

「森里と海と町は全部つながっていて、それぞれの場所で起こっていることは相互に関係しているという京都大学さんの研究を、森里海を描いた大きなイラストで表現しました。かなり緻密なイラストで、でも納期はタイトだったので、私も手を動かして。私、海塗ります!みたいな(笑)」(樋口さん)

「じゃあ私、山塗ります!みたいな(笑)」(山本さん)

まるで部活のようだったと笑う2人。息ぴったりの制作風景が目に浮かびます。

クリエイティブへの強いこだわりが原動力に

楽しそうに仕事について話す山本さんと樋口さん。働く上で、どんな時に喜びややりがいを感じているのでしょうか。

「ディレクターやエンジニアとやりとりしながら、頭に思い描いたものができあがっていく過程が楽しいです。納得いくものができたら、あとはディレクターがクライアントに上手に説明してくれる(笑)」(山本さん)

「あとは任せて!って言ってます(笑)。お客さまに提案した時、デザインにしたらこんな見え方になるんだ、Webサイトにしたらこんな考え方があるんだ、と今までとは違う新しい視点を持ってくださったと感じた時に、よし!やった!って思います」(樋口さん)

それでも、2人にとって100%満足できることはなかなかないようです。

「納品した後は、ここはもうちょっと直せたんじゃないか、今度はもっとこうしよう、と常に次のことを考えていますね。作ることに正解はないので」と樋口さんが言うと、山本さんも大きく頷きます。

2人のやわらかい雰囲気の奥に、クリエイティブへの強いこだわりや熱量が垣間見えます。

今回の取材に2人を選んだ理由は、クリエイティブの力が特に強いからだと柴田さんは語ります。

「課題をちゃんとクリエイティブに解決しようという意識が高い。今プロダクション事業では、そういう人を求めているんです。京都の地元企業は、自社の商品やサービスに対する思いが強いことが多いので、作り手もクリエイティブに対する思いが強いほうが、お客さまとの親和性が高いと思っています」

ゆるやかに拡大しつづけるコミュニティ

最後に改めて、おいかぜという会社について、柴田さんにお話を伺います。

おいかぜとはどんな会社で、今後どのような在り方を目指していくのでしょうか。

「地方の中小企業って、コミュニティに近いと思うんです。特に京都は、ご縁を大切にする方が多く、会社がコミュニティでいられる地域だと感じています。コミュニティというと、熱い思いを持ってみんなで頑張ろう!みたいなイメージを持たれるかもしれないですが、思いだけで進んでいくものではなくて。僕と社員の間に、仕組みや制度がうまく介在することで、良い距離感、良い関係性が築けると思っているんです」

たとえば、社員がそれぞれの事情で困ったり悩んだりした時、親身になって声をかけるだけではなく、制度・仕組み・環境を整えることで支えたいと、柴田さんは考えています。

「仕組みや制度、そういう具体的でフェアなロジックで解決しようとするのは、とても父性的ですよね。会社には母性と父性、両方が必要です。会社全体は母性的な気持ちで包みながらも、父性的な仕組みや制度でみんなのおいかぜになりたいと考えています」

柴田さんが父性的だと語る、おいかぜの仕組みや制度には、様々なものがあります。たとえば、リモートワークの制度。おいかぜでは、「1=リモートワークなし」から「5=フルリモート」までの5段階から、各自が選べるようにしています。

営業担当の近藤さんは、小さいお子さんがいるため「3=週1回リモート」を選択しています。

「子どもの病気など、突発的な何かがあった時にリモートワークを使えるようにしています。仕事を休むほどではないけど出社は難しい時に、気軽に使えるので助かっています」(近藤さん)

個人の事情に合わせて、会社指示でのリモートワークも可能としています。まもなく産休に入るディレクターの樋口さんは、体調に応じて一時的にリモートに切り替えていたと言います。

「つわりがひどい時期は、在宅勤務にしていました。体調が悪い時には積極的にリモートワークを利用するよう、会社からも勧めていただけたので助かりました」(樋口さん)

また、新型コロナウイルス感染症の状況によっては、全社的にフルリモートに。以前から社員全員にノートパソコンを支給していたため、リモートへの切り替えはスムーズだったそうです。

ノートパソコンを使用し、社内はフリーアドレスに。プロジェクト単位で座るなど、柴田さんも含めた全員が自由に席を選んでいます。

シフト制を導入しているため、いつ休みを取るかは自由。月9日の休日を、前月末までに申請します。仕事の状況や個人の予定に合わせ、土日に働いて平日に休みを取るケースもよくあるそうです。

他にも、おいかぜスタッフとゲストがみんなでごはんを食べるイベント「oikazeごはん」、全スタッフが集まる会議「ほうれんそう全社会議」など、おいかぜならではの取り組みがたくさんあります。

8年間企画し開催しつづけた「oikazeごはん」(新型コロナウイルス感染症対策のため、現在は休止中)
現在はYouTube Liveで配信するスタイルで継続中。スタッフは自宅からでも参加できます。

こういった仕組みや制度、取り組みを通して、一緒に働く人たちを支えるための努力や投資を惜しまないという会社の姿勢が伝わってきます。

最後に柴田さんは、これからのおいかぜについて、こんなふうに語ってくれました。

「会社はコミュニティであり、みんなが生きていくために集まるための場所、つまり社会資本的な役割があると思っています。だから、会社を大きくするよりも強くしたい。その思いは今後もずっと変わりません。ただ成長することを目指すのではなく、様々なことを寛容し受け入れられる強さを持つコミュニティとして、ゆるやかに変わりつづけ、ゆるやかに拡大しつづけていくことを目指したいと思います」

父性と母性。やわらかさと力強さ。おいかぜという会社には、そんな両面を兼ね備えたしなやかさを感じます。

そして何よりも、働く皆さんのほがらかさや心地よい空気感が、取材を通して終始伝わってきました。

おいかぜに惹かれ、一緒に働いてみたいと感じたなら、ぜひ彼らの仲間に加わって「だれかのおいかぜになる」ことを目指してみませんか。

執筆:藤原 朋
撮影:岡安いつ美

募集終了

オススメの記事

記事一覧へ