募集終了2022.07.11

未経験からつくるキャリアは自分次第。物件の魅力を最大化する「プロパティマネジメント」

役目を終えた京町家や古い物件に新しい命を吹き込み、人が集う施設に生まれ変わらせたり、シェアハウスやコレクティブハウスなど新しい住まいの形を提案するなど、京都のまちと暮らしに沿った物件を作り続けている株式会社八清。

前回は企画から売却まで一気通貫で担う「暮らし企画部」をご紹介しましたが、今回は物件の仲介・管理をメインで行う「プロパティマネジメント部(以下、PM部)」の募集を行います。この仕事では「どんな人がこの物件に住んだら楽しく暮らせるのか」「どんな商いが入ったらまちが面白くなるか」など、まちや人を中心に置いて考えることが大切なことだと代表の西村直己さんは話します。

会社の成り立ちについては以前ご紹介した記事をご覧いただき、今回は西村さんとPM部の3人のメンバーの話から、プロパティマネジメント部が担う役割、そして未経験からどのようにスキルを身につけていったのかなどをお聞きしました。

「プロパティマネジメント」から「アセットマネジメント」へ

今回同時に募集する「暮らし企画部」の記事で、新たな資産運用として「京都の古民家」が注目されていることに触れ、会社の新たな基盤の一つとして、投資に活用される物件にも対応していきたいと話してくださった西村さん。物件の仕入れから、物件の用途に合わせた改修などは暮らし企画部で担いますが、その先は、今回募集するPM部の仕事。

「家を買うことがマストではなくなってきている時代なので、資産として物件を購入されたお客様の中には、ストック型収入を得るための賃貸物件として活用したいという方もいます。賃貸物件として活用することになった場合は、PM部へお客様を引継ぎ、対応をします」

PM部では、投資目的の物件以外にも、自社物件、オーナーから管理を委託された物件など、様々な物件の仲介・管理を担当します。目指すのは、貸し手、借り手、そして京都のまちにとって価値のある物件であること。その価値を仲介・管理の面から最大化させるのが、PM部の役割です。

今後は、PM部からアセットマネジメント(投資家から委託を受けて運用管理する役割)も担える人材も育てていきたいとのこと。

「プロパティマネジメントで賃貸の物件の管理を学ぶことで、複数の投資用物件を管理し、活用法まで相談できるような道筋をつくりたいんですね。将来的には、賃貸を学んで、アセットマネジメントに関わるという社内で新しいキャリアの流れをつくれたらと考えています」

「八清ならでは」の賃貸管理の面白さ

現在、PM部でサブリーダーを務めるのは、高橋宏太(こうた)さん。まずは、仕事内容や、PM部が会社で担う役割について詳しくお聞きしました。

「メインは、物件の借り手を探す仲介業務、物件の管理です。仲介をする際は、まず貸し手になるオーナーとしっかりコミュニケーションをとり、表層的な希望ではなく、どんな目的をもって物件を活用したいかなど、真意をしっかりと聞き出すことが大切です。その上で建物の状況などをふまえて、こちらの意見をお伝えします」

八清では、オーナーのことを「お客さま」というよりも共に物件を運用するパートナーだと考えており、お客様が物件を大切に思う気持ちをサポートするというスタンス。それはこの先、お客様と長い時間を共にするための秘訣でもあります。

「目先の収益を考えれば、自分の思っていることをねじ曲げてでも、契約をとればいい。でも結果的に、物件、オーナー、八清それぞれにとって不幸な未来になってしまうこともあり得ます。賃貸管理は刹那的な付き合いではないからこそ、お客様の目指す姿を最初に共有できるかどうかを重要視しています」

オーナーから引き受けた物件や、八清が手掛けた物件の借り手を探し、管理するのもPM部の仕事です。古民家や古い建物をリノベーションした物件を扱うため、雨漏りや建具の不具合が起こることも。業者を手配して修繕することもありますが、自分たちで修理することも多いそうです。

京町家を改装して作られた「コワーキング∞ラボ京創舎」

「自分たちの手で修繕することで、どこに不具合が起きているか、何が原因なのか、どうすれば直るのか、自分の手でやりながら知識がついていく。八清のPM部ならではかもしれません」

古い建築物に対する知識や経験が少ない業者の中には、古ければ古いほど価値がないとみなしてしまうケースもあります。そうした理由から「やはり八清にお願いしたい」と依頼が来るケースも多いそう。

「『八清さんは、どんなに古くても建物の良さを見つけてくれて、どういうふうに改装したら活用できるかを提案してくれる』とオーナーさんにほめていただいたことがあります。そう思っていただけるほど、八清は社員みんなが愛情をもって物件に向き合っているのだと思います」

「まちに必要とされる物件」を探究し続ける

高橋さん自身も、入社直後からコワーキングスペースの企画・運営、物件のリノベーションから売却までを任され、その中で多くの知識を身に付けることができたそう。以前は地元静岡でまちづくりに関わる仕事に就いていたため、入社後は不動産や建築の知識もほとんどなく、手探りの状態で仕事に挑む日々だったと振り返ります。

「ボロボロな町家をどう改装するかと思い悩みながら、設計、内装…と進めていくのは大変でしたが、おもしろかったですね。設計士さんに相談しながら、現場で大工さんに怒られながら、なんとか完成までたどり着くことができました。さらにコワーキングの賃貸、管理、コミュニティ設計まですべて自分で担当したことで、その後の仕事につながる多くの知識を身に着けることができました」

高橋さんが担当した「コワーキングスペース京創舎」の館内

八清で扱う物件はかなり古い町家や中古物件も多いため、どんな構造になっているか、建物の状態や排水は問題ないかなど、リノベーション に関する知識も必要となります。

「現場に何度も足を運んで職人さんが施工するのを見たり、疑問に感じたことを設計士に質問したりするなど、自分で情報を取りに行くことで学べることも多いです。『こういうものを作ってみたい』とイメージが湧いてこない時は、巷ではどういう物件が人気なのか情報収集したり、会社で手掛けている他の物件に度々足を運んで、デザインや知識を養いました」

自分から積極的に情報収集するなど、「自分でとりあえずやってみよう」とする姿勢が大切。

「八清は、基本的にやりたいことに関わることができる環境ですが、中でもPM部は特殊な部署になっていて、建築、賃貸、売買、企画提案など不動産に関わることは、トータルでできるようになりましょうという考えがあるんです。PM部はチームで動くこともありますが、基本的には一人で物件を担当するため、自ら判断して行動します。そのため、細やかなサポートを求める人だと難しいかもしれません。最初から人に任せずに、まずは自分でやってみようとすることで、覚えていく。興味をもって見たり、聞いたりできることで成長するスピードも早いと思いますよ」

それと、「個人的には」と前置きして、「不動産やリノベーションだけじゃなく、 まちに関わることに興味がある人だとよりいいかな」と高橋さん。

「『このエリアに、こんな建物が、こんなお店があったらいいよね』と、不動産を点でみるのではなく、まちを面で見ることが、とても大事な視点だと思っていて。物件をつくったり、貸したり、そのときだけでなく、10年後にそのまちに馴染み、どのようにまちが営まれているかを考える。長期的に物件と関わることで、『まちや人にとって必要なのはどんな場なのだろう』と探究しつづけられるのが、PM部の面白いところですね」

入居後もつづく関係性づくり

続いてお話を伺ったのが、入社4年目の小山由美さん。前職は造園会社で働いていたそうで、「今日の午前中も汗だくになりながら、植栽の剪定をやってきたんですよ」とのこと。小山さんは前職の経験から、新しい物件の植栽の選定や、木や植物の剪定や管理を任されることもあるそうです。

八清へ転職した理由は、「空間やまちづくりに対して、幅広く携わりたい」という心境の変化から。

「今度は施工者側ではなくて、全体をプロデュースできる立場に立ちたいと思ったんですね。そこで庭だけではなく、建築もファイナンスも含め、総合的に空間に対して関われる不動産がいいなと。そのときに、タイミングよく八清の募集があって、今までの経験も活かせそうだし、古い物件を活用するところも魅力を感じて応募しました」

とはいえ、これまでに経験がない仲介や物件の管理の仕事。「大変なことも多かったのでは」と尋ねると、「意外にも私の性に合っていたみたいです」と、小山さん。

「仲介の仕事は、オーナーさんと入居者さんの間に立ってやりとりをすること。初めはそれぞれの意見をそのまま相手に伝えていたんですが、双方の板挟みになって、うまくいかなかったんです。そこで『こういう言い方だと、相手はこう思うかもしれません』と言葉を調整をして、コミュニケーションがスムーズいくような伝え方を心がけています」

こうした積み重ねから、小山さんに任されたのが、新しいコレクティブハウスの「coco camo(ここかも)」のコミュニティデザイン。この物件にどんな人が集い、コミュニティを作っていくのかをデザインし、サポートする仕事です。入居前にどんな暮らしができるのかを想起できるような情報発信を行ったり、イベントを行ったりすることで、入居前から入居希望者同士が交流できる機会を創出しました。

小山さんがコミュニティづくりを担ったコレクティブハウス「coco camo​​」

「Webやイベントを通して『入居者同士のつながりを重視した物件です』とアピールしてきたので、現在の入居者さん同士の交流が生まれ、良い関係性が育まれているようです。『とても住み心地いいです!』と言ってくださるので、頑張った甲斐がありましたね」

こうした入居者を募るための広報業務や、イベントの企画・実行も大切な仕事のうち。

「入居者が入りづらい物件があれば、Webの担当者と話して、アピールすることも。その物件に対してどうするかは自分次第なんですよね。広報的なアプローチをしてもいいし、自分で物件に合う人を見つけてきてマッチングしてもいい。そこも自由度が高いですね」

例えば自分の扱う物件にテナントを募集する際、「このエリアには、こんなお店があったらいいな」と考えがあれば、自ら声をかけて誘致することもあるのだそう。入社して4年、小山さんはPM部の仕事にとてもやりがいを感じていると言います。

笑顔で物件を紹介する小山さん

「長年空き家だった場所の活用を相談いただき、その結果、おしゃれなカフェやシェアハウスになった姿を見て、この仕事をやっていて良かったなって思いますね。物件に対しての価値を高められたと思うし、オーナーさんが喜んでくれるのは嬉しいことですね」

町家を利用した物件や、コレクティブハウス、コワーキングスペースなどユニークな物件を多く生み出す八清。小山さんは、八清を「面白いことをやろうという志のある会社」だと言います。

「物件に入居した後のコミュニティづくりであったり、ソフト面も考慮した物件づくりはやはり八清の強みだと思います。​​​​coco camoは、新築の建物ですけど、「京都の路地裏コミュニティ」を参考にしながら、「昔ながらの人付き合い」を現代に活かすことをコンセプトにしていました。京都らしさを生かしながらも、新しいものをつくっていこうとするのが、八清ならではだと思います」

事務からのキャリアチェンジ

最後にお話を伺ったのは、PM部に配属になって3年目の辻さん。実はサービスマネジメント部に所属していたときにも、取材を受けていただいています。2020年6月から、PM部に異動になりました。以前からインテリアに興味があり、いつかは家をプロデュースする仕事についてみたいと思っていたそう。

最初は、八清が所有するマンションの賃貸管理から仕事をスタート。お客様からの問い合わせ対応や現地案内、契約に加え、入居されている方へのフォローも行います。

「サービスマネジメント部では、担当につなぐまでが仕事だったので余裕を持って対応できていましたが、PM部になってからは自分が責任者としてお叱りを受けることもあり、担当の大変さをしっかり味わっています」

建物の補修対応も仕事のうち。辻さんはどのように、建物に対する技術やスキルを習得していったのでしょうか。

「協力業者に同行し、何が問題なのかどう改善するかを確認して、次回からは自分で作業できるようにしていましたね。また、アフターメンテナンスを行う建築ディレクション部にアドバイスをもらったり、YouTubeでも知識を学んだり。ちょっとずつスキルを身につけています」

入居者が少ない物件を見直し、立地条件や入居者を想定した上で建物の間取りを変えたり、「16LDK」というコレクティブハウスの家具の選定などを担当している辻さん。

「今は自社の物件の改装に関わり、そこに住む人を想像しながらインテリアや内装のアイデアを考えることが一番楽しいです。この後は、大人の一人暮らしをテーマにしたような物件を作ってみたいですね」

辻さんがインテリアを手掛けたコレクティブハウス「SHARE 16LDK

PM部では3年目ですが、入社して8年のキャリアを持つ辻さん。この8年で変化したことを聞くと、とても働きやすい環境になったとのこと。「以前はフロア自体が静かで、フロアに緊張感が漂っていました。最近では会社が『フラット・フランク・フレンドリー』を掲げている影響もあって風通しがいいというか、要望を伝えやすくなりました。男女問わず育休をとったり、時短勤務ができるので、とても居心地が良い環境だと感じています」

PM部でも、夕方ぐらいに営業から帰ると、事務作業をしながらみんなで進捗を共有するなど、コミュニケーションはとりやすい間柄なのだそう。

「プロパティマネジメント部は不動産や建築の未経験者が多いので、全員で情報を共有して、経験値を高めようとする意識が高いんだと思います。私もわからないことは、その場でアドバイスや意見をもらっています」

PM部に限ったことではありませんが、自分で動いて情報をとり、スキルを身に着ける。これが八清らしい働き方なのだと思います。自分で手を伸ばせば、どんなキャリアにも挑戦できる。そう思うとワクワクしてきますね。

基本は賃貸仲介、賃貸管理の仕事ではありますが、同じプロパティマネジメント部でも、仕事の幅は広く、3者3様の働き方があります。物件のオーナーや入居者や、施工現場など、人との関わりも多く初めは緊張する場面も多いかもしれませんが「まずはやってみよう」と行動できる力があれば、成長できる仕事なのではないでしょうか。

PM部の皆さんの働き方や仕事への思いを読んで興味を持ったなら、やってみたいことが思い浮かんだなら、ぜひ迷わず飛び込んでみてください。自分のアイデアと行動力があれば、たくさんの挑戦ができる仕事になるはずです。

編集:北川由依
執筆:ミカミユカリ
撮影:橋野 貴洋

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