製材から販売まで

家づくりから第一次産業を守る

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家を買う。
その人生で一回あるかないかの出来事に、日本のどれだけの人が、どんな価値基準で購入を決断しているのでしょうか。きっと、金額や広さ、環境など今までと変わらない家選びで済ませてしまう方が多いのではないでしょうか。

一生で一番高い買い物。せっかくなら、その背景を知りつくし、ストーリーで買うという選択があっても良いと思うんです。

「極端な話、青川さん(社長)は家を売っていないんですね。」
お話をお聞きしていると、ついそんな言葉が出てしまう、そんな物語です。



一見ログハウスかと見間違うほど、木がふんだんに使われた一軒家。この家をつくったのは株式会社きーてらすという会社です。「つくった」と一言で言っても、製材から建築設計・施工、住んだ後のメンテナンスまで全て一貫してつくられているのが特徴です。

そして、この会社をつくられたのが、代表の青川さん。ご家族がされていた会社で役職を持って働かれていたのですが、それを辞めてまでこの事業を始められました。青川さんをそこまで突き動したものは何だったんでしょうか。

「親戚の製材所に行ってやってみた製材が、とにかくおもしろかったんです。それから毎日四年間、京都から奈良まで通って。ずっと夢中で、周りに引かれるくらい通っていました。」

製材には手作業の皮むきから丸太を切って乾燥させるまで、様々な工程があります。それを4年がかりで全部でき
るよう習得したんだそう。

「吉野の木は他の産地と違って、色つやが全然違うんです。断面がピンク色で、切った瞬間の香りも良いんです。やっぱり丸太を切るときが一番テンション上がりますね。」

本物の木に触れるなかで、本物の木の良さを伝えたい。青川さんはもともと設計士として独立を考えていたのですが、この出会いを境に、良い木を使った家づくりへとシフトします。

通常の木の流通方法では、問屋や製材所を経由する間に高騰する。そんな状況を変えたいと考えた青川さんは、自ら山へ足を運び、山師(*)に直接交渉して木を購入。そのため、ヒノキをふんだんに使った木の家であっても、適切な価格で商品化することに成功しました。そうすることで、木を作っている人にも適切な金額を支払えるようになります。奈良に製材所も自社で所有し、青川さんの木への愛が、熟練の方々の雇用や第一次産業を守ることまで拡がっているのです。

住まい手としてそのストーリーの最後を担えると思うと、家を買う感覚ではなくストーリーを買っている感覚。それってすごく魅力的ですよね。

もうすこし、木へのこだわりを聞いてみましょう。
「木って若くても歳いっても、子育てしてても、ずっと好きでいれるものじゃないですか。」

家に使っているのは、全て奈良の吉野の無垢材。吉野地方川上村の杉は、普通の木よりも目が詰まっていて強さとしなりがあるんだそう。時間をかけて木材を自然乾燥させていることも、きーてらすのこだわりのひとつ。日本の木の8割は高速で蒸しあげて乾燥させるのに対し、35度でじっくり低温乾燥させる。そうすることで古代から伝統的に使われてきた木の材同様、300年持つ。

そして香りも変わってくるんだそう。玄関を入った瞬間、癒されるというか安心する香りに包まれます。
「僕らとしてはちゃんとした木を分かって使ってもらいたいんです。せっかく日本にいるんやから、日本の木を体感してほしいんです。あとヒノキは、強度はもちろんのこと、ダニやアトピー対策にも良いんでお子さんがいる家庭にはぴったりですね。」

普段、きーてらすさんは注文住宅もされているのですが、家を頼まれる方はどんな方なのでしょうか。

「周りの建売と比べると高いと言われるんですが、実際に見てもらうと、今まで描いていた家とは違う想いが出てきて、お客さんが夢を持たれるんです。あと、サラリーマンだけど半農のような畑を持つ暮らしに憧れる人も多いですね。要は、ライフスタイルを重視する人が多いんです。」
たしかに、実際に体験してみると建売という概念が崩れ、注文住宅以上の質の高さを感じます。

そこで、きーてらすでは、この家を家族で一日体験できる取り組みを行っています。広いデッキでBBQをしたり、青川さん一押しの薪ストーブの前で読書してみたり。
きーてらす「一日住む」詳細

暮らしを疑似体験できるのは大きいです。私たちも行ってみて思いましたが、これは実際に体験してみないと分からない豊かさです。

最後に、どんな方に買って住んでもらいたいのでしょうか。青川さんと一緒にお仕事をされている尾﨑さんに伺いました。

「今の生活って、人工の物ばかりじゃないですか。でも、世の中の流れとしても、きちんとお金をかけるところはかけて安くていいものは安くという価値観に、今の消費者は変わってきてると思うんです。そう思ってる人には僕らの家は伝わるし、住みよいんじゃないかと思います。」

この“ライフスタイルを大事に、物の価値を見て買う”という価値観、まさに京都に移住したいという皆さんのなかに共感する方が多いと思います。

建売でも家のストーリーを買うことができる。家を買うことが、遠くは第一次産業を守ることになる。そんな素敵なストーリーに入ってみませんか。

※物件の条件はこちらの物件情報詳細をご覧ください。

(*山師:立木の売買人)

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