合理的に非合理な環境をつくる

ロフトワーク京都ブランチの現在地

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株式会社ロフトワーク(以下、ロフトワーク)はクリエイターとのオープンコラボレーションや、グローバルに展開するデジタルものづくりカフェFabCafe、クリエイティブな視点で飛騨の森に新しい価値を生み出す「飛騨の森でクマは踊る」などで注目を集めている企業です。2018年1月で社員数は102人、そのうち46名がディレクターです。

今回の募集はそのロフトワークの京都ブランチからプロデューサー、ディレクターに関する求人です。シニアディレクターの川上直記さん、プロデューサーの松岡大輔さん、京都ブランチ事業責任者の寺井翔茉さんに、仕事の進め方や大事にしたいことを聞いてきました。

まずは寺井さんにロフトワークという会社について伺いました。

寺井さん:ロフトワークはプロジェクトマネジメントとクリエイティブディレクションのプロ集団です。そのスタイルとしてオープンコラボレーションの手法をとったり、制作の分野が特定のものに縛られないという特徴があります。

なぜなら社内にデザイナーはいなくて、プロジェクトごとに社外のデザイナーと仲間”になります。ディレクターはそのチームを率いていくので、アウトプットのかたちはプロジェクトによって異なります。

2000年に立ち上がったロフトワークの当初のミッションは「クリエイティブの流通」。クリエイターのポートフォリオを掲載したサイトloftwork.com(2018年4月よりAWRD)の運営からはじまり、サイトを運営しながら、さまざまな受託の仕事を増やしていきました。


会社の成長にともない2017年10月の大きな体制変更の中で、3つの事業部が生まれます。ひとつは京都ブランチ。もうひとつはLAYOUTと呼ばれる“空間”と“エクスペリエンス設計”をテーマとする事業、そしてFabCafeです。その流れの中で寺井さんの本社渋谷から京都への異動がありました。

寺井さん:僕自身が京都出身であり、京都オフィスの大黒柱の川上さんが元々メンターというつながりもあり、それまでに石垣島の名産品をつくるプロジェクト「USIO Design Project」など地域のプロジェクトをやってきたというのもあって。いろいろタイミングが重なってオファーを受け、2017年10月に引っ越してきました。

イベントからコミュニティへ

2011年に設立した四条烏丸のCOCON KARASUMAのオフィスから、2015年冬に京阪五条駅近くに拠点を移し、MTRL KYOTO(マテリアル京都)と呼ばれるドロップイン型のクリエイティブラウンジが生まれます。今回の取材もその2階のコワーキングスペースでお話を聞くことになりました。

ここは築110年の京都の町屋を改装してつくられた建物で、建屋全体をマテリアル京都と呼び、1階のカフェではお茶を愉しむ人もいれば、奥ではものづくりやプロトタイピング、打合せ、イベント、プレゼンテーションなどさまざまな用途で利用されています。

マテリアル京都は国内外からさまざまな素材=マテリアルを集め、それをクリエイターに開示していくことで新しいものづくりが生まれることを期待しようという実験の場所です。

寺井さん:ロフトワーク京都のビジネスをもっとスケールアップさせて、クオリティを高めていくことが僕のミッションです。マテリアル京都をオープンして2年、年間で1万人が訪れるスペースとして育ってはきています。

今大事なのは、「素材」というコンセプトを体現したサービスとしてビジネスモデルを再調整していくこと。マテリアルとロフトワークの事業を別々に走らせるのではなくて、両方がシナジーのある状態にすることで、螺旋階段をあがっていけるような状態に統合していくのが目標です。

振り返ってみるとびっくりしたんですが、年間で約100件もイベントを開催していました。

建築家や伝統工芸の職人、会社員の方なども足を運び、そこで出会った人たちが面白がって何かクリエイティブなものが生まれる場所になればと考え、実際さまざまなプロジェクトが生まれています。

大きな建材メーカーのR&D部門の方々が3日間缶詰になってプロトタイピングしたり、家電メーカーが試作品を試す場になるなど、マテリアル京都はさまざまな用途で活用されています。

川上さん:「イベントからコミュニティへ」がテーマです。ロフトワークはこれまでオンラインでポートフォリオを充実させ、OpenCUという学びのプラットフォームをつくり、ワールドワイドなFabCafeをつくりました。やはり場所に人が集まって、そこから広がっていく流れにインパクトと面白みを感じています。

東京以外の土地でその流れを広げようという思いから、京都にオフィスを開設しました。歴史もありながら、革新的なチャレンジをする企業が多く、また学生や海外からの旅行客も多い街。大阪ほど大きなパイではなくて、よい感じのコミュニティが集まっているという意味でも可能性を感じていました。

松岡さん:寺井が渋谷から京都の責任者として赴任したことで、今までどうしても物理的な距離があった渋谷との情報共有が、よりスムーズになったと感じています。

2008年に新卒入社した寺井さんはもともとディレクターとして渋谷で幅広い分野で活躍し、ゼネラリストとして立ち回っていたため、渋谷オフィスのだいたいのメンバーと仕事経験があります。

そのため、この仕事は誰をつなげばうまくいくか、という勘が働くそうです。東京から京都へ来た印象はどんなものだったのでしょうか。

東京時代、ロフトワークのクリスマスパーティにて(寺井さん:下左)

寺井さん:東京だけを拠点にこの先30年生きて行くイメージが湧きませんでした。刺激的で大好きなまちですけど、この先ずっと暮らし続けますかと聞かれると違う気がしました。

東京のように情報やクリエイターが溢れかえっている場所ではないところで、どれだけ自分が成果を出せるのか挑戦してみたい思いがあったと寺井さんは振り返ります。

寺井さん:京都ってちょうどいいサイズで都会でありつつも自然が近くて、ご飯もおいしい。僕にとってはバランスが良く感じました。いきなり地方に移るってこわいじゃないですか。田舎暮らしに憧れつつも、都会的なカフェやコンビニなどは近所にあったほうがいいですし。

論理だけではなく感覚も信じて

2006年に入社したシニアディレクターの川上さんは京都ブランチの立ち上げで京都に来られたひとりです。

川上さん:2011年のある朝の全社ミーティングで、急に社長の諏訪が『京都にオフィスをつくろうと思うんだけど、行きたい人挙手!』と言いまして。それで三人手を挙げました。

そこから京都で土地勘も無い中、諏訪がオフィス探しをするわけなんですが、COCON KARASUMAに決まった理由が実は変わってて、「床」なんです。1階の敷地の、見た事が無い種類の不揃いの木材を職人が手作業でつくられた重厚な床。それに諏訪が惚れ込みました。

これは繰り返しお話しますが、ロフトワークは効率とか論理的とかというところだけでなく、直感や偶然性、ご縁も大事にするところがあって。論理的な思考も求められるけど、そういったことも楽しめる人が合っているように思います。

採用活動を続け、2〜3年ほど経過すると烏丸(京都)だけで案件が生まれるようになり、少しずつ回せるようになったと言います。

柔軟に変わるポジションや働き方

ディレクターの話に戻しますと、現在、京都ブランチの社員は12人中、ディレクターは5〜6人です。プロジェクトは主に、Webサイトからの問い合わせや既存クライアントからのリピート紹介、マテリアル京都を利用している方からの相談からはじまります。

松岡さんのようなプロデューサーがクライアントの要望や課題をヒアリングし、本質的な課題を整理した上で提案を行います。受注後はシニアディレクターの川上さんと相談の上、プロジェクトマネージャーとなるディレクターをアサインします。

松岡さん:週一回のマーケティングミーティングでは、提案プロジェクトの最新状況(ヒアリング段階なのか提案段階なのかなど)をメンバーに共有しています。

もちろんただ情報共有するわけではなく、メンバーと一緒にプロジェクトの可能性や新しいアイデアを考えることで、提案の幅を広げる目的もあります。時にはそのままブレストに突入することも。

その後、クリエーターなど外部パートナーを含めたチームが生まれ、プロジェクトがはじまります。寺井さんによれば、役職、職種にはわかれているものの、チームの組み方など柔軟にかえていくことはあり、寺井さんや松岡さんがディレクターとしてプロジェクトに入ることもあり、状況に応じて変わっていくそうです。

寺井さん:職種によって分けることはなく、むしろ何が得意かということで入ることが多いですね。

自分の暮らしや世の中とつながる仕事

川上さんは世の中の多種多様な課題に触れる機会が多いことがロフトワークの仕事のやりがいだと実感されているようです。

川上さん:ロフトワークに入社してから二人のこどもが生まれて、やっぱり未来は明るいほうがいいなと思う中で、世の中にいろんな接点が持てて、クライアントと一緒にプロジェクトを通じてアクションを起こせる仕事ってやりがいがあるなと思っていています。

社会課題のバリエーションも深さもロフトワークはどんどん増えてきています。

経済産業省と実施した「高齢化」についてのデザインリサーチ健康や教育、お金に関するテーマなど、すべての企業の課題のバックグラウンドは、さまざまな生活に近いところの課題につながってくるため、当事者としてもディレクションする人間として関われるのは面白いと川上さんは言います。

一方で毎回テーマが違うため、インプットも毎回大変で、また考える上でのバイアスを意識的に取り除くことも必要なのだとか。

川上さん:プロジェクトとしてよい成果を生むには、発注者と受託者という関係ではなく、一緒にチームとなって進めていけることがポイントになってきます。リスペクトしあいながら言いたいことも言い合えるのが理想です。

クライアント/ロフトワーク/クリエイター、各々の強みを持ち寄って、様々な課題を乗り越えていきます。それを可能にするためにプロジェクトをデザインすることがロフトワークのミッションでもあります。

就業時間は川上さんの場合、朝9時から夕方6時。育児があるため規定より1時間出社と退社を早くしています。育児休暇もありライフステージに合わせた働きやすい環境が整っています。

またロフトワークでの仕事の他に劇作家やオンラインメディアを運営しながら働くスタッフもおり、スキルや実績があれば働き方は柔軟に調整も可能だと言います。

共創を通じたチームづくり

2015年に入社した松岡さんはプロデューサーとして仕事をすすめる中で、大事にしていることがあります。

松岡さん:川上が言っていたように、ロフトワークのプロジェクトはチームとしてそれぞれの強みを発揮できるよう、プロジェクトをデザインするのですが、その部分は序盤の提案段階でもクライアントさんにお伝えするようにしています。

やはりロフトワークのプロジェクトとして重要な部分であり、制作物の話だけではなくプロジェクトに対する考え方についても理解してもらいたいと松岡さんは付け加えます。

松岡さん:もうひとつは『クライアントの課題に対して、僕らの提案している内容は最終的に「何ができる」だけではなく、何をするために必要なのかの説明を含めて提案するようにしています。

スタンスとしては共創の考え方が根底にあり、なぜロフトワークがこのような提案をするのか、についてもしっかり伝えたい、お客様と互いにひとつのゴールに向けて考えられるチームをつくりたいという思いがあるようです。

良いものつくるときには制作側だけが頑張ればいいというものではなく、垣根を越えたチームでそれぞれの力が発揮されないといけないという考えは、ロフトワークに転職する前よりも入社してからの方が、より意識するようになったと松岡さんは振り返ります。

ロフトワークで働いてから、熱量を持ったクライアントさんと一緒にプロジェクトを進める事も多く、その中の体験から気付きがあったそうです。

前職でもWeb制作会社で働いていたという松岡さん。ロフトワークのルールはこれまでの職場とやり方や進め方が違うのでしょうか。

松岡さん:最初に感じたのは、プロジェクトマネジメントについて書かれたPMBOK(ピンボック/世界準のプロジェクトマネジメント知識体系)の考え方でした。

前職ではプロジェクトを進める上で「何をポイントとして抑えるべき」という視点は人それぞれで、ナレッジの共有も難しいので、どうしても人に依存している部分が多かったです。

ロフトワークではPMBOKを前提としたプロジェクト設計を行うので、さすがプロジェクトマネジメントに特化した会社だ!と感じましたね。その他にもドキュメントの種類(企画書・クリエイティブコンセプト・デザインコンセプト・WBS(作業分解構成図)など)の多さと精度の高さは特徴的だと感じます。

自分の成長に対してチャレンジできる

川上さんは2011年から、ずっと京都の採用に携わってきました。

川上さん:採用においてロフトワークが意識しているのは多様性です。経験豊富なWebディレクターばかりを求めているのではなく、これまでの経験やバックグラウンドが何かに活きるのではないか?チームによい刺激をもたらすのではないか?

そんな視点を持って、その時点で成長した姿が描ききれなくても、チャレンジしてみることはあります。そのあたりは合理的に非合理なことをしているという感じでしょうか。

川上さんは面接で必ず伝えるようにしていることがあります。

ひとつは、前半にもお伝えした論理思考を大事にしつつ、そうじゃない偶然性やイレギュラーも前向きに楽しめること。好奇心旺盛な人はよい刺激は得られると伝えています。

もうひとつは、いろんな意味で自由であること。分かりやすいレールは敷かれていないため、自分で自分の成長に対してチャレンジできる人が向いていると伝えているそうです。

入社前に空気感を感じてみる

松岡さんは中途採用です。転職前は大阪の制作会社でこのままWebをやっていくのか、それとも領域を広げるのか、という心境だったそうです。

松岡さん:前職の時、何か一緒にできればとロフトワークに挨拶に行ったんですが、対応してくれたのが川上さんでした。その時話したのがきっかけで、そこからちょくちょくイベントに顔を出すようになり、ロフトワークへの興味が膨らんでいきました。

そしてそこから1年後くらいに川上さんの「折り紙つき採用」で入社することになりました。

松岡さん:川上さんから「折り紙採用を書きますよ」と言ってもらってたんですが、当時僕が大きい案件に関わっていた事もあり、結果1年くらい調整をして入社をしました。ただ、何回かイベントに参加していたこともあって入社してからのギャップはあまり感じませんでしたね。

求職者はイベントに一度足を運んでみるのが良いと松岡さんは言います。

松岡さん:僕自身がそうだったし、ロフトワークって外から完璧に見るのは難しいと思うんですよ。中で何が起こっているのか、は働く環境を選ぶ上で大事な部分なので、イベントで社員をつかまえて話を聞くのが一番はやい。「ロフトワークがどんな会社なのか」を体感するためにはイベントに参加するのがわかりやすいと思います。

寺井さん:この前京都で面接した人はFabCafe Hidaに行ってきたと話していましたね。渋谷や台湾や香港など、旅のついでとかに寄ってほしいですね。

いかがでしたでしょうか。様々な企業や社会の課題に対して好奇心を持ち、適切なチームを作りクリエイティブの力で解決していくこと、表現していくことに喜びや熱量を感じる人にとっては、きっと未知数の可能性を秘めた環境です。その可能性の一端にふれに、まずはロフトワークのイベントを覗いてみてください。

求人募集要項
企業名・団体名株式会社ロフトワーク
募集職種クリエイティブディレクター/プロデューサー
雇用形態・正社員(3ヶ月の試用期間があります)
・裁量労働制 1日8時間 (10:00〜19:00)
・年棒制
※経験や能力を考慮の上、決定します
仕事内容・クライアントの課題に応じたクリエイティブ・プロジェクトの企画および実施
・各種リサーチを用いての課題の詳細化〜コンセプトおよび戦略の策定
・各種制作物(Web、アプリ、動画、印刷物、プロダクト、空間)の企画・ディレクション
・プロジェクト内でのクライアントやクリエイターを交えてのデザインキャンプ、ワークショップの企画・実施
・各種イベント、アワードの企画、実施
給与給与は、経験・スキル・前給等を考慮し、面談の上決定します。
交通費全支給、社会保険完備、その他当社規定によります。
勤務地・京都オフィス 京都市下京区富小路通五条下​ル本塩竈町​554
・渋谷オフィス 東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア
※勤務地は相談のうえ決定します。
勤務時間10時〜19時
※時短勤務等は相談のうえ決定します。
休日・休暇週休2日制(土日祝)/ 年次有給休暇 / 年末年始休暇 / 産前産後休暇 / 育児休暇/ 介護休暇 / 慶弔休暇
応募資格・選考基準・学歴は不問
・24 – 40歳位迄。
・未経験者可
※ディレクション/編集/マネジメント/クリエイティブ業界等の経験者は当社規定にて優遇します

※新卒一括採用は行っていませんが、学生インターン・アルバイトから入社した方、留学から帰国して入社した方、第二新卒の方など、社会人未経験で入社した方も多くいますので、まずはご応募ください。
選考プロセス書類選考

面接(2〜3回)

採用

※ロフトワーク社員による紹介制度「折り紙付き採用」もあります。
※遠方の方はオンラインでの面接も可能です。

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