かもかもノート

季節の移ろいとともに

2025.01.23

ちょうど一年前、二十四節気に合わせたコラム連載「京都と暦と私」を開始した。

私は10年前、札幌から京都へ移住をした。夏は暑くて冬は寒い、季節ごとに大きく異なる気候だけではなく、1日の中での寒暖差にも驚いた。

慣れない気候と環境の変化で体調を崩したり、一年のペースを掴めずにいたりした頃、二十四節気の考え方を知った。日常の片隅に本を置き、今の季節は二十四節気でいうとなんだろう? と、比べるようになった。すると、ぴたりと京都の気候と二十四節気が重なった。

5月5日、春のふわふわとした気分が抜けないまま、ゴールデンウィークを楽しんでいる頃、水遊びができてしまいそうな暑さに驚くこともあったが、二十四節気を見ると「立夏」。「夏の始まり」であることがわかり、暑さを感じるのも悪くないと思えるようになった。

11月7日、薄い長袖を着て過ごしているけど、朝晩は冷え込むこともある。二十四節気では「立冬」。冬の兆しが見え始める頃。そうか、暦の上では冬が始まったんだと思うと、寒い冬に向かう億劫な気持ちがいくらか薄れ、前向きに受け入れられるようになった。

二十四節気を意識し出して、ますます京都の暮らしが楽しくなった。寺社仏閣の行事にも足を運ぶことが増えた。今、ここにしかない風景や出会いをより身体性を感じながら、楽しめるようになった気もする。

そんなところから着想を得て、連載「京都と暦と私」は始まった。一年間、さまざまな書き手が見つめてきた京都の暮らしを綴ってもらい、たくさんの京都をお裾分けしてもらった。その季節だからこそ語れることがあった。

二十四節気がぐるっと一周して、先日、最後のコラム公開が終わった。一年間、暦に合わせて公開できた安堵と、これから新しい記事は公開されない寂しさが入り混じっている。

移住計画のサイトを訪れてくれる人にも、京都の暮らしをお裾分けできたらいいなと思っていたけど、実際どうだったんだろう。メンバーに出会うことがあれば、ぜひ教えてほしい。

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