母の知恵が新たな道を照らした 薬膳が教えてくれる、私の身体との向き合い方

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京都のおもしろい人を訪ねる「人を巡る」シリーズ。京都に移住した人の体験談や京都の企業で働く人をご紹介する連載コラム記事です。移住するに至った苦労や決め手、京都の企業ならではの魅力など、ひとりの「人」が語る物語をお届けします。

第11弾にご登場いただくのは、薬膳家acoさんこと中西暁子さんです。岡山出身のacoさんは、大学進学を機に岡山から京都に移住します。今回は大好きだったアパレルの仕事から薬膳家へ転身した道のり、薬膳家として伝えていきたい想いなどを、acoさんの薬膳ドリンクを提供している「Community Store TO SEE」でお話を伺いました。

多忙で大切にできなかった自分の身体

ーーacoさんが、京都に住んだきっかけを教えてください。

大学に進学したことをきっかけに、実家の岡山を出て京都に住み始めました。大学では英語を専攻していたんですが、このまま語学に関わる仕事に就くべきか迷っていました。

ーーその後は何をされていたんですか。

学生時代からアパレルに関する仕事がやりたかったので、京都の小さな古着屋さんで働きはじめました。古着に関する知識が習得できたなと思ったタイミングで、関西に新規出店したばかりの大手セレクトショップに転職したんです。販売員としてキャリアを積んだ後、店舗のマネジメントを任されるようになりましたが、出張続きで体調を崩して、退職せざるを得ないぐらい状況になってしまって……。店舗やそこにいるスタッフさんたちのサポートをしたいという一心でがんばっていたんですが、自分を大事にできないと人のことも大事にできないんだな、ということに気づかされました。

アパレルから薬膳の道へ

ーー仕事を辞めた後はどうされたのでしょうか?

自分は何がしたいか、わからなくなっちゃって。その時、小学校の時の軽いアトピーを、母が桃の葉っぱの入浴剤で治してくれたことを思い出したんです。母は食べるものも使うものも、自然に近いもの、環境にやさしいものを選んでいました。それが嫌で、1人暮らしになってからはジャンクなものばっかり食べていたんですが、体調を崩してから母の築いてくれた生活のありがたみを知りました。

また、父が原因不明の体調不良に悩まされていたことも1つのきっかけになりました。ストレスや自律神経の乱れだと診断されましたが、なかなかよくならなくて。父をはじめとする周りの人たちをサポートするためにはどうしたらいいのだろう、それを仕事にするなら何があるだろうって考えるようになりました。ヒントになったのが、よしもとばななさんの「王国」という本。その主人公が薬草を扱う仕事なんですが、直感でこれだと気づいて。自然療法とか、東洋医学を勉強しようと決めました。


ーそこから薬膳の道へ進まれたんですね。

勉強していくうちに、体調不良にはきちんと原因があることを知りました。ついつい薬を飲んで片頭痛をおさえたり、身体のだるさをそのままにしてしまいがちですが、不調には原因がある。その原因を明らかにし、人それぞれの不調にアプローチできる。そもそも東洋医学は完治をめざすのではなく、不調は不調と認めて付き合ってバランスをとっていくという考え方なんです。その考え方を学び、身体の不調に悩む人に伝えていきたいと、薬膳のワークショップをスタートしました。

身体とバランスよく付き合うための薬膳

ー現在は薬膳家として、どのような活動をされているんですか?

京都の「アートホステルkumagusuku」で宿泊付きワークショップ「お泊まリトリート」を開催したり福島県の「くらしづくりベーグル」の薬膳ベーグルのレシピを監修したりしています。「Community Store TO SEE」では、薬膳をとりいれたオリジナルドリンクを提供しているんですよ。イベントで提供する際は、シートで身体の調子を自己診断してもらって、それに合うドリンクを選んでもらいます。


ー体調に合ったドリンクを飲めるのはうれしいですね!

体調を自分でチェックして「私の体って冷えてるんだ」とか、自分の身体について知ってもらえたら日々の意識が変わりますよね。意外と自分の体のことって気づきにくいんです。だからもっと薬膳を生活に取り入れていただきたいと、薬膳のブレンド茶を販売したいと考えています。以前の私のように自分の身体を省みる時間がない人にこそ、手軽に薬膳に触れる機会をもってほしいんです。

ーお話を聞いて、薬膳にとても興味がわいてきました。

私は父の不調をきっかけに、薬膳の道へ進みました。父は8年ほど不調を訴えていましたが、実はまだ治療法が確立していない難病だったことがやっと診断されたんです。どうやったら父の不調を緩和できるのだろうと薬膳を勉強したことが、今の基礎となっています。薬膳の道に導いてくれた父への想いを忘れずに、周りの人たちを大切にしていきたいです。

今後は、ワークショップやドリンクをきっかけに、自分の身体といいバランスで付き合っていける人をもっと増やしていきたいなって。そして同じような想いをされている方が必要なときに寄り添えるよう、もっと知識を深めてきたいと思います。

▼『HAHAHAUS(ハハハウス)Instagram

https://www.instagram.com/hahahaus_kyoto/

 

記事の作成に関わってくれたクリエイター

  • written & photo by
    ミカミ ユカリ

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