弁当でみんなを笑顔に!

“人”に支えられて30年

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「朝焼けの蛤御門」「いにしえの極上大文字」「雨上がりの嵯峨野路」「ほぐし絵の西陣」「祇園祭りあとの余韻」———京都各地の地名や行事をイメージした数十種類に及ぶ色鮮やかな仕出し弁当やオードブル。

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製造・販売を手がけているのは、伏見に拠点を置くロンドフードサービス(株)だ。2016年に創業30周年を迎える同社は今、社長の“右腕”として一緒に走り続けてくれる人材を求めている。創業者で現会長の土高収蔵さんと、2015年に代表取締役社長に就任した息子の功陽さん、そして製造部責任者を務める永尾正和さんに、会社への思いや将来のビジョン、求める人物像について聞いた。

40歳で始めた仕出し弁当屋
 

「弁当屋でもうけようなんてアホちゃうか」。創業者の土高収蔵さんが1986年に弁当屋を始めた当初、そんなふうに笑う人もいた。だが、それまでさまざまな事業を興し、成功と失敗を経て、40歳で “弁当”を選んだのには、それなりのワケがある。

兵庫県生まれ。身振り手振りを交えながら大きな声で笑い、話す現在の収蔵さんからは想像もつかないが、幼い頃は病弱で引っ込み思案だった。「そんな性格を変えたい」と、同志社大学に入学後、演劇研究会に入部した。大学紛争が激化する時代、学友会の幹事長候補にも挙げられたが、暴力的な行為になじめず、「もっと別の形で世の中に訴える方法があるはず」と演劇の世界にのめりこんだ。卒業後も京都の劇団に入団し、在学中に結婚した妻を京都に残して、全国公演で飛び回る日々を過ごした。

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演劇漬けの日々は本当に楽しかった、と懐かしそうに笑う収蔵さん。「でもね、妻の“ヒモ”みたいな生活をしながら、“やりたいことをやるには銭が必要だ!”と気付いちゃったんですよ」。そして、25歳のときに退団。高級化粧品の販売代理店で営業の仕事を始め、万博景気のあおりで、化粧品はとぶように売れた。だが、売りっぱなしの無責任な業界の風土に嫌気がさし、2年で退職。その後、美容機材や健康器具の卸業などを手掛け、28歳のとき、長岡京の公設市場の一画でコーヒーの専門店を開業した。クッキーやデリカショップの店も兼業し、やっと軌道に乗り始めた。

しかし、開業から5年後の1980年以降、大型店が次々に進出し、公設市場の客はあっという間に減った。再建準備委員会を立ち上げて各店主たちとともにスーパーマーケットをオープンするも、7年後に倒産。時代の波には勝てなかった。

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「働く場を失ってしまいましたが、逆に気づけたこともあります。何もなくなった私から離れていく人もいた分、逆に応援してくれる人の存在がありがたくて、いろいろあったけど結局は“人”でつながっている、と思えました」。

また、スーパーでまぐろの卸業をしていたとき、老舗の有名旅館から小さな飲食店までさまざまな“食の現場”を見て、「一部の成功者しか食べられないような“ブランド”を売るのではなく、地道に働く零細企業の社員を喜ばせる商売がしたい」との思いが強まっていった。そして創設したのが、弁当屋・ロンドフードサービスだ。

「“ロンド”という名は、たくさんの担い手が一緒になって丸い輪をつくっていくイメージ。大学時代の親友で、数十年前に事故で亡くなった友人が西陣で開いた喫茶店の名前でもあります」。

ビジネスランチ

地道に働く人を笑顔にする弁当を
 

現在、従業員の数は、パート・アルバイトを含めて85人。多い時には1日5,500食の仕出し弁当を製造し、京都市内を中心に600社以上の事業者に配達している。最近では、高齢者向けに特殊加工した弁当を通じて地域で暮らす高齢者の安否確認や、カフェの運営にも力を入れている。新規メニューの開発やイベントへの出展など新しいアイデアとともに革新を繰り返してきたロンドフードサービスだが、30年前の開業から10年は「苦難の連続だった」という。

1986年、伏見の羽束師にある運転免許試験場前で倉庫を建てて、1食480円の弁当を販売。「初日は1日150食ほど売れ、定期的に注文してくれる人が少しずつ増えていきました。でも、なかなか長く働き続けてくれる人材が定着しなくてね」。収蔵さんは、学歴や経歴にこだわらず、さまざまな立場の人の雇用に積極的だったが、遅刻やミス、事故が相次ぎ、会社の金を使い込む社員までいた。

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何もかもボロボロの状態で、「こんな自分についてくるやつなんかおらん」とあきらめの境地で身も心もつぶれかけていた時期がある。そんななか、東京の経営者との出会いが、収蔵さんに再び力を与えた。「業種転換を考え始めていた矢先でしたが、経営を一から教えてもらい、全国の弁当屋を一緒に見てまわりました。

すると、これまで続けてきた給食事業が、実は素晴らしいビジネスなんやと思い直せるようになったのです。 “食”に携わり続けたい、“顔の見える”仕事で地域の人々を支えたいという思いで、会社の運営にもう一度向き合えるようになりました」。そして、弁当作りの作業工程や販売ルートの効率化など目の前の課題を一つ一つ改善していった結果、たちまち年商が大幅にアップし、利益上昇にもつながった。

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一方、仕事を受ければ受けるほど、「力不足」を感じることが増えた。大口の契約がとれても自分たちのミスで取引が消滅することもあり、また、60歳を迎えた収蔵さんは後継者の育成も迫られていた。そこで、企業家のための経営塾「盛和塾」に、息子とともに入塾。現場の社員一人ひとりが主役となり、自主的に経営に参加する「アメーバ経営」を取り入れた。導入から2年、急な改革によって役職者が一斉に退職したり、リーマンショックの影響も受けたが、今や経営は少しずつ安定してきた。

新社長の誕生
 

2015年4月、収蔵さんは会長に就任し、息子の功陽さんに社長の座をゆずった。後継者の育成に頭を悩ます中小企業が増える昨今、父親が始めた会社を継ぐことに決めた新社長の思いとは、どのようなものなのだろう。

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「仕事やお金の問題でケンカが絶えなかった両親を見てきたので、10代の頃はぜったいに父と同じ道は歩まないと決めていました」という功陽さん。反発する気持ちが少しずつ変わってきたのは、今から10年ほど前に遡る。

高校卒業後、京都・祇園のフレンチレストラン「萬養軒」で2年ほど働き、接客などのスキルを磨いた。その後、父のすすめで、当時弁当事業で大躍進を遂げた東京の企業で、会社経営について学んだ。「社長をはじめ一緒に働く仲間のパワーに刺激され、起業や経営の厳しさと面白さを知りました。そんななか、恩師や友人から、父親の家業の継承について“一生できるかできないかのチャレンジだと思って継いでみたら”と後押しされ、心が動き始めました」。そして、2004年、父親の会社で働くため、伏見に戻ってきた。

「2世のボンボンに何ができるんや」−−予想はしていたものの、従業員たちの期待と不安を、必要以上に敏感に感じとってしまう日々。被害妄想にも近い考えが頭をかけめぐるなか、功陽さんはプレッシャーをバネに新しい取引先を次々に開拓し、常に営業トップの成績を維持してきた。また、ロンドグループの別会社で販売した弁当からウェルシュ菌が発生し、集団食中毒事件のこわさを目の当たりにする経験も。離れていく取引先は後を絶たず、特に大手企業は2度と戻ってくる気配がない。

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だが、社内では「これを機に製造過程を見直そう」という機運が高まり、保健所の指導に基づき、改めて衛生面の改革を徹底。2015年9月には、京都市が定める「京・食の安全衛生管理認証」を取得した。現在の取引先は、長年、応援してくれている中小企業をはじめ、最近では生活協同組合からの発注が増えている。今後は、売上の拡大だけでなく、バランスのとれた経営のために、新規の顧客開拓を進めているところだ。

求める人材像は“自燃性”タイプ

ようやく新しいスタートを切るタイミングが訪れた今、新社長となった功陽さんは「ともに切磋琢磨しながら会社の運営を担ってくれる意欲ある人材を増やしたい」と言う。ロンドフードサービスには、「製造」、「配送」、「営業」といった部門・職種があるが、今回は職種にこだわらず、社長の“右腕”として組織全体を引っ張ってくれるプレイングマネージャーを求めている。

「経営者としてまだまだ未熟な私は、監督者として机に座って指示を出すだけの立場ではなく、これまで以上に外に出て営業活動を進めていきます。そして、たくさんの顧客の声を聞き、多様な要望に応えていくために、社内が常に活性化し続けられるようプレイヤーの役割も果たさなければなりません。そんなとき、もし私が方向を誤ったり進むべき道が違うと感じたら、指摘してくれるような仲間がほしいのです。いつでも腹のうちを割って話し合える関係を築き、さらには社員同士も意見を言い合って互いに成長しあえる風土づくりをしていきたいと考えています」。

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淡々と、でも少しはにかみながら、会社への思いを語る功陽さん。一つ一つの言葉の行間から、会社に対する熱い思いと従業員を気遣う優しさが垣間見られるが、将来に不安がないといえば嘘になる。34歳で手にした社長の肩書きは、想像以上に重みがある。だからこそ、「これから一緒に働く仲間には、できるかぎり“自燃性”を持っていてほしい」と言う。“自燃性”とは、放っておいても自ら燃え続けることができるタイプ。

一方、“可燃性”は一瞬燃えてもすぐに消えてしまい、“他燃性”は人から言われれば燃えるタイプ。“不燃性”は何をしても燃えない。「自主的に物事を考え、自ら動いてくれる人を必要としています」。功陽さんの話を聞きながら、会長の収蔵さんが「旅館の“中居頭”さんのように、組織内の意見を調整するムードメーカーの役割を果たしてくれる人もいい」と口を挟む。

「欲張っていろいろ言いましたが、結局は誠実な人に来てほしいですね」。リーダーシップを発揮する前提として、中小企業の経営の厳しさを理解し、仕事の枠を狭めずに幅広く柔軟に動き回れるような人と、まずは信頼関係を築くことから始めたいと功陽さんは考えている。

臨機応変さが求められる現場が“楽しい”
 

ロンドフードサービスには、かつて平社員だった現・社長とともに、今のロンドフードサービスを支えてきた人がいる。製造部・責任者の永尾さんもその一人。会長曰く、永尾くんは、「口数は少ないが、一生懸命で責任感が強い。何より料理人の基礎がある」。

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関西の和食やお好み焼き屋などで、調理人として修行を積み、8年前に同社に入社した。「大小の店舗を問わずさまざまな調理の現場に携わるなか、ただ言われた料理をつくるだけでなく、経営にも携わりたいと考えていました。面接で初めて社長(現会長)に会ったとき、会社を一緒につくってほしいと言われ、やりたいことができるのではないかと可能性を感じました」。

そして、いざ入社してみると、弁当製造の仕事は、単調な仕事のように見えて、実にアクティブで臨機応変な対応が求められる。しかし、それが永尾さんにとって、楽しい。「変化を求められる社風のなかで仕事をするのは、大変な面もありますが、やりがいがあります。職種にこだわらずやりたいことに挑戦させてもらえる雰囲気もあり、自身を成長させられる場所があります」と言う。

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「会長と社長の意見が異なり、まだ時々現場を混乱させることもありますが、組織そのものは着実に良い方向に向かっていると思います」。いつかは自分の店を持ちたいという夢があるが、「しばらくはまだここでやりたいこと、やらないといけないことがありますから」と笑う。

一通り取材を終えて社内を案内してもらうと、会社を上げて取り組みがあちらこちらに見受けられた。会社の目標や企業理念などの考え方の見える化はもちろん、売上などの経営状況なども現場社員が見えるようにしていくことで、経営感覚を持ってもらうようにしているそうだ。

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さらには社員同士の普段の何気ない普段の行動にも目配りや気配りができるようにと導入さてているものがあり、サンクスカードもそんな取り組みの一つ。働くは「傍(はた)を楽(らく)にする」という言葉もある通り、自分の仕事が誰を楽にしているのか?を意識しながら仕事ができる環境があるように思えた。

まるで“父親”のように厳しく、優しく、そしてアグレッシブな会長と、社員と同じ目線で慎重かつ着実に物事を進めていく新社長——一見異なるタイプの二人だが、安心で安全な“食”を届け、たくさんの人を笑顔にしたいという思いは同じ。食べてくれるお客さまをはじめ、たくさんの人とのつながりが、30年以上続く仕出し弁当屋の原動力となっている。「食に携わりたい」「顔の見える仕事がしたい」など、さまざまな思いを持つ人が集まる同社で、人との縁やつながりが生み出すビジネスの魅力を体感し、一緒に成長していく道を探ってみませんか。

求人募集要項
企業名・団体名ロンドフードサービス株式会社
募集職種①営業(幹部候補)
②製造(工場長)
③配送責任者(店長候補) 
④購買・商品開発(責任者)
雇用形態正社員(※試用期間あり)
仕事内容①営業(幹部候補)
日配給食弁当の新規客の開拓・各企業、各高齢者施設への昼食提案・試食キャンペーンの企画・顧客訪問   

②製造(工場長)
日配弁当の仕込み、調理・会議用弁当、オードブルの仕込み調理

③配送責任者(店長候補)
日配給食弁当の配達、顧客管理、コース管理、売り上げ管理

④購買・商品開発(責任者)  
食材の仕入れ、購買管理、業者との交渉、新商品の開発     
給与月給20万円-40万円  
(試用期間:3~6ヶ月、日給8000~10000円)
経験・スキル等を考慮し、面談の上決定します。
勤務地下鳥羽—(本社)、淀美豆—(淀工場) 
主たる勤務先は面接時に説明します。
勤務時間①営業(幹部候補)
7:00~16:00/8:00〜17:00
 
②製造(工場長)
3:00~12:00/4:00~13:00 

③配送責任者(店長候補)
6:30~15:30/7:00〜16:00 

④購買・商品開発(責任者)
6:30~15:30/7:00~16:00 
休日・休暇週40時間勤務、但し休日・休暇は応募職種により異なる。
年末年始休暇、有給休暇、特別休暇
応募資格・選考基準①営業(幹部候補)
高卒以上、営業経験 

②製造(工場長)
高卒以上

③配送責任者(店長候補)
高卒以上、調理経験 

④購買・商品開発(責任者)
高卒以上
その他社会保険完備
作業服貸与、食事補助
③は無事故手当ての支給
選考プロセス書類選考(履歴書、職務経歴書)

一次面接

二次面接(見学)

採用

※求人内容についてご不明な点等ございましたら、エントリーフォームより直接メッセージ頂くようお願い致します。

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