あなたの「やってみたい」を応援。 想いを形にする、オープンイノベーションカフェ「KOIN」

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京都のおもしろい場所を訪ねる「場を巡る」シリーズ。人が集いハブとなるような場や京都移住計画メンバーがよく立ち寄る場をご紹介する連載コラム記事です。一つの場から生まれるさまざまな物語をお届けします。

「時代をつくる出会いを。」をコンセプトとし、四条烏丸の京都経済センター3階に場を構えるオープンイノベーションカフェ「KOIN(Kyoto Open Innovation Network)」。京都府、京都市、および京都の産業界により設立された「一般社団法人京都知恵産業創造の森」が運営を行っています。今回は運営メンバーの柳井(やない)秀哉さん、楢舘(ならだて)孝洋さん、生田優里佳さんに、オープンから1年経った今のKOINが目指す場の在り方や、取り組みについてお伺いしました。

(左から生田さん、柳井さん、楢舘さん)

手探りで始めたKOINの場づくり

柳井さんは京都信用金庫、楢舘さんは京都商工会議所、生田さんは京都市役所と、それぞれ異なる団体に所属している運営メンバー。KOINには出向という形で関わっています。それまでは場づくりを経験したことはなく、最初はまさに手探りの状態から運営をスタートしたそうです。

楢舘:KOINが目指すのは、人と人が垣根を超えてつながり、価値を創造していく「クロスバリュークリエーション」を生みだす場。この場を通して、人と人がつながり、新しい価値を作っていきたいねという話からはじまりました。

柳井:スタート期は外部コンサルの方にレクチャーいただいたことを基に運営していたんですが、徐々に自分たちの好きなこと、興味を持っていることからイベントを企画したり、各自の得意分野を活かしたりしながら取り組みを広げていきました。行政機関が主体のセミナーは「入りづらい」と感じている人も多いため、どなたでも参加しやすいイベントやセミナーになるように心がけました。

場に足を運ぶきっかけづくり

外部で行われるセミナーに参加し面白いと思えたセミナーを誘致したり、つながりを辿ってイベントを開催するなど、メンバーそれぞれが積極的に場を盛り上げるきっかけづくりに取り組んだそう。中でも現役学生起業家が学生や若者に実体験を伝える「学生ベンチャーミートアップ」は150名もの方から申し込みがあり、過去最大級のイベントとなりました。

生田:イベントに参加されたある学生さんから、「今度相談に来てもいいですか」と声をかけられました。聞くと、志なかばで起業をあきらめようとしていたとのこと。どんなイベントをするかということも大切ですが、新しくチャレンジすることを助けてくれる場所がある、気軽に相談できる場所があるとイベントやセミナーを通じて知っていただけるきっかけになればと思いました。

自分のやりたいことに気づき、行動できるきっかけをつくる。さらにKOINでは、その夢が現実となるようにサポートする体制も整っています。

生田:「自分の好きなことで仕事をつくりたい」、「お店をもってみたいけど、どうやったらいいんだろう」。そんな風に、考えがまとまっていなくても大丈夫です。KOINは、ふわっとした考えを実現に一歩でも近づくように計画まで落とし込む、その段階の支援をする場所。次のステップとして、同じビル内にある支援団体にお繋ぎすることもできます。相談から支援までのワンストップサービスが、KOINの最大の利点ですから。

ビル一体で目指すサポート体制

イベントやセミナーの参加者、コワーキングスペースとして場の利用など、KOINに訪れる人は次第に増加していきました。しかし起業などの相談に来た利用者が夢の実現に向けてサポートするためには、自分たちだけでなく同じビル内での連携が必須だと、運営メンバーは考えています。

生田:京都経済センターには京都の約50もの団体が入り、京都の知恵と技術を1つに結集しようという目的で作られました。でもそれぞれが各事務所にこもりきりだと、連携は生まれません。私たちから利用者を紹介したくても、紹介先の団体と接点がなければ意味をなさないなと思ったんです。

柳井:そこで入居団体同士の交流会や、各団体の若手を集めてミーティングを行うなど、ビル内で交流が生まれる機会を設けました。今年度は各団体の連携をより促進するコミュニティビルディングに取り組んでいきます。

取り組みが実を結び、大学生の起業支援に繋がったケースもあります。

柳井:笠置町で起業したいという学生さんのサポートにあたった時に、起業に関する補助金の相談を「京都府中小企業応援センター」さんにも関わっていただくことができました。その後、実際に起業され、今ではうちの「学生ベンチャーミートアップ」にも登壇してもらうなど活躍の場を広げていらっしゃいます。

人と人をつなぐ場、KOIN

オープンイノベーションカフェとしての場づくり、そして入居団体との連携と、KOINに求められる役割の両輪を回しながら、駆け抜けたおよそ1年の月日。この場所にどんな変化がもたらされたのでしょうか。

生田:最初はスーツの40~50代男性の利用が多かったのですが、今は30代を中心に学生さんやフリーランスの方など多様な方が増えていますね。最初は無料で使える作業スペースという認識の方も多かったように思いますが、最近は「友達から面白い人に会えるって聞きました」とか、「起業を迷っていたら、勧められました」などのうれしい声を聞かせてもらっています。

楢舘:起業に関する相談も増えてきています。先日もペット関連の事業を立ち上げたいと相談にきてくれた学生さんを、ペット事業を営むKOINの利用者さんにお繋ぎすることができました。また、その利用者さんも新規事業のトライアル受入先を探されていましたので、会計士・税理士事務所を営む利用者さんをお繋ぎすることで、学生さんのアイデアを盛り込んだトライアル事業の実施を支援することができました。

「時代をつくる出会いを。」というコンセプト通り、KOINは利用者にとって新しく、充実した出会いが生まれる場に変化してきました。最後に、今後のさらなる目標をお聞きしました。

柳井:先ほどお伝えした、ビル内の連携を強化していきたいと考えています。入居団体がもっと、起業を目指す人や頑張ってる人と接点をもてる機会を作り、「オール京都」でサポートできるような体制をつくりたい。今年度は1階の大垣書店で「スタートアップマルシェ」を行う予定です。小さくお店を初めてみたい人に場を提供し、その人たちをここに入ってる支援団体がサポートする仕組みです。僕らだけじゃなくて、皆で支援できるようなマルシェをやろうと思っています。

生田:1つは、もっと女性にも気軽に利用できるような仕組みやコミュニティをつくることです。昨年末、女性限定でイベントを行なった際に、女性ならではの悩みを話し合える場が必要なんだなと感じました。2つ目は、KOINに「京都のコワーキングのハブ」としての役割をもたせたいと思っています。京都のコワーキングの情報発信する場として、イベントなどを通じてコワーキングを知ってもらう機会を増やしたり、コワーキング同士のネットワークを中立的につなげていきたいです。

楢舘:様々な利用者さんを知ることで、利用者同士の連携を促進していける、人と人をつないでいくという動きを中心に、この場を豊かなものにしていきたいですね。

人と人をつなぐ場、KOIN。ここにはまるで親鳥のような眼差しで利用者をサポートする運営メンバーの姿がありました。何かをはじめる時には、未来への希望もあるけど、同じぐらい大きな不安を感じることもあると思います。そんなときはぜひ、KOINを訪ねてみてください。あなたの「やってみたい」という言葉に真摯に向き合い、サポートしてくれる人たちが待っています。

※現在KOINは閉鎖中です。再開予定や実施されているオンラインセミナー情報はHPをご確認ください。

記事の作成に関わってくれたクリエイター

  • written & photo by
    ミカミ ユカリ

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